室戸市政

2018年8月16日 (木)

激戦の後の展望

News & Letters/644
11月18日の室戸市長選の前哨戦が激しくたたかわれている。
反改革派は三つに分裂した。市民は戸惑っている。
革新派は少しも動揺していず、結束が固く、しかも活発に動いている。
市民の命に係わる医療の危機が深刻になっているという非常事態において
多くの保守的な層も真剣に市政を考え出した。
市民のほとんどが激しい渦となって室戸市政の根本的な立て直しを願い始めた。
文字通り老骨にムチ打って立ち上がった私を逆に叱咤する市民も多数出てきた。
私の課題は、医療の保障という最も原初的な市政の課題を解決したりその他市民が望む「善政」を布くことであるが、それだけではない。住民自治、民主主義をいかに実現するかも大事な問題である。
三権分立といっても実際は行政の圧倒的な優勢にあり、議会はもとより司法でさえも見る影もない中で「善政」をしけばなお一層行政の独裁状況が現出するだろう。
独裁的な善政もやはり否定されねばならない。住民自治のもとで善政が施行されるという体制が構築されねばならない。
パリコミューンのようなプロレタリアの徹底した民主主義とまではいかなくてもできる限り住民の主権が行政に貫徹する体制を作り上げなければならない。市長(市役所)の独裁的な善政では、善政自体が支えきれない。
それは東洋町で私が経験したことだ。東洋町では、私が出した予算案に対して反対派議員が、あまりにも素晴らしいので私たちは支持できないという驚くべき発言をしたが、善政にも民主的基盤がないとつぶされてしまうのである。
私は、住民自治の一つの方策として議会が住民の意思をほとんど反映していない現状を打破するために、地域評議会を羽根から佐喜浜の全地域に設置しようと考えている。
評議員は各地域で10人~20人程度、全体で100人ほどの委員とし、その評議会は若干の独自予算を持ち、それぞれの地域の課題を討議してもらい市長や議会がそれを尊重して予算を編成したり行政施策を遂行する。
また、市役所内部でも集団的指導体制を組まねばならない。現在市役所ではほとんど庁議は行われていない。
課長会と称してやっているのは毎議会の質問への答弁対策だけだ。そうではなく日常の行政事務の遂行をどうやって進めるか、住民の苦情や陳情などをすべて取り上げて最低週1回は開かねばない。そうして大事なことは全職場で週に1回は職場会議を開くことだ。現場の職員の意見や提案を聞いてその創意工夫を尊重しなければならない。失敗や不親切行為などがあれば全庁で反省され教訓化されねばならない。
東洋町では私は、毎週必ず人の見えるところで庁議を行い、各課の職場会議には必ず出席した。
個々の職員が孤立して仕事をするのではなく、情報を共有して市役所全体が活性化されねばならない。
困難な事件や事務では担当職員に任せるのではなく市長や幹部職員が前面に出なくてはならない。職務のことで職員を死なせてはならない。
東洋町では私は生活保護の申請については職員に任せず町長自らがすべて面接し、受理し、決定した。
重要事件が起こった場合は臨時の庁議を開き、市長が独裁ではなく集団で討議して庁議で決定することだ。
そして大事なことは、庁議はだれでも傍聴でき、議題はすべてボードで画像化し、決定内容も画像化される。
東洋町では、議題と決定内容は直ちにインターネットで公表した。
事業に関係する市民や議員の参加も必要である。
市役所内部の民主化、地域住民の行政への参加などを最低限実行することだ。行政独裁、市長独裁を即刻やめることだ。
善政をしくということ、その善政を作りだし支える民主的基盤をつくることが、私が市役所に入った場合の二つの課題である。
東洋町では善政をしくことに急なあまり、その民主的基盤、住民自治を築くことができなかった。

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2018年7月 5日 (木)

室戸市民新聞ニュース速報

News & Letters/640
室戸市民新聞ニュース速報
平成30年7月4日号 室戸市民オンブズマン連絡会発行 
   買収など選挙違反、誹謗中傷を許すな
小松陣営は3分裂し混戦模様である。誹謗中傷も盛んだ。
一般に選挙など政治的な争いが緊迫すると、金銭問題や暴力事件、セクハラなど異性問題で個人を攻撃する誹謗中傷や、金品をばらまいて買収したり、果ては暴力団などを背景にして脅迫したり暴行をしたりする手合いが出てくる。まともな政策もなく実績も何もない連中は、それしか勝てる見込みはない。
すでに沢山陣営に対し、数件の誹謗中傷の攻撃があがっている。
すでに室戸警察に告発した市会議員谷口総一郎のネトウヨ新聞「青空新聞」もその一例である。
我々は証拠をつかみ次第当局に対し躊躇せず次々に告訴、告発をするつもりである。
ひどい場合は損害賠償請求の裁判を辞さない。この際、室戸市内にうごめく悪党どもを徹底的に糾明し、罪を償わせる必要がある。
市民の皆さんは、票を買収したり、個人を誹謗中傷したりすることには一切関与せず、そのような事件を目撃したら直ちに警察か、又はこの市民新聞に通報していただきたい。
今春、室戸署には選挙違反事件で堪能な腕利きの課長が移動してきたという話もある。
警察に通報する場合は、①何時、②どこで③誰が、④何をしやべったか、⑤又は何を持ってきたか、これらのことをメモし時を移さず通報することである。
過去のように買収など違法行為によって首長や議員を選んだ場合、その首長は必ず不正な利権行政を行い、市民生活を疲弊させることは間違いがない。
    谷口総一郎市議のえげつない選挙違反文書
別添の告発状の通り、室戸市議会議員谷口総一郎発行の「青空新聞」の最近号で、11月の室戸市長選挙に立候補予定者の萩野義興を支持しているとして、この男以外の3人の候補者に投票しないように、萩野候補を当選させるよう市民に呼び掛けた。
市会議員でありながら選挙期間前にこのような記事を書いて市内各所に配布したら、どのような罪に問われるか、わからないのであろうか。
選挙期間の1週間でも選管に認められたもの以外の文書図画で特定候補の名を挙げて当選を訴える文書をばらまいてはいけないということぐらいは議員であればわかっているはずだ。県会議員がついている萩野陣営も知ってか知らずかこれの配布を制止していない。
いずれにしろ谷口は、刑事責任だけでなく、民事責任も問われることになる。
事前選挙運動に関する
告発状
         平成30年7月 日
室戸警察署長殿
                  告発人 澤山保太郎
                  被告発人 谷口総一郎             
【告発の趣旨】
現職の室戸市議会議員谷口総一郎は、平成30年7月1日付の「青空新聞」平成30年初夏号(第30号 本件新聞と呼ぶ)において来る11月の室戸市長選挙で特定の候補者の氏名を挙げこれを当選させることを呼びかけ、さらにその候補者以外の他の候補3人に投票しないよう呼びかけて、公職選挙法第129条の事前運動の制限規定を犯し、罰条第239条第一項に該当する行為を遂行し現に遂行中である。よって調査の上厳しく取り締まり厳格な処分をすることを求めます。
【告発の理由】 
一、犯罪を構成する記事
①、谷口総一郎は、本件新聞3頁最下段で
「とにかく室戸市の政治家たちは不正しかできない奴ばかり、政治の場にいる人たちらがこんな奴ばかりでは、室戸市が良くなるわけがない。」といい、
②、「私が支持し支援している「萩野義興氏」以外の候補に投票して市長にすれば、これからの室戸市はどうなるかわかりません。」といい、
③、さらに【重病で入院したことなどをご報告いたします」という谷口総一郎の署名入りの差し込みの頁の下段で
「最後に一つお願いしたいことは、半年後の11月に行われる市長選に立候補を表明している萩野義興氏を私は支持し支援し、事務所の大きな看板も描かせてもらいました。・・・・立候補する3名の政治に対する発言や行動や感覚に私は賛同できません。
でも萩野氏は・・・・立候補者の中で一番信頼性が高いと考えますので、多くの市民の皆さんも萩野氏を支持し・支援し、市長に当選させて下さいますよう切にお願い申し上げます。」
④、特に本件新聞の主要な狙いは、告発人沢山保太郎と考えられるが、本件新聞1頁上段の中ごろに、
「平成26年に市長選に出た候補の質も二人とも、ひどいなあ。おまんの気持ちはよく解る。・・・」と書いている。
二、犯罪の内容
①、②について
谷口は、①で萩野義興を持ち上げるために、室戸市の政治家たちは不正しかできない奴ばかりだと告発人らも含め室戸市の「政治家」に理由もなく誹謗中傷を加え名誉を棄損した。さらに、
「萩野義興氏以外の候補」に投票すると室戸市がどうなるかわからないぞと脅かすような口調で萩野義興氏に投票することを呼び掛けてこれを市長に当選させることを読者に求めた。萩野氏以外の候補に投票しないように、というのは萩野氏だけに投票するようにという強い呼びかけである。
③について
この記事において、何の選挙か特定され、当選目的が明確に表明され、当選させる候補者の氏名が特定されている。②の投票の呼びかけと合わせて事前選挙運動の犯罪構成要件を充たしている。
そして、④について
 平成26年の市長選に出た候補者の質はひどい、というのはその選挙に出たのは多くの市民がそれは小松現市長と告発人澤山保太郎であると特定できるが、記事の流れからすれば谷口を落選させようとした小松現市長がやったという「落選運動」には告発人澤山は無関係であるのにあえて現在の市長選に出ている澤山を攻撃していると考えられる。
 質がひどいという質とは性格か、政治的資質ではないかと思われるが、小松現市長は知らず、沢山については全く誹謗中傷である。本件新聞やその関係の谷口のインターネット上のブログなどでも澤山保太郎に対する政治的批判は見当たらない。告発人澤山保太郎は谷口から議会内外で批判を受けたことはない。何の理由も挙げず性格か又は政治的資質がひどいというのは誹謗中傷でしかない。
三、配布の状況
谷口の「青空新聞」は毎号市内全域にばらまかれている。具体的な内容は乏しく、室戸市政の重要案件については、ほとんど取り上げられない。
 しかし、今回の本件告発の記事は市民から驚きをもって受け止められている。
 この記事が公職選挙法違反になるということを市会議員である谷口が知らなかったのか、それとも知っていてあえてこの犯罪を遂行したのか、市民は呆れ驚いている様子である。
また、本件新聞の発行や配布について萩野候補陣営もすでに知っていると思われるが、本件新聞を選挙運動の力としているとも思われ、共謀関係が疑われる。
 本件新聞は本年6月下旬あたりから市内各所に配布され今も続いている。
告発人の手元には、旧室戸町の各戸から4部、吉良川町からのもの1部が寄せられた。
 地域によっては軒並み配布されているところもある。
                             以上

