東洋町不正融資事件

2016年12月 6日 (火)

裁判は続く

News & Letters/538

1000万円を貸したが、返済を拒絶されている。松延宏幸町長は、裁判所で貸付金を回収する義務はないと主張した。

1000万円はどうなるのだろうか。この馬鹿げた主張にも反論をしなければならない。
公金を貸した首長がそれを回収する義務がないなどと主張するとは予想もできないことであった。

奨学資金でもなんでも東洋町から金を借りているものは、払わなくてもいいことになるのか。

平成28年行ウ第6号 損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 東洋町長松延宏幸
         
原告準備書面(1)
 高知地方裁判所 殿
                      平成28年12月2日
原告は以下の通り弁論を準備する。
はじめに
 別件訴訟の内容と経過について

一、 債権について

普通地方自治体で問題になる税金等の滞納の扱いについては一般的にその市町村の債権を二種に分けて処理する。

一つは公債権でこれには強制徴収権(差し押さえなど自力執行権)のあるもの(地方税など)と非強制徴収権で自力徴収権のないもの(公営住宅使用料や水道料金など)がある。
今一つは、私債権で私法上の契約などに基づいて発生した債権であるが、徴収についてはこれには自力執行権は例外を除いてほとんどない。

自力執行権のない場合は、督促状を発行したり訴えを起こして公金徴収を履行しなければならないことになっている。この原則は東洋町も実行しており、論議の余地がない。
本件の場合も私債権として貸付金の回収をする手続きを踏みこれを回収することは東洋町長の義務であって、これを怠ることは、地方自治法第240条第2項に違反する。
すなわちその地方自治法は

「普通地方公共団体の長は、債権について、政令の定めるところにより、その督促、強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置を取らなければならない。」と規定し同法施行令171条(督促)、171条の2(強制執行、訴訟)の手続きを義務付けている。
平成16年4月23日最高裁第二小法廷の判例によれば、地方自治法の債権の行使については、首長の自由裁量の余地は全くないと判示されている。

二、本件債権の行使について

しかるに、被告答弁書で「東洋町が野根漁協に対して、平成23年11月に1000万円を貸付け、被告が東洋町の町長として貸し付け手続きに関与したことは認めるが、貸付金を回収する義務があることは争う。被告が負うのは、地方自治法、同施行令で規定された債権を管理することである」などというのは公職を冒涜する主張であり言語道断である。 
貸付金の回収義務は前記の通りであって被告はこれを免れない。
そもそも債権は、債務者が履行する義務があり、その債権の管理は、すなわち債務者の義務履行を管理することなのである。貸付金の債権管理とは、貸付金を債務者から回収する行為である。そのことは、地方自治法第240条の冒頭で定義づけられている。すなわち、
「債権」とは金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利である、と明記されている。
ここでいう「金銭の給付」とは本件の場合、1000万円の債務者が東洋町に弁済することであり、債権者が貸付金を回収することである。被告は債権を何か宝物か金庫のように考え、これを大事に抱えていることが自己の任務と考えているようであるが、いやしくも地方公共団体の首長として余りにも不甲斐ない認識であろう。

本件の監査請求及び訴えは、地方自治法第242条の1第1項の「違法もしくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実」に基づくものである。
すなわち違法若しくは不当に公金の徴収を怠る事実について監査請求及び訴えがなされたものである。貸付金について督促状を発しても支払わない場合、強制的に支払わせる手段を取るという意味で本件の場合も徴収という言葉が妥当である。
被告が貸付金の回収の義務がないというのであれば、その法的根拠を示すべきであろう。

三、損害の発生について

被告答弁書は、「現在、借用書(甲6)記載の東洋町が野根漁協に貸し付けた1000万
円が東洋町に弁済されていないことは事実である。しかし、将来において、東洋町が野根漁協から、1000万円の返済を受けることができないことは確定していないから、現在、東洋町に1000万円の損害は発生していない。」という。

1、高松高裁の判決文他

本件については、別件で高知地方裁判所(平成24年行ウ第7号)、高松高等裁判所(平成26年行コ第3号)、最高裁第二小法廷(平成27年行ヒ第156号)、高松高裁(平成28年行コ第8号)で裁かれており、1000万円の貸付について東洋町長松延宏幸に不法行為があり賠償責任を追及する訴訟が続いてきた。

これらの裁判で問題になったのは松延宏幸の野根漁協への本件貸付について公金支出行為の当否であるが、1審では違法性があるが、松延宏幸がその違法性を認識していなかったとし賠償責任は免じ、第二審では、違法であり故意性があったと認定し賠償責任を認定した。しかるに最高裁及び高裁での差し戻審では、違法性はなかった、合理的であったという判断が下され、現在最高裁に上告中である。
松延宏幸の本件貸付の可否についてはともかく、漁協側の返済についての態度については、最初の高松高裁の判断(平成26年12月18日判決)があるだけである。すなわち
「被控訴人は、東洋町には現実の損害がないと主張するが、2で認定したところによれば、野根漁協は本件貸付の効力自体を否定しており、今後貸付金を回収する見込みがあるとはいえず、採用することはできない。」と断じた。

