市民オンブズマンの観点

2018年6月 2日 (土)

室戸市火葬場工事の裁判は進む


News & Letters/636
平成29年行ウ第16号 損害賠償請求事件
原告 澤山 保太郎
被告 室戸市長 小松幹侍
                  平成30年4月13日
高知地方裁判所民事部合1係 御中
                  原告 澤山保太郎  
      原告準備書面(2)
原告は被告準備書面について以下の通り反論する。
一、 値上げの根拠について
1、スライドさせた物価水準は
本件訴訟の最大の争点である5000万円余の工事費追加の根拠について今回の被告準備書面(1)のどこを見ても何の説明もない。被告準備書面(1)の6頁~7頁にかけて「4請負代金の増額金額の積算根拠」及び別紙【「設計金額及び工事更生価格表」説明書】なるものを具に見ても、積算の結果の解説ばかりであって肝心のその根拠は明らかにしていない。
本件請負契約で25条の物価スライド方式というものに依拠して積算しているようなことを被告は市議会においても繰り返し、また、今回の準備書面でも「建設物価に関する一般的な統計資料」(被告準備書面6頁上段)を挙げているが、その「統計資料」については何の証拠も挙げず、言及するところもないし、また、「資材費や労務費の上昇を反映させて更生した更生設計金額であるが、そのバックデータは大量のものであるため、この「設計金額及び工事更生価格表」には示されていない」(被告準備書面11頁中段)という。肝心の建設物価の統計がどんなものか、「更生設計金額」を裏付ける「バックデータ」はどういうものか示さないとすると、被告がいう4500万円とかの算定根拠はまるで不明である。その「バックデータ」なるものが日本国の当時の物価水準の裏付けがあったものか、説明できなければ何の意味も持たない。
被告準備書面では、追加工事分などを差っ引いて計算すれば全体として「増加率は40%」(被告準備書面8頁中段)程度の値上げになっているとのことであるが、少なくとも40%にまでしたその増加率が当時の建設物価の上昇率と照らして妥当なものかどうかが問題であるが、被告はそれについては何も説明しない。日本国内で平成26年前後で40%もの建設物価の高騰があったという途方もない話は到底説明できるはずがない。
本件工事の設計を受注していた設計事務所が本件工事費追加分の計算をしてきたものだ という主張だけでは積算根拠を説明したことにはならない。法廷は議会ではない。議会は証拠がなくても議員の政治的思惑で往々にして案件を可決する場合がある。
被告らは市議会に本件工事費追加の内訳を資料(甲第10号証の2)として提出したがなぜこのような値上げが必要なのか何も合理的な説明はしなかった。
裁判に臨んでも依然として説明ができないでいる。
2、最近の議会での説明 「見積単価」で
本件工事費増額が市議会で議決されるまでは、被告は、増額分の積算の根拠については具体的な根拠を示さなかった。
最近の市議会(平成29年3月議会(甲23号証)、及び同年12月議会(甲第24号証)での被告及び当時の萩野市民課長の答弁では、「単価決定につきましては、建設物価と見積単価による単価を使用しています」と説明し、さらに「全部で設計項目が600項目ほどありまして、そのうち500項目程度を見積り単価で改めてとっておりますので、・・・」と説明している。この「見積単価」というのは、工事発注者側が設計書を作成するときにあらかじめいくつかの業者から参考として提出してもらう参考見積りの単価のことである。
原告は、この見積書について室戸市役所に対し情報開示請求をしたが、なぜか金額をすべて黒塗りにしたものしか出せない、との回答であった。
如上の最近の被告らの議会での答弁は、本件変更工事費の600項目のうち500項目がどこの誰とも知れぬ業者による見積りをもとに値段が計上されたということであって、決して本件請負契約書第25条が言う客観的な物価水準や賃金水準に拠っていなかった、ということを表明したものである。
本件請負契約第25条第1項の特約規定では、請負代金の変更を請求できるのは「国内における賃金水準又は物価水準の変動」によることが明記されている。
甲第25号証は、高知県庁で示された建設資材の価格の指数であるが平成26年前後では指数はほとんど変化がない。
何よりも、室戸市の建物の固定資産税の課税の計算式でも物件の再建築費について物価指数が使われるが、その数値は0.95(高知市に準ずるものという)であり全国的な基準値より5ポイント低いのである。室戸市の固定資産税は27年度に見直されているが、物価指数の値は変わりがない。
全国の名目・実質の賃金指数もアベノミックスによって平成26年前後は右下がりに下がっている。(甲第26号証)
そもそも川村総合は何をもって請負契約第25条の適用による契約金の変更(値上げ)を要請したのか。そして被告は何をもってその要請に応じて5000万余円も川村総合に提供したのか、その答えが最近の議会答弁であった。誰ともわからない業者が作った参考見積書に基づく、それには単価が200%も超えるものも含まれていたというのである。
その参考見積書を法廷に出すべきであろうし、被告はそれに基づいて本件工事費の増額を正直きに説明するべきである。
この値上げは、業者と被告との間の「協議」という名の純然たる談合という不法行為によって決められたというよりほかにない。
したがって本件工事費追加の5141万6226円は談合によって支出したものであるから、不法に出したものは返還してもらわねばならない。
3、施工記録がない追加工事
なお、被告準備書面の説明では、本件工事費追加分5141万6226円のなかに、残土処理、支保工などあらたな工事が含まれているという。
しかし、この追加工事分の予算についてはそれとして別個に契約変更の会計手続きがなされたという記録は示されていないし、さらに市議会に新たな予算議案として提出されていず、それとして議決されていないので無効であって違法な支出である。
被告が言う残土処理とか、支保工などについては5000万円余の増額のつじつまを合わせるために思いついて業者の言い分を聞いただけで計上したものと考えられる。
これらを本件工事費の追加の物価スライドの設計書の中にまぎれこませる手法は予算措置としては異常であり無効である。少なくともこの支出分は市長小松の職権濫用によるものであり、不法行為による別個の返還債権であって本件返還分に入る。
二、 工期延長の理由について
1 工期延長の理由、
工期延長にかかる契約変更については原告準備書面(1)では甲第8号証に基づき論じた。本件工事費の追加にかかる工期変更は甲第4号証の1及び甲第33号証(変更契約伺い書)によって説明すれば十分である。本件工期が平成26年12月27日の「基準日」にまで延長されるその延長理由が肝心であるからである。それには旧火葬場での営業は遅延の理由に入っていない。
甲第33号証の伺い文書では、工期変更理由は 
(1)造成工事の関連で基礎工事が遅れたこと
(2)人手不足、特に下請け業者の確保ができがたいこと
である。(1)についてはともかく(2)については完全に請負業者の都合によるものである。川村総合は本件工事のほとんどを自社の社員で遂行する能力がなく、主要工事のほとんど全部を下請けに丸投げ状態で遂行させてきた。
下請けの確保は川村総合が工事を受注する上で絶対的な前提条件であったが、本件も含めてほとんどそのような準備をしないで受注するから本件工事以外の他の工事でも工期の遅延は常態になっている。
この造成工事の遅延はせいぜい2か月半(平成26年3月末まで)にすぎない。(甲第12号の1)それを裏書きするように平成26年3月17日に川村総合が室戸市と交わした第1回工期変更契約書及びそれに添えられた川村総合の本件工事の「総合工程表」(甲27号証)では、工期は平成26年12月中には終了するという日程が示されている。
それ以後の本件工事の遅れはもっぱら(2)の下請け業者の確保ができなかったことに由来すると考えられる。
上記工程表のほかにそのことは「注文請書」(甲第7号証)で確認できる。元請けの川村総合が本件工事の主要部の工事で下請けを確保したのは平成27年5月以降である。
「注文請書」47件中平成26年度までに下請け契約がなされているのはわずか10件ばかりの2割強(進捗率では34%という)に過ぎない。天変地異が起こらない限り人手不足とか下請けを確保できなかった、自社では技術者がいない、などというのは受注した公共工事での工期延長の正当な理由にはなりえず、むしろ遅延損害金が発生する事案である。したがって、自己都合で遅延損害金が発生するような工期遅延によって本件請負契約第25条の期間(12か月)をクリアしたという主張は無効である。
2、火葬場への道路補強工事 
甲第34号証の工期変更最終版の決裁文書で初めて「市道椎名室戸線舗装工事」が工期延長の理由として挙がった。
原告準備書面でもふれたが、原告は道路工事関連資料の開示を得たが、この路線は火葬場に行く道路であってこの舗装工事というのは、一時的に道路のふちに鉄板を敷くというごく短期的な工事である。(甲第28号証)
これは新火葬場建築工事に絡んで重機など大型車両を搬入するのに路肩補強など必要なものだということで用が済んだらすぐ撤去されたという。
だが、問題なのは、この工事がなぜ平成27年の7月の段階までに出てきたのかである。
これは、何かの災害などの事情で道路補修工事があったのでそのため通行止めになり本件工事が遅れた、というのではなく、本件工事に使う大型車両を通行させるために行った工事なのであった。本来なら、この工事はとっくの昔に施工されるべきものであったが、本件建築主体工事が遅れているためにこの時期にまで施工する必要がなかったのである。
したがってこの道路補修工事は、工事の遅延の原因になるのではなく、川村総合が工事を延々と遅延させた結果この時期にまで補強工事が延ばされたものであって、この時期になって初めて重機などを必要とする工事をする段取りができた、これまでする必要がなかったという証拠なのである。
最初から受注した工事を遂行するスタッフを用意せず、工期を守ることなどまったく不可能であるのに市の工事の入札に参加し、落札してその工事をキープし、延々と屁理屈を並べて工事を遅らせ、あまつさえ自己のわがまま勝手を理由に、換言すれば、無法行為を理由に工事費のつりあげを請求したのである。
3、市道工事も川村総合が受注
しかも重要なのはこの市道補強工事の受注者が川村総合なのである。(甲28号証)
本件市道補強工事の契約時期は、川村総合が本件新火葬場建築主体工事で遅延している最中の平成26年11月13日で工期は翌日の26年11月14日~27年3月20日まで(実際は工期を延長しており27年7月10日)となっていた。大きな受注工事で工期が守れない業者に対し、関連があるとしても半年近くかかる別工事を発注するということは、どういうことであろうか。そのため請負契約第25条のスライド条項適用が可能となったとすれば、本件増額の理由づくりに決定的な協力をしたということでこの市道補強工事の川村総合への発注行為は官製談合そのものではないだろうか。
川村総合も被告らも、この市道補強工事を本件火葬場建築工事の遅延の理由として要請し、認容していたのである。
本件工事を受注した当時、特に平成26年度には、川村総合は本件以外に億単位の大きな工事を4件(西部給食センター建築工事、室津地区避難タワー建設工事、津呂地区避難タワー建設工事、元地区消防屯所建築工事など)も抱えていて本件工事に関与する余裕がなかったというべきであり、本件を含めこれら5件いずれとも工期が大幅に遅延していた。
このような工期を無視する無法行為を容認しそれに屈したことが請負契約第25条のスライド条項適用の期間要件を満たすことに直結したのである。
本件を含め満足に工期を守れないいくつもの大型工事を抱えている企業に次々と別工事を発注するというのは、通常の行政ではありえないことであるが、被告らは川村総合に限ってはこれを許容し、その業者のやりたい放題にしてきた。
本件の支出行為は単なる財務会計行為の間違いや瑕疵ではなく、理不尽な不法行為によるものであるから、支出したお金は返還してもらわねばならない。
三、支出負担行為及び繰越について
1、 本件に係る支出負担行為については原告は訴状での主張に追加して準備書面(1)の1枚目で新たな主張をしたが、今回の被告準備書面では、これについて一言も触れていない。
すなわち、室戸市財務規則第44条2項の規定による繰越し分の予算については、特段の支出負担行為の設定が必要とされていることについてである。