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2018年6月 2日 (土)

室戸市火葬場工事の裁判は進む


News & Letters/636
平成29年行ウ第16号 損害賠償請求事件
原告 澤山 保太郎
被告 室戸市長 小松幹侍
                  平成30年4月13日
高知地方裁判所民事部合1係 御中
                  原告 澤山保太郎  
      原告準備書面(2)
原告は被告準備書面について以下の通り反論する。
一、 値上げの根拠について
1、スライドさせた物価水準は
本件訴訟の最大の争点である5000万円余の工事費追加の根拠について今回の被告準備書面(1)のどこを見ても何の説明もない。被告準備書面(1)の6頁~7頁にかけて「4請負代金の増額金額の積算根拠」及び別紙【「設計金額及び工事更生価格表」説明書】なるものを具に見ても、積算の結果の解説ばかりであって肝心のその根拠は明らかにしていない。
本件請負契約で25条の物価スライド方式というものに依拠して積算しているようなことを被告は市議会においても繰り返し、また、今回の準備書面でも「建設物価に関する一般的な統計資料」(被告準備書面6頁上段)を挙げているが、その「統計資料」については何の証拠も挙げず、言及するところもないし、また、「資材費や労務費の上昇を反映させて更生した更生設計金額であるが、そのバックデータは大量のものであるため、この「設計金額及び工事更生価格表」には示されていない」(被告準備書面11頁中段)という。肝心の建設物価の統計がどんなものか、「更生設計金額」を裏付ける「バックデータ」はどういうものか示さないとすると、被告がいう4500万円とかの算定根拠はまるで不明である。その「バックデータ」なるものが日本国の当時の物価水準の裏付けがあったものか、説明できなければ何の意味も持たない。
被告準備書面では、追加工事分などを差っ引いて計算すれば全体として「増加率は40%」(被告準備書面8頁中段)程度の値上げになっているとのことであるが、少なくとも40%にまでしたその増加率が当時の建設物価の上昇率と照らして妥当なものかどうかが問題であるが、被告はそれについては何も説明しない。日本国内で平成26年前後で40%もの建設物価の高騰があったという途方もない話は到底説明できるはずがない。
本件工事の設計を受注していた設計事務所が本件工事費追加分の計算をしてきたものだ という主張だけでは積算根拠を説明したことにはならない。法廷は議会ではない。議会は証拠がなくても議員の政治的思惑で往々にして案件を可決する場合がある。
被告らは市議会に本件工事費追加の内訳を資料(甲第10号証の2)として提出したがなぜこのような値上げが必要なのか何も合理的な説明はしなかった。
裁判に臨んでも依然として説明ができないでいる。
2、最近の議会での説明 「見積単価」で
本件工事費増額が市議会で議決されるまでは、被告は、増額分の積算の根拠については具体的な根拠を示さなかった。
最近の市議会(平成29年3月議会(甲23号証)、及び同年12月議会(甲第24号証)での被告及び当時の萩野市民課長の答弁では、「単価決定につきましては、建設物価と見積単価による単価を使用しています」と説明し、さらに「全部で設計項目が600項目ほどありまして、そのうち500項目程度を見積り単価で改めてとっておりますので、・・・」と説明している。この「見積単価」というのは、工事発注者側が設計書を作成するときにあらかじめいくつかの業者から参考として提出してもらう参考見積りの単価のことである。
原告は、この見積書について室戸市役所に対し情報開示請求をしたが、なぜか金額をすべて黒塗りにしたものしか出せない、との回答であった。
如上の最近の被告らの議会での答弁は、本件変更工事費の600項目のうち500項目がどこの誰とも知れぬ業者による見積りをもとに値段が計上されたということであって、決して本件請負契約書第25条が言う客観的な物価水準や賃金水準に拠っていなかった、ということを表明したものである。
本件請負契約第25条第1項の特約規定では、請負代金の変更を請求できるのは「国内における賃金水準又は物価水準の変動」によることが明記されている。
甲第25号証は、高知県庁で示された建設資材の価格の指数であるが平成26年前後では指数はほとんど変化がない。
何よりも、室戸市の建物の固定資産税の課税の計算式でも物件の再建築費について物価指数が使われるが、その数値は0.95(高知市に準ずるものという)であり全国的な基準値より5ポイント低いのである。室戸市の固定資産税は27年度に見直されているが、物価指数の値は変わりがない。
全国の名目・実質の賃金指数もアベノミックスによって平成26年前後は右下がりに下がっている。(甲第26号証)
そもそも川村総合は何をもって請負契約第25条の適用による契約金の変更(値上げ)を要請したのか。そして被告は何をもってその要請に応じて5000万余円も川村総合に提供したのか、その答えが最近の議会答弁であった。誰ともわからない業者が作った参考見積書に基づく、それには単価が200%も超えるものも含まれていたというのである。
その参考見積書を法廷に出すべきであろうし、被告はそれに基づいて本件工事費の増額を正直きに説明するべきである。
この値上げは、業者と被告との間の「協議」という名の純然たる談合という不法行為によって決められたというよりほかにない。
したがって本件工事費追加の5141万6226円は談合によって支出したものであるから、不法に出したものは返還してもらわねばならない。
3、施工記録がない追加工事
なお、被告準備書面の説明では、本件工事費追加分5141万6226円のなかに、残土処理、支保工などあらたな工事が含まれているという。
しかし、この追加工事分の予算についてはそれとして別個に契約変更の会計手続きがなされたという記録は示されていないし、さらに市議会に新たな予算議案として提出されていず、それとして議決されていないので無効であって違法な支出である。
被告が言う残土処理とか、支保工などについては5000万円余の増額のつじつまを合わせるために思いついて業者の言い分を聞いただけで計上したものと考えられる。
これらを本件工事費の追加の物価スライドの設計書の中にまぎれこませる手法は予算措置としては異常であり無効である。少なくともこの支出分は市長小松の職権濫用によるものであり、不法行為による別個の返還債権であって本件返還分に入る。
二、 工期延長の理由について
1 工期延長の理由、
工期延長にかかる契約変更については原告準備書面(1)では甲第8号証に基づき論じた。本件工事費の追加にかかる工期変更は甲第4号証の1及び甲第33号証(変更契約伺い書)によって説明すれば十分である。本件工期が平成26年12月27日の「基準日」にまで延長されるその延長理由が肝心であるからである。それには旧火葬場での営業は遅延の理由に入っていない。
甲第33号証の伺い文書では、工期変更理由は 
(1)造成工事の関連で基礎工事が遅れたこと
(2)人手不足、特に下請け業者の確保ができがたいこと
である。(1)についてはともかく(2)については完全に請負業者の都合によるものである。川村総合は本件工事のほとんどを自社の社員で遂行する能力がなく、主要工事のほとんど全部を下請けに丸投げ状態で遂行させてきた。
下請けの確保は川村総合が工事を受注する上で絶対的な前提条件であったが、本件も含めてほとんどそのような準備をしないで受注するから本件工事以外の他の工事でも工期の遅延は常態になっている。
この造成工事の遅延はせいぜい2か月半(平成26年3月末まで)にすぎない。(甲第12号の1)それを裏書きするように平成26年3月17日に川村総合が室戸市と交わした第1回工期変更契約書及びそれに添えられた川村総合の本件工事の「総合工程表」(甲27号証)では、工期は平成26年12月中には終了するという日程が示されている。
それ以後の本件工事の遅れはもっぱら(2)の下請け業者の確保ができなかったことに由来すると考えられる。
上記工程表のほかにそのことは「注文請書」(甲第7号証)で確認できる。元請けの川村総合が本件工事の主要部の工事で下請けを確保したのは平成27年5月以降である。
「注文請書」47件中平成26年度までに下請け契約がなされているのはわずか10件ばかりの2割強(進捗率では34%という)に過ぎない。天変地異が起こらない限り人手不足とか下請けを確保できなかった、自社では技術者がいない、などというのは受注した公共工事での工期延長の正当な理由にはなりえず、むしろ遅延損害金が発生する事案である。したがって、自己都合で遅延損害金が発生するような工期遅延によって本件請負契約第25条の期間(12か月)をクリアしたという主張は無効である。
2、火葬場への道路補強工事 
甲第34号証の工期変更最終版の決裁文書で初めて「市道椎名室戸線舗装工事」が工期延長の理由として挙がった。
原告準備書面でもふれたが、原告は道路工事関連資料の開示を得たが、この路線は火葬場に行く道路であってこの舗装工事というのは、一時的に道路のふちに鉄板を敷くというごく短期的な工事である。(甲第28号証)
これは新火葬場建築工事に絡んで重機など大型車両を搬入するのに路肩補強など必要なものだということで用が済んだらすぐ撤去されたという。
だが、問題なのは、この工事がなぜ平成27年の7月の段階までに出てきたのかである。
これは、何かの災害などの事情で道路補修工事があったのでそのため通行止めになり本件工事が遅れた、というのではなく、本件工事に使う大型車両を通行させるために行った工事なのであった。本来なら、この工事はとっくの昔に施工されるべきものであったが、本件建築主体工事が遅れているためにこの時期にまで施工する必要がなかったのである。
したがってこの道路補修工事は、工事の遅延の原因になるのではなく、川村総合が工事を延々と遅延させた結果この時期にまで補強工事が延ばされたものであって、この時期になって初めて重機などを必要とする工事をする段取りができた、これまでする必要がなかったという証拠なのである。
最初から受注した工事を遂行するスタッフを用意せず、工期を守ることなどまったく不可能であるのに市の工事の入札に参加し、落札してその工事をキープし、延々と屁理屈を並べて工事を遅らせ、あまつさえ自己のわがまま勝手を理由に、換言すれば、無法行為を理由に工事費のつりあげを請求したのである。
3、市道工事も川村総合が受注
しかも重要なのはこの市道補強工事の受注者が川村総合なのである。(甲28号証)
本件市道補強工事の契約時期は、川村総合が本件新火葬場建築主体工事で遅延している最中の平成26年11月13日で工期は翌日の26年11月14日~27年3月20日まで(実際は工期を延長しており27年7月10日)となっていた。大きな受注工事で工期が守れない業者に対し、関連があるとしても半年近くかかる別工事を発注するということは、どういうことであろうか。そのため請負契約第25条のスライド条項適用が可能となったとすれば、本件増額の理由づくりに決定的な協力をしたということでこの市道補強工事の川村総合への発注行為は官製談合そのものではないだろうか。
川村総合も被告らも、この市道補強工事を本件火葬場建築工事の遅延の理由として要請し、認容していたのである。
本件工事を受注した当時、特に平成26年度には、川村総合は本件以外に億単位の大きな工事を4件(西部給食センター建築工事、室津地区避難タワー建設工事、津呂地区避難タワー建設工事、元地区消防屯所建築工事など)も抱えていて本件工事に関与する余裕がなかったというべきであり、本件を含めこれら5件いずれとも工期が大幅に遅延していた。
このような工期を無視する無法行為を容認しそれに屈したことが請負契約第25条のスライド条項適用の期間要件を満たすことに直結したのである。
本件を含め満足に工期を守れないいくつもの大型工事を抱えている企業に次々と別工事を発注するというのは、通常の行政ではありえないことであるが、被告らは川村総合に限ってはこれを許容し、その業者のやりたい放題にしてきた。
本件の支出行為は単なる財務会計行為の間違いや瑕疵ではなく、理不尽な不法行為によるものであるから、支出したお金は返還してもらわねばならない。
三、支出負担行為及び繰越について
1、 本件に係る支出負担行為については原告は訴状での主張に追加して準備書面(1)の1枚目で新たな主張をしたが、今回の被告準備書面では、これについて一言も触れていない。
すなわち、室戸市財務規則第44条2項の規定による繰越し分の予算については、特段の支出負担行為の設定が必要とされていることについてである。