この判決文(Ⅰ6頁~17頁)によれば、
「野根漁協の本件貸付当時の代表理事(組合長)である桜井菊蔵は平成24年3月の総会において、本件申請時に東洋町に差し入れた確約書に署名した理事らの義務を改選後の理事らに引き継ぐことを議題として諮ったが、本件貸付けを受ける至った本件理事会決議及び本件定款変更の手続きに瑕疵があるとの意見が出て決議に至らず、同年6月7日に代表理事を辞任し、他の理事も、松吉保彦を除き辞任した(甲21,28)

さらに、
「後任の代表理事に就任した桜井淳一は、本件貸付に至る本件理事会決議及び本件定款変更の手続きに瑕疵があるとして、本件貸付の平成25年度分200万円の償還期限である同26年3月31日を経過した後である同年5月6日、東洋町に対し、本件貸付の効力を否定する内容の文書を送付して200万円の支払いを拒絶するとともに、同年8月16日の野根漁協臨時総会において、本件貸付の効力を認めないとの結論を出した旨報告し、本件貸付の効力を争っている。」(前提事実(4)、甲35,36)
高松高裁のこの事実認定は、事後の裁判でも問題になっていない。

2、野根漁協の本件貸付金の事実を否定する理由

第一に、本件貸付金を決議した理事会の名簿が虚偽であること、正規の理事名簿(定数8名)で計算すれば、出席したという6名の理事のうち部外者(松吉保)が1名、特別利害関係人2人(親子、実弟、松吉保彦、松吉孝雄)を除けば3人(桜井菊蔵、桜井勇、井崎勝行)であり、正規の出席可能理事6人(桜井菊蔵、桜井勇、井崎勝行、桜井淳一、桜井春雄、松田博光)のうち3人出席では過半数に達していないから、その理事会は成立していない。

第二に、そもそも6人の理事が平成23年11月3日に理事会を招集し、開催した事実は存在していない。理事会を開いたことにして、後で議事録に署名しただけである。
野根漁協の特別調査報告書でも出席したという理事のうち2名(桜井勇、松吉保彦)はその日出漁していて陸にはいなかったとされている。

第三に、桜井菊蔵が本件貸付金申請の直前に組合長に選任されたという理事会は、正規に招集されたものではなく、また、議決に参加した理事のうち松吉保は理事に選出されたことは一度もない部外者である。そのものを除くと出席理事は4人しかいない。8人の理事が存在している中で、4人の出席では理事会は成立していず、桜井菊蔵は組合長にはなれない。正規の組合長でない者が、申請して借り受けた貸付金は漁協として責任を負えない。

第四に、本件貸付金を議決したとされる総会の議事録を見ても、1000万円借り入れるという文言は何も記載されていず、訳の分からない「定款変更」の話だけである。
組合員総会で1000万円を借り受けるという決議はしたことがない。
以上のような主張について松延宏幸側が反論することができるであろうか。
最高裁では、虚偽の理事名簿を提出し、特別利害関係人の計算をして乗り切ったが、野根漁協の総会でその虚偽名簿が通用するかどうか。かつて一度も正規の総会で選任されたこともない人間を3人も理事にでっちあげ(従って正規の理事3人を抹消)する行為は雲の上の最高裁や高裁では通用するが現場では笑われるだろう。例えばそのでっちあげ理事のうち一人(松吉裕也)は、野根漁協の職員である。職員は経営者である理事職を兼任できないことは自明であろう。

3、貸付金規則の実行

本件貸付は貸付規則に基づいて実行された。この貸付規則は、正規の手続きで公示されていず、無効なものであることは、第二審、最高裁でも認定され、本件貸付はいかなる規則にも基づかず、町長の裁量によって行われたとされた、という。
しかしながら、東洋町長松延宏幸は、この貸付を行うにおいて議会で本件貸付規則を示し、それが定めた手続によって貸付を行うことを言明した。
してみれば自らの裁量によって本件貸付規則に基づいて貸付を実行したということができるから、本件貸付規則の各規定に自ら拘束されるということになる。

本件貸付規則第第10条に組合及び転貸しを受けた漁業者が「貸付金を目的以外に使用したときには貸付金の一部又は全部について返済を求めることができる」と定めている。
転貸し先である松吉小敷が目的にそって漁具類を購入したという記録、これを操業で利用したという事実を証する記録は全くない。松吉小敷が1000万円の借入金で何かを購入したという形跡は全く存在せず、松吉小敷は本件借入金を受けて1年もしないうちに操業をやめたまま今日に至っている。
貸付金の使途を確認するのは被告の責務であり本件規則第12条には関係漁業者から「関係帳簿類その他必要な物件」を検査することができることになっているが、被告は全く無関心である。

