社会問題

2017年3月31日 (金)

森友事件の現段階

News & Letters/564

       森友事件
  籠池側(K) : 安倍昭恵(総理含む)・松井知事側(A・M)
 
第1段階
K及びA・Mが一体となって悪行(国有地詐取・極右小学校建設事業など)を工作
第2段階
国会や世論でK・A・Mの悪行への批判が高まる。
第3段階
A・MがKを切り始め、Kを証人喚問に付す
第4段階
KがA・Mの裏切りを追求・攻撃を始める
第5段階
A・MがKに反撃 偽証罪とか告発の脅し
 
韓国などのように国民の立ち上がりが次の段階で出てこなければ
やがて森友事件は雲散霧消する。

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2017年3月30日 (木)

大阪高裁の判決

News & Letters/562

高浜原発についての大阪高裁の判決は、玄海原発の福岡高裁判決(2016年6月27日)と基本的に同じ趣旨で、司法は行政に従う、原子力規制委員会という行政機関が決めた安全基準に適合しておればそれでよい、というものである。これはもう裁判所の自殺のような判決である。

この判決の趣旨について何ら法的根拠も示されていない。行政の決めたことについて批判的に分析することもしない。
安倍政権の意思を忖度したものというべきであろう。これは、憲法第76条第3項の規定
「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される。」

に違反する。良心や憲法や法令を打ち捨てて行政の決めたでたらめな基準に従って、権力の奴隷となる。

地裁段階では、まだ裁判官に良心が残っているものもいるが、高裁になると感性がほとんど麻痺していくのであろうか。
もともと国家権力を守る擁壁としての裁判所に多くを期待するのが間違いなのである。
裁判の意義は、勝つことによって人民の権利を守ることであるが、裁判を通じて真実を人民に知らせ、闘いを広めることにある。

そして、敗北の主な理由は、裁判官の良否にあるのではなく、人民の間に真実が十分浸透せず、そのため権力側がでたらめなことを言い続けることができている状況にある。

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2017年3月29日 (水)

愛国者

News & Letters/561

日本の近代の国粋主義の原点は南朝の後醍醐天皇をめぐる南北朝時代を原点にする。
だいたい南北朝という言葉を使うこと自体が不敬行為に当たる。それも吉野朝時代という。
江戸明治現代を通じて天皇は北朝の系統であるのに、南朝が尊い。

楠木正成、千種忠顕など三木一草などという忠臣があがめられる。
しかし、実際はどうか。三木一草をはじめ後醍醐に忠誠を尽くしたという連中は当時では富を誇る悪党であり乱暴狼藉・博打・淫乱の輩だったという。昔はその連中も歴史的意義があったかもしれない。

現代の国粋主義者たち極右らも籠池といい、稲田といい、橋下といい、安倍といい、恥知らずや無法者ども達ばかりなのである。
現代右翼の原型である児玉ヨシオを見てもわかるが、彼ら悪党どもは政界の闇でうごめくのが本筋である。

東京都知事もそうだ。国家の表舞台で立ち回るのは遠慮すべきではないか。

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2017年3月25日 (土)

順逆不二

News & Letters/559
森友事件での自民党西田議員の追及はとても素晴らしいものであった。
論客で鳴らす西田は、籠池の小学校設立には資金面で無理があったことを野党もできないぐらいに微に入り細にわたり立証した。しかし、実際にはその無理が通って九分九厘成功するところであった。
西田は、通常なら歯牙にもかからないこの無理筋の事業が実現しかかったのは、政治家の関与があったからだと主張したいのであろう。
すなわち、松井府知事、安倍昭恵、安倍総理の関与で実現寸前まで行くところであった、ということになる。
西田はあの鴻池議員と同じく籠池を追求しながら実は安倍・松井を追及しているのである。
 
籠池の証人喚問に続き、西田や自民党はさらに総理夫人のメールも暴露した。このメールで何を実証しようというのであろうか。
第1に、これほどに総理側が籠池側と昵懇であったこと、
第2に講師料や100万円について事実かどうか教えてほしいと籠池側に依頼していること、
第3に、祈るとか、‥‥したほうがよかったのではないか、とか、夫人が籠池側と運命共同体的な位置にあることを示唆する口吻であふれていること、
西田議員の言説は右翼利権屋を追求しながら鋭く安倍内閣の設置した令外官の実態を浮き彫りにしている。
西田がこの順逆不二の行を意識的にやっているのかどうか。

