高知県議会

2017年1月29日 (日)

県議会への監査請求

News & Letters/548

高知県議会は、領収書などをネットで初めて公開した、ということで評価が高い。

しかし、中身は相当でたらめである。宿泊費についてはやっと領収書をとり実費支給に替えた。これまでは、パック旅行以外は一切領収書を公表せず、高額の定額をとっていた。宿泊した事実を証明するのは領収書の代わりに議員本人の書いた自己証明書が証拠だと
言い張って来たのである。裁判所もそれを容認した。

しかし、さすがに私の住民訴訟のあと、領収書を出すようになり実費支給に切り替えた。しかし、まだまだ闇は深い。
本来年間数百万円の高額の政務活動費は廃止すべきである。第二の報酬である。議員にはすでに超高額の報酬が支払われている。

日本共産党は国会議員への政党助成金を拒否しているのであるから、それの地方版である政務活動費を拒絶するべきだ。

今回は、党派や議員が雇用している人件費のうち、社会保険料など事業者(議員側)負担まで政務活動費で賄っている事実について異議を申し立てた。公課公租を公金で支払うということは、公課公租の意義を喪失させる。憲法第30条の国民の納税義務をなんと心得ているのだろうか。

憲法をないがしろにするいかなる法令も無効である。県の監査委員会は、悪事の隠ぺい機能をどのように発揮するのか、
また、それに続く裁判所がどのようなでたらめな判断を下すのか、見ものである。

          高知県職員措置(住民監査)請求書

                        平成29年1月18日
高知県監査委員殿 
                〒781-7412高知県安芸郡東洋町405番地1
                請求人 澤山保太郎
【請求の要旨】

1、公開されている高知県議会政務活動費のうちで、人件費として健康保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金などの事業主負担分について政務活動費から支払うのは不当かつ違法であると考えるのでこれまでの会派及び議員への既支給分の全額返還を求めるべきである。公租公課を公金で支払うことは税法の根本的趣旨に反する。

2、人件費にかかる社会保険料の事業主負担分について、今後これを会派及び議員に支給しないようにするべきであり、差し止めを求める。
3、人件費での社会保険料の事業主負担分については、政務活動費で支払った分については、会派及び議員は、これら社会保険料は未納であり滞納であるので可及的に遡及して納税(支払い)する義務がある。

【理由】

1、公課公租を負担することは国民の憲法上の義務である。何人もこの義務を免れない。
(憲法第30条)
 国や地方公共団体は事業主であるが、担税義務はない。国庫以外に財源がないからである。政党政派は行政機関ではなく、任意団体であるから、人を雇用した場合、事業主として各種の社会保険料を負担する義務がある。
 その保険料を政務活動費という公金でもって支払うことは、公租公課の意義を踏みにじり、あたかも任意の政党政派が公的機関と同等であるかの如きふるまいをしていることになる。

 議員による調査研究の費用を賄う政務活動費で、人を雇い人件費を支弁することについては疑義があるが、仮にこれが認められるとしても、そのうち社会保険料にかかる費用まで支弁することは認められていない。現行の条例・規則などではそもそも人件費の内訳を明瞭にしていない。
議員への政務活動費の支給を定めた地方自治法(第100条第14項)においても、また他のいかなる法令でも国民に課される公課公租についてこれを公金で支払うことが許容される規定は存在しない。いかなる法令、条例規則でも憲法第30条を凌駕(又は無視)する規程を作ることはできない。

地方自治法第100条の第14項の規定では、政務活動費は、「議員の調査研究に必要な経費の一部」について支給するとなっていて事業主(会派又は議員)や労働者個人にかかる公課公租は、「議員の調査研究に必要な経費」とは言えない。
公課公租は、国や地方公共団体が国民(法人を含む)に課するものであってそれでもって行政を施行する財源とするものなのである。

2、高知県議会の政務活動費の実際の運用では、人件費においては、被雇用者からは社会保険料の個人負担分として給料から差し引いている。

労働者に対する措置は正しいとしても、それより優越的立場にある事業主(会派又は議員)の負担分については、これを事業主に負担させず、公金で賄わせるというのは、畢竟、県が雇用主である議員に対して不当な利益供与をするものというべきであって、政治資金規正の法令にも抵触する疑いがある。

各種の重税に苦しみながら納税義務をはたしている多くの県民から見て、厚顔無恥というべきであろう。政務活動費で必要な経費は何でもこれで支弁していいということにはなっていない。あくまでも「必要経費の一部」しか支給されない。
  
       添付資料
   政務活動費支出伝票(社会保険料にかかるもの) 11枚

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2015年12月 5日 (土)

高知県議会政務調査費控訴事件

News & Letters/450

平成24年度の高知県議会の政務調査費の交付について第1審高知地方裁判所 では、住民側が敗訴となった。
敗訴となったが、県議会は、裁判で争点となった宿泊費について今年度平成27年度から大幅な改正を行っている。
すなわち、宿泊費はこれまで領収書の添付不要、高額の定額支給とやりたい放題であったが、
→実費支給、領収書添付となった。また、市内に自分らが設けていた宿舎で泊まる場合は支払わない、ということである。
逆に言えば、これまで違法行為や詐欺まがいの政務調査費の請求がたくさんあったという事だ。
しかし、まだまだ改革の余地はある。第二の報酬政務調査費の廃止まで持っていくべきであろう。
高裁での裁判の焦点は、①尾崎知事の責任の有無、②監査請求期間の徒過などである。
知事は、政務調査費の交付事務は議会事務局長に委任しているから無責任である。と言って高知地方裁判所 をすりぬけたが、最高裁判例ではたとえ委任しても指揮監督権があることになっている。
私がした監査請求が1年以内という期間をすぎているから不適法である、という判決であるが、
議会事務局の資料の公開自体が翌年度の7月に行われていて、それから1年の計算をするのが当然であろう。
詳しくは、控訴理由書を見ていただきたい。

平成27年(行コ)第14号損害賠償請求控訴事件

(第1審平成26年(行ウ)第9号 損害賠償請求事件)

    控訴人 澤山保太郎

   被控訴人 高知県知事尾﨑正直

控訴理由書

                          平成27年11月23日

高松高等裁判所殿

                 高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1

                  控訴人 澤山保太郎

        高知市丸ノ内1丁目2番20号

              被控訴人 高知県知事尾﨑正直

【一】控訴人の原審での主張及び原判決の要旨

 1、事案の概要

  控訴人は、高知県民として、平成24年度高知県議会の政務調査費の交付について

住民監査請求(却下)を経て、高知県知事尾﨑正直(被控訴人)を相手に本件訴訟を起し

た者であるが、原審において請求は認められなかった。

  原審における控訴人の主張の要点は、原判決の冒頭(「1 事案の概要」)とほぼ同じである。

 知事の交付決定の不存在について

本件政務調査費交付金について被控訴人高知県知事は自ら交付決定をしなかった。

被控訴人は高知県会計規則第3条1項に基づき議会事務局長にその権限を委任していたというが、

委任されたという議会事務局長も本件交付条例第7条に基づく交付決定をせず、交付決定書、交付決定通知書も存在しない。この知事の交付決定に基づき政務調査費に関する一切の財務会計行為が始まるから、本件財務会計行為はすべてその前提を欠如していた。

そもそも、政務調査費の交付決定の各地方公共団体首長の権限は法的に議会の職員を含め余人には委任できない。地方自治法(153条及び180条の7)では、地方自治体首長の他の付属行政機関への財務会計事務などに関する権限委任は認められているが、立法機関である議会への権限委任は一切認められていない。

そしてまた、知事から権限の委任を受けたという議会事務局長も交付決定書を作成しておらず、各議員各会派へ政務調査費交付決定の通知書も発行していないから、本件交付金の交付は権限ある知事の交付決定がなく、議会事務局長ら議会事務局職員による越権行為によるものである。最重要な行政行為において明白かつ重大な瑕疵があり、その財務会計行為全体が無効違法である以上、その交付額全額が違法な公金の支出であって、少なくとも控訴人が返還請求を求めている金額はすべて返還する義務がある。 

  ② 「会派又は議員」について

地方自治法(100条第14項)では、政務調査費は「会派又は議員」に支給することができるとなっているが、高知県議会はこれを「会派及び議員」に支給すると読み替え各議員に会派分月額14万円と議員分14万円と2重に交付してきた。これは違法であるから議員なら議員のみの支給とするべきであり、そうであれば会派分は不当な支給であって少なくともその分は返還させるべきである。

  ③ 会派としての実体の有無

また、会派分として支給されている交付金は、会派としての活動の実績を前提とするが、本件の場合どの会派も会派活動による経費支出の形跡はほとんど全く存在せず、議員個人のてんでばらばらな任意の活動実績をそのまま会派活動なりと称しているに過ぎないものであって、会派活動の実体がないのに会派分の政務調査費を交付するのは違法である。少なくともごく一部を除いて会派分として支給した交付金は返還すべきである。

 宿泊費等証拠のない費用

また、会派分及び議員分として支給した本件交付金のうち、宿泊費及びそれに関連

する経費については、ほとんどの場合領収書などその経費支出を裏付ける証拠が提出されていない。これは本件条例の規定や高知県会計規則の規定、費用の裏づけ証拠の提出義務に違反していて、宿泊をしたかどうか事実そのものが証明されていないものに公金を出すのは違法であるから、少なくともその分については、返還させる義務がある。

 住民監査請求の期間

原判決では、上掲③④については監査請求の要件を満たしているとし、①、②については財産管理の怠る事実の違法としては認められないとされて不適法な監査請求とみなされ法廷での審理・判断から除外された。