目的通りの漁具の購入の事実がない、使途が不明である以上、償還期日に関わらず、規則第10条に基づいて本件貸付金の全額の返還を求めねばならなかったが、被告は何もしていない。返還金は債権であり、これを回収しないのは松延宏幸の違法行為である。

4、すでに3期分が償還期日を過ぎた
1件記録によれば、本件貸付金の償還について督促状を発行しているがすでに3期分600万円が返済期日を過ぎている。やがて残りの1期分も間もなく返済期日を過ぎても返済がされないし、最後の1期分も同じように返済され得ないだろう。
すくなくとも、これまでの3期分については地方自治法に定められた通り、債権を実行しなければならないし、公金を確保しなければならない。本件貸付金を借りた当時の漁協理事会の署名理事の中には高齢のためすでに死亡したり(2人)、漁業をやめていく者が続出している。
本件規則第11条によれば、償還期日までに支払わなかった場合10.75%の延滞金を徴収することになっている。すでに延滞金だけでも100万円を超えている。
2年後以降の延滞金は年間100万円を超えることになるだろう。

5、督促状などの送り先の誤り
被告は、督促状を野根漁協に送付して受取がなされなかったなどといっているが、
現在の野根漁協の本件貸付金についての拒絶的態度は変わらない。又その理由が存在する。
被告が償還金を請求する相手は、本件確約書に署名押印した「理事」たちである。
その理事について原告が、それらは正規の理事ではない、と主張したのに対し、被告は最高裁まで一貫してそれが正規の理事であるとして否定しなかった。

前掲高裁判決文の通り漁協総会では本件貸付金については否認された。理事会の成立も重大な疑義がある。そうである以上少なくとも総会承認のない事業についてこれを実行した責任は当時の理事に係ることは明らかである。
 その確約書(甲第3号証の1,2)によると、「3、規則に定める事項及び本確約書の履行が困難となった場合、町が法的措置(役員等の個人財産への差し押さえ、提訴等)を執行することについて、異議はありませ」と確約されていた。
被告と談合して本件貸付を実行したのは、これら確約書に署名押印した「理事」たちであることは明らかである。

支払いの通知書や督促状、また催告書を間違った者に送り続けたのでは全く無効な行為であり、送ったことにはならない。強制徴収も訴訟も相手が間違っているなら問題外である。
被告は、これらの事情はよくわかっているはずだから、督促状の送り先が借り受けた当時の理事かまたは、又貸し相手であることを知っていながら、わざと情実か何かで避けているものと考えられる。

以上の通りであるから、平成23年11月台風の災害の救済名目で出した東洋町の公金1000万円は丸ごと使途不明となり、償還期日とは関係なく全額返還されるべきものであるが、何の手続きもなされていない。また、これがまともな貸付金としても、償還期日が超過しているのに元金(3回分600万円)も延滞金もそのまま放置されている。
償還金の徴収は時効が来るまでの間にすればよい、という考えでいるが、理事会に署名押印したという理事のうち、すでに、当時組合長を名乗っていた桜井菊蔵と理事であった松吉孝雄は死亡している。次々に高齢化した関係者はこの世から去っていくのは止めようがない。時効の前に死に絶えたら徴収すべき方策がなくなる。

1000万円の公金を回収して町民のために有効に使うということでは、被告は、可及的速やかにこれを処理する義務がある。

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2016年10月 4日 (火)

東洋町長による不正融資事件

平成23年に起こった東洋町長による不正融資事件は、今二つの裁判に発展している。
一つは、原町長松延宏幸にその不正融資の責任を直接問う裁判であり、これは高知地裁(原告住民敗訴)→高松高裁(原告住民勝訴)→最高裁(原告住民敗訴)→高松高裁(原告住民敗訴)→原告住民最高裁へ上告という自体になっている。これについて上告理由書を掲載します。

上告理由の最も重要な点は、裁判所はいずれも本件貸付金の制度は一般に交付されていず無効だと判断している。

すなわち町長が一般の住民に知らせず特定の者にのみ知らせてこの制度を実行したという事実は裁判所も認容した。
そうすると、このような行政は憲法14条の平等原則に違反することになる。

もう一つの裁判は、上記の裁判で松延宏幸町長が不正融資の責任を逃れたとしても1000万円貸し付けの公金が現時点で一銭も返済されていない以上は、松延宏幸にその貸付金の回収義務は発生している。納期を過ぎた貸付金については地方自治法や町の財務規則(第30条)に基づき法的措置(差し押さえなど滞納処分)をしなければならない。
松延宏幸はこれを放置している。

現在これについては東洋町の監査請求を経て高知地裁に債権回収の怠る事実があるとして提訴している。
これについても訴状を掲載します。

平成28年(行サ)第6号
損害賠償請求行政上告提起事件
上告人 澤山保太郎
被上告人 東洋町長松延宏幸
          上告理由書
                        平成28年9月7日
最高裁判所御中
                        上告人 澤山保太郎
【一】、上訴権について