繰越しの予算についての「支出負担行為の内容を示す書類には、繰越である旨の表示をするものとする」との規定は無視していいというものではない。本件支出負担行為の文書には繰越を表記したものは存在しない。この新たな表記は軽視されるべきではない。繰越しの予算に関する支出負担行為は前年度すでに行わねばならないことはもちろんであるが、室戸市財務規則は繰越した予算についてこれを翌年度に使うものとして支出負担行為を更新する、更新したことを表示する必要性を指示するものなのである。支出負担行為の決議は前年度の決議だけでなく翌年度の分も必要だという意味なのであって、これをしなければ予算執行は無効となるということである。
2、被告準備書面は事故繰越(地自法第第220条第3項但し書き)についても原告の主張について何も言及しない。
 最初の25年度から26年度への繰越明許(地自法第213条)はともかく、法令によってさらなる繰越明許は許されないので27年度へは事故繰越を使った。がしかし、自然災害など特段の事故もないのに事故繰越をしたのはあまりにも異常であり職権乱用であろう。一業者のわがまま勝手の工事遅延を認め、1件半年程度の工期の工事を3年度(25年度、26年度、27年度)にまで渡らせる無理難題を実現するために適用が厳しい事故繰越の手法を使うことが許されるのか。
 本件工事の工期の遅延を理由とする繰越は、甲第19号証(平成22年3月財務省主計局司計課の作成になる『繰越ガイドブック』から抜粋)の事故繰越の数百事例のいづれにも該当するものはない。これも被告による職権濫用であり不法行為である
四、不法行為
1、請負契約書の履行義務 
本件工事費の追加が被告と業者間の「協議」(被告準備書面5頁)によって決められたことは争う余地はない。この「協議」の内容が本件請負契約に規定された範囲で行われたものであればともかく、それを逸脱し途方もない金額が打ち出された場合、それは談合というべきであり背任罪などの刑事犯罪に該当する行為となる。被告はこの「協議」は物価水準などに基づいてなされたというのであるが、被告も認める40%もの建設物価の上昇率は説明することは不能である。川村総合は請負金額の値上げの理由もないのにその変更(増額要求)を求め、それによって値上げ幅の協議を行い、その結果法外の契約金額の増額に成功した。このような値上げの額をどちらが提案したかは問題外である。両者が合意した事実が重要であり、被告準備書面が言うように最終的には被告側が業者に4500万円を提示したという。業者はそれに同意したがそれには消費税は別だという注文を付けたという。この4500万円の積算根拠が物価や賃金の水準など請負契約書の規定に沿うものでなければたちまち談合となり共同の不法行為となる。
  本件請負契約書は、室戸市と業者間の私法上の契約である。この契約書の各条項は双方が厳守し履行する義務がある。スライド条項を守らないなら、この契約をいったん破棄しなければならないが本件では破棄はしていない。
世間の物価や賃金水準で工事費の値上げを認めるという第25条規定は、合理的でありこれを履行しない特段の事情はない。また、これらの規定を守ることは、最小の経費で最大の効果を規定した地方自治法第2条第13項の規定にも適う。私法上の契約を無視し義務なき負担を引き受け、地方自治法の趣旨をも踏みつぶし、室戸市に多大な損害を与える行為は市長として職権乱用であり、違法かつ無効な行為である。
2、室戸市議会議員山本賢誓の陳述書によれば、実際の「協議」は被告が言うようなものではなかったという証言がある。(甲第29号証)
 川村総合から請求があったのは、市議会(甲第20号証)での林竹松議員が言うように6000万円を超えるものであり、それが5000万円程度で落ち着いたが、その過程で被告は本件工事の設計屋の杢設計事務所に3千数百万円の線の見積もりを作らせたという確かな証言がある。杢設計の社長の証言ではその見積もりをファックスで室戸市役所に送付した、という。このフアックスは担当課長萩野義興、課員濱吉ら数人の職員は確認したと市会議員に白状したとのことである。
 萩野義興元課長の証言では小松市長の指示でそのファックスの見積書をもって川村総合へ赴き3千数百万円で決着をつけようと話をしたところ、川村総合に全く取り合ってもらえず市役所に帰った。それで仕方なく被告準備書面が言う通り本件5141万円余で手を打つことになったと考えられる。
 設計事務所所長の証言では3千数百万円の見積書を作ったが、その書類はすでになく、それを作成した設計事務所の元社員はすでに退社しており、そのデータの入っているパソコンは事務所にはないとのことであった。
 また元担当課長の萩野義興の証言については原告は録音テープの提供を受けた。
3、談合について
本件における談合というのは、業者と行政機関の長との間の不法行為を内容とする話合い(協議)であるから、官製談合である。
 本件の場合、工事の途中でさしたる追加工事や工法の変更が行われたわけでなく、またそのようなものとして議会での議決もされていず、被告準備書面も認めるように少なくと40%もの物価の値上がりも根拠がなく、根拠もないまま法外な契約金の増額追加をしたことから、それでは、被告は、もともと1億5000万円ではなく2億円の請負金額として最初の入札時に提示して業者間の競争入札に付すべきものであったのではないか、という批判に答えなければならない。また工期もさしたる理由もなく1年半も遅延させたのであるから、最初から本件工事の工期は半年ではなく2年間なりとか無期限なりとかと提示して競争入札にかけるべきであったのではないか。
被告はそうせず、請負金額1億5000万、工期6か月の入札条件で、請負金額2億円、工期2年間という驚異的に有利な工事を川村総合に提供したのである。
これは、いわゆる官製談合防止法第二条第5項の四(入札談合幇助等)に該当する行為であることは明らかである。(官製談合防止法の正式名称は「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」である。)
そしてこの被告の談合行為は、他の同業事業者を不当に市場から排除する効果をもたらすことになるからいわゆる独禁法第2条5項(私的独占)にも該当し同法第3条に抵触し正常な競争入札を阻害したと考えられる。
官製談合の不法行為による公金の違法な支出金に対するその返還請求については、監査請求期間の制限はなく、裁判所の判断を受けることができる。
五、室戸市の総合評価落札方式の違法性(官製談合方式)
 公共工事では基本的に請負金額の変更は認められていない。仮にそれが認められる場合はよほどの事情の変更がなければならず、変更する場合でも、金額は本市の随意契約で許されている範囲の変更である。本件のような9か月を超える大幅な工期の遅延、工事全体の3分の2についての巨額の金額の変更がある場合は新たな入札・新たな契約が必要であって、いながら川村総合が継続的に受注することにはならない。特段の事情もないのに、契約金額を大幅に変更し、無条件で川村総合に残工事を遂行させたのは、競争入札制度を根本から破壊する行為である。
確かに請負金額の変更の特約条項(第25条)が本件請負契約書にはある。 
室戸市には、契約金変更については、他に一般的な規則や要綱は制定していない。
高知県庁の場合、建設工事について金額変更する場合は、設計変更がなければならず、
2000万円以内で元の契約金の30%を上限というガイドラインを作っているが、それはあくまでも工事についてやむを得ない事情に基づく追加的な設計変更などが前提であって、何でもないのに金額の変更などが許容されることはあり得ない。
入札のやり直しといっても室戸市の総合評価方式では川村総合ら数社が思い通りに落札できる方式が構築されている。以下の通り室戸市の総合評価方式は官製談合の一種と考えられる。甲第14号証の本件入札の「総合評価方式」で見る通り、川村総合の「施工実績」と「従事実績」の評価がダントツに高い。この書類の欄外には「平成10年4月以降に元請として完成・引渡が完了したものであること」と記載されている。
しかしこの実績は真実ではない疑いがある。
(ア)業者間の談合を看過した
本件のように発注段階で工事の内容が確定している場合は、価格による競争入札でコスト抑制が可能であるから、価格での競争がほとんど意味をなさない室戸市の総合評価落札方式を本件工事に適用するのは、地方自治法第2条第13項の最小の経費で最大の効果の規定に反している。室戸市では予定価格が公表されており、また、最低制限価格も予定価格の90%ほどと決められているから施工実績などで評価点を確保できる企業は、相手が最低制限価格の入れ札を出してもそれに勝てる入れ札を出すことができる。
ここで注目すべきは本件の入札記録(甲第14号証)では、川村総合以外の他の3社が予定価格で入札している事実である。特定業者以外の他の業者が全員予定価格で入札するというのは偶然の事件ではありえない。このことは、業者間の談合があった明白な証拠である。
このような入札状況では被告は当然価格上で談合を疑い入札のやり直しをしなければならないが、被告はこれを放置した。
(単位は百万円で2社が153.967で、あと1社が153.9である。小数点第1位までで計算されるから3社とも同じ金額の入れ札となっている)
(イ)元請けが自社で遂行した工事実績を評価すべき
総合評価方式をとるとしても施工実績は元請け自身が遂行した実績を評価すべきであって、下請けにほとんど丸投げした工事を評価の対象とするのは、総合評価方式の趣旨に反している。相手が複数企業であっても下請けへの一括丸投げは建設業法第22条で禁じられている。禁じられている一括丸投げを実績評価するのは理不尽である。
(ウ)一括丸投げの実体
元請けが下請けへ一括丸投げをしても、下請けの遂行する工事に元請け社員が実質的に関与し、指揮・監督などをしている場合は一括丸投げも違法ではないといわれる。
  しかし、本日提出する甲30号証に見る通り、本件建築工事における元請けの下請けに対する関与を示す資料は全く存在していない。甲第7号証に見るように本件工事は、川村総合が遂行したのではなく、複数の下請け業者が、被告の作成した設計書をもとに本件工事を完遂したということになる。そうすると川村総合はただの建設業の手配師のようなブローカーにすぎず、ほとんど何も仕事をしないから元請け失格企業であるというべきである。この事態は本件請負契約第6条の一括下請け禁止の条項に違反し、不法な契約違反行為である。
(エ)市契約規則違反 指名競争入札を骨抜き
  本件についての入札記録(甲14号証)では、入札参加業者は実質4社である。
室戸市には、指名入札についての契約規則(甲31号証)がある。
その第29条第1項には、指名する業者は「なるべく5人以上」と定められているが、本件を含む川村総合らが億単位の工事を受注する場合はたいがい5人未満で入札が行われている。これを指摘すると担当課員はそれは「なるべく」と書いてあるから必ずしもその規定を守らなくてもよい、などと答えている。しかし、「なるべく」という日本語は絶対不可能な場合を除いて通常実行するべき趣旨であり、ほとんど常に5人未満で、しかも室戸市内だけの企業で入札をするということが許される意味ではない。
実際川村総合の場合室戸市外の下請け企業に工事のほとんどを肩代わりさせているのであるから、県下広く一般競争入札か少なくとも室戸市内外の5社を超える企業での指名競争入札を実行すべきであった。
  室戸市の総合評価落札方式は、自ら作っている規則をも踏みにじり特定業者が落札しやすい方式に換骨奪胎されていて、これ自体官製談合そのものといえる。
(付論)
原告は、室戸市役所に対し被告準備書面(1)の主張について開示請求を行った。
次のような点について通知(甲32号証)があった。
被告準備書面(1)の5頁の
①「4500万円の増額変更による解決を打診した」という「打診」の資料は不存在。
②「4500万円での解決を承諾する旨の回答があり・・」という「回答」の資料は不存在。
③「…翌2月24日の協議」という「協議」の資料も不存在。
④被告準備書面(1)の11頁中段
「…更生設計金額であるが、そのバックデータ」についての資料は非開示。
また、旧火葬場の営業などで工事を中断したなどというが、
 ⑤ 開示資料では、工事を中断する指示についての資料は不存在ということである。
被告は、④の非開示資料は別として事実だと証明する資料もないのに間に合わせに主張していることになるのではないか。
また、④の非開示資料「バックデータ」は工事中はともかく、工事終了後までも非開示にする理由はない。