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2017年3月24日 (金)

令外官

News & Letters/558

安倍総理の夫人(私人)に5人もの公務員がつけられている。
連絡や調整、身の回りのお世話・・程度と考えられていたが、
どうしてどうして、政府の一機関であった。しかも総理大臣の印籠をもって
全省庁、都道府県庁等々、自在に権力を振るい利権を振りまいている。
森友事件の中心は籠池でも財務官僚や大阪府知事でもない。

総理大臣夫人局(つぼね)が一切の根源である。
これは律令官制を逸脱した一種の令外官(りょうげのかん)であろう。
日本中世において令外官は押領使や検非違使、さらには摂政・関白、征夷大将軍など権力の中枢となる。

安倍総理大臣は令外官として夫人局をひそかに創設し権力の裏の仕事をやらせていたのである。

天皇制も変わる。上皇という古い制度が登場するようだ。
上皇も権力機関となる。上皇の権限は無規定だから無限大だ。
日本国民は憲法にはない重層的な天皇制を頂くことになる。

令外官や上皇の登場によって現行憲法体制は崩壊に向かっている。

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2017年3月 4日 (土)

石原元知事の会見

News & Letters/554
石原元都知事の昨日の記者会見内容について無責任だとの批判が厳しい。
しかし、これが首長の実態ではないか。
作家であったことはともかく、国会議員であったが、行政実務について全く無関心で
無知であったのであろう。その者が東京都の行政のトップになった。
豊洲市場移転事件について
瑕疵担保責任について何も知らなかった、という。
契約書にハンコを押した覚えがない、という。
自分が最高責任者だが、責任は都庁全体であり
議会にも責任がある、という。
こんな感覚のまま十数年都庁の行政のトップに居座っていた。
それを都民もマスコミもずっとこの男を選び敬意を払ってきた。
それは都庁だけではない。行政経験があるなしにかかわらず、多くの首長はこんな調子だ。
行政に素人はもちろん、永年行政の幹部を務めてきた連中が首長になっても
第1に、行政法を勉強しない。だから、民主主義的な行政手続きをわきまえていない。
 役場で行政関係の法令(憲法や地方自治法など)法令や学説、判例、行政実例に照らして勉強しながら業務を行うという習慣が存在していないのである。
第2に、土木工学はもとより、地震学や原子力など行政の判断や業務遂行に欠かせない科学的知見について学習するということもない。
従って行政を遂行する動機や目的が利権につながったものになるのは必然なのである。あるいは初めから、利権行政を目的に役場に乗り込んでくるということにもなるから、憲法も法令も住民の福祉・人権も何も見えないのである。原発が巨大な危険を伴うということについてその結果を見通した判断も利権にかすんで見えなくなる。大小いろいろな規模があるが、行政を動かす者は、憲法や法令を絶えず勉強し相当大容量の学習能力をもたなくては、まともなことは何もできない。
しかし石原のようにいくら能力があっても、憲法や人権を軽んずるものでは、何も学習されない。ヨットに乗って遊んで暮らして決済のハンコも誰に任せたかわからないまま知事の座に座っておられるのである。石原のそのような姿全体が、罪であり、そんな自堕落な知事を許した都民の罪である。
大小さまざまな石原が今日の日本の津々浦々にうじゃうじゃと存在しているということである。

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2017年2月20日 (月)

室戸市の利権行政について 控訴理由書

News & Letters/550

大阪豊中市の国有地を安倍晋三関係の学校法人にただ同然で「売却」したことが高知新聞に大きく報ぜられた。
国会で追及されインターネットでは早くから問題になっていたが、テレビなどではあまり報道されていない。

公有地を格安に売るという事案は地方行政では日常茶飯のことである。
室戸市の工業用地の造成も4億円かかったものをその半額で企業に売却していた。
本件の場合、室戸市羽根町の事件である。

山あり谷ありの土地をわざわざ選んで造成に費用を過大にかけて地権者や地元企業に存分にふるまい、他方別の企業には格安で売るという
2重の利権ベクトルの結果である。

平成29年(行コ)第3号 損害賠償請求控訴事件
      控訴人 田原茂良  同 前田國穂  同 楠瀬立子
     被控訴人 室戸市長小松幹侍

高松高等裁判所殿
訴控理由書
          平成29年2月15日
           〒781-6832 高知県室戸市吉良川町甲4015番地
             控訴人 田原茂良
           〒781-6831 高知県室戸市吉良川町乙5269番地20                控訴人 前田國穂  
            〒781-7220 高知県室戸市佐喜浜町甲1374番地2
             控訴人 楠瀬立子