本件において平成26年12月18日の第2審高松高等裁判所の判決の後、被上告人は平成27年2月5日最高裁に上告及び上告受理申立をした。
しかしこの上告又は上告受理申立は平成14年に改正された地方自治法(242条の3「訴訟の提起」が追加された)に照らせば、最高裁がこれを受理したのは間違いであり、民事訴訟法第316条第1項第1号に該当し無効であると考える。

この主張は、上記上告及び上告受理申立に対する本件上告人(当時被上告人)の「答弁書」また、差戻し審の高松高裁での審理において主張したが、最高裁も高裁もこれについて判断をしなかった。

本件は地方自治法242条2の1項4号規定(これを単に4号規定と呼ぶ)に基づく住民訴訟であり、被告 東洋町長 松延宏幸 であって、
町長という執行機関を当事者とする訴訟という事で、町長側は応訴したことになっている。
したがって本件は応訴であるから、地方自治法第96条1項12号(訴訟の提起の議会議決 これを単に「12号規定」と呼ぶ)に該当しない、東洋町議会の議決はいらないということになる。

①応訴したということもあり、また、②「12号規定」が適用されるのは、首長ら執行機関ではなく「普通地方公共団体が当事者となる・・・訴訟の提起・・・」となっているからである。
しかし、上告人は、これまでの「4号規定」訴訟について、首長側が上訴する場合「12号規定」の適用の要否について新たなる判断が必要であると考える

理由:
1、改正される前の「4号規定」では、住民訴訟は直接首長や職員を相手に損害賠償請求の訴訟を起こすことになっていた。しかし、平成14年以降現行の「4号規定」では、「執行機関」の長や職員を当事者とする住民訴訟は、新設された242条3の2項以下の規定に見るとおり、究極的には普通地方公共団体が、首長や職員に対しての訴訟に転化することになった。すなわち住民の起こす訴訟の究極目的は当該普通地方公共団体をして、問題を起こした長や職員に対して損害賠償の訴訟を起こさせることを求めるものと変更された。住民訴訟は必ず当該普通公共団体による訴訟にまで発展するわけではないが、最終的には地方公共団体が訴訟で決着させることになった。

税金などの支払い督促は普通地方公共団体の長の事務であるが、これ自体は訴えの提起ではない。しかし、異議が出されると訴訟に移行するので議会の議決が必要とされている。(昭和59年5月31日最高裁第一小法廷判決)
地方自治法242条3の第3項で、提訴する場合には「12号規定」の議決は不要でほとんど自動的に地方公共団体が当事者とする訴訟に移行することになっている。
したがって、現行地方自治法では、「4号規定」による訴訟は、当該普通地方公共団体を当事者とすると考えられる。

2「12号規定」では、地方公共団体が提訴する場合に議会の議決が必要で応訴の場合は議会議決は不要とされている。
ところで、住民訴訟で首長や職員が訴えられて首長らが敗訴した後上訴する場合は、これは応訴でなく提訴であると考えられている。
通説(「逐条地方自治法」長野士郎著平成8年4月20日発行 学陽書房 289頁)では、「訴訟を提起された場合、その判決に不服ありとして地方公共団体が上訴する場合には議会の議決を得なければならない。」とされている。
議決を必要とするという「12号規定」は本件のような執行機関を当事者とするが、やがて当該普通公共団体を当事者として登場させる場合には、敗訴後の上訴についてはこれを適用させるべきである。
  「4号規定」の訴訟が当該普通公共団体を前面に引き出すことを目的とし、究極的には当事者として登場することになることは地方自治法第242条3の2項、3項、4項、5項の各規定から明らかであ。
従って本件は、上告提起の重要な手続きを履践していず、民事訴訟法第316号第1項1号に該当して上告を受理することは出来ないはずである。
  ちなみに、被上告人が本年2月24日に東洋町議会議長に対し、当該議決についての公文書開示請求をしたが、町議会議長は被上告人に、その公文書は存在していない、本件上告の提起及び上告受理申立てについて議会に議案を上程されていない、と回答している。

 【二】、原判決の問題点と批判

一、事件の経過

 本件は平成23年夏の台風により高知県東洋町の沿岸漁民がその漁具などを被災し、これにつて地元漁業組合(野根漁協と呼ぶ)が町役場に支援を求め、被上告人東洋町長が被災漁民のうち特定の一家に野根漁協を経由する形で1000万円を又貸し融資をした事件であるが、住民がこの融資を不正であるとして訴訟を起こしたものである。
 訴訟は町側の融資手続き上の瑕疵(特に貸付規則)と漁業組合側の借受手続上の瑕疵(特に理事会の成立)をめぐって争われた。