繰越しの予算についての「支出負担行為の内容を示す書類には、繰越である旨の表示をするものとする」との規定は無視していいというものではない。本件支出負担行為の文書には繰越を表記したものは存在しない。この新たな表記は軽視されるべきではない。繰越しの予算に関する支出負担行為は前年度すでに行わねばならないことはもちろんであるが、室戸市財務規則は繰越した予算についてこれを翌年度に使うものとして支出負担行為を更新する、更新したことを表示する必要性を指示するものなのである。支出負担行為の決議は前年度の決議だけでなく翌年度の分も必要だという意味なのであって、これをしなければ予算執行は無効となるということである。
2、被告準備書面は事故繰越(地自法第第220条第3項但し書き)についても原告の主張について何も言及しない。
 最初の25年度から26年度への繰越明許(地自法第213条)はともかく、法令によってさらなる繰越明許は許されないので27年度へは事故繰越を使った。がしかし、自然災害など特段の事故もないのに事故繰越をしたのはあまりにも異常であり職権乱用であろう。一業者のわがまま勝手の工事遅延を認め、1件半年程度の工期の工事を3年度(25年度、26年度、27年度)にまで渡らせる無理難題を実現するために適用が厳しい事故繰越の手法を使うことが許されるのか。
 本件工事の工期の遅延を理由とする繰越は、甲第19号証(平成22年3月財務省主計局司計課の作成になる『繰越ガイドブック』から抜粋)の事故繰越の数百事例のいづれにも該当するものはない。これも被告による職権濫用であり不法行為である
四、不法行為
1、請負契約書の履行義務 
本件工事費の追加が被告と業者間の「協議」(被告準備書面5頁)によって決められたことは争う余地はない。この「協議」の内容が本件請負契約に規定された範囲で行われたものであればともかく、それを逸脱し途方もない金額が打ち出された場合、それは談合というべきであり背任罪などの刑事犯罪に該当する行為となる。被告はこの「協議」は物価水準などに基づいてなされたというのであるが、被告も認める40%もの建設物価の上昇率は説明することは不能である。川村総合は請負金額の値上げの理由もないのにその変更(増額要求)を求め、それによって値上げ幅の協議を行い、その結果法外の契約金額の増額に成功した。このような値上げの額をどちらが提案したかは問題外である。両者が合意した事実が重要であり、被告準備書面が言うように最終的には被告側が業者に4500万円を提示したという。業者はそれに同意したがそれには消費税は別だという注文を付けたという。この4500万円の積算根拠が物価や賃金の水準など請負契約書の規定に沿うものでなければたちまち談合となり共同の不法行為となる。
  本件請負契約書は、室戸市と業者間の私法上の契約である。この契約書の各条項は双方が厳守し履行する義務がある。スライド条項を守らないなら、この契約をいったん破棄しなければならないが本件では破棄はしていない。
世間の物価や賃金水準で工事費の値上げを認めるという第25条規定は、合理的でありこれを履行しない特段の事情はない。また、これらの規定を守ることは、最小の経費で最大の効果を規定した地方自治法第2条第13項の規定にも適う。私法上の契約を無視し義務なき負担を引き受け、地方自治法の趣旨をも踏みつぶし、室戸市に多大な損害を与える行為は市長として職権乱用であり、違法かつ無効な行為である。
2、室戸市議会議員山本賢誓の陳述書によれば、実際の「協議」は被告が言うようなものではなかったという証言がある。(甲第29号証)
 川村総合から請求があったのは、市議会(甲第20号証)での林竹松議員が言うように6000万円を超えるものであり、それが5000万円程度で落ち着いたが、その過程で被告は本件工事の設計屋の杢設計事務所に3千数百万円の線の見積もりを作らせたという確かな証言がある。杢設計の社長の証言ではその見積もりをファックスで室戸市役所に送付した、という。このフアックスは担当課長萩野義興、課員濱吉ら数人の職員は確認したと市会議員に白状したとのことである。
 萩野義興元課長の証言では小松市長の指示でそのファックスの見積書をもって川村総合へ赴き3千数百万円で決着をつけようと話をしたところ、川村総合に全く取り合ってもらえず市役所に帰った。それで仕方なく被告準備書面が言う通り本件5141万円余で手を打つことになったと考えられる。
 設計事務所所長の証言では3千数百万円の見積書を作ったが、その書類はすでになく、それを作成した設計事務所の元社員はすでに退社しており、そのデータの入っているパソコンは事務所にはないとのことであった。
 また元担当課長の萩野義興の証言については原告は録音テープの提供を受けた。
3、談合について
本件における談合というのは、業者と行政機関の長との間の不法行為を内容とする話合い(協議)であるから、官製談合である。
 本件の場合、工事の途中でさしたる追加工事や工法の変更が行われたわけでなく、またそのようなものとして議会での議決もされていず、被告準備書面も認めるように少なくと40%もの物価の値上がりも根拠がなく、根拠もないまま法外な契約金の増額追加をしたことから、それでは、被告は、もともと1億5000万円ではなく2億円の請負金額として最初の入札時に提示して業者間の競争入札に付すべきものであったのではないか、という批判に答えなければならない。また工期もさしたる理由もなく1年半も遅延させたのであるから、最初から本件工事の工期は半年ではなく2年間なりとか無期限なりとかと提示して競争入札にかけるべきであったのではないか。
被告はそうせず、請負金額1億5000万、工期6か月の入札条件で、請負金額2億円、工期2年間という驚異的に有利な工事を川村総合に提供したのである。
これは、いわゆる官製談合防止法第二条第5項の四(入札談合幇助等)に該当する行為であることは明らかである。(官製談合防止法の正式名称は「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」である。)
そしてこの被告の談合行為は、他の同業事業者を不当に市場から排除する効果をもたらすことになるからいわゆる独禁法第2条5項(私的独占)にも該当し同法第3条に抵触し正常な競争入札を阻害したと考えられる。
官製談合の不法行為による公金の違法な支出金に対するその返還請求については、監査請求期間の制限はなく、裁判所の判断を受けることができる。
五、室戸市の総合評価落札方式の違法性(官製談合方式)
 公共工事では基本的に請負金額の変更は認められていない。仮にそれが認められる場合はよほどの事情の変更がなければならず、変更する場合でも、金額は本市の随意契約で許されている範囲の変更である。本件のような9か月を超える大幅な工期の遅延、工事全体の3分の2についての巨額の金額の変更がある場合は新たな入札・新たな契約が必要であって、いながら川村総合が継続的に受注することにはならない。特段の事情もないのに、契約金額を大幅に変更し、無条件で川村総合に残工事を遂行させたのは、競争入札制度を根本から破壊する行為である。
確かに請負金額の変更の特約条項(第25条)が本件請負契約書にはある。 
室戸市には、契約金変更については、他に一般的な規則や要綱は制定していない。
高知県庁の場合、建設工事について金額変更する場合は、設計変更がなければならず、
2000万円以内で元の契約金の30%を上限というガイドラインを作っているが、それはあくまでも工事についてやむを得ない事情に基づく追加的な設計変更などが前提であって、何でもないのに金額の変更などが許容されることはあり得ない。
入札のやり直しといっても室戸市の総合評価方式では川村総合ら数社が思い通りに落札できる方式が構築されている。以下の通り室戸市の総合評価方式は官製談合の一種と考えられる。甲第14号証の本件入札の「総合評価方式」で見る通り、川村総合の「施工実績」と「従事実績」の評価がダントツに高い。この書類の欄外には「平成10年4月以降に元請として完成・引渡が完了したものであること」と記載されている。
しかしこの実績は真実ではない疑いがある。
(ア)業者間の談合を看過した
本件のように発注段階で工事の内容が確定している場合は、価格による競争入札でコスト抑制が可能であるから、価格での競争がほとんど意味をなさない室戸市の総合評価落札方式を本件工事に適用するのは、地方自治法第2条第13項の最小の経費で最大の効果の規定に反している。室戸市では予定価格が公表されており、また、最低制限価格も予定価格の90%ほどと決められているから施工実績などで評価点を確保できる企業は、相手が最低制限価格の入れ札を出してもそれに勝てる入れ札を出すことができる。
ここで注目すべきは本件の入札記録(甲第14号証)では、川村総合以外の他の3社が予定価格で入札している事実である。特定業者以外の他の業者が全員予定価格で入札するというのは偶然の事件ではありえない。このことは、業者間の談合があった明白な証拠である。
このような入札状況では被告は当然価格上で談合を疑い入札のやり直しをしなければならないが、被告はこれを放置した。
(単位は百万円で2社が153.967で、あと1社が153.9である。小数点第1位までで計算されるから3社とも同じ金額の入れ札となっている)
(イ)元請けが自社で遂行した工事実績を評価すべき
総合評価方式をとるとしても施工実績は元請け自身が遂行した実績を評価すべきであって、下請けにほとんど丸投げした工事を評価の対象とするのは、総合評価方式の趣旨に反している。相手が複数企業であっても下請けへの一括丸投げは建設業法第22条で禁じられている。禁じられている一括丸投げを実績評価するのは理不尽である。
(ウ)一括丸投げの実体
元請けが下請けへ一括丸投げをしても、下請けの遂行する工事に元請け社員が実質的に関与し、指揮・監督などをしている場合は一括丸投げも違法ではないといわれる。
  しかし、本日提出する甲30号証に見る通り、本件建築工事における元請けの下請けに対する関与を示す資料は全く存在していない。甲第7号証に見るように本件工事は、川村総合が遂行したのではなく、複数の下請け業者が、被告の作成した設計書をもとに本件工事を完遂したということになる。そうすると川村総合はただの建設業の手配師のようなブローカーにすぎず、ほとんど何も仕事をしないから元請け失格企業であるというべきである。この事態は本件請負契約第6条の一括下請け禁止の条項に違反し、不法な契約違反行為である。
(エ)市契約規則違反 指名競争入札を骨抜き
  本件についての入札記録(甲14号証)では、入札参加業者は実質4社である。
室戸市には、指名入札についての契約規則(甲31号証)がある。
その第29条第1項には、指名する業者は「なるべく5人以上」と定められているが、本件を含む川村総合らが億単位の工事を受注する場合はたいがい5人未満で入札が行われている。これを指摘すると担当課員はそれは「なるべく」と書いてあるから必ずしもその規定を守らなくてもよい、などと答えている。しかし、「なるべく」という日本語は絶対不可能な場合を除いて通常実行するべき趣旨であり、ほとんど常に5人未満で、しかも室戸市内だけの企業で入札をするということが許される意味ではない。
実際川村総合の場合室戸市外の下請け企業に工事のほとんどを肩代わりさせているのであるから、県下広く一般競争入札か少なくとも室戸市内外の5社を超える企業での指名競争入札を実行すべきであった。
  室戸市の総合評価落札方式は、自ら作っている規則をも踏みにじり特定業者が落札しやすい方式に換骨奪胎されていて、これ自体官製談合そのものといえる。
(付論)
原告は、室戸市役所に対し被告準備書面(1)の主張について開示請求を行った。
次のような点について通知(甲32号証)があった。
被告準備書面(1)の5頁の
①「4500万円の増額変更による解決を打診した」という「打診」の資料は不存在。
②「4500万円での解決を承諾する旨の回答があり・・」という「回答」の資料は不存在。
③「…翌2月24日の協議」という「協議」の資料も不存在。
④被告準備書面(1)の11頁中段
「…更生設計金額であるが、そのバックデータ」についての資料は非開示。
また、旧火葬場の営業などで工事を中断したなどというが、
 ⑤ 開示資料では、工事を中断する指示についての資料は不存在ということである。
被告は、④の非開示資料は別として事実だと証明する資料もないのに間に合わせに主張していることになるのではないか。
また、④の非開示資料「バックデータ」は工事中はともかく、工事終了後までも非開示にする理由はない。