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2018年5月22日 (火)

カンヌ映画賞で万引き家族

News & Letters/634
安倍自民党政権下の貧しい日本の家族の実像が描き出された作品に
最高級の賞が与えられた。賞が与えられたということが大事ではない。
その内容、訴えるものが大事だ。私はその映画を見ていないが、報道である程度わかる。
深刻な悲喜劇だ。私の住む周りにも大勢の貧困家庭が不安な毎日を暮らしている。
生活保護世帯はその貧困層の中で数十%にすぎない。あとは放置されている。
政府の生活保護費の段々の削減はその生保家族をも追い詰めている。
市営住宅の家賃が払えない、国保税が払えない、固定資産税が払えない、という人々が私のところに相談に来る。
生保を申請しても、葬式代にも足らないわずかばかりの貯金を暴かれて拒絶される。
このような実態に私は日ごとに立ちあっている。
  み吉野の 吉野の鮎
   鮎こそは 島辺もえき
     ゑ苦しえ 
   なぎのもと せりのもと
    吾は 苦しえ
という日本書紀の民謡の声が寒村の私の村に高く低くうなっている。
  ところで、私が調べたところ室戸市も税収が11億円程度なので必要経費の大半は国の地方交付税交付金に頼っている。高知県も、県下の市町村は総てこの交付金にすがってくらしているのだ。
この交付金は国に申請するときには、高齢者への手当てに何億、子供たちの世話に何億、道路1キロメートルにつきいくら・・・・
という風に事細かく計上して出されている。だが、政府がそれを認めて交付するときには、総額幾らでおりてくるから、もらった都道府県や市町村は何に使ってもおとがめはない。
しかし、例えば高齢者のお世話に年間7億円必要だと申請してもらっておいて、実際にはその半分ぐらいしかお年寄りに使わず、他に流用しているのが実情である。
また、生活保護費の4分の3は国や県が出すことになっていて、4分の1は市町村が負担することになっているが、その市町村の負担分も地方交付税交付金でもらって賄っている。
室戸市の交付金の内訳では、生活保護費は4億円申請しもらっているが、生保費には3億円程度で済んでいる。
残る1億円は、どこへ行ったのか。生保家族以外の極貧層はその数倍存在していると考えられるから、少なくともその人々を支えるためにせめて残りの1億円は使うべきではないか。地方交付税交付金では、農林水産業に2億5000万円ほどおりてきているが、予算書を見ても1億5000万円ほどしか使われていない。残る1億円はどこへ行ったのだ。不漁や台風の被害で農漁民はあえいでいるのに。
室戸市長は、ウミガメ水族館の建設で3億5000万円業者にわたした。たった3カ月の工期を16ヶ月延ばし、ほとんどの工事を下請けにやらせた。下請けの契約金は、たったの1億8800万円程度だから、その差額は1億6000万円である。
このような巨額利権に絡む無駄な事業がどんどん遂行されてきた。
そのような多額の無駄事業のために地方交付税交付金はおりてはいない。
地方交付税の申請では、お年寄りや子供や地域改善のためのお金が必要だといっておりながら、いったん入るとその情報は深く秘匿し、室戸市の場合50億円近いその交付金を湯水のように特定業者どもに注ぎ込む。
このような地方交付税交付金をめぐる国家・地方がらみの大詐欺事件は室戸市だけではない。
そして悲しいかな、多くの貧困層は選挙になるとオウンゴールよろしく、自分たちにあたがる金を剥ぎ取り他に流用する
政治グループに投票してやまないのである。
是枝監督に頼みたい、このような悲喜劇を映画化していただきたい。二度目の賞は確実と思われる。
 

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2018年4月26日 (木)

新聞

News & Letters/629
私も新聞を発行している。「室戸市民新聞」である。「高知県民新聞」も出していたが休刊中である。
全て無料配布だ。街並みはもとより野超え山越えて室戸市内の全ての世帯を回って配布しきることを目指している。
4月11日付の新しい新聞を現在室戸市内に配布中である。幾人もの市民から「貴重な新聞だ」と励ましの声をいただいている。
私の新聞が他の新聞と違うのは、単に事実を客観的に報道するというのではない。
腐敗した地方権力の内情を暴き、打倒することを呼び掛ける実践的なものだ。その点では赤旗に似ている。
この新聞は、暴かれた事実に関係のある人にとっては憎しみの対象であろう。しかし、私は、人を憎んでやっているのではない。
関係のある人に会っても礼を尽くし、挨拶をする。その人にむしろ親しみを感ずる。
大きな事件は大概裁判にかけているから、新聞の内容は裁判の記録である。
室戸市や東洋町、高知県庁の行政が正常化すればそれでいい。人はどんな人でも尊重されねばならない。
そして、行政が正常化するためには、新聞で批判するだけではなかなか達成できない。
他の新聞と違うのは、記者である私がその行政の権力を掌握しようとしていることだ。
だから、事実の報道とそのコメントだけでなく、私の新聞ではどうすれば市民の生活が改善されるか、正しい行政とは何かを提示している。
私自身がひとり完全無欠で立派な人格者だという訳ではない。むしろ私は欠陥だらけで修行途中の身であり、毎日、失敗と後悔を繰り返しながら生活をしている。顧みれば恥じ多い人生で初めからやり直したいぐらいだ。
だから他人について個人的なスキャンダラスな事件は書けない。書くのは公の行政や議会に上った事件だけだ。
批判の相手や権力を忖度したり、また批判の相手からの攻撃を恐れて筆を曲げないことだ。
ジャーナリストでもあった若きマルクスがいうように、根本的な批判とは、批判の結果を恐れぬことだ。

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2017年11月23日 (木)

菅家後集

News & Letters/606
昨日公表した新火葬場をめぐる5000万円余の詐欺(背任)事件の
私の監査請求については、中川博嗣市代表監査委員らによってにべもなく却下された。
まともな連中ではない。
こういうたぐいの人間は昔も今も変わらないようだ。
 
菅原道真の「菅家後集」という漢詩集の中に
「哭奥州藤使君」というのがある。奥州で死んだ友人(藤原滋実)を道真が大宰府の配所で追悼したものだ。
その中で、当時の朝廷の官吏の腐敗(東北の民蝦夷から苛斂誅求しその財貨で買官するなど)を暴きこれに切歯扼腕している様子が表現されている。抜き書きしてみる。
僚属 銅臭多 人を鑠して骨髄を煎る
財貨に卑しい同僚は貪欲の炎で身を焼き溶かし、骨髄までも煎り焦がす)
兼金、又重裘 鷹馬相共に市う、市得於何處 多は是邊鄙に出 
(黄金や、皮衣、鷹や馬を買うが、これはいづれのところで買うのか、多くはこれ東北の辺鄙から)
  ・・・ 
  ・・・
價直は甚しく蚩眩・・・・古へ自り 夷民の變 交關に不軌を成す
(値段は蝦夷を馬鹿にしてだまし甚だしく安くたたく いにしへより蝦夷の反乱は、交易の不平等から起こった)
 ・・・・・
・・・兼贏如意指(利益を増すことは意のまま)惣領走京都(すべてを京都に持ち帰り) 豫前顔色喜(役人を喜ばし)便是買官者(官を買うのだ) 秩不知年幾(年収はいくらか計り知れず) ・・・公堂偸眼視(公で人目を盗んで合図仕合い)
欲酬他日費(他日報いることを望み) 求利失綱紀(こうして利権を求めて綱紀を踏みにじる)
官長有剛腸(剛直な上司がおれば) 不能不切歯(切歯扼腕を抑えられないだろう)
定應明糾察(定めてまさに明らかに糾察し) 屈彼無廉耻(かの廉恥無き者を屈すべし) ・・・
蝦夷からかすめ取った財貨を京都に持って帰りそれで朝廷の悪と示し合わし官を売買し贈賄行為を盛んにする。もし剛直な上官がおれば切歯扼腕し、定めて應に明に糾察して 彼の廉恥無き者を屈すべし
 
  「菅家後集」は室戸市民図書館にも飾ってある。

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2017年11月21日 (火)

室戸市の乱脈利権行政に監査請求

News & Letters/605

室戸市職員措置請求書

                   平成29年  月  日

                       請求人

 