【一】控訴理由の要旨

1、原判決は、本件工業用地が「市場価格」以上で売却されたから適正であると判示したが、過疎地の農村の宅地と整備された工業用地の対比で市場価格を云々するのは失当である。近隣の類似の物件(工業用地)で比較するべきである。原判決は、市場価格をもとにした被控訴人の行為が政府の不動産鑑定評価基準(甲第 号証)に反するものであることを見逃した。 

2、また、原判決が認定するその「市場価格」での売却(整備費の約半額)では初めから損をすることを考えていたということになり、本件請求の正当性、すなわち、「適正な対価」でないことを被控訴人(裁判所の追認)が自覚していたことになる。

3、また、原判決は、本件売却が室戸市に多大な損失を与えることについて地方自治法第96条第1項6号の特別決議(適切な対価なく譲渡)がないこと(地方自治法第237条第2項違反)について、何ら判断を示さなかったが、本件で議会の特別議決がないのは最高裁判例(昭和17年11月17日判決)に違反する。

4、また、原判決は、随意契約の違法性について法令(地方自治法施行令167条の2第1項2号)の誤読による誤った判断をした。本件売買契約は随意契約ではできない。

5、原判決は本件請求の主要テーマである私企業のために公共事業を計画し実施したものであることを認めているが、その認容はいかなる法的根拠によるのか明らかにしていない。

6、原判決は、誘致条例違反について見当違いの判断をした。

【二】控訴理由

一、市場価格について

原判決は、地方自治法第237条2項の「適正な対価とは、通常その財産の市場価格」だとして、「近傍に所在する」宅地の鑑定評価額が1㎡あたり3650円とし、それに比較して本件工業用地の1㎡当たりの価格が8526円だから、本件土地の売却が「適正な対価なくしてされたものであると認めるに足りない」と判示した。
この判断の誤りは以下のとおりである。

1、巨額の費用をかけ整備された工業用地と人口激減中の過疎で悩む室戸市の中でもさらにひどい過疎地域(羽根町大岸部落)の農家の宅地(売りに出しても容易に買い手がつ
かない土地)と対比することがいかに常識外れであるか、考えるまでもない。
過疎地の宅地と新しい工業用地を、同一の市場で対比することが許されるであろうか。

2、政府の『不動産鑑定評価基準』14頁~15頁及び乙第1号証「鑑定評価書」1枚目中段によると、「正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の
下での合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいう。」と規定されている。

ここで第一に本件工業用地が「市場性」を持つのか、ということであるが、供用が開始された公共の土地や建物は、その供用が廃止された場合はともかく、通常は市場での「正常価格」を算定することはできない。公共の土地や建物(不動産)は一般の不動産の中に入れての市場性を有しないのである。普通財産も含め公共の不動産は本来売買や商取引の対象・目的になりえないからである。何人も自由に取引の市場に参入するなどという上掲の『不動産鑑定評価基準』の「現実の社会経済情勢の下での合理的と考えられる条件」のどの一つも満たさない。故に本件工業用地は、市場性を持たず、前掲『不動産鑑定評価基準』(14頁~15頁)がいう「特殊価格」というべきである。

3、前掲『不動産鑑定評価基準』によると、「鑑定評価の方式」は「原価法、事例比較法、収益還元法」があるとされる。どの方法を選択して鑑定を行うかは鑑定依頼者による。
乙第1号証によれば本件は事例比較法を採用(被控訴人が依頼したと推定される)し、本件とは数十キロメートル以上離れた「室戸市内の山間部等の地価水準の低い地域の事例」3例に基づき「比準価格」を求め、それによって本件近隣の農家とおぼしい宅地について評価し、鑑定評価額3650円を算定したものである。

しかし、前掲『不動産鑑定評価基準』や政府が決定した『公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱』第8条によれば「土地の正常な取引価格」とは、「類似地域」とか「近傍類地」の取引価格を基準とするとなっている。本件工業用地を「過疎化・高齢化や不況等により、個人の土地需要は低調で、価格は下落を続けている」(乙第1号証3枚目)土地の評価をもとにして評価するのは、政府の定めた鑑定評価の趣旨に根本的に違背している。
不動産鑑定士への依頼人である被控訴人の鑑定評価の手法は、近隣農家の宅地など公共用地の取得の場合には有効なものであると考えられるが、造成など相当な整備費をかけた公共用地の売却の場合には全く不適当である。