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2018年4月26日 (木)

新聞

News & Letters/629
私も新聞を発行している。「室戸市民新聞」である。「高知県民新聞」も出していたが休刊中である。
全て無料配布だ。街並みはもとより野超え山越えて室戸市内の全ての世帯を回って配布しきることを目指している。
4月11日付の新しい新聞を現在室戸市内に配布中である。幾人もの市民から「貴重な新聞だ」と励ましの声をいただいている。
私の新聞が他の新聞と違うのは、単に事実を客観的に報道するというのではない。
腐敗した地方権力の内情を暴き、打倒することを呼び掛ける実践的なものだ。その点では赤旗に似ている。
この新聞は、暴かれた事実に関係のある人にとっては憎しみの対象であろう。しかし、私は、人を憎んでやっているのではない。
関係のある人に会っても礼を尽くし、挨拶をする。その人にむしろ親しみを感ずる。
大きな事件は大概裁判にかけているから、新聞の内容は裁判の記録である。
室戸市や東洋町、高知県庁の行政が正常化すればそれでいい。人はどんな人でも尊重されねばならない。
そして、行政が正常化するためには、新聞で批判するだけではなかなか達成できない。
他の新聞と違うのは、記者である私がその行政の権力を掌握しようとしていることだ。
だから、事実の報道とそのコメントだけでなく、私の新聞ではどうすれば市民の生活が改善されるか、正しい行政とは何かを提示している。
私自身がひとり完全無欠で立派な人格者だという訳ではない。むしろ私は欠陥だらけで修行途中の身であり、毎日、失敗と後悔を繰り返しながら生活をしている。顧みれば恥じ多い人生で初めからやり直したいぐらいだ。
だから他人について個人的なスキャンダラスな事件は書けない。書くのは公の行政や議会に上った事件だけだ。
批判の相手や権力を忖度したり、また批判の相手からの攻撃を恐れて筆を曲げないことだ。
ジャーナリストでもあった若きマルクスがいうように、根本的な批判とは、批判の結果を恐れぬことだ。

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2018年2月 7日 (水)

高知大学(高知医大病院)への質問状

News & Letters/616
高知大学医学部附属病院は数年前、その薬剤発注に関する契約等において澤山らの告発を受け会計検査院が入り込みその不法行為が弾劾され、国会にまで報告された。
だが、財務担当の理事が交替するや否や、またぞろ大きな権益事業(「アメニティ施設新設」)について異常な公募をしている。
これは官製談合の疑いがある。既に大手県外企業Hの名前が取りざたされている。
応募期間が1週間という短さを一見しても明らかであろう。出来るだけ公募も公表もせず特定業者と契約したいという意図が見える。
これとおなじ調剤薬局を核とする「アメニティ施設」が滋賀医大でも建設されたが応募期間は1ヶ月であった。
 

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2017年11月23日 (木)

菅家後集

News & Letters/606
昨日公表した新火葬場をめぐる5000万円余の詐欺(背任)事件の
私の監査請求については、中川博嗣市代表監査委員らによってにべもなく却下された。
まともな連中ではない。
こういうたぐいの人間は昔も今も変わらないようだ。
 
菅原道真の「菅家後集」という漢詩集の中に
「哭奥州藤使君」というのがある。奥州で死んだ友人(藤原滋実)を道真が大宰府の配所で追悼したものだ。
その中で、当時の朝廷の官吏の腐敗(東北の民蝦夷から苛斂誅求しその財貨で買官するなど)を暴きこれに切歯扼腕している様子が表現されている。抜き書きしてみる。
僚属 銅臭多 人を鑠して骨髄を煎る
財貨に卑しい同僚は貪欲の炎で身を焼き溶かし、骨髄までも煎り焦がす)
兼金、又重裘 鷹馬相共に市う、市得於何處 多は是邊鄙に出 
(黄金や、皮衣、鷹や馬を買うが、これはいづれのところで買うのか、多くはこれ東北の辺鄙から)
  ・・・ 
  ・・・
價直は甚しく蚩眩・・・・古へ自り 夷民の變 交關に不軌を成す
(値段は蝦夷を馬鹿にしてだまし甚だしく安くたたく いにしへより蝦夷の反乱は、交易の不平等から起こった)
 ・・・・・
・・・兼贏如意指(利益を増すことは意のまま)惣領走京都(すべてを京都に持ち帰り) 豫前顔色喜(役人を喜ばし)便是買官者(官を買うのだ) 秩不知年幾(年収はいくらか計り知れず) ・・・公堂偸眼視(公で人目を盗んで合図仕合い)
欲酬他日費(他日報いることを望み) 求利失綱紀(こうして利権を求めて綱紀を踏みにじる)
官長有剛腸(剛直な上司がおれば) 不能不切歯(切歯扼腕を抑えられないだろう)
定應明糾察(定めてまさに明らかに糾察し) 屈彼無廉耻(かの廉恥無き者を屈すべし) ・・・
蝦夷からかすめ取った財貨を京都に持って帰りそれで朝廷の悪と示し合わし官を売買し贈賄行為を盛んにする。もし剛直な上官がおれば切歯扼腕し、定めて應に明に糾察して 彼の廉恥無き者を屈すべし
 
  「菅家後集」は室戸市民図書館にも飾ってある。

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2017年11月21日 (火)

室戸市の乱脈利権行政に監査請求

News & Letters/605

室戸市職員措置請求書

                   平成29年  月  日

                       請求人

 

