室戸市羽根町のメガソーラー
広大な森林を伐採して開設する太陽光発電事業はエコ発電ではないし、
原発に代替する新エネルギーでもない。ただの公害事業だ。
大阪のサンユーという業者と県庁が一体となって進めた羽根町の里山に展開するメガソーラーは国が指定した砂防管理地であるから、その悪質性は際立っている。
参考資料を掲載する。
羽根町メガソーラー発電事業について学習会
羽根町メガソーラ事業対策市民会議
【市民学習会 案内】
開催期日: 月 日 時
開催場所:
当該砂防地域での開発事業には重大な違法がある
大雨が降るたびに赤木谷川や琵琶が谷川に濁流が流下していることは住民だけでなく、
県などの行政機関も確認している。飲料水が飲めなくなった事実も明らかである。
山地の開発事業では濁水が発生すること自体が許されていない。
大阪の業者による羽根のメガソーラー事業には、以下の通り重大な違反行為がある。
高知県庁(室戸市)はこれら違法行為にまともに対処せず、業者のなすがままに放置した。
住民はこれまで反対、抗議の声を上げてきたがすべて無視された。
特定業者の利益のため地元農業・漁業等に直接影響を与える里山の乱開発が許されるのか。
日常的な濁水だけでなく以上降雨など水害の不安は流域の住民に深刻である。
室戸市および奈半利町の住民には、議会や行政に働きかけるほか種々の法的手段を講ずる必要があると考える。
住民をだます数々の虚偽と乱開発の実態
1,1万立米の残土(調整池掘削による切土)の虚偽処理
業者の県への計画及び報告では
12802立米(切土) - 3352立米(盛土)=9450立米
調整池浚渫(しゅんせつ)土砂約800立米
業者の県への届け出は地元業者の土地(山鳥地区)に搬出することになっているが
⇒ これまで一握りの土も搬入されていない。(虚偽の報告)
2、森林率(国交省の基準は事業地で森林を40パーセント以上確保)
業者の県への報告では58%を超える森林残存率だという。
業者は、砂防地域の事業地面積を所有する山地の面積全体で割り算をしている。
業者の計算:67.4755㎡ ÷ 1146560㎡ = 58.85%
しかし、国の説明では事業地に残る森林を事業地の面積で割る計算式が正規。
正規の計算式:48.97ha(事業地)- 42.24ha(抜開面積)=6.73ha(残存森林)
6.73ha÷48.97ha=13.7%(平成31年2月1日 業者の県への変更許可申請書による)
実際はわずか13パーセントにすぎない。(虚偽の計算式)
⇒パネル設置面積を大幅に(10ha以上)縮小し原状(森林)回復の義務がある。
3、降水による流量計算(虚偽計算)
(国の基準では事業地と測候所との標高差が300m以上は2割~4割割増)
県が認めた業者の計算式では 460m-185m>300m とし、赤木谷山標高460m、雨量測量地185mとし国の基準値未満だという。
しかし、業者が使った測候所は室戸岬の山の上のもので国交省がいう近隣の測候所である吉良川中川、北川村野友測候所などの標高を使っていない。
中川77m、野友50mであり、いづれも標高差は300mを超えている。
⇒4割増しの流量では、赤木谷、加曽谷川、奈半利の琵琶が谷川等が耐えられるか重大な不安がある。各河川の流下能力を超える雨水流下量の増大が出てくる。
調整池の増設が必要であるが逆に 17基から⇒13基に減少させた。
4、表土の剥ぎ取り (県の説明は嘘)
住民への県及び業者の説明会では、 業者は、パネル設置の事業地全体について表土を0.5mはぎ取って地面を平らにしたと報告した。(平成29年11月26日羽根市民館)
これは開発工事の現場の実情写真や住民の目撃、業者の話と一致する。
業者の計画書、県の住民説明では、調整池掘削以外は一切、切土・盛り土はしていないというが、事業者の説明の実態が真相である。
⇒表土切土の規模は、 0.5m×40ヘクタールとすれば数十万立米に及ぶ。
大規模な違反開発と考えられる。
5、伐根
業者や県の許可では樹林については抜開しても伐根しないことになっている。
しかし、現実には抜開即伐根である。
県は、途中で伐根に変更したというが、変更の手続きをした形跡がない。
6、工程表の虚偽
国の基準では、開発工事による濁流や土砂災害を防ぐために開発行為に先んじて濁流防止対策をとること、そのため調整池や堰堤を先に建設することが定められている。
本件事業でも当初の工程表計画では、そうなっている。
しかし、実際の工程表及び業者の証言では、抜開が先行し、調整池掘削工事は、それに同時か後続している。
7、そのほか、排水施設の未設、法面の未対策、県に無届で抜開面積の拡張(追認)など違法行為の数々がある。
県は、国交省の砂防法に基づく開発基準や県の砂防指定地管理条例及び土地基本条例等に基づき、適切な措置をとるべきである。
(付記)羽根町メガソーラー事業による室戸市の税収試算
*固定資産税年間120万円
*償却資産税(17年間合計)約7億5千万円
羽根町民の犠牲の上の本件事業であるから固定資産税は別として償却資産税は羽根町の河川整備や山道整備事業費等に使うべきだろう。(文責 澤山保太郎)
羽根メガソーラー資料説明
これらの資料はすべて県庁に開示請求して開示してもらったものである。
資料1「県もここまで裸地となることは想定していなかった。」
(平成30年3月30日 羽根市民館での住民説明会での県職員の発言)
資料2、3 調整池掘削時の残土の処分場として羽根町山鳥地区の業者の土地の写真及
び業者の残土受け入れ承諾書
(平成28年8月株式会社サンユーが県に提出した補正申請書添付書類)