二、本件用地の価格決定の真相

1、被控訴人は、第1審被告準備書面(3)で室戸市内2か所の工業用地を挙示した。
 そのうちの一つは、本件工業用地から車で1,2分ほどの至近距離(羽根町甲1310-1 乙26号証の1)にある。被控訴人及び裁判所は当然、この類似性のある工業用地の価格決定方法を採用すべきであり、それらは、ほとんど造成・整備費用が売却価格となったものである。

すなわち、前掲『不動産鑑定評価基準』でいえば「原価方式」で鑑定結果を出しており、
特定土地の数倍の値を付けた「市場価格」といってもそのもとになる土地が過疎地のただ同然であれば意味がないのである。すなわち、
被控訴人の原審準備書面(3)や乙24号証~26号証によれば、平成14年に室戸市は土地開発公社を介して2地区(室戸岬町高岡、羽根町)5件の工業用地を造成・整備し、これを海洋深層水関連企業に売却した。

(ア) 乙25号証の3の室戸岬町高岡の場合の収支

(開発面積対分譲土地の比率は92.61%)
  整備された工業用地の土地開発公社からの購入価格  3億9966万4999円
                  分譲価格総額   4億2038万2922円
                             となっている。
(イ)乙26号証の3の羽根町の場合の収支

    (分譲割合は96%)
     土地開発公社からの購入価格   2億2074万5036円   
            分譲価格総額   2億0070万7794円
  (イ)の場合農道用地整備の費用も相当負担させられているので、工業用地整 
  備費のほとんどを企業は支払っている。この地は元は河川敷であり海にも近い 
  0メートル地帯に位置する。津波襲来はもとより河川の大水が出たときは極め 
  て危険な場所であるから、人の居住宅地には不適当である。

この分譲価格の算式について被控訴人は、原審準備書面(3)で次のように言う。
室戸市は、「高岡地区海洋深層水関連事業用地」の分譲の事例では、開発区域全体の総事業費を分譲面積で按分して分譲価格に反映させており、また、「羽根地区海洋深層水関連事業用地」の事例では、開発区域全体の総事業費につき、分譲面積と農道用地面積で按分して分譲価格を算定しており、何れの場合も、分譲価格の算式に当たって「分譲割合」を組み入れていないが、・・・・(4頁中段)といい、さらにこの様なやり方は、
本件訴訟における原告らの主張によっても、この分譲価格は適正価格ということになると思われる。(5頁下段 下線控訴人)とまで評価している。

2、被控訴人は同じ原審準備書面(3)で、本件の工業用地の場合には、上記のような「適正な価格」の算式は取れなかったという。その吐露するところによると、
室戸市は、本件工業用地開発事業の取り組みを開始するにあたって、富士鍛工㈱側から、同社の分譲価格についての考え方を聴取したが、「奈半利工場を新設した際の土地購入価格の坪2万円程度が基本となる」旨の回答があり、以後の室戸市の事業計画は、この「坪2万円程度」の分譲価格を一応の目安として事業遂行のために必要となる財源の手当てをすることになった。(5頁下段)

原判決が言うような「市場価格」とか、これまでの室戸市の工業用地の価格算定方式(原価方式)ではなくて、譲渡先の企業の意向「坪2万円程度」が本件譲渡価格としてあらかじめ設定されていたのである。そして、被控訴人はいう。
「坪2万円程度」の分譲代金をもってしては、到底、開発に要した事業費用(経費)を回収することができないことが明白であったが・・・(8頁上段)それでも被控訴人は、室戸市の財政や雇用のことを考え、その線で分譲をしたというのである。
したがって、その判断の前提となる客観的資料が欠けるために疑義が残ったとしても、本件工業用地を本件売買契約に定める2億1230万3000円の分譲価格で富士鍛工㈱に売却する必要性があった・・・(8頁下段 下線部控訴人)ということを分かってほしいということである。

原判決が本件工業用地の売買が「市場価格」よりも高く売られたから何の問題もない、ということではなく、被控訴人は、本件売却価格が業者の相当無理な意向に基づくこと、これが「適正な価格」ではないこと、「客観的資料」が欠けていること、「疑義が残った」ことなど、その苦衷を正直に告白しているのである。
ちなみに富士鍛工が例示した奈半利工場の敷地は、貯木場の空き地で何らの整備も施す必要がない運動場の様な平坦地であるが、海岸に接した低地であるため南海地震の迫る今日、居住宅地としては不適な場所である。このような土地の値段でという業者の法外な要望にこたえようとすること自体が異常であろう。