①第1審高知地裁判決(平成25年9月20日 棄却)では、貸付規則については公布されており瑕疵はないが、漁業組合の借受を決議した理事会の成立については、「理事会決議には手続上の瑕疵がある可能性がある。・・・上記瑕疵が組合員の総意でもって追認されたとは言い難い。・…この点において違法な公金の支出という余地がある。」と判断したが、町長側に「その違法性を認識していたと認めるに足りる証拠はない。」として住民側を敗訴とした。

②第2審高松高等裁判所判決(平成26年12月18日 1部認容)では、貸付規則は公布された事実がないとしてこれを無効とし、漁協理事会についても、決議に参加した理事6人の中に特別利害関係者が2名入っており、理事会は成立していないとしてこれを無効と判断し、町長松延宏幸に、貸し付けて返済される見込みがない1000万円全額について弁済責任を認定した。

③最高裁第二小法廷の判決(平成28年1月22日)では、町長側の上告を認め、漁協理事会は、特別利害関係者を除いて残り4人の理事の全員が賛同しており理事会は成立したとえ本件貸付規則が無効なものであっても町長の裁量で遂行したものと考えられるから本件貸付は合理的なものである、と判断し、高松高裁に差し戻した。

④差戻し高松高裁判決(平成28年7月15日判決 控訴棄却)は、上記最高裁の判決と全く同趣旨である。理事会も成立しており、貸付規則は無効であるが、貸付は町長の裁量行為で何の問題もない、というものであった。

二、差し戻し高裁判決の問題点

1、判断と事実認定の矛盾

原判決21頁上段で「本件規則は、地方自治法第16条5項において準用する4項の定める公布手続きを欠いたものであり、効力を生じていないというべきである。従って本件貸付が本件規則に基づいて行われたものということはできない。」という。
 しかし、公布手続きに瑕疵があり効力を生じていないという事実はそのとおりであるが、「本件貸付が本件規則に基づいておこなわれたということはできない」というのは事実に反するし、原判決自身の記述(原判決6頁「本件貸付に至る経緯等」)に反する。

①「東洋町議会は、・・本件規則に基づく貸付資金としての1000万円・・」6頁下段
②「野根漁協は、・・・本件規則に基づき ・・・本件申請をした。」6頁最下段
③「松延は・・・本件申請に基づき・・・野根漁協に対し、1000万円を貸し付けることを決定する旨・・・・」7頁上段
④「野根漁協は、・・・・本件規則2条(1)に基づき本件申請をするとの本件理事会決議をした。」18頁上段
⑤「東洋町議会は・・・本件規則に基づく貸付資金としての1000万円の歳出・・・」 
          18頁下段
⑥「野根漁協は・・・東洋町に対し本件申請をした。野根漁協はその際、申請書・・とともに添付書類として・・・理事会議事録、・・・確約書、・・事業計画書、・・・償還計画書・・・を提出した。」19頁下段
⑦「初回の返済まで1年以上据え置き以降5年間の分割払い」23頁下段
⑧「・・台風6号の被害復旧に限ってその資金を野根漁協に無利子で貸し付け、理事の連名による確約書の提出以外には担保を求めない・・・・」27頁中段・・・
このように、原判決の大半の頁で本件規則に基づいて貸付が行われたことを詳述している。前掲原判決の文章「本件貸付が本件規則に基づいて行われたということはできない」は、本件裁判の最も重大な事実についての認定と、判決に直結する判断が根本的に矛盾し、その矛盾について合理的な説明がなされていない。

2、無効な規則に基づき実行

本件貸付は、原判決の認定する通り、本件貸付規則に基づいて実行された。
 このことについては、第1審~最高裁に至る間、上告人も被上告人も何ら争うものではない。そして、国民の福祉に関することで民衆に公布されていない法令(条例・規則含む)は無効であり、本件貸付規則も公布されていないので無効であった。
 従って合理的に本件行政行為を理解する方式は、本件貸付は無効な規則に基づき実行された、という風に把握されねばならない

3、憲法第14条法の下の平等の否定

国民の権利や福祉に関する事業で一部の者以外は国民全般に知らされていないことを理由として無効な法令(法令の目的や様々な手続の規定を含む)だと断定されて、それが実行された事件について、裁判所はどのような判断をするべきであろうか。
 例えば国民に公布されずに何らかの新しい刑法が施行される場合、それが国民のためにいいものであれば、法務大臣の裁量権で実行され得るということになるのであろうか。
 刑罰がある法令を知らされていない国民がその法令に違反したということで罰せられるということが「合理的」だといえるであろうか。

 あるいは、国民全般には知らせず一部の者にだけ知らせて国民への新たな給付事業が実行された場合、それはいい事業であるから厚生大臣又は地方首長の裁量権でやっても構わない、ということになるのだろうか。その給付事業を定めた法令や条例規則を知らされていない国民の受ける経済的不利益、不平等な取り扱い、知らせてもらった一部の国民の不当な特権は、日本国憲法のどの条項に適い、「合理的」な行政だといえるのであろうか。
 本件の場合、貸付規則は無効であるというが、その無効の内容は、貸付規則を住民一般に知らせなかった、という無効であり、ごく一部の者にだけ知らせその者らのみに申請手続きの書類を渡して貸付事業を実施した、というものであるが、これが「合理的」であるというには、日本国憲法から法の下の平等などの基本的人権に関する憲法の規定を削除する必要があるのではないか。