【請求の趣旨】

室戸市が、室戸市新火葬場建築主体工事で平成28年1月15日の支出命令によって出された5141万6226円の支出は、何の根拠もなく、小松市長、請負業者の有限会社川村総合建設らによる不法行為(詐欺又は背任)によってなされたものであり、業者から返還を求めるべきものである。また、工期が20ヶ月も遅延したが、業者の都合による場合が相当あると考えられる。これによる遅延損害金も業者からとるべきである。

【請求の原因】

一、本件工事の経緯

本件工事は、室戸市が平成25年9月12日に有限会社川村総合建設(川村総合建設と呼ぶ)と建設工事請負契約を結び工期は同年10月5日~翌平成26年3月26日のものであり、請負金額は、消費税込みで1億5351万であった。

その後工期が合理的な理由もなく以下の通り次々と変更され、第3回目の変更では大幅な工事費の増額がなされた。

正規の工期:平成25年10月5日~平成26年3月26日

第1回:平成26年3月17日→平成26年12月30日に変更(約9ヶ月延長)

第2回:平成26年10月26日→平成27年3月20日(更に3ヶ月弱延長)            

第3回:平成27年2月25日→平成27年9月15日(更に5ヶ月弱延長)

        請負契約金の変更 (追加額 5141万6226円)

第4回:平成27年9月14日→平成27年11月30日まで(更に2ヶ月半延長) 

と変更された。(合計20ヶ月延長 発注から2年以上)

1億5千万円程度の請負建築工事で天災地変もないのにこのような工事の延長は異常であり、さらに、平成27年2月25日さしたる設計変更もないのに工事費の3分の1を超える増額の追加契約(支出命令平成28年1月15日)をしたが、これは市長ら関係職員と請負業者との談合によるものであり、断じて許されることではない。室戸市はこの不法行為による損害を回復する必要がある。

二、一括下請け契約の実体

1、建設業法や本件請負契約では一括下請け又は主要な工事の下請けは認められていないが、本件において川村総合建設は法律に違反して一括下請けで全工事を遂行している。政府の解説では一括下請けとは、相手が複数の場合でも該当するとされる。

2、本件工事において川村総合建設が下請けに出した全工事の費用は、下請け契約書(「注文請書」)によると、合計1億0218万7210円であり、ほかに出費する工事は存在しない。この金額は変更した工事費(293万6521円)を含めており、元の契約金1億5351万円の枠内にあり、工事費を増額させる理由はない。しかも、その工事費の増額変更は下請け工事23件のうち5件にすぎない。

 川村総合建設が下請け業者に発注したのは、契約時の平成25年度が解体工事の1件だけであり大半が27年中である。ほとんどの下請け工事契約は27年度中の半年ほどであり初めからまともな工期で仕事をする意図はなかったと考えられる。

3、議会での執行部の答弁書では、平成26年12月27日に川村総合建設から本件契約書第25条に基づいて労賃や材料費の値上げを理由とする5000万円以上の請負代金変更の請求があったという。市長らはこれに対し当初3000万円程度の増額に応じようとしたが、業者や特定議員が承知せず、本件増額に至ったという。増額契約にかかる理由や計算式も明らかになっていない。

 しかし「注文請書」によれば実際には、工事費の増額があったのは型枠工事や雑工事などの数百万円にすぎず、本体工事そのものについてはほとんど何の費用の増額の必要性もないことはあきらかだった。「注文請書」によれば下請け工事の全費用は、本件増額が市議会で議決される平成27年3月20日までには全て確定していて、元の契約金の枠内であることが分かっていた。

この下請けについての「注文請書」は業者から市役所に提出義務があり、市長や担当課長も実際の費用について認識していて本件増額が不要であることを知っていた。

三、5146万6226円の工事費増額

1、5146万6226円の工事費の追加は物価上昇による工事費の高騰などとされているが、国内に激しいインフレーションでも起こらない限り本件追加額ほどの増額(30%~40%)が必要になるはずもなく、実際下請け業者との契約ではほとんど物価上昇の影響はない。工事の遅延は大半が川村総合建設側の事情によるものであって、逆に、遅延損害金の請求権が発生する事案である。

室戸市は、本件請負契約書に基づき遅延損害金の請求を怠っている。物価上昇による工事費の変更は発注より12か月を越えなければ対象にならないが、「注文請書」の契約期日で知れるとおり川村総合建設は当初の工程どころか12か月以内に工事をしようという姿勢はなかった。25年中の下請け発注は1件にすぎず、26年中が7件だけであとはすべて27年中であった。

2、また、この5146円6226円の契約金の変更を決議する室戸市議会の状況は異常であり、一部議員の話では、業者に加担する一部有力議員が本会議や委員会で根拠もないのに工事費増額の口利き意見を出したり、また同議員が議員控室で他の市議会議員に対し「命とられるぞ」、など脅迫的言辞を繰り返し発し、増額変更を盛った市長予算議案に賛成しないと報復(殺害)するという趣旨の威迫があったという。この威迫のもとで本件予算案の議決が行われたと考えられる。脅迫のもとで行われた市議会の議決は無効であり、変更した請負契約は無効である。

四、その他の違法性

なお、本件請負契約相手を決めた室戸市の総合評価方式の選定方法は、違法なものである。川村総合建設にかかる評価点のうち「施工実績」は虚偽であって自社の実績でないもの(下請け業者のもの)を使っていた。室戸市はそれが虚偽であることを知っていて特定業者が独占できる仕様をわざと作ったのである。これによる業者選定は無効であった。なお、責任者を配置しただけでは元請けが実質的に工事に関与したとは言えない。

 また本件請負入札については、地元4社しか参加させず、規則違反が常態化している。このような違法行為を承継する本件5000万余の増額契約は無効であり、室戸市はこれにつき返還請求権という財産の管理を怠る違法行為がある。

 

  【添付書類】

1 請負契約書(当初及び変更)

2、「注文請書」(要約別紙)

3、支出命令書

4、別紙 本件「注文請書」要約

 

 本件「注文請書」要約

 (業者)     (金額)   (契約期日)     (工事内容)

1、安岡工業   4752000円  ㍻26418日    鉄筋工事

2、同上              ㍻261220日   工期変更

3、同上              ㍻27310日    工期変更

4、同上              ㍻27919日    工期変更

5、一穂     2484000円  ㍻26418日   仮設・型枠工事

6、同上              ㍻261220日    工期変更

7、橋詰建設   4654800円  ㍻2662日    建築主体工事 

8、同上     3542400円  ㍻26113日    型枠工事

9、同上      529200円  ㍻27212日  * 工期・金額変更

10、竹久建設   4104000円  ㍻266月2日     建築主体工事

11、同上      299160円  ㍻261230日  *  金額変更 

12、同上     1998000円  ㍻261220日     型枠工事

13、同上     950400円  ㍻27212日    *工期・金額変更

14、ひらく建設  3780000円  ㍻2662日     建築主体工事

15、同上     1458000円  ㍻261220日    仮設・雑工事

16、同上      369361円 ㍻261230日   *  金額変更

17、同上      788400円 ㍻27212            *     工期・金額変更                                                                               

18、石井左官工業 1144029円  ㍻27310日    左官工事

19、同上             ㍻27918日    工期変更

20、三和シャッター5724000円  ㍻27310日   金属製建具工事 

21、同上             ㍻27916日    工期変更

22、田淵工業   1266000円  ㍻27310日   左官・タイル工事

23、同上             ㍻27915日    工期変更

24、三和     4752000円  ㍻27310日     内装工事

25、同上             ㍻27917日    工期変更

26、日建商会   2484000円  ㍻27310日     断熱工事

27、同上             ㍻27918日    工期変更

28、和翔商事   2592000円  ㍻27310日    断熱工事

29、同上             ㍻27918日    工期変更

30、小松建具   4104000円  ㍻27310日    木製建具工事

31、同上             ㍻27915日    工期変更

32、西村大理石  9720000円  ㍻27310日     石工事

33、同上             ㍻27916日    工期変更

34、土佐木工所  2268000円  ㍻27310日    家具工事

35、同上              ㍻27915日   工期変更

36、谷末建装   3326400円  ㍻27310日    塗装工事

37、同上            ㍻27916日     工期変更

38、建販センター 10800000円  ㍻27310日    屋根・樋工事

39、同上            ㍻27917日    工期変更 

40、藤岡ステンレス134400円  ㍻27310日   金属工事

41、同上            ㍻27918日   工期変更

42、高南製作所  2700000円  ㍻27310日   鉄骨工事

43、徳増工業   16956000円  ㍻27310日   金属製建具工事

44、同上              ㍻27915日    工期変更

45、仙頭防水   1512000円  ㍻27310日   防水工事

46、同上             

27915日    工期変更

47、安岡重機   1785000円  ㍻251011日   解体工事

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2017年9月23日 (土)

室戸市への監査請求

室戸市職員措置請求書(住民監査請求書)

 2017年7月 日

室戸市監査委員殿

                     請求者 室戸市吉良川町乙2991番地

                           澤山保太郎

【請求の趣旨】

室戸市が建設工事などの請負契約のために採用している総合評価落札方式は、特定有力業者に特恵的地位を与え公正な競争を著しく阻害していると思料するので、この方式が「品確法」等に違反し、違法・不当であることを確認すること、かつ、現今の総合評価落札方式の採用を速やかに差し止めることを求める。

【請求の理由】

1、「品確法」(「公共工事の品質確保に関する法律」)では、入札価格のほか業者の技術的能力などについても評価を行い、総合的に評価して請負い業者を選定することによって公共工事の品質を確保する、とするものである。その第12条で具体的に①業者の工事経験②施工状況③技術者の経験をあげ、これを審査することを義務付け、第13条ではさらに④若年技術者の有無⑤技能労働者の育成・確保の状況⑥建設機械の保有状況⑦災害時の工事体制を加え7つの分野での審査・評価をすることを努力するものとしている。

それは同法第3条の各規定を具体化するものである。

2、室戸市の評価方式でも入札価格だけでなく企業の技術的能力を評価して総合的に判断するとしているが、添付資料のとおり、第12条の②の施工状況の審査が欠落している。第12条の「施工状況」とは契約にかかる工事についての施工計画(工程表)などを言うものと考えるが、第3条などの趣旨からして技術面での評価としては最も重要と考えられるものが欠落しているのである。

また、第3条や第15条などで強調されている「技術提案、創意工夫」、「適正な施工」や「個別の工事により条件が異なる特性」、「工事の性格、地域の実情」などに対応する技術評価が全く審査対象から除外され、ただ入札参加企業の過去の工事の実績や技術者の資格が高い評価点を与えられている。要するに数年間の短い過去の実績でほとんど勝負が決まることになっている。室戸市の総合評価落札方式は、技術面での評価点(9点満点に標準点100点加算)を入札価格で割るという計算式であるが、最低制限価格が異常に高く設定されているので分母である価格での差がほとんどないようになっている。したがって技術評価点(実際は工事実績)の高い業者が自動的に落札する仕組みだ。