3、このようなことになったのは、何故か。二つほど考えられる。

 一つは、もちろん繰り返し強調する富士鍛㈱という企業の意向を無視できなかったことであり、今一つは、「小松市長、室戸市議会議員は、本件開発土地が、台地と平地とが混在した区域であるため・・・認識で一致していた。」(原審準備書面(3)7頁下段~8頁上段)という事情である。「小松市長」も本件工業用地の羽根町出身であり、造成工事を請け負った土建業者もほとんど地元羽根町であり、関与した「市議会議員」も当該工業用地の地権者にいた。
何故、巨額の整備がかかる「台地と平地とが混在した区域」をわざわざ開発地に選んだのだろうか。被控訴人の準備書面に「小松市長、室戸市議会議員」という言葉が並べられたが、議会外で両者が開発地の選定、分譲価格の決定に関与し暗躍していたことが示唆されている。
被控訴人の原審準備書面(3)は、本件分譲価格が、正常な整備事業の正常な決定でないことをつぶさに語っている。このことの自覚があるのであるから、室戸市の損害について自ら責任を負わねばならない。

3、これら如上の経緯を別にしても、原判決及び被控訴人が、近隣過疎地農家の宅地の価 
 格をもとにして「市場価格」で本件工業用地を売却したということは、本件請求を逃れる理由にはならない。
むしろ、もともと市場性がない物件を、原価方式をとらず、「取引事例比較法」を選択して不適格な評価対象を選び、でたらめな鑑定評価をもとに本件事業において意図的に室戸市に巨額の損害を被らせた、ということが実証されるということになる。
これは、地方自治法第2条第13項の事務処理の「最小の経費で最大の効果」をあげるようにする義務規定に違反している。

三、市議会の特別決議の欠如についての判断

原判決は、「市場価格」論を持ち出すことにより本件工業用地が「適正価格」で売却されたとしてその整備費と売却価格の差額について判断をしなかった。しかし、「市場価格」論が正しいと仮定してもそれによって差額が解消することはない。むしろ、そのことによって差額が生じたのである。財務会計上この差額については処理する必要がある。
その処理の方法はすでに地方自治法に用意されていて、すなわち96条の1項6号である。
被控訴人は、本件売却について議会の承認を得ていると主張するが、それは、第1審答弁書でいうとおり地方自治法第96条1項の8号規定に基づくものであり、通常の契約の承認案件の議決にすぎない。必要なのは地方自治法第96条1項6号規定(「条例で定める場合を除くほか・・・適正な対価なくしてこれを譲渡し・・・」)に基づく特別決議である。このことについては最高裁第1小法廷平成17年11月17日の判例(平成15年(行ヒ)231号)がある。すなわち、
地方自治法第237条2項は、条例又は議会の議決による場合でなければ、普通地方公共団体の財産を適正な対価なくして譲渡し、または貸し付けてはならない旨規定している。
一方、同法96条1項6号は、条例で定める場合を除くほか、財産を適正な対価なくして譲渡し、または貸し付けることを議会の議決事項として定めている。これらの規定は、適正な対価によらずに普通地方公共団体の財産の譲渡等を行うことを無制限に許すとすると、当該普通地方公共団体に多大の損失を生ずる恐れがあるのみならず、特定の者の利益のために財政の運営がゆがめられる恐れもあるため、条例による場合のほかは、適正な対価によらずに財産の譲渡等を行う必要性と妥当性を議会において審議させ、当該譲渡等を行うかどうかを議会の判断にゆだねることとしたものである。このような同法237条2項等の規定の趣旨にかんがみれば、同項の議会の議決があったというためには、当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上当該譲渡等を行うことを認める趣旨の議決がされたことを要するというべきである。議会において当該譲渡等の対価の妥当性について審議がされたというだけでは、当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議された上議決がされたということはできない。
まさに本件において、整備費用と売却価格とに巨額の差等がある事実について問題にせずただ単に本件売却価格が妥当だとの認識で議決しただけでは、適法にはならないのである。
被控訴人の本件行為は地方自治法第237条2項に違反する。
原判決は2億円もの差額を認識していながら、それについての議会の特別議決の欠如について判断しなかった。
ちなみに「室戸市有財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関する条例」第3条の規定中「時価よりも低い価額で譲渡」できる場合の対象には富士鍛工は入らない。