資料4 標高差のごまかし、事業地からの流量の割り増率を0とした。
事業地は460m、近隣の測候所は吉良川77m、北川村野友50mだから基準値300m以上 の標高差があり降雨量の1.4倍の割り増しをしなければならない。
わざわざ遠く離れた山の上の室戸岬測候所の標高を使うのはペテンである。
(平成28年2月県に提出された業者の「排水計画概要書」)
資料5、6、7 降雨量の割り増しを行わずに流量計算の結果「調整池不要」という結論を導いた。順に、赤木谷川、加僧谷川、琵琶が谷川。
(平成28年2月 サンユーが提出した排水計画概要書)
資料8 当初業者から県に提出された工程の計画書 この通りにはやっていない。
計画では、調整池や排水施設を先に工事し、それから樹木の抜開・パネル設置など の工程であったが、実際は抜開が先行、調整池や排水施設は後回しになった。
これは国の開発審査基準に真っ向から違反する。(資料13の工程表参照)
(平成28年権利者一覧表に添付されていた工程表 株式会社サンユー作成)
資料9 維持管理計画 計画通り実行するかどうかわからない。
(平成28年6月サンユーが県に提出した維持管理要領書)
資料10 中山地区飲料水供給施設の経費分担 開発によって飲料水が濁って飲めなくなっ た以上施設を新設するのは当然であるが、その費用負担が原因を作った業者が3% ちょっとしか負担しないというのは、理解できない。
自ら適切な措置を取らず業者の不法行為による被害を野放しにした付けを
県民の金で賄うというのは、許せない。(平成29年4月7日市民への面談回答)
資料11 無許可開発・追認
業者は、無許可で7.3563ha(約20%増)も造成していた。こんな無法な行
為を「指導」し、申請をさせ、追認するというのは業者と県との間に何か特別な事
情があると思われる。(平成30年6月県土木部長らの決裁書「回議書」)
資料12 虚偽の計画内容、残土の虚偽の処理計画、森林率の虚偽計算
①「計画内容」では、切・盛土による平地造成はせず」、「除根は行わない」としているが嘘であった。
②「残土量」では「場外搬出:搬出場所は別添図参照のこと」というが一握りの残土も場外に出していない。
③「森林率」では、(国の基準では、砂防地域では40%以上)
県への報告では60.87% あるというが全くの虚偽計算である。
林野庁の係官の話では 森林率の式は 事業地の中でどれだけ森林が残っているかである。事業地面積-森林抜開面積=残存森林面積 ⇒
残存森林面積÷事業地面積 が正規の計算式である。
サンユーのごまかし計算式は、 保有する山林面積(A)-事業地面積(B)=残存森林面積 残存森林面積÷保有する山林面積 としている。
そうすると、事業とは関係のないAの面積を拡大すればするほど森林率は100%に近づいてくる。
*県に報告されている実際の数値では真実の森林率の計算式は
約49ha(事業地面積)-約42ha(抜開面積)=7ha(残存森林面積)
7ha÷49ha= 約14% たったこれっぽちの森林率、許されない。
(平成30年5月 業者提出の計画説明書)
資料13 浚渫(しゅんせつ)計画(1,2年でしゅんせつ)
すでに調整池の浚渫工事が遂行されていなければならない。全体1回で1000立米ちかくある。浚渫した土砂は資料9では「場外の土捨場に搬出」となっているが、ここでは、「3工区」に保管するとしている。
(平成30年6月 業者の変更申請書の補正資料届)
資料14 実際の工程表
資料8の工程表計画と全く違っている。平成29年5月ごろには抜開が始まっている。調整池の工期は、31年2月の最終段階まで伸びている。
これは国の基準を根底から無視したもので、県も承知していた。
計画はサンユーが作り、工事施工の池田建設工業は実際の工程表を作った。
(平成29年11月頃 池田建設工業株式会社作成)
資料15、16 県の許可判断根拠のウソ
①発電用パネルの設置は現在の地形に沿って行い
②土地の造成(切土や盛土)は行わない
③樹木の伐採はするが、根を残すことにより土壌を固定し続ける。
④下草の種子吹き付けによる植生で交付による表土流出を抑制する。
⑤「伐採前と同様に土壌の保水力は残」るという。
全面的な造成と表土の剥ぎ取りにより、土は濁流となって流下した。
(平成29年3月「羽根地区で計画されている太陽光発電について県の考え方」
資料17 調整池削減
記録的な異常降雨が普通となっている現在、調整池を計画の4分の1も減らしていいのか。17基 ⇒ 13基
野放図な乱開発の事実を偽り標高差をごまかして流量を過小算定し・・・
調整池も大幅減少させた。(平成30年2月 業者の変更許可申請書)
資料18 資料12で示した資実の森林率を計算する根拠の数値がここに示されている。抜開面積は42,34ha、行為地(事業地)は48.9714ha
事業地での残る森林面積はわずか6.63haに過ぎない。
真実の森林率の計算式 6.63÷48.9714=13.5%
(平成31年2月 業者の変更許可申請書)
資料19、20 標高差の割り増しのごまかし 資料4参照
(業者が提出した「計画説明書」の「横断水路の流下能力計算」)
資料21 業者、平坦化、造成の事実を吐露
「パネル敷地の他に、作業道に支障となる箇所は伐根しました。」
「表面のふわふわしているものは取り除いています。50cm程度までです。」
サンユーやリョウマコンサルタントは住民に対し平然と伐根の事実、50cmの表土剥ぎ取りの事実を表明した。
(平成29年11月26日 住民説明会 羽根市民館)
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