 憲法第14条第1項は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と規定している。ここに列挙された人種、信条、などのほかにも例えば衆議院選挙での議員定数の不均衡(1票の価値の不平等)などが法の下の平等原則違反とされている。
 国民の福利に関する法令が、国民全般に知らされず、一部の者にだけ知らされて施行された場合、知らされなかった国民は経済的に不平等な扱いを受けたことになり、法の下の平等が拒絶されたということになる。

本件の場合も本件規則の存在が住民全般(少なくとも被害漁家全員)に知らされず、一特定漁家にのみ知らされて実行された場合、知らされなかった者については行政施策が施される機会が奪われたということになり、不当な差別を受けた、法の下の平等が侵害されたということになるであろう。
 本件貸付規則は無効であるが、事実として本件貸付はその無効な規則に基づいて手続等がなされた。無効な法令に基づく行為、法の下の平等を侵害する行為を、首長の裁量行為だと言い換えても、日本国が憲法に基づき統治されている以上、憲法違反の事実を「合理的」だなどということはできない。

三、本件理事会の不成立

 原判決は24頁~25頁において、平成23年11月3日開催の理事会について、本件についての最高裁第2小法廷判決と同じ趣旨でその有効な成立を認めた。
 しかし、第1審から最高裁、原判決に至るどの時点でも、野根漁協の理事が誰であったかについて一度も確定していない。

 原判決は、上告人が提出した書証(項39号証、33号証)について「控訴人の指摘する上記報告書中の記載は、これを裏付ける証拠がないし・・・本件理事会決議当時の理事がこの記載通りであったと認めることはできない。」といって、甲11号証、甲21号証の別紙4No1 などに署名押印している6名の理事(桜井菊蔵、井崎勝行、松吉孝雄、松吉保、桜井勇、松吉保彦)を「本件理事会の決議をしたものと認める」というのである。

上告人が出した平成23年当時の野根漁協の理事会の構成メンバーの書証は、野根漁協が作成し県庁に届けたものであって、これ以上に理事会メンバーを「裏付ける証拠」などはどこにもない。その理事や役員は平成21年6月の野根漁協の総会で選任(任期3年)されたものであって、平成22年、平成23年度に有効なものであった。任期期間中数名が辞意を表明し辞表も出していたが、新たな後任の選任行為はなされなかったから、辞表を出した理事も野根漁協定款の規定で引き続き理事の任務を果たす義務があったものである。
 原判決は、「議事録「」や「確約書」に署名押印している理事が、真実の理事であるということをいかなる証拠に基づいて判断したのであろうか。

 特別利害関係人についても松吉保彦と松吉保の二人だけしか認定していないが、松吉孝雄も融資を受けた小式網の松吉保の実弟であり明らかに特別利害関係者である。
 原判決も最高裁判決も、理事の構成メンバーについて証拠に基づいて判断をしていない。
誰が特別利害関係人なのかについても無知のまま判例を適用し、数の計算をしている。
 正規の理事会名簿について一つも審理せず、上告人の出した確定的な証拠を否定し、何の証拠もないのに一方の拵えた理事名簿を採用した原判決は、少なくとも審理不尽であり、虚偽の事実に基づく判断として非難される。

 挙げられている「議事録」や「確約書」で署名押印している理事そのものについて現在の野根漁協や上告人が、それを認めないと主張している。
野根漁協の当時の正規の理事は甲第39号証や33号証であって、その正規の理事で判断すると、特別利害人2名(松吉保彦、松吉孝雄)をのぞいて本件理事会の決議に出席できるものは6名(桜井菊蔵、井崎勝行、桜井勇、桜井淳一、桜井春雄、松田博光)であり、松吉保は正規の総会で選任された理事ではない。そのうち出席したのは桜井菊蔵、井崎勝行、桜井勇の3名にすぎず、これでは特別利害関係者を除く理事6名の過半数に達していないのである。

四、首長の裁量と法治主義

1、原判決は、本件貸付規則は無効であるが、首長の裁量権限で貸付を行ったものであるので本件貸付は適法である、とした。
しかし、いくら裁量行為であるとしても貸付けに係る公金の支出については地方自治法、各地方自治体の財務規則など厳しい規定があり、それに基づかずに公金の支出をすることは許されていない。貸付は裁量行為ではない。
 本件について最高裁が高裁に差し戻しをしたのは、最高裁が判断した事項以外のその他に違法行為がなかったかどうか審理せよということであった。
 例えば、東洋町の財務規則第39条では、支出命令をする場合には、「支出の内容を示し、債務の履行の確認を証する書類を添付しなければならない。」として貸付金の場合の添付書類としては、「貸付金の支出については、名称、金額、目的、根拠規定等の事項」を示す証拠が必要だとされている。この財務規則は全国共通のものであって貸付金の支出の際には、貸付金の根拠規定の書類すなわち貸付規則の第何条に該当するものかを示さねばならない。首長の自由裁量というわけにはいかないのである。
 