3、室戸市の場合価格についての入札は最低制限価格が異常に高い。実際には価格での競争の意義はほとんどない。通常最低制限価格は予定価格の3分の2~90%に設定されるが、室戸市の場合特定業者らが狙う事業では90%になっている。通常の競争入札での札入れは高くても90パーセント前後と考えられるが、室戸市はそれを最低制限価格に設定しているから価格での競争が困難な状況である。

4、さらに問題なのは、添付資料の例のように、総合評価方式も一般競争入札ではなく指名競争入札であるが、室戸市の指名入札の規則では、6業者以上の指名による参加を必要とするが、添付資料の事例ではその規則も満たしていない。数業者の競争となるのでますます特定業者の請負契約の独占化、固定化が容易となっている。

5、さらに重大なのは、技術評価で大きなシエアを占める過去の工事の実績では、室戸市が評価した実績は架空の実績の可能性がある。

すなわち、請負工事のほとんどを下請け、孫請けに丸投げしてきた業者が「施工実績」で最高点を与えられてきた。この事実は下請け契約書などを受けているから当然市長や担当職員は百も承知のはずである。本体工事を自社で遂行出来ない、工事遂行の人員も、装備も、経験もないというのは大きな減点評価としなければならないが逆に高評価を得ている。室戸市の入札通知書では、総合評価方式の施工実績は「元請け」の工事実績と明記されている。施工実績を他社の実績で申告するというこの事態は虚偽申告の罪科にかかる可能性がある。

6、上記「品確法」では、下請けとの「公正な契約」(第3条10項)とか、第8条「適正な価格での請負契約」がうたわれているが、ほとんどの工事を自社でなく下請けに丸投げしている室戸市の一部業者では、下請け契約の金額の総額が、元受け契約の金額の半額に抑えられている「実績」がある。これでは、請負契約金が法外に高すぎるので下請け業者に多大の犠牲を強いているということになる。

 建設業法では下請けには金額の制限があり、また、主要工事を自社でせず下請けに丸投げするのは禁じられている。

室戸市は下請け契約の関係資料の金額を黒塗りにせず公表し、その実態を検証し、企業の工事経験の評価に加え、問題があれば大きな減点とするべきである。

7、また、地方自治法では総合評価落札方式を採用する際に「学識経験者」の意見を聞くことになっている。室戸市は、室戸土木の職員の意見を聞いたというが、県庁の開示した資料、室戸市が開示した資料では、そのような事実を示す証拠がない。

 県が委嘱した委員を活用して意見を聞くならともかく、県が作った方式をそのまま借用したというのでは、法令の指示した意見聴取がなされたとは言えない。

法令に従わず、よその方式を独断で取り入れたものをすべての工事に一律に適用していると考えられる。

8、また、業者の評価については、「品確法」の定める技術的能力だけでなく、社会保険加入の有無について下請けも含めて厳格に審査する義務が指示(「公共工事の入札及び契約の適正化の推進について」総務大臣・国土交通大臣 平成261022日)されている、室戸市ではこれについて全く無関心で、元請け・下請け業者がこれをクリアしてきたかどうか独自のチェックがなされていない。

9、なお、平成17年ごろ以降、国の示した総合評価落札方式は「品確法」に基づくものであるが、そのガイドラインなどのマニュアルでだんだんと簡素化(骨抜き)され、標準型から簡易型、さらに市町村向けの特別簡易型など室戸市のように、当該工事についての技術的評価ではなく企業の実績を偏重し、地域貢献の実績ならともかく消防団への加入状況とか、災害協力協定とか、当該工事に無関係でかつ地域の特定業者に有利な評価項目を設定するに至っている。

 室戸市が総合評価方式の評価項目を設定する際には高知県庁のそれを参考にし、県の職員の意見を法定の「学識経験者」の意見聴取に替えたということであるが、

 総合評価方式についての高知県の最近の総括では、価格入札が一定の最低ラインに集中する結果、企業の評価点でほとんどの一般競争入札が決定され、落札が特定の業者に固定化される傾向があることが表明されている。すなわち総合評価方式が競争原理を希薄化させ特定企業の市場独占化が憂慮されている。

室戸市の場合この傾向は固定化しいわば究極の官製談合の入札方式となり、特定有力業者はもはや「談合」をする必要性もない、といわれている。室戸市の採用している方式は公正な競争を著しく阻害し、一部特定業者に法外な利益をもたらし、地元企業の育成など到底見込めず、市外の下請け業者に多大な犠牲を強いて工事成果の品質を損なう恐れもあり、室戸市内への経済効果にもほとんど貢献するところがない。

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2017年2月20日 (月)

室戸市の利権行政について 控訴理由書

News & Letters/550

大阪豊中市の国有地を安倍晋三関係の学校法人にただ同然で「売却」したことが高知新聞に大きく報ぜられた。
国会で追及されインターネットでは早くから問題になっていたが、テレビなどではあまり報道されていない。

公有地を格安に売るという事案は地方行政では日常茶飯のことである。
室戸市の工業用地の造成も4億円かかったものをその半額で企業に売却していた。
本件の場合、室戸市羽根町の事件である。

山あり谷ありの土地をわざわざ選んで造成に費用を過大にかけて地権者や地元企業に存分にふるまい、他方別の企業には格安で売るという
2重の利権ベクトルの結果である。

平成29年(行コ)第3号 損害賠償請求控訴事件
      控訴人 田原茂良  同 前田國穂  同 楠瀬立子
     被控訴人 室戸市長小松幹侍

高松高等裁判所殿
訴控理由書
          平成29年2月15日
           〒781-6832 高知県室戸市吉良川町甲4015番地
             控訴人 田原茂良
           〒781-6831 高知県室戸市吉良川町乙5269番地20                控訴人 前田國穂  
            〒781-7220 高知県室戸市佐喜浜町甲1374番地2
             控訴人 楠瀬立子

【一】控訴理由の要旨

1、原判決は、本件工業用地が「市場価格」以上で売却されたから適正であると判示したが、過疎地の農村の宅地と整備された工業用地の対比で市場価格を云々するのは失当である。近隣の類似の物件(工業用地)で比較するべきである。原判決は、市場価格をもとにした被控訴人の行為が政府の不動産鑑定評価基準(甲第 号証)に反するものであることを見逃した。 

2、また、原判決が認定するその「市場価格」での売却(整備費の約半額)では初めから損をすることを考えていたということになり、本件請求の正当性、すなわち、「適正な対価」でないことを被控訴人(裁判所の追認)が自覚していたことになる。

3、また、原判決は、本件売却が室戸市に多大な損失を与えることについて地方自治法第96条第1項6号の特別決議(適切な対価なく譲渡)がないこと(地方自治法第237条第2項違反)について、何ら判断を示さなかったが、本件で議会の特別議決がないのは最高裁判例(昭和17年11月17日判決)に違反する。

4、また、原判決は、随意契約の違法性について法令(地方自治法施行令167条の2第1項2号)の誤読による誤った判断をした。本件売買契約は随意契約ではできない。

5、原判決は本件請求の主要テーマである私企業のために公共事業を計画し実施したものであることを認めているが、その認容はいかなる法的根拠によるのか明らかにしていない。

6、原判決は、誘致条例違反について見当違いの判断をした。

【二】控訴理由

一、市場価格について

原判決は、地方自治法第237条2項の「適正な対価とは、通常その財産の市場価格」だとして、「近傍に所在する」宅地の鑑定評価額が1㎡あたり3650円とし、それに比較して本件工業用地の1㎡当たりの価格が8526円だから、本件土地の売却が「適正な対価なくしてされたものであると認めるに足りない」と判示した。
この判断の誤りは以下のとおりである。

1、巨額の費用をかけ整備された工業用地と人口激減中の過疎で悩む室戸市の中でもさらにひどい過疎地域(羽根町大岸部落)の農家の宅地(売りに出しても容易に買い手がつ
かない土地)と対比することがいかに常識外れであるか、考えるまでもない。
過疎地の宅地と新しい工業用地を、同一の市場で対比することが許されるであろうか。

2、政府の『不動産鑑定評価基準』14頁~15頁及び乙第1号証「鑑定評価書」1枚目中段によると、「正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の
下での合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。」と規定されている。

ここで第一に本件工業用地が「市場性」を持つのか、ということであるが、供用が開始された公共の土地や建物は、その供用が廃止された場合はともかく、通常は市場での「正常価格」を算定することはできない。公共の土地や建物(不動産)は一般の不動産の中に入れての市場性を有しないのである。普通財産も含め公共の不動産は本来売買や商取引の対象・目的になりえないからである。何人も自由に取引の市場に参入するなどという上掲の『不動産鑑定評価基準』の「現実の社会経済情勢の下での合理的と考えられる条件」のどの一つも満たさない。故に本件工業用地は、市場性を持たず、前掲『不動産鑑定評価基準』(14頁~15頁)がいう「特殊価格」というべきである。

3、前掲『不動産鑑定評価基準』によると、「鑑定評価の方式」は「原価法、事例比較法、収益還元法」があるとされる。どの方法を選択して鑑定を行うかは鑑定依頼者による。
乙第1号証によれば本件は事例比較法を採用(被控訴人が依頼したと推定される)し、本件とは数十キロメートル以上離れた「室戸市内の山間部等の地価水準の低い地域の事例」3例に基づき「比準価格」を求め、それによって本件近隣の農家とおぼしい宅地について評価し、鑑定評価額3650円を算定したものである。

しかし、前掲『不動産鑑定評価基準』や政府が決定した『公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱』第8条によれば「土地の正常な取引価格」とは、「類似地域」とか「近傍類地」の取引価格を基準とするとなっている。本件工業用地を「過疎化・高齢化や不況等により、個人の土地需要は低調で、価格は下落を続けている」(乙第1号証3枚目)土地の評価をもとにして評価するのは、政府の定めた鑑定評価の趣旨に根本的に違背している。
不動産鑑定士への依頼人である被控訴人の鑑定評価の手法は、近隣農家の宅地など公共用地の取得の場合には有効なものであると考えられるが、造成など相当な整備費をかけた公共用地の売却の場合には全く不適当である。

二、本件用地の価格決定の真相

1、被控訴人は、第1審被告準備書面(3)で室戸市内2か所の工業用地を挙示した。
 そのうちの一つは、本件工業用地から車で1,2分ほどの至近距離(羽根町甲1310-1 乙26号証の1)にある。被控訴人及び裁判所は当然、この類似性のある工業用地の価格決定方法を採用すべきであり、それらは、ほとんど造成・整備費用が売却価格となったものである。