本件では上掲①②については監査請求期間1年を超過しているが、これには正当な理由がある。すなわち高知県議会が本件政務調査費の各議員各会派からの収支報告書等の交付金の使途に係る一切の書類を会計年度を越えた翌7月になってからでないと公開しない。政務調査費に関する条例やまた本件にかかる支出負担行為などの財務会計行為が分かっていてもそれを裏付け検証する実際の資料が県民には全く手に入らない。

  従って監査請求期間は収支報告書などが開示された翌年度7月から起算するべきであるから、本件は十分期間内の請求であって適法である。

  これが控訴人主張の概要である。

2、原判決の趣旨

原審の判決中の「当裁判所の判断」は重大な点で矛盾するところがあり、また控訴人の重要な主張・立証を没却していて要旨をまとめ難いところであるが、次のとおりである。

  ① 被告適格については

控訴人が求めているのは、政務調査費について高知県が尾﨑正直にたいする損害賠償の請求権の行使であり、高知県知事はこの権利を行使する権限を有していて、この権限を議会事務局長に委任したわけではない、として被告適格だと判示した。(原判決9~10頁)すなわち原判決は、

「会計規則3条1項の規定によって、知事が議会事務局長に対し、違法に交付された平成24年度の政務調査費の返還請求を尾﨑が怠っていることにより発生した高知県の尾﨑に対する損害賠償請求権という債権を管理する権限を委任したということはできないし、このような債権の管理が、議会事務局長の所掌事務に属するかは、本件で提出された規則等によっては判然とせず、他にこれを認めるに足る証拠もない。」

(原判決10頁下段)と判断した。

  ② 監査請求前置主義については

  本件監査請求1(議員及び会派のいずれか一方の政務調査費の支給は返還させるべき)

  については、最高裁判例(昭和62年2月20日第二小法廷判決)の趣旨から、本件監査請求には地方自治法第242条2項の規定が適用され1年間の期間を徒過しているので不適法である。

  監査請求2及び3(会派活動の実体のない会派への政務調査費の交付金は返還させるべき、又領収書のない宿泊費等への政務調査費の交付金も返還させるべき)について

  は、地方自治法第242条1項の怠る事実に係る住民監査請求であるから、同条2項の適用はないので適法な監査請求である。

  ③ 争点についての裁判所の判断  

  監査請求①については却下。

監査請求2及び3については

「議会事務局長は、当該職にある間、地方自治法第153条1項の知事の補助機関である職員に任命されたものとされるとともに・・・、知事が、議会事務局長にその所掌事務に属する債権の管理に関する事務(県の債権について債権者として行うべき保全、取立て、内容の変更及び消滅に関する事務)の権限を委任したことは、前期1(2)のとおりである。」(原判決15頁後段)

  従って、

  「交付された政務調査費に係る不当利得返還請求権(債権)の管理に関する事務の権限は、知事が議会事務局長に委任したことになる以上、尾﨑自身は上記不当利得返還請求権を行使する権限を有するとはいえないことになる。」(16頁中段)

  請求②③については棄却ということであった。

【二】原判決の誤り及び控訴人の主張

一、 交付決定の不存在とこれについての裁判所の判断の脱漏

1、原判決は、冒頭の「事案の概要」で①~④の訴訟の内容をほぼ正しく要約した。

 すなわち、

  ①高知県知事の交付決定がなされずに交付された交付金は全額無効・違法である。

  ②地方自治法は「会派又は議員」のいずれかへの交付を規定しているのに被控訴人はその両方に交付し2重交付は違法である。

  ③宿泊費などで領収書など証拠のない支出について交付するのは違法である。

④会派活動の実体がないのに会派に支給したのは違法。

 (原判決2頁)

しかし、原判決の判断では①を没却した。

なぜ没却したか判決では示されていないが、上記一の2の②のとおり原判決の判断が控訴人の監査請求に従って、又はそれの内容に限局してなされており、実際の訴訟内容とは相違している。確かに控訴人は、知事の交付決定の不存在、交付決定通知書の不発行については監査請求段階では触れていなかった。

しかし、監査請求を前置した住民訴訟においては、事件が同一のものであればその事件の違法事由については、監査請求段階のもの以外の主張も許されており、裁判所が控訴人の原審での新たな主張を没却することは許されない。(最高裁昭和62年2月20日第二小法廷判決 )

おそらく原審裁判官は、住民訴訟で問題(争点)になり判断の対象とするのは監査請求書で主張された事項に限るものという誤った観念を持っていると考えられる。

しかも上掲①の内容(知事の交付決定の不存在)は、後の②③④の内容に直接連動しており、裁判所が判断を避けることはできない。監査請求と住民訴訟について誤った想念をもとにした原判決は、初めから破棄を逃れられないと考える。

2、交付決定にかかる知事(又は知事名義)の公文書は存在していない

被控訴人は、本件年度だけではないが、平成24年度の政務調査費の交付についても本件交付条例第7条に規定されている「政務調査費の交付の決定」という最も重要な行政行為をせず、そしてその交付決定を「会派の代表者及び議員に通知」すると言う行政行為をもしなかった。

 被控訴人は、上述のとおり、高知県知事は県の会計規則第3条1項に基づき政務調査費の交付に関する全ての事務遂行の権限を議会事務局長に委任したと主張しているが、その議会事務局長も知事の委任を受けた交付決定及び交付決定通知の行政行為をしなかった。監査請求前後の公文書開示から原審公判の過程を通じて被控訴人はそれらの証拠となる文書は一切開示又は提出していない。作成せず存在しないからである。

 政務調査費は地方公共団体の補助金の一種であるが、補助金は義務的経費ではなく財政にある程度の余裕があることを前提にし、それぞれの首長の交付決定という政治的判断の元で手続きが始まるのである。地方自治法でも政務調査費は「・・・交付することができる。」という規定になっていて、交付するかどうかは、知事や市町村長の裁量判断に依拠している。だから本来この判断については、知事や市町村長らはこれを他人にゆだねることはできない。たとえ委任されたと称する者があったとしても首長の名前でもって交付決定をしなければならない。この交付決定の決裁なしには、政務調査費の支出負担行為、支出命令等の財務会計行為はこれをすることはできない。敢えてした場合は越権行為であり職権乱用ということになる。

3、権限ある者の決裁文書不存在の意義

地方自治体の議会議員は地方自治法203条1項の規定で報酬の支弁を受け、又費用や手当を支給されることができることになっている。具体的にはこれは条例で定められる。

その正規の報酬や手当、費用弁償のほかに政務調査費が交付されるわけであるから、

政務調査費の交付は政党や議員に対し、国の政党助成金と同列の一種の補助金の交付と考えられる。

基本的には適化法(「補助金等に係る国の予算の執行の適正化に関する法律」)の適用を受けるものと考える。この法律では補助金の申請と交付決定についての規定は全体五章のうち第二章が当てられ、その章の大半を占めている。また、それに交付決定に関連して補助金の不正使用等への返還命令も1章がさかれている。交付決定は適化法の中核でありその重要性はこれによってうかがわれる。

行政法関係の学説によれば、行政行為が無効となる場合が種々挙げられているが、たとえば、決裁文書に権限ある者の署名や捺印が欠如している場合でもその文書は無効となる可能性があるとされる。無効な瑕疵ある文書による許認可や公金の支出行為、それにかかる事業遂行も無効となる可能性がある。

行政庁による補助金交付は私法上の契約などではなく適化法の実行行為であり行政行為とみなされている。

本件では、その文書に瑕疵があるかどうかではなく交付決定という決裁文書そのものが不存在であることが明らかである。行政行為はすべて文書によって担保されることは言うまでもない。

特定の事務事業の端緒となり、その事業に対する地方公共団体の首長の意思を担保する公文書が存在しない場合、権限ある者の決裁印も署名もありえないから事業を進める手続き事務は無効であるし事業自体も当然に無効となる。

たとえば、知事の補助金交付決定もなくその通知文書もないのに水産課が会計管理者と示し合わせてある漁業団体に勝手に補助金を交付することが許されるであろうか。

あるいはまた、学長が退学処分を決定していず、本人に学長名のその処分状が通知もされていないのに学生課の事務職員が勝手に特定学生を放校させることができるであろうか。裁判所は本件のこの交付決定不存在の事実について目をそらさず対処して判断を下すべきである。

4、知事の権限は議会事務局長に委任できない。

上掲の通り原判決は、被告適格の争点の判断で、知事が政務調査費にかかる損害賠償請求権に関する権限について、これを議会事務局長に委任したということはできないし、このような債権の管理が議会事務局長の所掌事務に属するという証拠もないと判示した。

(原判決10頁後段)この判断自体は全く正しい。

にもかかわらず、被控訴人は、その権限が委任されたとしてまるで正反対の判断をした。その根拠として高知県会計規則第3条の1で委任先に議会事務局長を指定していることを挙げ、その法的根拠として地方自治法第153条を挙げている。

高知県会計規則の規定はそのとおりであるが、しかし、地方自治法153条の規定は、権限の委任先として首長の直属の「補助機関である職員」か、又は首長が統括的に管理する「行政庁」に限定している。県議会は、首長の「補助機関」ではないし、「行政庁」でもない。県議会は立法機関であって行政機関ではないことは誰でも知っている。

従って高知県会計規則に知事の権限委任先の一覧に教育長らと一緒に県議会事務局長を入れたのは重大な誤りであり、無効な規定というほかはない。原審での控訴人の指摘で困った被控訴人は最後に「併任」(地方自治法180条3では「兼職」であるが、行政委員会との兼職であって議会事務局との兼職ではない。)という仕法を使っていると主張した。県庁知事部局の職員を同時に議会事務局の職務を執らせるということで知事の権限の委任を合理化しようとしたが、しかしこの「併任」(兼職)についても法的根拠がなく、被控訴人は地方自治法の逐条解説者の意見を引用して正当化しようとした。