2、原判決が、「普通地方公共団体は、制定された条例、規則に基づく場合のほか、裁量により他者との間で消費貸借契約を締結することができる。」という。
 しかし、消費貸借契約であれ請負契約であれ、およそ公金の支出の原因となる行為については全て法令や条例規則に基づかねばならない。
 第一に公益目的があり、平等原則が守られ、既定の適法な手続きに従わねばならない。
 原判決が言うように制定された条例や規則があるのにこれに基づかずに、長の裁量で施策がなされてもよいということになれば、法治国家の実質がなくなってしまう。
 確かにに災害被災者を救済するのに、補助金制度を使うか、貸付金制度を使うか、あるいは別個の条例規則を作って対応するか、その内容も有利子にするか無利子にするか、
 償還期間はどの程度にするかなどは首長の裁量に任されていると言えるだろう。
 あるいは又、法令の定めや条例規則の定めがない分野の事業では、どうしても首長の裁量で事業が選択され、遂行されるという場合もあるかもしれない。
 しかし一旦、これと決めたら、その制度に関する法令、規則に従わねばならないし、なければ制定しなくてはならない。

3、憲法第31条は、「何人も、法律に定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。」と定めている。これは刑法に関することであるが、その枠を超えて法律に基づく行政行為(行政手続)一般をも規定するものと解釈されている。
 法律に基づく行政 は今日行政法学五の基本テーマであり、特に公金の支出など財務会計行為については、厳格に法律に基づいて執行されねばならない。上掲の原判決の判示は、制定された法令や条例があってもこれを無視して首長の裁量で行政を行ってもよいという途方もない無法行為の容認であり断じて許されない違憲判断である。

以上の通り原判決は憲法違反や、理由齟齬、理由不備など重大な欠陥があり、これを破棄しなければ著しく正義に反するものと思料する。

東洋町職員措置請求書
                    平成28年7月  日
東洋町監査委員殿
                    請求者
                    住所
                    氏名           職業
                        
(措置請求の趣旨)

東洋町は平成23年11月に野根漁協を介して特定漁家に対し1千万円の貸し付けを行ったが、現在において1銭の返済も受けていない。1年間の据え置き期間を置きその後毎年200万円の返済を受けることになっているが、町長はこれまでその徴収を怠り、今後もそのまま放置する可能性がある。町長松延宏幸は、速やかに本件貸付金の回収をする義務があり、そうしないなら、松延宏幸自身がこれの全額賠償責任がある。

(請求の理由)

東洋町は、平成23年11月野根漁業協同組合に対し、特定漁家に対して又貸し資金として1千万円(無利子)を貸し付けた。返済は貸し付けた年度を除外して翌年から年に200万円となっていた。新聞報道では、現在まで東洋町は貸付先関係者から1銭も返済金を徴収していない。

平成25年度から計算してもすでに4年目(24年度から計算して5年目)であり、このまま未回収では1千万円がまるごと町の損害金となる。この貸付金については現在の漁協は理事会、組合員総会で正規のものではないとして否認している。
しかし、貸付当時の漁協理事を名乗る者に責任があることは明らかであり、また、その理事の手による返済について滞納した場合法的措置を取られても構わないという「確約書」も東洋町は徴取している。

町長松延宏幸は貸付金のうち少なくとも3年度分の徴収を怠っていることは明らかであり、残る2年度分も徴収しない可能性がある。
東洋町は、すみやかに、又貸しを受けた漁家(その連帯保証人)又は当時の野根漁協理事を名乗る者らから本件1千万円の返済金を徴収するか、それともこの貸付を実行した町職員に弁済させるなど適切な措置を取る義務がある。

よって地方自治法第242条の規定に基づき、住民監査請求を行う。

 (添付書類)1、借用書
  同    2、確約書(6名分)
  同    3、確約書(2名分)
  同    4、高知新聞記事(平成28年7月16日号)

訴   状
          高知県安芸郡東洋町大字河内405番地1         
          原告 澤山 保太郎
          高知県安芸郡東洋町大字生見758番地3      
                被告 東洋町長 松延 宏幸

  損害賠償請求事件 
 訴訟物の価額 160万円
貼用印紙額  1万3000円

   【請求の趣旨】

1、被告は、東洋町長松延宏幸に対し、東洋町財務規則第30条に基づき前任の野根漁業協同組合理事らに対して貸付金1000万円の弁済を確保する法的措置(滞納処分)をとらなかったことによる損害金(少なくとも600万円)を松延宏幸が町に対して弁済することを求めよ。