【請求の趣旨】

室戸市が、室戸市新火葬場建築主体工事で平成28年1月15日の支出命令によって出された5141万6226円の支出は、何の根拠もなく、小松市長、請負業者の有限会社川村総合建設らによる不法行為(詐欺又は背任)によってなされたものであり、業者から返還を求めるべきものである。また、工期が20ヶ月も遅延したが、業者の都合による場合が相当あると考えられる。これによる遅延損害金も業者からとるべきである。

【請求の原因】

一、本件工事の経緯

本件工事は、室戸市が平成25年9月12日に有限会社川村総合建設(川村総合建設と呼ぶ)と建設工事請負契約を結び工期は同年10月5日~翌平成26年3月26日のものであり、請負金額は、消費税込みで1億5351万であった。

その後工期が合理的な理由もなく以下の通り次々と変更され、第3回目の変更では大幅な工事費の増額がなされた。

正規の工期:平成25年10月5日~平成26年3月26日

第1回:平成26年3月17日→平成26年12月30日に変更(約9ヶ月延長)

第2回:平成26年10月26日→平成27年3月20日(更に3ヶ月弱延長)            

第3回:平成27年2月25日→平成27年9月15日(更に5ヶ月弱延長)

        請負契約金の変更 (追加額 5141万6226円)

第4回:平成27年9月14日→平成27年11月30日まで(更に2ヶ月半延長) 

と変更された。(合計20ヶ月延長 発注から2年以上)

1億5千万円程度の請負建築工事で天災地変もないのにこのような工事の延長は異常であり、さらに、平成27年2月25日さしたる設計変更もないのに工事費の3分の1を超える増額の追加契約(支出命令平成28年1月15日)をしたが、これは市長ら関係職員と請負業者との談合によるものであり、断じて許されることではない。室戸市はこの不法行為による損害を回復する必要がある。

二、一括下請け契約の実体

1、建設業法や本件請負契約では一括下請け又は主要な工事の下請けは認められていないが、本件において川村総合建設は法律に違反して一括下請けで全工事を遂行している。政府の解説では一括下請けとは、相手が複数の場合でも該当するとされる。

2、本件工事において川村総合建設が下請けに出した全工事の費用は、下請け契約書(「注文請書」)によると、合計1億0218万7210円であり、ほかに出費する工事は存在しない。この金額は変更した工事費(293万6521円)を含めており、元の契約金1億5351万円の枠内にあり、工事費を増額させる理由はない。しかも、その工事費の増額変更は下請け工事23件のうち5件にすぎない。

 川村総合建設が下請け業者に発注したのは、契約時の平成25年度が解体工事の1件だけであり大半が27年中である。ほとんどの下請け工事契約は27年度中の半年ほどであり初めからまともな工期で仕事をする意図はなかったと考えられる。

3、議会での執行部の答弁書では、平成26年12月27日に川村総合建設から本件契約書第25条に基づいて労賃や材料費の値上げを理由とする5000万円以上の請負代金変更の請求があったという。市長らはこれに対し当初3000万円程度の増額に応じようとしたが、業者や特定議員が承知せず、本件増額に至ったという。増額契約にかかる理由や計算式も明らかになっていない。

 しかし「注文請書」によれば実際には、工事費の増額があったのは型枠工事や雑工事などの数百万円にすぎず、本体工事そのものについてはほとんど何の費用の増額の必要性もないことはあきらかだった。「注文請書」によれば下請け工事の全費用は、本件増額が市議会で議決される平成27年3月20日までには全て確定していて、元の契約金の枠内であることが分かっていた。

この下請けについての「注文請書」は業者から市役所に提出義務があり、市長や担当課長も実際の費用について認識していて本件増額が不要であることを知っていた。

三、5146万6226円の工事費増額

1、5146万6226円の工事費の追加は物価上昇による工事費の高騰などとされているが、国内に激しいインフレーションでも起こらない限り本件追加額ほどの増額(30%~40%)が必要になるはずもなく、実際下請け業者との契約ではほとんど物価上昇の影響はない。工事の遅延は大半が川村総合建設側の事情によるものであって、逆に、遅延損害金の請求権が発生する事案である。

室戸市は、本件請負契約書に基づき遅延損害金の請求を怠っている。物価上昇による工事費の変更は発注より12か月を越えなければ対象にならないが、「注文請書」の契約期日で知れるとおり川村総合建設は当初の工程どころか12か月以内に工事をしようという姿勢はなかった。25年中の下請け発注は1件にすぎず、26年中が7件だけであとはすべて27年中であった。

2、また、この5146円6226円の契約金の変更を決議する室戸市議会の状況は異常であり、一部議員の話では、業者に加担する一部有力議員が本会議や委員会で根拠もないのに工事費増額の口利き意見を出したり、また同議員が議員控室で他の市議会議員に対し「命とられるぞ」、など脅迫的言辞を繰り返し発し、増額変更を盛った市長予算議案に賛成しないと報復(殺害)するという趣旨の威迫があったという。この威迫のもとで本件予算案の議決が行われたと考えられる。脅迫のもとで行われた市議会の議決は無効であり、変更した請負契約は無効である。

四、その他の違法性

なお、本件請負契約相手を決めた室戸市の総合評価方式の選定方法は、違法なものである。川村総合建設にかかる評価点のうち「施工実績」は虚偽であって自社の実績でないもの(下請け業者のもの)を使っていた。室戸市はそれが虚偽であることを知っていて特定業者が独占できる仕様をわざと作ったのである。これによる業者選定は無効であった。なお、責任者を配置しただけでは元請けが実質的に工事に関与したとは言えない。

 また本件請負入札については、地元4社しか参加させず、規則違反が常態化している。このような違法行為を承継する本件5000万余の増額契約は無効であり、室戸市はこれにつき返還請求権という財産の管理を怠る違法行為がある。

 

  【添付書類】

1 請負契約書(当初及び変更)

2、「注文請書」(要約別紙)

3、支出命令書

4、別紙 本件「注文請書」要約

 

 本件「注文請書」要約

 (業者)     (金額)   (契約期日)     (工事内容)

1、安岡工業   4752000円  ㍻26418日    鉄筋工事

2、同上              ㍻261220日   工期変更

3、同上              ㍻27310日    工期変更

4、同上              ㍻27919日    工期変更

5、一穂     2484000円  ㍻26418日   仮設・型枠工事

6、同上              ㍻261220日    工期変更

7、橋詰建設   4654800円  ㍻2662日    建築主体工事 

8、同上     3542400円  ㍻26113日    型枠工事

9、同上      529200円  ㍻27212日  * 工期・金額変更

10、竹久建設   4104000円  ㍻266月2日     建築主体工事

11、同上      299160円  ㍻261230日  *  金額変更 

12、同上     1998000円  ㍻261220日     型枠工事

13、同上     950400円  ㍻27212日    *工期・金額変更

14、ひらく建設  3780000円  ㍻2662日     建築主体工事

15、同上     1458000円  ㍻261220日    仮設・雑工事

16、同上      369361円 ㍻261230日   *  金額変更

17、同上      788400円 ㍻27212            *     工期・金額変更                                                                               

18、石井左官工業 1144029円  ㍻27310日    左官工事

19、同上             ㍻27918日    工期変更

20、三和シャッター5724000円  ㍻27310日   金属製建具工事 

21、同上             ㍻27916日    工期変更

22、田淵工業   1266000円  ㍻27310日   左官・タイル工事

23、同上             ㍻27915日    工期変更

24、三和     4752000円  ㍻27310日     内装工事

25、同上             ㍻27917日    工期変更

26、日建商会   2484000円  ㍻27310日     断熱工事

27、同上             ㍻27918日    工期変更

28、和翔商事   2592000円  ㍻27310日    断熱工事

29、同上             ㍻27918日    工期変更

30、小松建具   4104000円  ㍻27310日    木製建具工事

31、同上             ㍻27915日    工期変更

32、西村大理石  9720000円  ㍻27310日     石工事

33、同上             ㍻27916日    工期変更

34、土佐木工所  2268000円  ㍻27310日    家具工事

35、同上              ㍻27915日   工期変更

36、谷末建装   3326400円  ㍻27310日    塗装工事

37、同上            ㍻27916日     工期変更

38、建販センター 10800000円  ㍻27310日    屋根・樋工事

39、同上            ㍻27917日    工期変更 

40、藤岡ステンレス134400円  ㍻27310日   金属工事

41、同上            ㍻27918日   工期変更

42、高南製作所  2700000円  ㍻27310日   鉄骨工事

43、徳増工業   16956000円  ㍻27310日   金属製建具工事

44、同上              ㍻27915日    工期変更

45、仙頭防水   1512000円  ㍻27310日   防水工事

46、同上             

27915日    工期変更

47、安岡重機   1785000円  ㍻251011日   解体工事

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2017年5月26日 (金)

公金で社会保険料の雇用主負担

News & Letters/568

高知県議会では人件費ということで議員や会派が雇用した職員の社会保険料(事業主負担分)も政務活動費で支払っている。
課せられた税金を税金で払うという理不尽な公金の支出は、47都道府県のうち43県が実行しているという。

高知県の場合問題は次の通り3つある。

1、政務活動費の交付権限を知事が議会事務局長に委任した。条例で知事の交付決定など行政行為はすべて事務局長の名で執行する。
その根拠は高知県会計規則第3条1項の知事の権限委任の規定だ。
しかし地方自治法での首長の委任の規定はすべて行政機関内部か、行政庁相互の間に限られ、行政庁と議決機関の間は許されない。
高知県の会計規則が違法なのである。従って議会事務局長の行為は権限の踰越であり無効な行為である。

2、政務活動費で人件費を賄うことが許されるとしても高知県の場合、雇用の実体を証する資料(雇用契約、出勤簿、業務日誌等)が全く存在しない。
  社会保険料を支払ったという領収書などが提出されているだけである