すなわち、前掲『不動産鑑定評価基準』でいえば「原価方式」で鑑定結果を出しており、
特定土地の数倍の値を付けた「市場価格」といってもそのもとになる土地が過疎地のただ同然であれば意味がないのである。すなわち、
被控訴人の原審準備書面(3)や乙24号証~26号証によれば、平成14年に室戸市は土地開発公社を介して2地区(室戸岬町高岡、羽根町)5件の工業用地を造成・整備し、これを海洋深層水関連企業に売却した。

(ア) 乙25号証の3の室戸岬町高岡の場合の収支

(開発面積対分譲土地の比率は92.61%)
  整備された工業用地の土地開発公社からの購入価格  3億9966万4999円
                  分譲価格総額   4億2038万2922円
                             となっている。
(イ)乙26号証の3の羽根町の場合の収支

    (分譲割合は96%)
     土地開発公社からの購入価格   2億2074万5036円   
            分譲価格総額   2億0070万7794円
  (イ)の場合農道用地整備の費用も相当負担させられているので、工業用地整 
  備費のほとんどを企業は支払っている。この地は元は河川敷であり海にも近い 
  0メートル地帯に位置する。津波襲来はもとより河川の大水が出たときは極め 
  て危険な場所であるから、人の居住宅地には不適当である。

この分譲価格の算式について被控訴人は、原審準備書面(3)で次のように言う。
室戸市は、「高岡地区海洋深層水関連事業用地」の分譲の事例では、開発区域全体の総事業費を分譲面積で按分して分譲価格に反映させており、また、「羽根地区海洋深層水関連事業用地」の事例では、開発区域全体の総事業費につき、分譲面積と農道用地面積で按分して分譲価格を算定しており、何れの場合も、分譲価格の算式に当たって「分譲割合」を組み入れていないが、・・・・(4頁中段)といい、さらにこの様なやり方は、
本件訴訟における原告らの主張によっても、この分譲価格は適正価格ということになると思われる。(5頁下段 下線控訴人)とまで評価している。

2、被控訴人は同じ原審準備書面(3)で、本件の工業用地の場合には、上記のような「適正な価格」の算式は取れなかったという。その吐露するところによると、
室戸市は、本件工業用地開発事業の取り組みを開始するにあたって、富士鍛工㈱側から、同社の分譲価格についての考え方を聴取したが、「奈半利工場を新設した際の土地購入価格の坪2万円程度が基本となる」旨の回答があり、以後の室戸市の事業計画は、この「坪2万円程度」の分譲価格を一応の目安として事業遂行のために必要となる財源の手当てをすることになった。(5頁下段)

原判決が言うような「市場価格」とか、これまでの室戸市の工業用地の価格算定方式(原価方式)ではなくて、譲渡先の企業の意向「坪2万円程度」が本件譲渡価格としてあらかじめ設定されていたのである。そして、被控訴人はいう。
「坪2万円程度」の分譲代金をもってしては、到底、開発に要した事業費用(経費)を回収することができないことが明白であったが・・・(8頁上段)それでも被控訴人は、室戸市の財政や雇用のことを考え、その線で分譲をしたというのである。
したがって、その判断の前提となる客観的資料が欠けるために疑義が残ったとしても、本件工業用地を本件売買契約に定める2億1230万3000円の分譲価格で富士鍛工㈱に売却する必要性があった・・・(8頁下段 下線部控訴人)ということを分かってほしいということである。

原判決が本件工業用地の売買が「市場価格」よりも高く売られたから何の問題もない、ということではなく、被控訴人は、本件売却価格が業者の相当無理な意向に基づくこと、これが「適正な価格」ではないこと、「客観的資料」が欠けていること、「疑義が残った」ことなど、その苦衷を正直に告白しているのである。
ちなみに富士鍛工が例示した奈半利工場の敷地は、貯木場の空き地で何らの整備も施す必要がない運動場の様な平坦地であるが、海岸に接した低地であるため南海地震の迫る今日、居住宅地としては不適な場所である。このような土地の値段でという業者の法外な要望にこたえようとすること自体が異常であろう。

3、このようなことになったのは、何故か。二つほど考えられる。

 一つは、もちろん繰り返し強調する富士鍛㈱という企業の意向を無視できなかったことであり、今一つは、「小松市長、室戸市議会議員は、本件開発土地が、台地と平地とが混在した区域であるため・・・認識で一致していた。」(原審準備書面(3)7頁下段~8頁上段)という事情である。「小松市長」も本件工業用地の羽根町出身であり、造成工事を請け負った土建業者もほとんど地元羽根町であり、関与した「市議会議員」も当該工業用地の地権者にいた。
何故、巨額の整備がかかる「台地と平地とが混在した区域」をわざわざ開発地に選んだのだろうか。被控訴人の準備書面に「小松市長、室戸市議会議員」という言葉が並べられたが、議会外で両者が開発地の選定、分譲価格の決定に関与し暗躍していたことが示唆されている。
被控訴人の原審準備書面(3)は、本件分譲価格が、正常な整備事業の正常な決定でないことをつぶさに語っている。このことの自覚があるのであるから、室戸市の損害について自ら責任を負わねばならない。

3、これら如上の経緯を別にしても、原判決及び被控訴人が、近隣過疎地農家の宅地の価 
 格をもとにして「市場価格」で本件工業用地を売却したということは、本件請求を逃れる理由にはならない。
むしろ、もともと市場性がない物件を、原価方式をとらず、「取引事例比較法」を選択して不適格な評価対象を選び、でたらめな鑑定評価をもとに本件事業において意図的に室戸市に巨額の損害を被らせた、ということが実証されるということになる。
これは、地方自治法第2条第13項の事務処理の「最小の経費で最大の効果」をあげるようにする義務規定に違反している。

三、市議会の特別決議の欠如についての判断

原判決は、「市場価格」論を持ち出すことにより本件工業用地が「適正価格」で売却されたとしてその整備費と売却価格の差額について判断をしなかった。しかし、「市場価格」論が正しいと仮定してもそれによって差額が解消することはない。むしろ、そのことによって差額が生じたのである。財務会計上この差額については処理する必要がある。
その処理の方法はすでに地方自治法に用意されていて、すなわち96条の1項6号である。
被控訴人は、本件売却について議会の承認を得ていると主張するが、それは、第1審答弁書でいうとおり地方自治法第96条1項の8号規定に基づくものであり、通常の契約の承認案件の議決にすぎない。必要なのは地方自治法第96条1項6号規定(「条例で定める場合を除くほか・・・適正な対価なくしてこれを譲渡し・・・」)に基づく特別決議である。このことについては最高裁第1小法廷平成17年11月17日の判例(平成15年(行ヒ)231号)がある。すなわち、
地方自治法第237条2項は、条例又は議会の議決による場合でなければ、普通地方公共団体の財産を適正な対価なくして譲渡し、または貸し付けてはならない旨規定している。
一方、同法96条1項6号は、条例で定める場合を除くほか、財産を適正な対価なくして譲渡し、または貸し付けることを議会の議決事項として定めている。これらの規定は、適正な対価によらずに普通地方公共団体の財産の譲渡等を行うことを無制限に許すとすると、当該普通地方公共団体に多大の損失を生ずる恐れがあるのみならず、特定の者の利益のために財政の運営がゆがめられる恐れもあるため、条例による場合のほかは、適正な対価によらずに財産の譲渡等を行う必要性と妥当性を議会において審議させ、当該譲渡等を行うかどうかを議会の判断にゆだねることとしたものである。このような同法237条2項等の規定の趣旨にかんがみれば、同項の議会の議決があったというためには、当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上当該譲渡等を行うことを認める趣旨の議決がされたことを要するというべきである。議会において当該譲渡等の対価の妥当性について審議がされたというだけでは、当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議された上議決がされたということはできない。
まさに本件において、整備費用と売却価格とに巨額の差等がある事実について問題にせずただ単に本件売却価格が妥当だとの認識で議決しただけでは、適法にはならないのである。
被控訴人の本件行為は地方自治法第237条2項に違反する。
原判決は2億円もの差額を認識していながら、それについての議会の特別議決の欠如について判断しなかった。
ちなみに「室戸市有財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関する条例」第3条の規定中「時価よりも低い価額で譲渡」できる場合の対象には富士鍛工は入らない。

四、随意契約、最高裁判例について

1、原判決は、地方自治法第234条2項について地方自治法施行令167条の2第1項2号の規定のうち、
「その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」も随意契約によることができると定めており、契約類型に限定を加えていない・・・、と解釈して本件工業用地の売買契約を随意契約でしたのは適法であると判示し、それを補強するために最高裁第二小法廷判例(昭和62年3月20日判決 昭和57年(行ツ)第74号)を引用した。(原判決13頁下段~15頁中段)
確かにこの最高裁判例では、競争入札の方法による契約が不可能又は著しく困難とは言えない場合でも、契約担当者が契約の性質や目的に照らし普通地方公共団体にとって妥当であり利益になると合理的に判断した場合は、随意契約によることも許されるという。
原判決は、この最高裁判例に文字通り全面的に依拠して判断をした。
しかし、この最高裁判決の数か月後同じ地方自治法施行令167条の2第1項の各号について、最高裁第三小法廷で明確な判断が下された。(昭和62年5月19日最高裁判決 (昭和56年行ツ144号)
随意契約で町有地売却の事件についての判決で本件に関係ある部分を引用すると、
法二三四条二項は、普通地方公共団体が締結する契約の方法について「指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。」と規定し、これを受けて令一六七条の二第一項は随意契約によることができる場合を列挙しているのであるから、右列挙された事由のいずれにも該当しないのに随意契約の方法により締結された契約は違法というべきことが明らかである。
と判断した。本件は大阪府東鳥取町の町長が町有山地を随意契約で民間に売却した事件であるが、高裁、最高裁とも施行令167条の2第一項で列挙された事由のいずれにも当たらないと判断したものである。施行令167条2第1項で列挙されている事由は、
1号は、売買、貸借、請負などその他の契約(価格の上限あり)
2号は、不動産の買入、又は借入、物品の製造、修理、加工、物品の売払いその他の契約でその性質・目的が競争入札に適しないもの
3号は、障害者からの買入
4号は、認定を受けた者からの新商品の買入、
6号は、競争入札にすれば不利となる場合
7号は、時価に比して著しく有利な価格での契約の見込みがある
8号は、入札者がないとき
9号は、落札者が契約を締結しないとき
以上9つの場合に該当しなければ随意契約を行うことができないし、町有地の売却はこのいずれにも該当しないと最高裁判所は判断した。
この判断には第2号規定の「不動産の買入・・・その他その性質又は目的が競争入札・・・・」も入っていることは言うを俟たないだろう。