2、訴訟費用は被告が負担する。
との判決を求める。

【第1、当事者】

1、 原告は、東洋町の住民であって、本件について平成28年7月19日に東洋町監査委員会に住民監査請求をし、平成28年9月15日付の請求棄却の通知を受けたものである。

2.被告東洋町長松延は、平成23年4月から現在まで東洋町長であり、本件貸付を実行し、その貸付金を回収する義務あるものである。

【第2、請求原因】

一、監査委員の請求棄却理由

前記東洋町監査委員の棄却理由によると、松延宏幸東洋町長は、
①平成25年度分、②平成26年度分、③平成27年度分について納入通知書や督促状
を野根漁業組合(以下野根漁協と呼ぶ)に書留郵便などで送付しており地方自治法240条第2項、地方自治法施行令第171条の義務を履行し、かつ東洋町財務規則第29条に基づき期限を付けて督促状を出しているから、松延宏幸に本件貸付について違法行為はない、というものである。

二、しかし、仮に、上記①、②、③、の督促等の行為が事実有効に行われたとしても、地方自治体は、滞納金についてただ督促状を発行しておればよいというものではない。
前記東洋町財務規則の第29条に続く、第30条第1項には
「歳入管理者は、前条の場合において、当該督促を受けた者が指定された期限までにその金額を納付しないときは、法第231条の第3項の規定により地方税の滞納処分の例により処分することができるものについては、速やかにその処分に着手しなければなら ない。」との規定があり、第2項には

「2 前項の場合において財産の差し押さえについては、町長が、その命じた職員をして行わせるものとする。」との規定がある。上記①,②,③についてはすでに指定した納期を過ぎているか、間もなく過ぎるものである。
東洋町財務規則第30条に基づき松延宏幸は、「地方税の滞納処分の例により」本件貸付金の滞納について処分をする義務がある。

少なくとも、平成25年度分、26年度分、27年度分、各200万円の債権について法的な滞納処分を取らないのは、違法であり、松延宏幸に弁済の義務がある。
また、28年度分、29年度分の各200万円についても督促する相手が間違っているなどの理由で回収する見込みが全くなく、回収しようとする意思さえ不明確である。
三、本件貸付金は、東洋町が、平成23年6月の台風で東洋町沿岸の多数の漁業者が甚大な被害を被り、その救済策として、被害漁具などの修繕などのために1000万円を限度とする貸付金制度を設けたものである。しかし、松延宏幸はこれを一般に公布せず野根漁協を迂回して特定一漁家にだけこの資金を全額融資することにした。

 迂回融資された漁家は、この資金を申請した通りの使途に使用した形跡は全くなく、融資金を得て間もなく漁業から手を引き、返済の意思は毛頭見せていない。
 しかし、野根漁協はこの借受けについては正規の理事会、正規の総会の決議を経過していず、返済の義務を否定していて督促状等も全て東洋町役場に返えしているとのことで、本件貸付金の弁済は全く見通しが立っていない。
四、被告は、松延宏幸が、野根漁協に対して本件貸付金について納付書や督促状等を送付したというが、野根漁協は別訴事件において本件貸付金を否認している。
実際本件貸付金について野根漁協の理事会、野根漁協の組合員総会においてこれを借り受けるという正規の決議は存在していない。後の野根漁協組合員総会においてこれを明確に否定している。

 但し、平成23年11月本件貸付金1000万円の借受けについて当時野根漁協理事会を名乗る「理事」達が、この借受け金について返済の責任を取るとの「確約書」(甲第3号証)が存在し、それによると、差し押さえなど法的措置を取られても構わないという趣旨の誓約が明記されている。松延宏幸もその「確約書」を信じて本件貸付金を融資したと推定される。

従って、松延宏幸が本件貸付金返済の督促をする相手は、1000万円の又貸しを受けた本人(松吉保、松吉保彦親子)を含む「確約書」に署名している当時の「理事」を名乗る者に対してするべきであり、そのことが分かっていながら無関係な野根漁協に対して、督促を繰り返すのは、真面目に公金の回収をする意思がないことの証左である。
従って、無関係な団体に納付書や督促状などを送ったとしてもそれらは何の意義もなく、これまで全く借金の督促をしなかったと同然であって、これからも同じである。

 【立証方法】

一、甲第1号証  監査請求書 
二、甲第2号証  監査請求棄却通知書 
三、甲第3号証  「確約書」   
  四、甲第4号証  支出命令書
  五、甲第5号証  貸付金規則
  六、甲第6号証  借用書
  七、甲第7号証  償還計画書
八、甲第8号証  東洋町財務規則(抜粋)
     【添付書類】
一、訴状副本 1通
二、甲号各証 各1通
平成28年9月  日
高知県安芸郡東洋町大字河内405番地1
                   澤山 保太郎
高知地方裁判所 御中

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