3、その社会保険料の雇用主負担分を公金で支払えと請求し、この請求を認めるというのは、憲法で定められた納税の義務に違反する。

平成29年(行ウ)第3号 損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 高知県知事 尾﨑正直外1名
   
   原告準備書面(2)
                  平成29年5月23日
高知地方裁判所 殿
                    原告 澤山保太郎

被告準備書面(1)について

はじめに 争点ぼかし
今回の被告準備書面では、原告が請求する内容についてまともに答えず、ただ、議会が勝手に作ったマニュアルについて敷衍するだけである。
社会保険料を公金でまかなうことが適法かどうか、というのが本件訴えの中心的テーマであり、それに付随してそもそも本件において人件費が認められるとしても社会保険料を含む人件費の実体について何も主張(反証)がなされていないのである。

一、本案前の申立て について

(1)ずさんな会計制度の擁護

政務活動費をめぐっては全国各地でトラブルが発生し住民の不信を買っている。
その根因は、公金の取り扱いが厳しい行政のなかでひとりこの政務活動費だけがその会計処理のずさんさ、議員任せ、使い放題の無責任体制が放置されているところにあると考えられる。今回の被告準備書面の2頁目~3頁目、5目~6頁目に繰り返し政務活動費交付の手続きが説明されているが、それによると、

A)交付までの手続き

①県議会議長が→議会事務局長(条例では知事)に交付金を受ける議員数を通知し→②議会事務局長が交付決定をし→③決定の通知を議員側に通知し→④議員側は毎四半期に交付金を議会事務局長に請求し→⑤議会事務局長は当該四半期分を満額「概算払い」をする。
B)実際の支出行為
⑥議員側はこれを消費し、→⑦消費した事実と金額を支出伝票に記載する。
C)精算
⑧議員側は、翌年の4月30日までに支出伝票と付属書類を議長に提出する。→⑨議長はこれら書類を議会事務局長に送付する。→⑩議会事務局長はこれを精査し最終的に交付額を確定する。

A、B、C①~⑩までの過程は一歩も議会(議員と議会事務局)の域を出ない、完全な議会のお手盛り体制である。
このシステムの問題点は、第一にキーマンの議会事務局長であるが、彼は職掌柄議長及び議員の下僕のようなものであるから承詔必謹であって議員の作成する「支出伝票」の当否をチェックなどできるわけがない。

これまで政務活動費の不正使用がとめどもなく明るみに出てきているが、議会事務局が摘発したということは聞いたことがない。
第二に、概算払いというが、経費について実際に何の概算もせずただ予算全額をまるごと議員側に移転するだけであり、議員が公金を預かり管理することになる。泥棒にお金を預けるという訳ではないにしても議員(身分は特別公務員であるが政治家として私人の面が強い)に公共事業にかかる公金を預ける形をとるというのは極めて危険でありトラブルを発生しやすい。予算による公金は出納室(会計管理者)が持ち出納員の審査を受けて必要(支出)に応じて支出するというのが県庁や市町村町の会計の鉄則である。高知県の会計規則には議会事務局には出納員の配置すらない。

本件交付条例には議員一人につき月に14万円(議員・会派分合わせて28万円)支給するとなっているが、政務活動に使わなかった場合は還付義務があるから、この14万円(又は28万円)は議員の収入ではなく使用限度額を示すものであり、支給されても自由処分できず預り金の性質を持つと理解される。その公金について「支出伝票」を執行機関でもない議員が作成発行してその金を使用するという異常な会計システムこそ問題である。
いづれにしても私人に近い議員に公金を預けその支出についての権限を議員に任せるのは
地方自治法第243条の1(私人の公金取り扱いの制限)に抵触するものと考える。
今回の被告の準備書面は、政務活動交付金について様々な不祥事の原因であるこのようなずさんな会計システムについて何ら反省せず、ただこれを賛美しているだけである。

(2)知事の権限と責任

 本件交付金の会計事務は会計管理者の下で正規の出納員の手によって遂行されるべきであり、交付の決定、交付額の確定、返還金の命令権限は、被告高知県知事尾﨑正直にある。
被告が強調する高知県会計規則(乙第5号証)第3条知事の権限の委任についての規定で、その委任先に教育長や県警本部長などとともに議会事務局長を指定しているが、この議会事務局長の指定は何ら法的根拠がない。

本件に関し、首長の権限行使の委任については地方自治法第153条、第180条2(第180条7も関連あり)に規定があるが、これらに規定されている委任はいづれも行政機関である知事部局の補助職員又は教育委員会や監査委員会など行政委員会に所属する職員であって、議決機関である議会及びその付属する事務局が対象にはなっていない。
議会事務局長や議会事務局職員を知事部局の職員として兼任させて首長の職務を委任することは許されていない。

上記の地方自治法の該当条文には、議会事務局への委任が明文で制禁されてはいないが、委任することができるという対象から外されている。
乙第6号証及び乙第7号証の「権限の委任」の事例は、いづれも「行政庁」であって、議決機関に対しては該当しない。

委任に関し議会について言及がないのは、法律(立法者)がうっかり没却していたのではなく、行政機関と議決機関とは基本的に癒着させず対立又は並立して互いにけん制しあうものとする建前上職員の融通をさせなかったものと解釈すべきであろう。
しかるに高知県会計規則では、政務活動費の支給に関することのみならず全般的に議会及び議会事務局の財務会計行為の知事の権限を事務局長に丸投げする規則を作ったのである。
本来なら、本件交付条例の通り、知事が交付を決定し、出納員が審査し、知事が交付額の確定を行うべきである。議会に関する会計事務は会計管理者(旧出納長)の下で配属された出納員によって遂行すべきものである。被告高知県知事尾﨑正直は違法な会計規則をつくり、自己の職責を故意に怠った違法行為の責任がある。

(3)本件概算払いの実体と違法性

被告が言う概算払いはたんに資金全額を議員の金庫に移転させただけであって具体的な経費の支弁という意味の支出行為には当たらない。
そのことについて今回の被告準備書面で「原告は、‥‥本件における違法行為を、甲第3号証で特定できる平成28年1月22日から同年3月31日までの各・・・・になされた支出行為であると特定されたが、それらの支出行為は会派及び議員が行ったものであって、住民監査請求及び住民訴訟の対象となる財務会計行為には該当しない。」(3頁後段)という。本来支出金を受け取る側の人間が、支出行為を遂行するという行為が住民監査請求や住民訴訟の対象にならないという主張にはなんの根拠もないが、被告は、本件支出行為が議員によってなされたことを自認した。「支出伝票」を議員が作成していることがその証拠である。

公金の支出行為を私人でもある議員がすること自体地方自治法違反であることは前述のとおりであるが、そのような財務会計方式をつくり、それを議員にやらせた者、それを精算段階で承認した者、すなわち「普通地方公共団体の長若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員」の違法責任が問われるのである。前掲地方自治法243条の1に抵触する行為も財務会計行為であり住民監査請求の対象となる。

二、本案に対する被告の主張について

(1)政務活動費対象経費としての人件費

本来政務活動費を規定した地方自治法第100条の14では、「議員の調査研究その他の活動」の経費に資するために政務活動費が交付されることになっている。
決して誰かを雇ったり誰かに依頼して調査研究するという趣旨ではない。
従って人件費などという対象費用が設定されること自体おかしい。

仮に議員の補助活動として人件費が認められるとしてもそれはあくまでも議員の特定の政務活動に直接かかわるもの(「補助」する)であって、事務所の管理、客の応対、政務活動も含む会計処理など総務的な仕事は無関係である。そして、雇用契約はもとより、議員の事務所に勤める以上事務所の仕事の中で政務活動とそれ以外の仕事とがあるから、費用を按分する上で、業務日誌やタイムカードがなければならない。雇用の証拠として他の都道府県では徴収している雇用契約、業務日誌、タイムカードなど雇用と労働の実態を示す証拠もなしに人件費を請求することはできない。

被告は「補助職員を雇用することは、まさしく調査研究活動の基盤を充実せることであって・・・・・合理性がある。」などというのみで、雇用の証拠が何もないのにどうして本件人件費が「合理的」なのか説明できない。事務所の費用は、私的な政治活動と政務活動費の対象になる活動とに案分されている以上は、そこに勤める被雇用者の仕事の量も按分されねばならない。証拠を提出せず、被雇用者の労働をすべて政務活動についての補助労働だとして人件費を請求することに「合理性」があるはずはない。
また、社会保険料の支払いについても、全国46都道府県で43都道府県が支払っているので高知県の取り扱いは「標準的」だという。しかしこれは多数決の問題ではなく適法かどうかの問題であり、少なくとも3県が社会保険料の支払いをしていないということに留意すべきであろう。被告はその理由を尋ねるべきである。

(2)議会事務局長の責任

 上述の通り本件交付金の決定行為など財務会計行為の責任は議会事務局長に委任できず、被告高知県知事が直接遂行する責務があった。しかし、実際には被告準備書面が言う通り本件条例で規定された知事の職務行為についてこれをことごとく議会事務局長が執行した。これは職権踰越の行為であり権限のないものが財務会計行為を遂行した場合そのすべての行為は無効となる。
「行政機関の代理権のない者のなした行為や無効の権限の委任に基づいて行政機関のなした行為も、行政機関としての権限のない者のなした行為として、原則としては、無効と解すべきである。」(田中二郎 「行政法総論」昭和32年11月345頁)