その引用の解説書自身も、地方自治法180条3の規定は委員会と首長部局との間の兼職であって議会には当てはまらないと記述していた。

議会の経費に掛かる会計事務は、何も無理に議会事務局に委任しなくてはならないものではない。委任せずに知事(又は知事の命令で知事部局の出納・会計担当職員)が直接取扱い処理することが本来の姿である。現に議会事務局の職員への給料はそうしているのである。

他の行政機関と知事など首長部局間の事務の委任というのは、行政事務の簡素化、効率化の便法として採用してよいという意味で許されているのであって、委任できないものは、地方公共団体の予算の執行、費用の弁済事務はすべてその首長の担任事務であるから、首長自身が直接行わねばならない。(地方自治法第149条)

しかも交付決定という重要な事務は、委任されているという議会事務局長もこれを遂行していない。したがって本件政務調査費について交付決定がなされなかったのは被控訴人自らの責任の放棄であり、仮に委任が許されるとしても、委任業務が遂行されていないのであるから被控訴人の指揮監督上の懈怠の責任がある。委任した業務が遂行されたかどうかは委任者が点検しなければならない。委任業務が遂行されない場合は、委任者は指揮監督権限を行使してこれを実行させなければならないのは当然のことである。

被告準備書面がその根拠として引用した逐条解説書自身が併任(兼職)は議会には該当しないと記述していたことからすれば、被控訴人は知事の権限の議会事務局長への委任が不法行為であることを知っていたと考えられる。

また、仮に「併任」という手法で交付決定や財務会計行為を委任することが許されるとしても、それならばなおさら、知事の直接的な指揮監督がなされねばならないわけであるから、自らその指揮監督の行政事務ラインを構築しなければならなかったが、被控訴人は全くこれをしなかった。ただ「併任」の辞令を出せば後は能事了れりで済ましてきた。

5、全額返還か被控訴人による全額弁済の必要がある 

したがって本件政務調査費の交付は権限ある者の交付決定が欠如し、それに基づく各会派各議員への交付決定通知書が欠如しているから、本件に係る議会事務局長の支出負担行為、議会総務課長らの支出命令はすべて無効であり、会派分及び議員分のすべての政務調査費の交付金は高知県に返還させなければならいし、そうでなければそれら重要事務の違法状態を放置してきた被控訴人が全額賠償しなければならないと考える。

これは、本件政務調査費全額の交付が議会事務局長の越権行為という不法行為によって遂行されたものであり、特定の財務会計行為の違法行為を超えて一種の刑事事案であり、

最高裁昭和62年判例の適用外の事案というべきである。

二、〈監査請求1〉(議員及び会派2重の交付)についての原判決の判断の誤り

1、原判決は、これについて内容について何も判断せず、ただ、監査請求期間の徒過を指摘して却下した。

①監査請求期間の徒過についての誤った判断

〈監査請求1〉について原判決が不適法と判断した根拠は昭和62年2月20日最高裁第2小法廷の判決である。

原判決は、

ア)特定の財務会計上の行為を違法であるとし、当該行為が違法、無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としているものであるときは、当該行為のあった日又は終わった日を基準として地方自治法第242条2項を適用すべきであり、本件〈監査請求1〉はこれに該当する、

イ)本件政務調査費の支出は、平成25年1月16日までになされ、本件監査請求は平成26年4月16日であった、

ウ)議員と会派の両方に支給されるというのは条例によって明らかで収支報告書の公開を待たずに判断することができるから遅延について正当な理由があるとは言えない。

という。

イ) については、事実である。

ア) 、ウ)については、本件監査請求書の内容について裁判官に誤解があると考える。

本件監査請求書の内容は財産(債権)の管理を怠る事実の事案である。

本件監査請求は、すべて本件政務調査費の交付は違法であるので返還という措置をとるべきだという主張で一貫している。

本件政務調査費の交付はすべて概算払いであり、概算払いの財務会計事務は支出命令・交付の時点で確定せず、その精算が完了した時点で終結する。条例の違法な規定に基づく行為であっても、債務が確定しないでは債権も確定しない。

地方自治法第242条1項の規定は、住民は、地方公共団体の長や職員などが

(1)違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結・・・

(2)又は、違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実があると認めるとき、監査委員に対し監査を求め、

→(3)当該行為を防止、是正、怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実に

よってこうむった損害を補てんするために、

(4)必要な措置を講ずべきことを請求することができる。

となっていて、控訴人は、(1)又は(2)の違法な公金の支出又は怠る事実の違法があると認めたので、(3)の当該行為によってこうむった損害を補てんするために(4)の「必要な措置」として交付金の返還を求めたのである。したがって、本件監査請求の趣旨では怠る事実の違法としてのみ立件したわけではなく、公金の違法な支出としても請求をしている。したがって昭和62年の上掲最高裁の判例は必ずしも本件に該当するとはいえない。

 遅延について正当な理由について

上掲最高裁判例の趣旨では普通ならば請求期間徒過ということで本件の場合も却下される恐れもあるが、

第一に、被告も認める通り(原判決5頁下段)本件政務調査費の議員及び会派による収支報告書の公開は平成25年7月1日からであった。

原判決は、本件政務調査費の条例によって会派及び議員の両方へ交付することは収支報告書を見るまでもなく条例などでわかるはずだから遅延について正当な理由はないという。

しかし、一般的にも条例に違法な規定があるからと言って差し止め請求はともかく、返還や損害賠償を求めて監査請求を起こすことができるであろうか。

違法な法令があってもそれが実行され損害が発生しなければ損害賠償請求は困難であろう。戦争法案が成立したからと言って、違憲訴訟はともかく、実際の被害が起こっていないのに、損害賠償の裁判を起こすことは困難であろう。

第二に、地方自治法242条の第2項は

「前項の規定による請求は、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。」と規定されている。

政務調査費は概算払い制度であり、それを交付したときに完結するわけではない。

概算払いの場合は、それを精算したときが完結したときである。したがって本件政務調査費の会計事務の終了は、収支報告書が議会事務局に挙がった時であり、厳密に言えばその審査が終了し精算(不要分の返還を含む)事務がなされた時が法に言う当該行為の「終わった」日であり、その日は普通一般の住民の感覚では、収支報告書が公開された平成25年7月1日とほぼ同時期であると考える。

したがって条例の存在や概算払いの支出命令などがなされたからと言って、その日を起点にして監査請求期間を算定することは法の明記を無視した粗暴な判断である。

 平成14年9月12日の最高裁判例

平成14年9月12日の最高裁判例は京都市の同和対策関係のずさんな報償費への支出について監査請求から住民訴訟に及んだものであるが、この判決で最高裁は、監査請求の遅延の「正当な理由」については

「普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができたかどうか、また当該行為を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである。」と一般的な基準を示し、地元の新聞記事で不明朗な支出との報道がされた期日をもって「監査請求をするに足りる程度に本件各財務会計行為の存在又は内容を知ることができたというべきである。」と判示した。

本件の場合、前記の通り当該行為の終わった時(概算払いの精算時)から期間を算定するべきであるが、一般住民は、不明朗な使途が公表されて初めて監査請求に立ち上がるのであり、その契機は収支報告書が公開されるという時をおいてほかにないであろう。

高知県の政務調査費の交付は年間3回ほどに区切って交付する。本来なら、県議会事務局は、次の第2回目の交付金が交付される時に第1回目の収支報告書を徴しこれを公開し、第2回目、第3回目と期間終了ごとに収支報告書を順次徴して公表するという仕法を取るべきであった。政務調査費といえども前渡し金についての県の会計規則第54条の3の規定(前の前渡し金の精算が終わらなければ次の同種の前渡し金は出さない。)を基本的に踏襲すべきであった。

24年度の4月,5月,6月に使用した交付金の収支報告書が翌年度の7月に公表されるときにはすでに監査請求の期間を徒過しているのである。これをしも住民側に遅延の責任として転嫁するのは本末転倒であり、権力者の身勝手によるおのれの咎を人民になすくりつける無法というべきであろう。平成14年の最高裁判例のように住民の立場に立った、法の趣旨を生かそうという姿勢と比べると原判決は極めて冷酷かつ粗暴というべきである。

④怠る事実の違法

ちなみに原判決がとったように本件監査請求を怠る事実の違法として解釈することも可能であるが、そうとしても昭和62年の最高裁判例にはあてはまらない。この最高裁の事例は町有財産が時価に比して著しく低額であることから起こった監査請求、住民訴訟事件であるが、本件の場合の財産(交付金の返還請求権)の行使を怠る事実の違法性は62年最高裁判例のように単純ではない。

62年判例事件では一応権限ある者による財務会計行為の内容が問われていたが、本件政務調査費の交付事件では、権限ある者が交付決定以下の財務会計行為を何もしていず、それにもかかわらず公金が支出された事件である。

交付決定書や交付決定通知書を作成していないことは被控訴人も暗黙の裡に認めている。議会事務局長以下の議会事務局幹部による支出負担行為等は完全な職権乱用の事件であり刑事事件の内実をもっている。

財務会計法規の違反ということで初めて返還請求権が発生するというのではなく、職権乱用による公金の不正使用、越権行為により他人に不当利得をえさせたという不法行為による損害の発生、との事実認定をすれば、監査委員も裁判官も財務会計行為の論点を離れても債権管理の怠る違法性を正当に判断が可能である。

政務調査費の交付決定というのは単なる財務会計行為ではなく、その前提をなす首長の政治的判断であり、この判断に手続きや公益目的などの違法性があれば、その公金支出は利権行為と判断され、直ちに背任等の責任が問われるものである。今その政治的決断の不存在が指摘されている。