2、問題の第2号規定中の「…その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」を2号規定から外し掲示された9号とは別号のように取り扱い、あらゆる契約でそ
の性質・目的が競争入札に適しないものについて随意契約が許されるという原判決などの
ような解釈が許されるか、ということである。
それは条理上不可能なことである。2号規定の「不動産の買入・・・物品の売払いその他の契約でその性質・・・」のその他というのは、2号規定の枠の中の同類の事由であって、1号規定の不動産の売買など他の号に規定されている事由にまで飛翔拡大されえない。
仮にそのような解釈が許されるなら施行令167条2の随意契約を限局する規定はほとんど無意味となり、上掲最高裁の東鳥取町の土地売却や本件だけでなくどんな契約でも地方自治体の首長の判断で自由に随意契約が可能となる。その判断が合理的であるかどうかは何の規定もないから、あらゆる随意契約事案で裁判所の判断を仰がなくてはならず、結局野放しになるであろう。
62年5月19日の最高裁第三小法廷の判例(東鳥取町事件)でも本件の場合でも明らかに1号規定の「物件の売買」の範疇に入るが、それには契約価格の制限(上限130万円程度)があり、本件の場合も、制限価格を遥かに超過し、随意契約はできない。
(なお、昭和62年5月19日の前掲最高裁判決は、東鳥取町の公有地売却の行為が地方自治法施行令167条2第1項の各号いずれにも該当せず違反であるとしたが、その売買契約は無効にはならないとした。しかしこの判断は、地方自治法第2条第16項の規定(法令違反の事務処理は無効)を無視したものであり、誤判であると考えられる。法令で無効と定められたものは裁判官の判断を待つまでもなく絶対的に無効である。)
五、私企業のための公共事業
1、原判決は、地方自治体が、特定一私企業のために公共事業を遂行することができるかという問題については、以下のように言う。
「原告らが本件住民訴訟の対象としている財務会計行為は、本件売買契約の締結行為であるから、室戸市が羽根町土地を取得し、これを造成したことに公金が支出されたことが違法であるかは判断の対象外である。」として判断を回避した。
しかし、本件請求の住民訴訟及び元の住民監査請求は、売買契約の金額が不当に過小であることを直接問題にしているだけではなく、用地整備費と売却収入との著しい「差損」について措置するよう請求しているものである。その差額について被控訴人は契約担当である小松幹侍に対してその「差損」について賠償請求をすることを求めているものである。
したがって、本件工業用地の整備事業及びそれにかかる費用の支出についても妥当なものかどうか判断が下されなければ事案を判断できない。
室戸市は既述の通り本件工業用地整備事業を行う前に2地区でかなり大きな工業用地整備事業を遂行してきたが、それは室戸市の行政機関が直接遂行したのではない。
乙25号証、同26号証に見る通り室戸市土地開発公社という団体が整備事業をやり、その結果物を市が購入するという手法を取ってきた。室戸市の業務は購入した用地を販売するということだけであった。だが、本件では直接室戸市が私企業のために開発事業を遂行した。そういうことが許される法的根拠は何なのかについて裁判所は判断をする義務があると考える。

原判決は、「本件土地は、富士鍛工の工場の移転先として開発されたものであるから、公用又は公共用に供する財産であるということはできず・・・」(原判決16頁)とあからさまに公共目的性を否定しているのである。
2、そもそも、憲法92条や地方自治法第1条でいう「地方自治の本旨」というものが具体的に何を指すかは明瞭ではないが、通説では、地方自治は、団体事務と住民自治(住
民参加)があり、それぞれ法令や規則に基づき公共の事務を扱うということである。
住民自治の場合はともかく普通地方公共団体自身の担任事務が公共目的であることはいうまでもない。

もちろん国や地方公共団体が、地域振興などの名目で個人や民間企業に補助金等の公金を交付したり、貸し付けたりすることも可能であり今日こういった交付金が数多く存在する。
しかし、これらは、すべて制度として公開され、一定の要件を満たす場合誰でも応募し申請をすることができ、民主的手続きを経て交付決定がなされる。
室戸市にも補助金交付規則があり、又企業誘致推進条例が存在している。
監査請求の段階や第1審当初において被控訴人は、本件事業は、室戸市企業誘致推進条例第3条に基づいて遂行していると主張した。(甲第2号証監査結果通知、原審答弁書)
法令・規則があればこれに従わねばならないし、不備であれば改正し、なければ新たに制定しなければならない。被控訴人は、室戸市に該当する趣旨の企業への支援の条例がある以上これに従わねばならない。このような既存の法令・規則を無視して首長の自由裁量で無制限に公金を民間企業に支出することは、許されていない。

被控訴人は第1審答弁書で、監査委員の報告書のなかで室戸市の執行部が本件事業の用地確保の協力として室戸市企業誘致推進条例第3条に基づき行ったという認定を認め、自らも同条例3条について「室戸市が工業用地となる土地を買収し、それを造成した上で誘致企業に売却する手法によることも、用地等の確保の協力に含まれる。」と主張し本件工業用地整備事業が企業誘致推進条例に基づくものであると主張した。

もしこのようであれば、たとえ私企業であっても公共の資金を利用することは許されるということになるが、しかし、被控訴人は控訴人らの反論に会い、適当な反論ができないままその後この条例のことは何も語らなかった。控訴人らの批判というのは、この企業誘致推進条例を根拠にして本件事業が行われたとしたら、この条例を実行する上で施行規則で定められた諸手続き(申請書や付属書類の提出など)があるはずであるが、それが何もなされず証拠の書類も皆無であることの指摘があって実際にはこの条例を適用していなかったことが暴露したのである。被控訴人の企業誘致推進条例第3条に依拠したという主張は
ひっこめたのであれば、それでは本件整備事業はいかなる法令に基づいてなされたのか、公共性を帯びる何の痕跡があるのか原判決は何も指摘していない。

特定企業からの固定資産税、雇用などを確保するためだ、といってもそのようなことが公金支出の理由になるわけではない。どのような事業でも地元の企業や個人の税金や雇用確保だといいうるからであり、そんな口実が通用するならいかなる法令・規則もいらないことになる。

それでは、普通財産だから、誰にでも首長が自由に処分できるといっても、わがまま勝手は許されないのであって、契約についての法令、処分遂行上の公正な手続き等の法令は遵守されなくてはならない。はじめから他の企業や個人の参加を一切遮断して特定企業に迎合する事業を設定し実行することが許されるはずはない。

六、室戸市企業誘致(推進)条例違反について

原判決は、誘致条例(正規には室戸市企業誘致推進条例)違反について次のように言う。
誘致条例に定められている手続きは、誘致条例第4条による指定を受けた誘致企業に対し、同条例6条1項所定の奨励金を交付するためのものであって、不動産の売却に適用されるものではないため、本件行為が誘致条例に違反したということはできない。
控訴人らは何も勝手に本件整備事業が企業誘致推進条例に違反しているといっているのではない。被控訴人及び被控訴人監査委員が、本件整備事業は室戸市の企業誘致推進条例第3条に基づく事業だと主張したので、控訴人らが原審控訴人準備書面(1)などで、誘致企業指定など手続上同条例に違反しているではないかという指摘をしたのであった。
その結果、同条例施行規則に定められた手続きは何もしていず何の証拠書類もなかったことが判明したのである。
被控訴人らは、監査結果通知書や一審答弁書で同条例に基づくと主張しそれを撤回しなかったのであるから、原判決が、それに適合していないという判断をしたのであれば、それは控訴人らの主張に対してではなく、(むしろ控訴人の主張を肯認するものであるから)本件事業そのものについて違法性ありとの判断でなければならない。企業支援の条例にも適合せず、補助金交付規則も採用しないとすれば、他に私企業への資金援助の制度はない。本件事業を可能とする公の制度や規則が何もない以上は、本件事業遂行は違法性を帯びることは明らかである。

被控訴人原審準備書面(3)10頁で
地方公共団体としては、室戸市企業誘致推進条例のような条例が存在しない場合であっても、行政としての目的を達成するために必要と判断される場合には、「事業所立地に係る協力」を行うものであり、それによって法令違反の問題が生ずることはない。という。
これは、まるでトランプ大統領の様な主張であるが、首長や議員が特定企業のために必要と思えば億単位の公金を何のルールも決めずにいくらでも使えるという利権政治宣言の様なものであって、民主主義的な、又法治主義的な地方自治の本旨からはるかに遠い。

結語

地方自治法第2条第15項は、「地方自治体は法令に違反してその事務を処理してはならない。」と規定し、同条第16項では、「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。」と明記している。原判決は本件における被控訴人の行為の違法性についてまともに判断せず、物件の評価法を誤り、法令の曲解、見当違いの判断までして被控訴人の責任を免除した。法令や常識に基づく正当な判断を求めるものである。

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2016年5月29日 (日)

安芸広域市町村圏特別養護老人ホーム組合への措置請求

News & Letters/491

        措置請求書

安芸広域市町村圏特別養護老人ホーム組合殿
                       平成28年5月27日
                       澤山保太郎
                       田原茂良
                       楠瀬立子

丸山長寿園無償譲渡の違法・無効判決について

          記

1、平成28年5月17日、高知地方裁判所民事部は、平成26年4月1日に民間団体むろと会に貴組合(当時組合長小松幹侍室戸市長)に所属していた丸山長寿園の無償譲渡の行為について地方自治法第238条の4第1項の規定に違反し、この無償譲渡を無効であると断罪した。

そして、その無法行為の原因として、当時の組合長小松幹侍の「尽くすべき注意義務を怠り、過失」によるものであると断定した。判決では、行政処分性はないとして取り消し請求の訴えを否定し、賠償責任も否認したが、貴組合がした無償譲渡の行為については明確に違法・無効であることを言明し、さらにその「無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない」と断定された。

行政側に傾く住民訴訟では極めて異例な判断である。たとえこの訴訟が上級審にかかって、賠償責任などが争われるとしてもこの違法・無効の判断がゆるぐことはありえない。
2、したがって、私たち原告は、この判決の趣旨に基づいて貴団体が、組合を構成する芸西村から東洋町に至る全市町村民に謝罪をしたうえ、以下の措置を取ることを要求する。

①むろと会から丸山長寿園の経営を取り戻すこと、
②平成26年4月1日以降の経営上の利益を全額回収すること、
③また、むろと会役員などに支払った報酬などは不当であり、全額回収すべきこと

 その他丸山長寿園が貴組合に所属するものとしての必要な措置を直ちに講ずることを求めるものである。

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