本件政務活動費の違法な支出行為は、会計制度に問題があるとしても直接的にはこの議会事務局長による無効な越権行為によるところが主因である。

  (3)不当利得返還請求権

現在、被告らの違法な行為によって本件請求額の損害が発生していることは事実である。
受益者たる議員側にその分の返還命令もされていないし、本件訴訟の過程でもその損害さえも否定している状況であって、それどころか被告らは、永年社会保険料を人件費として認め政務活動費で支払うことを認めてきた経過があり、この行為を適法なものとして議員側に認知させてきたから、不当利得返還の命令を出す気配は全くない。
にもかかわらず、被告準備書面は
「原告の主張の通り社会保険料の事業主負担分の支払いに政務活動費を充当することができないとするならば、その分につき、各会派及び議員に対する不当利得返還請求権が高知県に生じるものではあるが、高知県にとって損害ともいうべき当該不当利得相当額は、条例12条に基づき返還を命令すれば補填されるものであり・・・高知県に損害が生じているとはいえない・・・」(被告準備書面8頁目)という。

しかし、本件訴訟は、単に公金を議員側から高知県に移動させるという単純なものではない。被告らの不法行為に基づいて高知県に損害が発生しそれについて賠償請求するものであり、不当利得返還請求の訴訟とは結果は同じでも性質が相違している。被告らの主張は、お金が返ればいいというに等しく、被告のこの主張が認められるなら地方自治法が設定する損害賠償請求の監査請求も住民訴訟も意味をなさず成立する余地がなくなるだろう。
さらに、不当利得返還請求権は、本件の場合を含め簡単に成立するとは限らない。
今一度田中二郎氏の見解を引用する。

「・・・公権力の発動たる行政行為に基づいて不当利得が生じた場合である。この場合には、その行為が絶対無効であるか又は違法として取り消され法律上の原因なくして利得したことが、公に確定されて初めて不当利得を構成する。行政行為が有効に存在する以上、たとえ実質上には理由のない利得であっても、未だ法律上の原因なき利得とは称し得ないからである。」(田中二郎「行政法総論」昭和32年11月 255頁~256頁)

政務活動費の交付行為は、公権力の発動を伴う行政行為である。社会保険料の支払いが政務活動費で充当できないからといって直ちに議員に対し不当利得返還請求権が発生するということにはならない。したがって被告の主張は失当であり、被告らは本件請求額の損害について賠償する義務がある。

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2017年1月29日 (日)

県議会への監査請求

News & Letters/548

高知県議会は、領収書などをネットで初めて公開した、ということで評価が高い。

しかし、中身は相当でたらめである。宿泊費についてはやっと領収書をとり実費支給に替えた。これまでは、パック旅行以外は一切領収書を公表せず、高額の定額をとっていた。宿泊した事実を証明するのは領収書の代わりに議員本人の書いた自己証明書が証拠だと
言い張って来たのである。裁判所もそれを容認した。

しかし、さすがに私の住民訴訟のあと、領収書を出すようになり実費支給に切り替えた。しかし、まだまだ闇は深い。
本来年間数百万円の高額の政務活動費は廃止すべきである。第二の報酬である。議員にはすでに超高額の報酬が支払われている。

日本共産党は国会議員への政党助成金を拒否しているのであるから、それの地方版である政務活動費を拒絶するべきだ。

今回は、党派や議員が雇用している人件費のうち、社会保険料など事業者(議員側)負担まで政務活動費で賄っている事実について異議を申し立てた。公課公租を公金で支払うということは、公課公租の意義を喪失させる。憲法第30条の国民の納税義務をなんと心得ているのだろうか。

憲法をないがしろにするいかなる法令も無効である。県の監査委員会は、悪事の隠ぺい機能をどのように発揮するのか、
また、それに続く裁判所がどのようなでたらめな判断を下すのか、見ものである。

          高知県職員措置(住民監査)請求書

                        平成29年1月18日
高知県監査委員殿 
                〒781-7412高知県安芸郡東洋町405番地1
                請求人 澤山保太郎
【請求の要旨】

1、公開されている高知県議会政務活動費のうちで、人件費として健康保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金などの事業主負担分について政務活動費から支払うのは不当かつ違法であると考えるのでこれまでの会派及び議員への既支給分の全額返還を求めるべきである。公租公課を公金で支払うことは税法の根本的趣旨に反する。

2、人件費にかかる社会保険料の事業主負担分について、今後これを会派及び議員に支給しないようにするべきであり、差し止めを求める。
3、人件費での社会保険料の事業主負担分については、政務活動費で支払った分については、会派及び議員は、これら社会保険料は未納であり滞納であるので可及的に遡及して納税(支払い)する義務がある。

【理由】

1、公課公租を負担することは国民の憲法上の義務である。何人もこの義務を免れない。
(憲法第30条)
 国や地方公共団体は事業主であるが、担税義務はない。国庫以外に財源がないからである。政党政派は行政機関ではなく、任意団体であるから、人を雇用した場合、事業主として各種の社会保険料を負担する義務がある。
 その保険料を政務活動費という公金でもって支払うことは、公租公課の意義を踏みにじり、あたかも任意の政党政派が公的機関と同等であるかの如きふるまいをしていることになる。

 議員による調査研究の費用を賄う政務活動費で、人を雇い人件費を支弁することについては疑義があるが、仮にこれが認められるとしても、そのうち社会保険料にかかる費用まで支弁することは認められていない。現行の条例・規則などではそもそも人件費の内訳を明瞭にしていない。
議員への政務活動費の支給を定めた地方自治法(第100条第14項)においても、また他のいかなる法令でも国民に課される公課公租についてこれを公金で支払うことが許容される規定は存在しない。いかなる法令、条例規則でも憲法第30条を凌駕(又は無視)する規程を作ることはできない。

地方自治法第100条の第14項の規定では、政務活動費は、「議員の調査研究に必要な経費の一部」について支給するとなっていて事業主(会派又は議員)や労働者個人にかかる公課公租は、「議員の調査研究に必要な経費」とは言えない。
公課公租は、国や地方公共団体が国民(法人を含む)に課するものであってそれでもって行政を施行する財源とするものなのである。

2、高知県議会の政務活動費の実際の運用では、人件費においては、被雇用者からは社会保険料の個人負担分として給料から差し引いている。

労働者に対する措置は正しいとしても、それより優越的立場にある事業主(会派又は議員)の負担分については、これを事業主に負担させず、公金で賄わせるというのは、畢竟、県が雇用主である議員に対して不当な利益供与をするものというべきであって、政治資金規正の法令にも抵触する疑いがある。

各種の重税に苦しみながら納税義務をはたしている多くの県民から見て、厚顔無恥というべきであろう。政務活動費で必要な経費は何でもこれで支弁していいということにはなっていない。あくまでも「必要経費の一部」しか支給されない。
  
       添付資料
   政務活動費支出伝票(社会保険料にかかるもの) 11枚

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2017年1月25日 (水)

小池知事の住民訴訟への対応

News & Letters/546

豊洲移転問題に関して、小池劇場が賑やかである。
これまでの小池知事の「東京大改革」がどんなものであるのか、さっぱりわからない。
泰山を鳴動させてネズミの一匹も出ないのではないか。あるいは何か恐ろしい化け物でも出すのではないか。

東京都民が起こした住民訴訟、豊洲市場の土地の購入にかかる売買契約で578億円の損をしたという住民訴訟に対する対応をころりと変えて、住民訴訟に乗っかり石原元知事へ賠償を求める考えのようである。

小池氏が旧来の都政に「対決」しようとし、自民党などの腐敗分子と戦おうというのはいいとしても、その独断的な都政運営については警戒が必要である。住民訴訟をも利用して政敵を追求しようという手法は危険である。
このような手法がまかり通れば、仲間に住民訴訟をやらせて過去の首長ら政敵をやっつけるということが横行しだす。

住民訴訟制度が政略の手段と化す。それはまた、住民訴訟をする側も、自分たちの政治的立場に都合の悪い相手の場合は不正があっても問題にせず、
政治的に反対派の首長については少しのことでも徹底的に住民訴訟をかける、ということになる。

かつて、高知県の同和対策の補助金(研修費)の予算が不正に使われた事件を追及して監査請求したところ、それが、特定政党に関係する団体(全解連)が関与していたことが分かった段階で、その特定党派に関係していた住民が一斉に手を引いて、私一人が住民訴訟をするということがあった。

裁判の結果はその同和研修費予算の使用は違法であると判断され、その予算は廃止された。
小池知事が、今回の住民訴訟の請求を認め、石原元知事に賠償を請求するには、その住民訴訟で住民側の主張に同意するということでは法律的に無理がある。

地方自治法第243条の2の第3項の規定があるからである。すなわち、首長が元の首長を含む職員に財務会計上の不正があり自治体に損害を与えたという判断をした場合には、雇っている弁護士に住民訴訟で住民側に同意させるという手法ではなく、自ら監査委員会に監査請求し、損害額を確定する必要がある

監査委員の監査結果を受けて初めて小池知事は、石原氏への損害賠償請求ができるのである。小池知事の独断(又は雇用した弁護士)によって賠償額を確定したり、賠償請求はできないのである。

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2016年7月27日 (水)

戦いは続く

News & Letters/506

うその理事会名簿が功を奏し、1000万円の支払い命令を解除された東洋町長松延宏幸は差し戻された高裁でも、その嘘の効力を維持して成功を収めた。これはまだ上告審が残っている。

それとは別にすでによこしていた通り、新たな監査請求のお見舞いをくらうことになった。
野根漁協は1000万円の借財は正規の理事会や総会を通過していないとして支払いを拒否し続けてきた。

だから、1000万円の元金の返済はこれまで一銭もない。平成24年度から計算しても5年目である。
うその理事会名簿を押し通すというのであるから、それでは松延宏幸はそれらから1000万円を回収しなければならない。
その嘘の理事会は、滞納したら自分たちが法的責任を取られてもかまわない、という確約書を町に出している。