それが違法であれば財務会計行為とは別個の次元で本件交付金の違法性と損害賠償責任の確認が可能であるから、本件はいわゆる真正財産の怠る事実として訴訟を構成することができるものである。

このことは平成14年7月2日の公共工事での談合事件で示した最高裁第3小法廷の判例で明らかである。すなわちこの最高裁判例では、請負契約の締結という財務会計行為の違法性とは独立して、談合という不法行為から損害が発生したという認定に基づいて債権管理を怠る事実と判断できるから、62年判決の趣旨は該当せず、請求期間1年の制限はないと判示したのである。本件の場合に監査請求段階でこの職権乱用の違法が指摘されていなくとも監査請求では何もすべての違法性を列挙せねばならないということではないから訴訟段階で問題にしている以上、この14年7月2日の最高裁判例の趣旨は同様に当てはまると考える。

「会派又は議員」への交付について控訴人の主張

原判決は、交付対象に関する争点について何も判断をしていないが、原判決によると被控訴人の主張は

法令における用語の表記の基準においては、「又は」と「及び」の両方の意味を与えようとする場合には「又は」を用いるとされており、地方自治法100条14項の規定は、政務調査費を交付することができる対象を、「議員、会派並びに議員及び会派の双方」としているものである。(原判決8頁)という。

地方自治法の規定は

普通地方公共団体は、条例の定めるところによりその議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務調査費を交付することができる。この場合において、当該政務調査費の交付の対象、額及び交付の方法は、条例で定めなければならない。

としているだけであって、又はという接続詞の意味にについて上記被控訴人が言うように並びにとか及びとかの意味を持つなどというのは途方もない拡大解釈であり日本語の解釈とは思えない。

地方自治法の自然な解釈は、政務調査費は議員の調査研究に資するために議会の会派という議員集団か又は議員個人を対象としてこれを交付する、というものであり、「又は」の接続詞は2者双方ではなく二者択一のために用いられたものとみるべきである。

被控訴人が言うような用語事例をいうのであれば、特定法令(地方自治法)、さらにはその法の同じ章、同じ条項で、「又は」、「及び」、「並びに」等の用語がどのように使われているか検証すべきである。そのことについては原審の原告準備書面で分析したが、地方自治法、特に問題の第100条において、「又は」は①二者択一か、又は、②言葉の言い換えの接続詞として使用されており、「及び」とか「並びに」とかの用語とは明瞭に区別されて使われている。決して「又は」は及びとか並びにという意味で使われてはいない。

問題の第14項を含む地方自治法(現行)100条1中の「又は」、「及び」、「並びに」が使われている事例をすべて挙げると、

①100条第1項 「労働委員会及び収用委員会」、「関係人の出頭及び証言並びに記録の

提出」

②同条第2項   「拘留又は拘引」   ・・・・・(二者択一)

③同条第3項  「出頭又は記録の提出」、「記録を提出しないとき又は証言を拒んだとき」

        「禁固又は10万円以下の罰金」 ・・・・(いずれも二者択一)

 

④同条第4項、第5項、第6項  「証言又は記録の提出」・・・・(二者択一)  

⑤同条第8項   「刑を軽減又は免除」・・・・・・(二者択一)

⑥同条第9項   「第三項又は第七項」・・・・(二者択一) 

        この「又は」は第三項と第七項双方を罰すると読めるかもしれないが、実際には双方同時には罰せられない。第三項の違反があれば第七項は存在しない。

        第三項は証言拒否であり第七項は証言した場合であるから一方が成り立てば他方は成り立たないから二者択一となる。

⑦同条第10項  「照会をし又は記録の送付を求めたとき」・・・・(同趣旨の換言)

⑧同条第12項 「議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整」・・・(同趣旨の換言)

⑨同条第14項、「会派又は議員」・・・・(二者択一)

「「交付の対象、額、及び交付の方法、並びに当該政務活動費に充てることができる経費の範囲」        

問題のこの第14項だけで見ても、「又は」、「及び」、「並びに」の接続用語の使い分けは厳格でありそれぞれの区別は明瞭である。

⑩同条第15項 「収入及び支出の報告書」

⑪同条第17項、18項、19項  「官報及び政府刊行物」

これら接続用語の使い分けは地方自治法全般にわたっていて、「又は」が及びとか並びにの意味に使われている用例は見つけることができない。また逆に「及び」とか「並びに」を「又は」に替えることもできない。

したがって法律の文言を読み替えての政務調査費の会派及び議員への二重の交付は違法である。裁判所は法令の歪曲、利権に結びつく曲解について適切な歯止めとなる判断を下すべきである。

三、〈監査請求2及び3〉会派活動の実体がなく領収書など証拠不存在の支出について

1、知事の権限について矛盾した判断

原判決は監査請求2及び監査請求3については財産(債権)の怠る事実として住民訴訟ができる適法な請求であり監査期限はないと判示した。

しかしながら、ここでも控訴人の主張の内容については何ら論ずることはなく、被控訴人が債権の管理などの権限を議会事務局長に委任して権限がないから、控訴人の主張には「理由がないことになる」として棄却した。

被控訴人に債権管理等の権限がなくなっていることについて原判決は、

議会事務局長は、当該職にある間、地方自治法153条1項の知事の補助機関である職員に任命されたものとされるとともに(会計規則3条4項)、知事が、議会事務局長にその所掌事務に属する債権の管理に関する事務(県の債権について債権者として行うべき保全、取り立て、内容の変更及び消滅に関する事務)の権限を委任したことは、前記1(2)のとおりである。(原判決15頁後段)という。

しかし、「前記1(2)」(原判決9頁下段~10頁)の2頁にわたる記述は、そうはなっていない。確かに9頁~10頁の中段あたりまでは「議会事務局長は債権の管理に関する事務の権限を知事から委任されることになる。」という記述をしているが、その委任されているという話は始めの被告適格の判断の箇所で既述のとおり「しかし・・・上記債権の管理をする権限を委任したと認めるに足りない以上・・・」といってこれに反論し、否定したのである。

損害賠償の請求権も債権であるが、債権管理の権限について一方では委任したとは言えないと判断し、他方では委任されている、と判断して、後者を判決に取り入れた。

この重大な矛盾について原判決は何も説明がない。決定的な争点で矛盾した判断である。

委任されていないという前者の判断はさておくとして委任されているという後者の判断(被控訴人の主張)について原審での控訴人の批判的主張は少しも検討されず完全に没却されている。

2、県会計規則、財産規則の無効な規定に基づく判断

すでに【二】の一の4で既述の通り知事は、議会が知事の「補助機関」でもまた何らかの「行政庁」でもありえないから、地方自治法第153条に基づく権限の「委任」はできないことは明白であり県の会計規則第3条1項や同規則第2条3項、同規則3条第4項、又県の財産規則第107条2項、同規則108条等は、議会事務局への委任に関する限りすべて地方自治法第153条に基づくものであり無効な規定なのである。

実際、高知県会計規則でも、3条1項に委任先として県議会事務局長の名が挙がっているが、第7条では、全庁の各課、教育委員会はもとより県警本部、出先機関にいたるまで出納員への会計事務の委任ついて規定があるが、議会事務局については記載されていない。

債権に関する事務を委任されたといっても、「歳入金の収納に関する事務」を担当する正規の出納員が任命されないのにどのようにして委任事務を遂行できるのか。権限ある出納員なしに出納事務を行うのは違法行為であろう。

また、会計規則7条第1項では「公有財産、債権及び基金の記録管理に関する事務」は管財課の出納員に委任されている。議会事務局長に委任されていない。しかもこの委任する元の権限者は知事ではなく「会計管理者」(旧出納長)なのである。

さらにまた、「高知県議会事務局規程」を見ても会計規則第3条1に委任事務として規定された「歳入の徴収」事務については、議会事務局では誰も担当することにはなっていない。

原判決はこれらについて何の吟味もせず被控訴人の言説を鵜呑みにして判決文をつづった。

しかし、被控訴人の方は原審で、地方自治法153条についての控訴人の批判をかわすために知事からの委任の根拠に「併任」という説を持ち出した。しかし、その知事部局と議会事務局との「併任」(兼職)についても法的根拠がなく、やむなく地方自治法の逐条解説を引き出してきた。(原審乙第25号証)

しかしこの解説では根拠とすべき法令の代替はできない。学者のただの脱法的方便策の提案にすぎない。この解説の要点を抜き出すと次のとおりである。

「予算の執行権は地方公共団体の長に専属し、議会及び委員会又は委員はこれを有しない。…したがってこれらの機関がその事務に関し、支出負担行為、支出命令その他の予算執行を必要とするときは、原則として、普通地方公共団体の長に対して、これらの手続きを取るべきことを求める必要がある。」さすがにこの認識は正しい。

「地方自治法第180条2の規定により委員会及び委員に係る予算の執行権を委員会、委員会の委員長、委員又は委員会若しくは委員の補助職員等に委任して・・・予算の執行をさせ・・・・る道が開かれている。」 しかし、

「議会については、このような規定がないので」

「たとえば、議会事務局の事務局長、書記長又は書記を長の補助機関である職員に併任し、その長の補助機関である職員たるの資格において、これに議会に係る予算の執行権を委任し(法一五三1)あるいは補助執行させるよりほかに方法はない。」

ほかに方法はないというが①の原則的方法がある。

①②③は正しい。だが④の長と議会事務局との「併任」(兼職)方式は地方自治法第153条1項には当たらず、法的根拠はなく違法行為である。

兼任(兼職)が認められるのは地方自治法第180条3の規定であるが、それも行政機関としての委員会(教育委員会や農業委員会など)と首長の補助職員との間での話であり、議会事務局との間の兼職ではない。

ちなみに、昭和41年10月26日の行政実例では議会事務局の職員が首長の補助職員以外の執行機関の補助職員を兼任することは「差し支えない」とし、例として「議会事務局長と選挙管理委員会又は監査委員の書記との兼職」が挙げられている。

本件のような知事部局と議会事務局の職の兼任などは論外であろう。

したがって被控訴人は、自己の責務を放擲し政務調査費交付について適法な行政事務を遂行してこなかったという事実について原審裁判所は厳正な判断を回避している。

3、〈監査請求2〉会派活動の不存在について控訴人の主張

 仮に会派への政務調査費の交付が認められるにしても、それは会派活動による議員の政務調査研究の存在が前提となることは言うまでもない。本件ではその会派活動の証拠がほとんど存在していない。乙第17号証(ひな形は乙第8号証 48頁、49頁、54頁)に見るとおり、議員個人の任意の活動を束にして集約したものを会派活動の分として請求しているに過ぎない。弘田兼一議員の会派分であるが、100件ほどの活動が記載されているのに、会派活動の影も見えない。すべて議員個人の任意の活動記録である。

政務調査費交付に関して会派活動の実績の有無についてはこれまで各地の裁判で争点となってきたが、最高裁判例(平成21年7月7日最高裁第三小法廷判決)については原審(原告準備書面(5))で控訴人が詳しく紹介しそれに基づいて主張してきた。

この最高裁の事案は函館市議会の会派への政務調査費の交付であるが、原審で敗訴していた議員側が上告していた。判旨を要約すると、

A)

(3)上告人は、上記(2)の支出に関し、上記6会派の所属議員は、具体的な調査活動ごとに、その活動内容及びこれに必要な政務調査費からの支出を求める金額を会派に申請し、会派の代表者及び経理責任者からその活動内容及び金額の承認を得たうえで、経理責任者からその金員の交付を受けたと主張している。(最高裁判決2頁後段)

そこで最高裁は次のように判断した、

B)

そうすると、本件各支出について、上告人が主張する前記2(3)(上のA))の事実が認められ、本件各会派の代表者がした承認は、会派の名において、各所属議員の発案、申請に係る調査研究活動を会派のためのものとして当該議員にゆだね、又は会派のための活動として承認する趣旨のものと認める余地があり、そのように認められる場合には、本件使途基準にいう「会派が行う」との要件は満たされることになる。(同判決3頁下段)

ということで最高裁はA)の事実があるかどうか吟味しなおすために原審に差し戻すとした。すなわち、議員側がA)で主張するように、

会派に所属する議員が、

①具体的な調査研究活動ごとに

②活動内容や費用の金額を会派に申請し

③会派の代表者が②を承認したうえで

④経理責任者からその金員を受領する

という1連の事実があれば、会派活動の実績があると認められる余地があるという趣旨である。これを本件と照らし合わせると、①②③、すなわち活動ごとに→会派に申請し→これを会派活動として承認される、という手続きがが全く存在せず、④のみがあるという実態で会派としての政務調査費の交付が行われてきた。すなわち上記乙第17号証は、100件ほどの活動についてお金を使った後で作成された「支出伝票」及び「活動記録簿」であって、会派への申請書やそれの承認決裁書とは到底言えないものである。

これでは、上掲B)の最高裁判示のいう特定の調査活動ごとに、会派のためのものとして調査研究活動を議員が「申請し」、会派がこれに「ゆだね」たり、又は会派のためのものとして「承認」したということにはならない。

原審「答弁書」(答弁書10頁後段)でも被控訴人は「会派に所属する議員個別の活動についても、会派代表者及び会派の経理責任者が押印した「政務調査費支出伝票(会派用)」が提出されることによって、会派としての活動であることを会派が承認したものして扱われている。」といってそれを認めている。すなわち、これでは、会派活動としての決定的な申請、委任という契機が存在していず、議員が勝手に又思い思いに活動した実績を数枚の「支出伝票」の紙面で束にして記載し、これは会派分だといって提出するだけで会派代表と経理責任者が承認の押印する、それだけでて金員を請求し受領している、というのである。

この記述を厳密に見れば、「会派代表者及び会派の経理責任者が押印した政務調査支出伝票」が提出されるという記述からすると、会派にその伝票を提出する前にすでに会派代表者らの押印があったという事になる。

簡単に言えば、あらかじめ押した会派代表者らの押印がある伝票にお金を使ったという記載をするだけで、会派活動をした、承認したということになるというのである。

上掲最高裁判決の会派活動の要件とは遠く隔たっていることは明らかであり、会派の政務調査費としては違法な支出である。

知事は、その権限を行使して、根拠のない支出については公金を使ってはならないのであるから、速やかに返還させねばならない。 

4、〈監査請求3〉領収書等支出の証拠が不存在

本件交付条例第10条4項では会派の代表や議員は収支報告書を提出するときには、「政務調査費の支出に係る領収書その他の証拠書類の写し」を添付することになっている。

しかし、本件では、宿泊費や旅費を合わせて旅行会社などに支払うパック旅行様式の場合を除いてほとんどの、宿泊経費については領収書が添付されていない。

乙第8号証の「政務調査費マニュアル」では「県の旅費規定に基づく旅費額」の定額が支払われることになっていて、「領収書は不要だが、政務調査活動記録簿により議員が証明することとする。」とされている。

このマニュアルの規定と実際の行為は完全に前掲本件交付条例第10条の規定に違反する。

経費支出の客観的な証拠もなしに、金を請求するなどというのは、公的機関はおろかまともな一般の会社でもほとんどありえないことである。ホテルや旅館は必ず領収書を発行している。泊まった事実があれば事後でも領収書は手に入れることができるのである。

旅宿費の支払いを定額にするか実費にするかはともかく、宿泊をし代金を支払ったという事実の、宿泊先の証明がなければならない。議員の手書きの「証明」は証拠にならないということは言うまでもない。

原審でも紹介した朝日新聞の報道では高知県議会のある議員の話では、宿泊費のうち実際にホテルなどに泊まったのは、宿泊費として政務調査費を請求した全体の4割程度にすぎなかったという。

宿泊代について政務調査費の詐取が常態化している疑いがある。

定額支払いで1宿につき1万数千円というのも「実費支出の原則」(前掲「政務調査費マニュアル」5頁の「使途基準」)に反する。高知市内では1宿4千円~6千円が相場である。

知事は、根拠のない公金の支出についてはその返還を請求する権限を持っている。

【三、結語 当裁判の任務】

原判決は第一に、知事の交付決定について自ら主要な争点としてこれを掲げておきながら、判断をしなかった。これは住民訴訟を扱う上において監査請求前置について誤った想念をもってしたものと考えられる。監査請求段階での違法性の指摘事項以外の違法性が訴訟段階で現れた場合、これをも審理し判断することは当然であり、避けることはできない。

当裁判所においては、当然、知事の交付決定書の不存在、交付決定通知の不存在の法的意義について適正な判断をするべきである。

第二に、原判決は、知事の財務会計行為の遂行権限についての判断で、一方では明確に議会事務局長には委任してはいないしそのような規定もないと判示していながら、他方では、それを委任していた、という矛盾した判断を示し、そのうち後者の過てる判断で判決を下した。当裁判所では知事の権限委任につき原判決の矛盾を解き、厳正な法令の解釈をしめすべきである。

第三に、監査請求期間につき、本件監査請求について最高裁などの判例に照らし法令上の規定を正しく適用すべきである。

議会事務局の違法な開示行為の遅延や、政務調査費の支出が概算払いであるという性質を適正に考慮するならば、監査請求期間算定においてその政務調査費に係る支出命令の時点を起点にするべきか又はその精算段階(情報開示段階と一致)を起点にするべきか、自ずと明らかである。会計行為の終わった時点を起点とするべきことは法律の規定するところである。

第四に、被控訴人は、「併任」という手法を編み出したり自己の責任を逃れるために引用した文献で明らかなように、議会には交付決定の政治的判断やそれに基づく財務会計行為は委任できないという事を知っていた。それでもなお、自己の直接的な指揮監督のもとでとるべき事務を議決機関たる議会に委任し続けた。それは懈怠というよりも故意による職務の放棄である。

また委任したといっても、最重要な交付決定やその決定通知書の発行を委任先の事務局長が怠っていたことについて、点検もせずその指揮監督権限を行使しなかった。

委任しても知事の指揮監督権限まで委任できるわけではない。

まして「併任」であれば、委任というより被控訴人の直轄となるから、その指揮監督権限は忽せにはできない。原判決は、これらの被控訴人の責務と権限に関する懈怠又は放棄について何らまともに考慮せず、理由なくすべて放免した。

第五に、監査請求期間の問題や知事権限についての誤った判断により原判決は実質的な訴訟内容の審理を回避した。今日全国的に政務調査費の使われ方について世情の批判が厳しいものがある中で、正規の手続きもせず高額な報酬や手当のほかに億単位の公金を使う事案について、正当な訴えがあるのに、裁判所が何の吟味もせずにこれを放任することは許されない。

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2015年10月30日 (金)

尾崎県政

News & Letters/444

尾崎正直がまたしても無投票当選。県議会でも議会外でも尾﨑正直を批判するのはほとんどいない。

最近共産党が伊方原発の県で尾﨑正直に抗議をしたが、さいきんになってやっとだ。
尾﨑正直はずっと以前から原発稼働賛成だ。高レベル放射性廃棄物の受け入れについては、はっきり否定した。

私が町長の折に直接確認したことだ。だが、伊方原発については一度も批判的になったことはない。

四国電力と「勉強会」をやっている、というが、その「勉強会」も四国電力の言い分を受け入れるための勉強会であって、原発の恐ろしさ、使用済み核燃料をどうするかなど本質的な勉強、県民を放射能から守るためにはどうするかなどは一切勉強していない。伊方が事故を起こせば、愛媛県と同じ程度に高知県も深刻な被害を受けることは明らかだ。
尾﨑正直には福島原発事故によっても原発の危険性を考えたり、想像する能力もない凡庸な男に過ぎない。