貸付金を回収する義務からは逃れられない。ここでは嘘は通らない。回収できなければ松延宏幸自身が支払わねばなるまい。

東洋町職員措置請求書
                  平成28年7月  日
東洋町監査委員殿
                  請求者 沢山保太郎
                   住所
                   氏名         職業
                   住所
                   氏名         職業
                   住所  
                   氏名         職業
                   住所
                   氏名         職業

(措置請求の趣旨)

東洋町は平成23年11月に野根漁協を介して特定漁家に対し1千万円の貸し付けを行ったが、現在において1銭の返済も受けていない。

1年間の据え置き期間を置きその後毎年200万円の返済を受けることになっているが、町長はこれまでその徴収を怠り、今後もそのまま放置する可能性がある。町長松延宏幸は、速やかに本件貸付金の回収をする義務があり、そうしないなら、松延宏幸自身がこれの全額賠償責任がある

(請求の理由)
東洋町は、平成23年11月野根漁業協同組合に対し、特定漁家に対して又貸し資金として1千万円(無利子)を貸し付けた。返済は貸し付けた年度を除外して翌年から年に200万円となっていた。現在まで東洋町は貸付先関係者から1銭も返済金を徴収していない。
平成25年度から計算してもすでに4年目(24年度から計算して5年目)であり、このまま未回収では1千万円がまるごと町の損害金となる。この貸付金については現在の漁協は理事会、組合員総会で正規のものではないとして否認している。

しかし、貸付当時の漁協理事を名乗る者に責任があることは明らかであり、また、その理事の手による返済について滞納した場合法的措置を取られても構わないという「確約書」も東洋町は徴取している。

町長松延宏幸は貸付金のうち少なくとも3年度分の徴収を怠っていることは明らかであり、残る2年度分も徴収しない可能性がある。

東洋町は、すみやかに、又貸しを受けた漁家(その連帯保証人)又は当時の野根漁協理事を名乗る者らから本件1千万円の返済金を徴収するか、それともこの貸付を実行した町職員に弁済させるなど適切な措置を取る義務がある。

よって地方自治法第242条の規定に基づき、住民監査請求を行う。

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2016年7月24日 (日)

避難タワー上告理由書

News & Letters/503

平成28何(行サ)第5号
損害賠償請求上告提起事件
上告人 澤山保太郎
被上告人 東洋町長松延宏幸

   上告理由書

最高裁判所御中 
                   平成28年7月
                   上告人 澤山保太郎

【上告理由の要旨】

原判決には、建築確認がなされていない設計図で公共の建造物を建設したものであり、建築基準法第6条第1項に反する違法のほか、根拠もないのに数千万円の工事費の水増しや、また、予算の違法な繰越を行うなどの違法行為についてこれを容認するなど、法令適用、法令解釈の誤り、審理不尽・理由不備の判断が重畳しており看過することができないので上告するものである。

  【一】本件の概要及び経緯」

東洋町は、平成24年度事業として同町生見地区で津波避難タワーの建設工事を予算化したが、どういうわけかその実際の事業開始は24年度の年度末の平成25年3月以降となり、同年3月18日に指名競争入札を行い川村総合建設(これを単に川村と呼ぶ)と工事請負契約を締結した。

落札価格は7854万円であった。川村は同25年3月28日に着工した。
当然平成24年度内には完成することは不可能であったところ、さらに被上告人には工事請負契約が締結される前の3月15日に県庁から本件津波避難タワーの建築確認が下りないという通知を受けていた。

本件工事に係る設計書は設計業者「かめお設計」によって当初平成25年2月25日に作られていて入札は建築確認がされないその設計書に基づいてなされていた。
その後同平成25年8月にようやく県庁の建築確認がなされて、着工ということになったが、理由もなく延期を重ね、ようやく翌年平成26年3月になって完成されたというものである。しかし、県庁によって補正を求められた新たな変更設計は工事がほとんど完了した、平成26年3月5日に議会に提出され承認された。

そうすると、建築確認後の工事においても変更設計書に基づいては本件工事は行われていなかったということが分かった。
そこで、上告人は、東洋町監査委員会に、本件建設工事は、建築確認がなされない設計書によるもので違法であり、工事内容も請負業者川村のいうままに工期を何度も遅延させ、川村自身は、ほとんどの工事に携わることなく一括して複数の下請け、孫請け業者に丸投げするのを放置し、実際には安く上がった杭打ち工事についてこれを逆に水増し追加予算を計上するなど業者のいいなりにしてやっと完成させたものであって、請負契約及び支出命令など財務会計行為が違法であるとして、変更された請負契約9300万円から実際の経費である5066万円を差し引いた残額を町の損害だとして返還を求めた。

監査請求は棄却され、住民訴訟となったが、第1審高知地裁は、以下の通り上告人の主張をことごとく否定し、被上告人の無法行為を容認して本件訴えを棄却した。

   【二】原判決の法令違反の判断

一、建築確認が下りない設計書

1、建築確認なしの設計図で請負契約

既述の通り、本件工事は正規の建築確認がされていない段階で工事請負の業者を決める指名競争入札が行われ、落札者と即日平成25年3月18日請負契約がなされた。
しかしこの時より3日前被上告人の所には高知県庁から建築確認ができない旨の通知が来ていた。原判決も「高知県建築主事は、同年3月15日付で、東洋町に対し、同建築確認の申請における構造図、避難棟電算等に対する指摘事項を挙げ、一次判定を保留するとして、建築基準法第6条1項の建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができないと通知し・・・・」という事実を認めた。

これは、被上告人が当初に作成した設計図(甲第8号証)が建築基準法に照らして不十分であり許認可に等しい建築確認を取れないということであって、この設計書で請負契約をし、発注することは違法な行為であることは明らかであった。
しかし被上告人はこの設計書で未だ確認申請書の補正がなされないうちに敢えて入札・契約を強行し、本件工事を発注した。それによって川村は同年3月28日に本件工事を着工したのである。この着工は数日後の4月1日に中止となったが、建築工事を始めたことは変わりがない。

この行為は建築基準法第6条第1項の規定に違反(建築確認なしの建築物の着工)し、同法第98条以下の罰条(懲役3年以下など)の対象になるものである。
地方自治法第2条第16項の「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない」という規定は鉄則であり、ひとり地方公共団体だけでなくあらゆる企業や個人の活動に当てはまることである。

だが、原判決は、本件工事を一時中止した、その間同年8月14日に建築確認が得られて、本件工事が完成した、だから「本件請負契約締結時点で建築確認がされていいなかったとしても、そのことをもって、本件支出命令が財務会計法規に違反してされたものとはいえない。」(第1審判決文10頁上段)といって被上告人の違法行為を容認した。
しかし、中止したとしても着工したのは事実であるし、第一、原判決は、本件請負契約そのものが違法、無効の性質をもつことについて審議を尽くしていない。
建築確認がされていない設計図で建築に関する契約を結ぶのは違法建築の契約締結であ
り、これは民法第90条(公序良俗違反)、民法第132条(不法条件を付した法律行為)に該当し、違法行為を契約する行為は無効となる。

本件請負契約(甲第4号証)第2条第2項では、請負業者は、「別冊の設計書」などに従い契約を履行する義務が定められている。「別冊の設計書」が建築確認がなされていない場合には、契約を履行することは不可能であり、してはならないのである。

2、建設業法の規定は訓示的

また、変更された設計書での変更契約について原判決(第1審判決文11頁下段)は
「変更設計書に基づく本件変更契約が締結されたのは平成26年2月14日の時点では、本件工事の主要な部分は終わっていたとの事実が認められる。
しかし、建設業法第18条は、「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない。」と規定するところ、上記の事実から、本件変更契約の締結が同条に違反しているとは言えないし、そもそも、同条は、訓示的な効果を有するにとどまるものと解され、同条に違反したからといって、本件変更契約が無効になるわけでもない。」という。
工事が終わってからその工事についての契約を締結する行為が、公正な契約と言えるだろうか。すでに実行され実現されたことについてこれから実現するぞという契約はふざけたものであって「信義」や「誠実」からはるかに離れたもので、むなしい虚盲の契約というべきである。実行不能な事柄についての契約は民法の規定では無効なものである。
 建設業法第18条の規定を「訓示的な効果を有するにとどまるもの」というが、信義則 
 に違反する行為は違法かつ無効であって、信義則は決して訓示的な法則ではない。
 原判決は、工事が終わってから契約したという事実(信義則違反)を認定していながら、
 建設業法第18条の信義則の規定の効力を否認して、本件変更契約を適法と判断する。原判決は、公序良俗に反する無効な契約を肯定するために、日本の有効な法律の効果を否定した。法律の効果を否定するこの法意識は特定の法令違反を超えて日本の法治主義の司法秩序を逸脱するものであって、裁判所のよって立つ根拠を否定するものである。到底承服できない。無論、無効な契約に基づく公金の支払いは違法である。

3、推認

8月14日の建築確認後工事が再開されたが変更設計書はできていなかった。変更設計書(甲第9号証)は翌年の2月26日に出来上がり議会で承認されたのは同年3月5日なのである。

地下十数メートルの杭打ち工事の変更を含む変更設計書が議会に提出されたときには、本件工事のほとんどが完成していた。川村は変更設計書なしに、建築確認前の設計書(甲第8号証)か、又は、設計書なしで本体工事を遂行したことになる。原判決はこれについて
「かめお設計が、平成25年2月25日、本件工事の実施設計書を作成したこと、高知県建築主事は、同年3月15日、かめお設計が作成した設計書に対して指摘事項を挙げて補正を求めたこと、かめお設計は、同年8月9日付で、高知県建築主事に対し、図面等を添えて追加説明書を提出し、指摘事項につき補正を行ったこと、高知県建築主事は、同月14日、本件工事について建築確認をしたこと、川村総合建設は、同月15日から工事に再着手したことは、上記認定事実の通りである。これらの事実によれば、本件工事は、かめお設計の作成した設計書に従って進められたものと推認されるのであって、本工事が資格ある建築士の手による設計書なしに進められたとの事実は認めるに足らない。」と判断した。