姿形は立派だが、県民を湧き立たせるような発想、従来の利権体制を破壊するような恐ろしさがまるでない。
それどころか、談合業者のボスたちへの処分の縮減などは利権温存勢力として県庁を維持するということだ。

原発だけではない。
尾崎県政全体についても誰もまともに批判する者がいない。尾崎県政は橋本県政以上に無為無策、無能行政であって、新しい事業も見えず、旧態依然とした事なかれ主義で、県勢浮上は一寸も進んでいない。
それどころかブレーキもなく県勢後退中だ。ゴスターン行政に批判もせず提言もせずその船に乗って眠っているのが高知県議会だ。

南海地震による津波対策でも、避難タワーなどの防災施設の予算が半分ほども消化されなかったという報道があったが、市町村がやらなければ県が自らやるという気概も県民への思いもない。南国市などを除いて高知県沿岸や0メートル地帯の高知市中心部などはいまだに無防備都市のままだ。

地方分権だとか地方創生だのなんだのというが、地方が今日のように頽落しているのは、地方の首長や議会に座っている連中が、無能であり、まったくやる気がないからである。頭脳が眠っているか麻痺しているから胴体がしなび衰退する。

だから、知事選も市町村長選や議会選挙でも、民衆に見放されて無関心、無投票となる。
知事も、県会議員も住民にはまるで存在感がない。全然役立たずだからだ。
役立たずであっても巨額の報酬や手当は湯水のように使う。
共産党などを除いてほとんどの県会議員が政務調査費の請求で宿泊費の領収書をいまだに提出していない。

証拠もないのに請求してくる議員に対して知事尾﨑正直はこれを拒絶できない。
県会議員だけではない。高知県選挙区の国会議員も高知県のためにはほとんど何もしていない。

国道55号線が台風のため8か所の土砂崩れで例のごとく通行止めとなった。それは単なる自然災害ではない。
それはそういう風に国道が作られているからである。通行止め区間の東洋町野根~室戸市入木間は大雨が降れば山からの土砂が道路に落ちてたまるように作られている。要するに国道が水交じりの土砂受けとなっているという道路なのである。

土砂や大水が出る個所では当然相当な排水路や谷が造成され道路には橋梁が設置されなくてはならない。大水や土砂が道路をくぐって海岸や海に落ちるようにすべきなのだ。
徳島から室戸・高知へ抜ける三津坂トンネルは県道だ。おそらく県下の県道数多くあるうちで、交通量では3番以内に入るという高知県東部の枢要な道路のトンネルであるが、そのトンネルのほとんどは素掘りである。素掘りのままというトンネルは全国的に珍しいであろう。

菊池寛の「恩讐の彼方に」という小説の青の洞門を思わせるトンネルだ。
しかも交通の要所である。天井の岩から水がしたたり落ちている。壁はごつごつの岩だらけで不気味だったが私らがうるさく言うのでセメントを吹きかけて表面的につくろってはいる。トンネルは暗く、大型車両は行き違いができないので入り口で待たねばならない。何の支えもないから南海地震が来れば壁が崩落し埋まってしまうであろう。

これについては私が室戸市議の時代に山本賢聖議員らとずいぶんと骨を折り改替工事のルート設計図まで県が作っていたが、いまだに着工しない。まるで封建時代の行政が高知県に残っている。

高知県勢の浮上は何よりもこれら無能で無気力な首長や議員、それのもとで手足を伸ばしてのうのうと働いている幹部職員らを粛清することから始めねばなるまい

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2015年6月 1日 (月)

県議会政務調査費の住民訴訟

News & Letters/413

被告の高知県は、県知事を相手にした私の訴状に対して、高知県会計規則第3条の規定により県知事の権限を議会事務局長に委任してあるので、知事を訴訟の相手にするのは失当であり、却下されるべきだと居直っていた。

しかし、私の今回の準備書面によって、その卑劣な論理が打ち砕かれた。
まさに知事は県議会に本件政務調査費の交付権限を議会に委任することができないという事が法的に証明された。従って知事が交付決定もしていない公金を、議会事務局長が永年勝手に使っていたということになった。

本件訴訟の前哨戦はかくて私の勝利のうちに終わり、今から本戦に入る。

ちなみにこの間の調査で、高知県議会事務局では、政務調査費の交付決定通知書はもとより、重要文書の送達簿すらも作成していないことが明らかになった。
文書管理もまともにやれない機関が行政のチェック機関として太いことを言って巨額の公金を使っている。

監査委員は、県議会事務局をまともに調査しているのであろうか。

平成26年(行ウ)第9号 損害賠償請求事件    
原告 澤山保太郎
被告 高知県知事
原告準備書面(4)
                 平成27年5月25日
高知地方裁判所 殿
                   原告 澤山保太郎                  

原告は以下のとおり弁論を準備する。
知事の権限の委任について
被告はその答弁書25頁及び準備書面(1)の2頁で高知県会計規則3条1項1号により、政務調査費などの支出についての権限を知事から議会事務局長に委任されていて、知事には権限がない、という主張を繰り返してきた。

原告はこれに対して準備書面(2)、(3)でその主張には法的根拠がないことを指摘してきた。これについて被告から法的根拠を示す主張は出ていない。
今原告の主張をさらに補強し整理する。

一、高知県会計規則第3条1項1号には、確かに予算の範囲内で教育委員会など諸機関の所掌に関する支出負担行為や支出命令等について「知事の事務委任」が規定され、議会もその機関の一つとして指定されている。
ところで高知県の会計規則関係の通知(甲第  号証)には、この会計規則第3条関係について解説していて、それによると知事の権限の事務委任は、「地方自治法第百五十三条又は第百八十条の二の規定」に基づくとされている。
 この二つの法律の規定を見ると、いずれも議会又は議会事務局への知事権限の委任の根拠にはなりえない。
すなわち、
 地方自治法第153条の第1項の場合、権限委任の対象は副知事や部課長など知事部局の職員に限定されているし、第2項の「行政庁」も保健所、福祉事務所など知事の管轄する部署のことであると理解されている。従って議会は対象となっていない。
 他には地方自治法第180条の2の規定があるが、その事務委任の対象も「当該普通地方公共団体の委員会又は委員」であって、議事機関たる議会は対象ではない。

二、被告準備書面(2)の3頁~4頁にかけて被告は、議会事務局が知事の権限事項について委任される法的根拠がないので、議会事務局の職員に知事部局の職員たる資格を与えるため「併任」という仕法を用いていることを明らかにした。

それを合理化するために乙第25号証の逐条解説書を出してきているが、その解説書でも、委員会など執行機関には委任についての規定があるが議会については「このような規定がないので・・・・」といって、別の便法「併任」について教示している。すなわち、
たとえば、議会事務局の事務局長、書記長又は書記を長の補助機関である職員に併任し、その長の補助機関である職員たるの資格において、これに議会に係る予算の執行権を委任し・・・あるいは補助執行させるより他に方法がない。」という。
しかし、この解説書の著者は法令の制定者ではないし、このような「併任」という著者の意見が法令に替われるものでもない。

被告が言う「併任」というのは法的には地方自治法第180条の3の「兼任」のことと思われるが、その規定も首長と委員会との執行機関同士の間の規定であって議事機関である議会との間のことではない。従って被告の主張には何の法的根拠も存在しない。

三、乙第25号証の解説書が「併任」以外に「・・・・他に方法はない」というがそうであろうか。
  回答:他の方法はある。しかも本来の方法である。たとえば議会事務局の職員の給与の支払いでも知事が出納室に命じてこれを支給させることができるし、実際そうしている。補助金の交付についても直接出納長に命じて支払い事務を遂行させることは当然出来るし、それが本来のやり方だ。事務の委任というのは、もともと行政事務の効率化・簡素化のために認められた制度にすぎない。

委任について法律の定めがない場合は、委任してはならないのであって、しかも委任しなければ事務の遂行ができないわけではないし、また、委任しなければならないという法令も存在しない。委任についての地方自治法の規定は全て「・・・することができる」という文言で終わっている。

法の制定者が委任の対象に議会のことを忘れたのではないかと思うかもしれないが、他の執行機関でもかつては首長の事務の委任が禁じられた機関もあった。すなわち、地方自治法第180の2の規定の末尾の文言では、知事など首長の管轄する執行機関と明確に一線を画す必要がある機関には事務の委任はできないことが予定されている。
議会と執行機関は完全に独立していなければならず、同じ人物が同時に双方の事務を担当することは好ましくないと考えて、わざと委任事務の対象から議会をはずしたと考えられる。問題によっては議会が執行機関と全面的に対立するという場面、議会事務局も議長の指示のもとに執行機関と対決する業務を遂行し行動しなければならない場面もありうるのである。

 四、法律的に知事の事務や権限の委任を議会(あるいは議会事務局)にすることはできない。
従って、被告の主張は実際の事務の実態を表現するものであるが、法的根拠はなく、県の会計規則第3条の知事の委任に基づくという本件政務調査費の交付及びその仕法は権限のない議会事務局長が知事から委任されたものと詐称し知事の権限を踰越した違法行為であると断定できる。
あるいは被告知事からすれば、自ら査定し点検をし決定をするなど本件交付事務の権限を行使しなければならないのに、その責務を放擲し、これを法的根拠もないのに議会に丸投げ的に委任し、議会の好きなようにさせてきて、原告が指摘するような事態をもたらした、というべきであろう。
五、しかも、すでに指摘してきたように、政務調査費の交付について被告は本件も含めて条例に定められた知事の交付決定を一度も行っていず、一通の交付決定通知書も議員や議会会派に送付していない。知事から委任されたという議会事務局長も同様に正規の交付決定書を発送していない。

原告が、尋ねたところ、高知県議会事務局では、そもそも「公文書送達簿」の書式はあるが、これまでこれに一切記載していなかったし、また、その送達簿のパソコンなどでの「電磁的記録」も作成していない、ということである。

 これが、本件政務調査費について権限のない議会事務局が適法な手続きも踏まず、議員の言うとおりに公金を支払い続けてきた姿である。 

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2015年2月21日 (土)

高知県議の政務調査費の裁判

News & Letters/399

高知県議会も政務調査費(現在は政務活動費)の使い方について考え始めた。
しかし、依然として議会内部でしか論議をしようとしない。

政務調査費を法令化するに当たり政府は、各議会が条例制定の折には、住民の意見を聴く機会を持つべきだという指示があったが、そんなことは絶対にしない。
宿泊費などは実費の倍以上も取っていて、日当まで取っている。

旅費などは県庁に用があるというものまで計上して請求する。しかも本当に県庁へ来たのかどうかはっきりした証拠もない。選挙区をぶらっと車で回っても距離に応じて旅費を請求する。兵庫県の号泣県議が高知にもだいぶいるのではないか。

以下最近の原告準備書面を掲載する。

平成26年行ウ第9号 損害賠償請求事件

原告 澤山保太郎

被告 高知県知事

 

準備書面(3)

                       平成27年2月17日

高知地方裁判所 殿 

                            原告 澤山保太郎

原告は、答弁書、被告準備書面(1)及び(2)について以下の通り弁論を準備する。

一、本件交付事務について

1、すでに原告準備書面(2)において明らかになった通り、本件政務調査費の交付については、本件条例に定められている知事の交付決定(書)、議員や会派への交付決定通知書が存在していない。知事はそのような文書を発行していないし、会計事務の委任を受けたという議会事務局長もそれらを発行していない。

補助金の交付決定は単なる会計事務ではなく、知事の政治的な意思決定でありここから全ての会計事務が始まる最重要行為である。

この一点において、本件交付行為は全て無効である。

被告は答弁書9頁中段で「高知県知事が、平成24年度政務調査費を高知県議会の会派及び議員の双方に対し交付したことについては認め、その余は争う。」としていた。

そしてその実務は、「アの通知が提出された後、旧条例7条の規定に従い、知事(委任を受けた事務局長)は当該通知をもとに会派及び議員に対し政務調査費の交付決定を行うとともに、交付決定した旨を会派の代表者及び議員に通知する。」と主張していた。

しかし、原告に開示されたり一般に閲覧で公開されている本件交付金に関する資料には知事の交付決定書や議員への決定通知書は存在していない。原告が事務局に聴き糺したところ、そのような文書は発行されていない、とのことであった。

 条例で定められた知事の交付決定もなしに議会事務局長の支出命令等の交付手続きはそれでは何を根拠に遂行していたのか。何の根拠も存しない。

回答。勝手に公金を引き出して議員に配布していたにすぎない。

従って本件交付金は、全額支出することができないのに支出した違法なものであり、知事が議員からその全額を返還させるべき筋合いのものであるのに歴年それをしてこなかったし、その意思も全く見えない。だから、知事がその弁済をする義務がある。

すくなくとも、原告が請求している会派分の交付金全額や議員への交付金で領収書のない宿泊関係費の全額については、知事が賠償する義務がある。

2、議会事務局長の権限と知事の被告適格性

 答弁書25頁によると、政務調査費の交付についての財務会計行為の権限は、議会事務局長が高知県会計規則第3条1項1号の規定により知事から委任を受けている、と主張 していた。

しかし、原告は前掲準備書面(2)でそれについては法的根拠がないと指摘した。

すなわち、地方自治法第180条の2の規定によれば、地方公共団体の首長は教育委員会など各種の委員会へその事務の委任ができるというものであるが、議会事務局には、行政執行機関ではないからその法律の適用はない。従って知事の職務を勝手に議会事務局長が遂行していたということになり越権行為の違法性が浮かび上がった。

 そこで、被告は主張を変えて、その準備書面(2)で、実は、議会事務局の職員は知事部局と議会事務局との「併任」であると主張しなおし、依然として事務局長が本件交付事務について知事から包括的に権限の委任を受けていて、知事には権限がないという主張をしだした。そのため被告は、最高裁昭和54年7月20日判決の判例を持ち出しその主張を補強する。しかし、引用された最高裁判決文は「行政庁相互の間においていわゆる権限の委任がされ、・・・」というとおり「行政庁相互の間」の権限委任の事柄についてであり、議会また議会事務局は行政庁ではないし、地方自治法第180条の2の規定からも外れているからこの最高裁判例は本件には失当なのである。

 従って、議会事務局に「併任」されたという職員はもとの知事の指揮命令系統に入っている訳であるから、たとえ知事が議会事務局に出向させたその部下に事務を委任したとしても、行政庁間の事務の委任とは違って、知事がその事務についての権限を喪失するというわけではない。だから、知事は本件訴訟の被告として適格性を有する。そのことが被告の説明で明らかになったのである。

なお、被告は、地方自治法第180条の2の委任と同法153条第1項の委任とを同じ性質のものと考えているようであるが、その考えは失当である。

後者の場合は、地方公共団体の首長の権限に属する補助機関の職員に事務の一部を委任する行為なのであり、一種の職務命令であって、前者の別の独立した執行機関への委任は首長と別機関との協議(合意)による委任である。

被告準備書面にいう「併任」を前提にした本件の場合は後者の委任であって首長の指揮命令の権限行使の一形態にすぎず、その委任事務についても首長の権限が直接及ぶ。

従って高知県会計規則第3条1項の委任機関の中に「議会 事務局長」を入れたとしてもその権限行使の性質は全然相違していることに留意すべきである。

3、実際、他府県での政務調査費又は政務活動費の住民訴訟では、全て知事が被告となって訴訟が起こされ、知事の責任が問われてきた。 

 地方自治法第100条の14項の政務調査費の規定では、政務調査費を出すかどうかはあくまでも地方公共団体(首長)が決めることであり、出すという場合にはその額や交付の方法などを条例で定めるとなっている。条例があるからといって必ず政務調査費を予算に計上しなければならないということではない。知事の財政状況や政策によって判断される事柄であって、交付決定以下の事務は、事務吏員の裁量に全て任されそれで決まることではない。

本件条例はもとより高知県補助金交付規則では、補助金の交付事務は基本的に知事(部局)の権限である。しかし、答弁書25頁の「(2)交付事務の流れについて」では、本件交付事務は知事(部局)によってなされず、議会については無効な高知県会計規則第3条の規定に基づいて全て議会事務局で専断されてきたというのである。

すなわち、

 議長による交付対象議員の状況についての知事への通知は知事になされずこれを「事務局長が受理する」。

 交付決定、決定の議員への通知も、事務局長が行う。(実際には行っていないが)

 議員は、政務調査費を知事に請求するが、これを「事務局長が受理する」。

 収支報告書も議長から知事に送付するが、これも「事務局長が受理した後、事務局が・・・精査する」。

 交付金の残余が生じた場合、事務局長から議員へ返還命令が出る。

実行されていない②以外は全て事務局長の専断となっているといって、本件交付条例の規定の根幹をふみにじって顧みない、不遜な勢いである。

これらの主張は知事を僭称しその権限を踰越するいわば違法行為の自白であって、高知県独自の仕法であり無法地帯としての高知県議会を現象せしめている。

 

二、証拠のない費用への支出

被告はその準備書面(1)で宿泊費等の領収書など証拠のない政務調査費の支出についてその正当性を一生懸命弁明している。

被告の主張は、

 実費ではなく標準的な一定額を議会の裁量で決めて支払うことは違法ではない。

 本件交付条例の10条4項の「領収書その他の証拠書類の写し」については、領収書がないからといって直ちにその支出が違法となるものでもなく、

 また、「その他の証拠書類の写し」については、マニュアルで定めた通り議員が作成する「政務調査活動記録簿」で「議員が証明」すれば十分だ、

というものである。

 について 

被告は大阪高裁及び奈良地裁の判決文を引用して正当性を論じているが、両裁判所の判決文が政務調査費の何の費用についての判断なのか不明であり、それが直ちに本件の宿泊費等の定額支出の正当性につながるか疑問である。

本件のようにその定額が実費の倍以上である場合に「標準的な支給実費」と言えるのか極めて疑問である。

 について

被告が依拠する判例(大阪高裁平成17年5月25日判決、及び奈良地裁平成16年12月15日判決)はいずれも「政務調査費の旅費」についての判断であり、旅費については領収書が必ずしも取得できるわけではない事情があるから、旅行をしたということが確実であれば標準的な定額の支給もやむを得ないであろう。宿泊の費用は領収書が確実に取得できるから旅費と同列に扱うわけにはいかない。

 について

1、「その他の証拠書類」というのは、領収書に代わる証拠書類のことであって、自分が作成したメモ類ではない。条例が必要としているのは本人が作成する活動記録簿の記載内容を担保する客観的な証拠書類のことを言っているのである。

 刑事事件でも犯行を裏付けるのは容疑者の自白だけではだめであってその自白を裏付ける客観的な証拠や状況証拠が必要なのである。

 高知県議会が自分たちで作った本県「政務調査費マニュアル」でも「基本的な運用指針」の①として「実費支出の原則」が掲げられている。曰く

「社会通念上許容される範囲の実費(実績)を支出することが原則である。

ただし、実費の把握や領収書等の徴収が困難な場合には、実費支出の例外として取り扱う事ができるものとする。」(「政務調査費マニュアル」5頁)