(下線部上告人)

工事がどのような設計書で遂行されたかというのは、最重要な判断で、客観的な資料に基づいて判断すべきであって「推認」でもって裁判をするような問題ではない。
本件工事についての設計書は甲第8号証と9号証だけであり、前者は建築確認未済のもので使い物にならず、後者は工事がほとんど完成してから出てきた設計書であるから本件工事とは無関係であって、この二つの書証しかない。

「かめお設計の作成した設計書」で本件工事を遂行したというのであれば、甲第8号証の設計書か、それとも他の第3の設計書(又は本件請負契約書第19条の設計変更の書面による通知など)を確認するべきであって、裁判官の「推認」でもってそれに代替するわけにはいかないはずである。

裁判官は本件工事遂行段階の設計書等が他にあると考えるのであれば職権でもって被上告人に釈明を求めることができた。必要な場面で釈明権の不行使は審理不尽の典型的な事例であって上告理由となるとする有力な学説がある。
本件訴訟の中核的な争点で釈明権を行使して証拠を確かめずに「推認」で判断を下すというのは審理不尽もはなはだしい。

二、工事終了後の変更設計による工事費の増額

1、 原判決は、「本件工事が着工直後に中断され、その後設計が変更されたことに伴い請負工事代金が増額されたとしても、それは、本件工事を落札した事業者に対して契約上の合意に従った取扱い・・・」であって、川村以外の業者が落札しても異なることはなかったから問題がないという。しかし、「設計が変更されたことに伴い請負工事代金が増額された」というが、その変更設計は本体工事がほとんど終わってから作成され議会で承認されたものであった。

上述のように原判決も変更設計が出てきたのは本件工事の主要な部分が終わってからであったと認定した。しかしここの文章では、設計が変更されて工事代金が増額となって工事がなされたようになっている。原判決は事実の経過、工事遂行→変更設計を正しく認定していながら、肝腎な争点にかかると、変更設計→工事遂行という実際とは逆の経過を想定してそれに基づいて判断をする。変更設計→工事遂行の経過は通常あるべき姿であるが、実際は逆のことが行われたというのが本件の特徴なのである。

原判決は事実と理念とを取り違えた。何故このような取り違えが合理的なのか理由が明らかでなく理由不備のそしりを免れない。川村は設計書も工事変更の通知もなしに勝手に工事をし、後から値上げを言い出したというのが事実に基づく推認であろう。

2、その工事代金の増額も全く根拠がない。主な設計変更は鋼管杭打ちを→生コンクリ―ト打ち込み方式に替えたというものである。しかし、上告人が原審や控訴理由書で明らかにしたように、川村は本体工事から付帯工事までの全ての工事を下請けにやらせたのであるが、その下請けの工事費の総額は、五千数百万円程度であり、元の契約金7800万円でもほとんど何もしなかった川村にはいながら数千万円の利益となるものであった。杭打ち工事だけを見ても当初の見積もり額よりも少ない金額で下請けにやらせていたことが明らかであって、そのことは上告人の訴状の段階で証拠をもって立証していた。

 原判決は、「かめお設計が平成25年2月25日に作成した実施設計書においては、本件工事の杭打ち工事(回転圧入工法)の工事費は1194万2000円とされていたこと、かめお設計が平成26年2月14日に作成した第1回変更設計書においては、本件工事の杭打ち工事(オールケーシング広報、分解型全集回転方式)の工事費は2754万1540円とされていたことが認められる。この点につき、原告は、鋼管杭打ちを場所打コンクリート杭打ちに変更した場合、金額は安くなるはずであると主張するが、この主張を裏付ける証拠は何ら提出されていないから、原告の主張を採用することはできない。」という。(下線部上告人)

 この工事代金の増額は、訴訟の重要な争点であり、生コン杭打ちの方が安くなるという上告人の原審での主張は証拠(下請けが実際遂行した本件工事の杭打ち工事費は1155万円 甲第7号証)をもって証明していた。この証拠は被上告人が開示した資料である。 鋼管杭打ちと生コン打ち込みとの工事費の差額は一般的な評価ではなく実際の費用でもって証明したのである。原判決は、判決に直結する決定的な証拠の評価について審理不尽を露呈していて、提出された証拠を確認せず、増額する必要のない工事費の不当な水増しを容認したのである。

三、下請けへの丸投げ

原判決は「上記認定事実(10)によれば、川村総合建設は、工事ごとに下請け先を選定しており、本件工事を一括して他人に請け負わせてはおらず、また、川村総合建設が本件工事の大部分を一業者に下請けさせたと認めるに足りる証拠もないから、建設業法第22条1項に違反するとする原告の主張を採用することはできない。」という。そしてその「認定事実(10)」には次のように記載されている。

「川村総合建設は、鉄骨工事につき有限会社高南製作所との間で杭地業工事につき有限会社ベイシス高知との間で、ユニット及びその他工事につき林電設との間で、鉄筋工事につき安岡工業との間で、防水工事につき仙頭防水との間で、それぞれ下請け契約を締結した(甲7,11の1~5)。」

甲第7号証の「工事作業所災害防止協議会兼施工体系図」によれば、本件工事は、①杭工事、②鉄筋工事、③鉄骨工事、④ユニット及びその他工事、⑤防水工事の 5つの工事があったが、その全部が下請けに出されたことを原判決は認めた。
建設業法第22条第1項の規定は、
「建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。」となっている。
原判決は、下請け業者が一つではなく複数であるから、この法律の適用はないと判断したと考えられる。

しかし、この規定で、「一括して他人に請け負わせる」という「他人」とは、必ずしも単数企業に限定しているとは読めない。国交省の通達(甲第23号証)でも、元請け業者がその業務の全てを分割して他人に請け負わせる場合も含むと解説されている。すなわち、
「いかなる方法をもってするかを問わず」とは、契約を分割したり、あるいは他人の名義を用いるなどのことが行われても、その実態が一括下請けに該当するものは一切禁止するということです。」
請け負った元請け業者が基本的に責任をもって工事を遂行するという法律の趣旨からして、この通達は当然の解釈である。

原判決は建設業法第22条の1項の規定と、同条第2項の規定を一緒にして解釈しているのかもしれない。同条第2項の規定は建設業者は一括して工事を下請けしてはならないというものであり、第1項の規定と2項の規定を合体すれば原判決の様な狭い解釈となるであろう。別箇の法律の規定を勝手に合体させて悪徳業者に有利に捻じ曲げることは許されないだろう。

現実には、原判決は請け負った工事の全てを分割して下請けをさせればこの建設業法の規定を免れるという脱法的な考えを助長することになる。業者がそのような脱法目的をもつことはあり得るが裁判所がそのような脱法行為を容認することは法令解釈の誤りというよりも裁判所の倫理性が問われる事態であろう。

原判決は、建設業法第22条第1項の法律の解釈において立法者側の意図するところを性格に捉え、法律の趣旨を貫徹するという点で、審理不尽・理由不備に陥っている。

四、繰越明許の手続き

 地方自治法第208条では、「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに充てなければならない。」という会計年度独立の鉄則が定められている。
よほどの理由がなければ予算を翌年度に繰り越して事業を行うことは許されていない。
しかし、地方自治法第213条において二つの要件を定めて、予算の翌年度繰り越し執行を認めてる。それによると、歳出予算の経費のうち①「性質上」 ②「予算成立後の事由」により、年度内にその支出を終わらない見込みのあるものについて翌年度に予算の繰り越しを認めている。ここで避難タワー建設事業ではその「性質上」というのは全く論外であるから、予算成立後の事由の有無とその内容が吟味されねばならない。

本件事業は平成24年度の分であって、平成25年3月末日までに支出(事業)を終わらせなければならなかった。少なくとも支出負担行為決議書は24年度内にしなければならなかった。しかるに、甲第18号証の1の支出負担行為決議書の日付は平成25年4月1日付になっている。繰越明許費は、年度内に予算を執行しようとしたが何かの事故など特別な事情があって執行できなかったという予算に限定されている。しかし、本件事業については、年度の終末の3月下旬にアリバイ的に入札や請負契約を結んだが、肝腎の支出負担行為を年度内にせず、はじめから翌年度に支出するということになっていた。支出負担行為の決議は予算執行(支出命令)の財務会計行為で最重要な事務手続きであり、その年度内に予算を執行するという意思表示である。

甲第18号証1の証拠は、被上告人が、本件事業を平成24年度に完遂しようという意思がはじめからなかったことを証するものである。原判決は、第1審判決13頁の下段で、県庁から避難タワー建設の手引書の発行の予定があったなど予算成立後の取るに足りない事情を縷々述べているが、その事情は、支出負担行為の決議を年度内にしなかったということまで弁護することにはならない。

又この当時には高知県下太平洋沿岸の市町村で多くの避難タワー建設がすすめられたが、県庁の手引書発行を理由として工事が滞ったという事例は1件も報告されていない。
年度末になって設計書を作成したり、建築確認申請をしたり、請負契約の入札をしたり、あまつさえ支出負担行為の決議を翌年度にするなどというのは、はじめから年度を超えての予算執行を目論んでいた証拠であるから、繰越明許の制度を使うことは理由がなかったのである。

原判決は、甲第18号証1の書証の意味を理解せず、地方自治法第213条の繰越明許の規定の意味を吟味せず、特段の理由もないのに本件予算の繰越明許を認めたものであって、法令適用、法令解釈において審理不尽・理由不備を来している。
繰越明許が不法行為であり無効となれば、本件支出の財源が消え、支出命令の根拠を失う。
   

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