しかし、この原則は、「項目別運用指針」で次のように捻じ曲げられた。

 

② 宿泊費への充当  

  ア 宿泊料 ⇒ 県の旅費規定に基づく旅費額

   (東京都の特別区12900円、甲地方 11100円、乙地方9900円)

 領収書は不要だが、政務調査活動記録簿により議員が証明する

ことにする。

  イ 宿泊諸費 ⇒ 県の旅費規定に基づく旅費額

  (東京都の特別区4400円、甲地方 3700円、乙地方3400円)

 領収書は不要

 

条例で定めた事柄をその運用マニュアルで否定するというのである。

2、問題なのは、宿泊の費用の多寡を証明するための領収書というだけではないのである。

 それよりももっと重大なのは宿泊を本当にしたのかどうかのその実証なのである。

 領収書以外にどこかの宿泊施設に有料で泊まったという事実の実証を、被告はそれでは何をもってするのかが問われているのである。

 甲第10号証の朝日新聞記事を見ても分かる通り、実際に宿賃を払って宿泊した実績は 4割程度であり、後は宿泊の実績がないのに政務調査費から宿泊費を請求して取ったというのである。この新聞記事から類推すれば大半の宿泊が架空であって、宿泊費を詐取しているのではないかという疑いが生ずるのである。

 その疑いを消すためにも領収書なりなんなりの証拠で宿泊の実績を被告が証明しなければならない。議員の記録の中には、家に帰らずに年間百数十日ホテルでとまったとして政務調査費を使い、ホテルを定宿にようにしている実態もあるが、そんな必要があるのか、本当にそれだけの日数泊まったのか、証拠があるのか、疑問を呈せざるを得ない。

  高知県会計規則第58条(前渡資金の精算)第1項では、前渡資金精算明細書にそえて証拠書類を添付して支出命令者に提出することになっていて、その証拠書類とは同条第4項1号で領収書が第1に挙げられている。本件政務調査費も前渡資金であるから、高知県会計規則58条が該当するはずである。

  高知県会計規則は、議会事務局も含め全ての県の機関の財務会計行為に適用されるものであって、ひとり議会事務局が扱う政務調査費の会計行為だけが聖域の様な扱いをされる理由はない。

 3、又、政治活動を理由にして使途の証拠書類の徴収やその提出を肯んじない向きもあり、被告準備書面(1)の8頁目の下段で何か「支出内容の透明化と自由闊達な調査研究活動の確保という相対立する要素」などがあるかのような主張をするが、しかし、政治資金規正法第11条や第12条で議員個人の政治活動の費用の報告でも、領収書やそれに代わる金融機関の振込明細書など証拠書類の添付が義務付けられており、それらは当然国民に公開されてしばしば物議を醸す事件にもなっている。証拠書類もなしに支出したという記載だけでは認められず、使途不明金となる。

  政務調査費は公金であり、個人的な政治活動には使うことが許されていないのであるから、透明性の担保と相対立する政治活動の分野には使われる恐れはないはずである。。

  私企業や個人の税金の確定申告でも経費支出の証拠書類なしには税務署を通過できない。公金の使途において証拠もなしに費用に使ったといって請求すること、その請求に漫然と応ずることが許されるはずがない。

三、立証について

被告は準備書面(1)で損害賠償請求などで損害の存在などの立証責任は原告側にあるといい、各議員はマニュアル通りに資料を提供しているのでそれ以上の資料は取れないし、調査もできない、という。しかし、

平成20年11月11日の仙台高裁の判決(平成20年(行コ)第13号 政務調査費返還代位請求控訴事件)によると、

本来、法令によって定められた一定の目的のために支出すべき公金を受領、管理し、これを支出したものは、当該支出が法令によって定められた目的のために正しく支出されたことについて、必要に応じてこれを証明する責任があるというべきである。

と判示した。

およそ政務調査費の使途がその使途基準に適合しているかどうかが問題になるのは、ともかく使途が明確になっていることが前提である。使途を証明する証拠が何もない場合 

は使途が架空だということを推認させる。その場合は使途基準に適合していないことは言うまでもない。

最近の裁判例(平成26年1月16日名古屋地裁判決 平成23年(行ウ)第68号愛知県議会議員政務調査費住民訴訟事件)でも、

一般に、不当利得返還請求訴訟において、返還を請求する側が利得の保持を正当化する原因が存在しないことを推認させる一般的・外形的な事実を立証した場合には、相手方において適切な反証を行わない限り、法律上の原因を欠くと判断されることになる。

と判示されている。

本件裁判や住民監査請求で原告側が政務調査費の宿泊費については、宿泊の事実を証明する証拠書類が何もなく、全ての宿泊費が架空の事実に基づく請求ではないかということで、全額損害だと主張しているのであるから、被告はそれを否定するのであれば具体的な証拠をもって反証するべきである。本件交付条例第13条によれば政務調査費の請求に係る証拠書類はすべて5年間保存することになっている。もし架空でないなら宿泊を証明する領収書なども保存されているはずである。

四、会派活動について

被告は準備書面(1)の6頁下段において最高裁判例を引用しているが、本件の場合はこの判例の通りには行われていない。

引用された最高裁判例では、「会派が行う調査研究活動には、会派がその名において自ら行うもののほか、会派の所属議員等にこれをゆだね、又は所属議員による調査研究活動を会派のためのものとして承認する方法によって行うものも含まれると解すべきである。」というとおり、会派として一体的に行動するほか、会派の調査を議員に委任したり、議員の活動を会派のためのものとして承認したりする方法・手続きが必要である。

議員らが個々恣意的に活動した記録を十っ把ひとからげにまとめてこれは会派活動だというラベルを張り、それに会派代表者が押印して提出するという本件のような手法とは明らかに違う。

すなわち、被告が引用する最高裁判例では、

上告人は、上記(2)の支出に関し、上記6会派の所属議員は、具体的な町研究活動ごとに、その活動内容及びこれに必要な政務調査費からの支出を求める金額を会派に申請し、会派の代表者及び経理責任者からその活動内容及び金額の承認を得た上で、経理責任者からその金員の交付を受けたと主張している。

として、議員個人の活動について会派の活動としての申請・承認など一定の手続きを踏んでいるとの主張を認めて、その事実を確かめるために高裁に差し戻したのであった。

また、平成16年10月20日判決の札幌高裁の判例(平成15年(行コ)第20号損害賠償請求控訴事件)では、

交付対象が会派に限定された政務調査費を会派を通じて議員の調査研究費に充てること、すなわち議員が負担した調査研究に資するための必要な経費であっても、会派の行う調査研究でない場合には、本件条例においては認められないものと解するのが相当である。政務調査費が、第2の議員歳費であってはならないのである。

と判示した。

政務調査費を充てる会派として調査テーマを設定し、その調査のために会派が一体となって行動するのが基本であり、会派活動のテーマについて調査を個々の所属議員に分担する場合にはその分担範囲を定めそれぞれ担当議員を決定する必要があり、そうでなくとも上掲の最高裁判例のような議員個人活動の会派活動化する最低限の手続きを経、なおかつそれらの調査活動を総括する作業が必要なのである。

五、原告準備書面1の訂正 又はについて

 原告準備書面1(平成26年10月20日付)の2頁目下段下から7行目以下を次のように訂正する。

 

   ア、A又はBで、ABが異種類のもの、

   イ、A又はBで ABが同類又は同義の場合

 アの場合の又はは、A  or  Bと読む場合と A and Bとも読める場合の2様があること。

すなわち、イの場合ではABが同種であれば単に同一のことを言い換えただけであってAを選べばBは不要であり、Bを選べばAが不要となって、常にどちらか一つの選択

 

 

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2014年8月24日 (日)

朝日新聞全国版の政務活動費報道

News & Letters/374

朝日新聞が本日平成26年8月24日朝刊で政務活動費について全国の都道府県議会の
実態を明らかにした。鳥取県以外ではすべての議員が宿泊費などの領収書を徴収していない、
とりわけ高知県の県議の実例が追求されている。
高知新聞は社説などで高知県議会の政務活動費は問題がないという報道をしていた。
しかし、兵庫県議の号泣男の事件が起こって高知新聞も高知県の政務活動費の実態を2回ほど報道したが、旅費などについて少し批判的に究明していたが、宿泊費の領収書がないことについては一言も書かなかった。

朝日は高知県の佐竹県議の事例をとりあげ宿泊費のずさんな請求や支給の実態を暴露した。
ホテルに泊まる実費は5000円程度なのに、一律1万3千円以上受け取っていて、領収書がまるで存在していないから、

全体の6割がホテルに泊まらず親戚や知り合いの家に泊まって金を浮かせていた、という。
親戚にはお土産を持っていったから費用がいったなどと弁解しているが、身内の胃袋に入るようなものを買うために政務活動費があるのではないだろう。政治倫理がマヒしているのである。

高知県議会は、政務活動費の条例にはすべての支出について領収書など証拠を提出せよとなっている。それを、自分たちが勝手に作った政務活動費のマニュアルでは、旅費と宿泊費は領収書は徴収しないという取り決めをして、条例の趣旨を抹殺していた。高知新聞はもとより朝日新聞もこの違法なマニュアル(インターネットに載っている)を摘発すべきなのである。

しかし、いづれにしても、高知新聞が隠ぺい擁護していた県の政務活動費の宿泊費の実態が暴露された。

私から見れば、高知県会の政務活動費(宿泊費)が他社の全国版掲載となったが、それによって政務活動費に関する限り高知新聞のメンツは丸つぶれではないだろうか。                           
私が提訴している政務活動費の問題は、宿泊費を主に取り上げている。

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