四、随意契約、最高裁判例について

1、原判決は、地方自治法第234条2項について地方自治法施行令167条の2第1項2号の規定のうち、
「その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」も随意契約によることができると定めており、契約類型に限定を加えていない・・・、と解釈して本件工業用地の売買契約を随意契約でしたのは適法であると判示し、それを補強するために最高裁第二小法廷判例(昭和62年3月20日判決 昭和57年(行ツ)第74号)を引用した。(原判決13頁下段~15頁中段)
確かにこの最高裁判例では、競争入札の方法による契約が不可能又は著しく困難とは言えない場合でも、契約担当者が契約の性質や目的に照らし普通地方公共団体にとって妥当であり利益になると合理的に判断した場合は、随意契約によることも許されるという。
原判決は、この最高裁判例に文字通り全面的に依拠して判断をした。
しかし、この最高裁判決の数か月後同じ地方自治法施行令167条の2第1項の各号について、最高裁第三小法廷で明確な判断が下された。(昭和62年5月19日最高裁判決 (昭和56年行ツ144号)
随意契約で町有地売却の事件についての判決で本件に関係ある部分を引用すると、
法二三四条二項は、普通地方公共団体が締結する契約の方法について「指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。」と規定し、これを受けて令一六七条の二第一項は随意契約によることができる場合を列挙しているのであるから、右列挙された事由のいずれにも該当しないのに随意契約の方法により締結された契約は違法というべきことが明らかである。
と判断した。本件は大阪府東鳥取町の町長が町有山地を随意契約で民間に売却した事件であるが、高裁、最高裁とも施行令167条の2第一項で列挙された事由のいずれにも当たらないと判断したものである。施行令167条2第1項で列挙されている事由は、
1号は、売買、貸借、請負などその他の契約(価格の上限あり)
2号は、不動産の買入、又は借入、物品の製造、修理、加工、物品の売払いその他の契約でその性質・目的が競争入札に適しないもの
3号は、障害者からの買入
4号は、認定を受けた者からの新商品の買入、
6号は、競争入札にすれば不利となる場合
7号は、時価に比して著しく有利な価格での契約の見込みがある
8号は、入札者がないとき
9号は、落札者が契約を締結しないとき
以上9つの場合に該当しなければ随意契約を行うことができないし、町有地の売却はこのいずれにも該当しないと最高裁判所は判断した。
この判断には第2号規定の「不動産の買入・・・その他その性質又は目的が競争入札・・・・」も入っていることは言うを俟たないだろう。

2、問題の第2号規定中の「…その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないもの」を2号規定から外し掲示された9号とは別号のように取り扱い、あらゆる契約でそ
の性質・目的が競争入札に適しないものについて随意契約が許されるという原判決などの
ような解釈が許されるか、ということである。
それは条理上不可能なことである。2号規定の「不動産の買入・・・物品の売払いその他の契約でその性質・・・」のその他というのは、2号規定の枠の中の同類の事由であって、1号規定の不動産の売買など他の号に規定されている事由にまで飛翔拡大されえない。
仮にそのような解釈が許されるなら施行令167条2の随意契約を限局する規定はほとんど無意味となり、上掲最高裁の東鳥取町の土地売却や本件だけでなくどんな契約でも地方自治体の首長の判断で自由に随意契約が可能となる。その判断が合理的であるかどうかは何の規定もないから、あらゆる随意契約事案で裁判所の判断を仰がなくてはならず、結局野放しになるであろう。
62年5月19日の最高裁第三小法廷の判例(東鳥取町事件)でも本件の場合でも明らかに1号規定の「物件の売買」の範疇に入るが、それには契約価格の制限(上限130万円程度)があり、本件の場合も、制限価格を遥かに超過し、随意契約はできない。
(なお、昭和62年5月19日の前掲最高裁判決は、東鳥取町の公有地売却の行為が地方自治法施行令167条2第1項の各号いずれにも該当せず違反であるとしたが、その売買契約は無効にはならないとした。しかしこの判断は、地方自治法第2条第16項の規定(法令違反の事務処理は無効)を無視したものであり、誤判であると考えられる。法令で無効と定められたものは裁判官の判断を待つまでもなく絶対的に無効である。)
五、私企業のための公共事業
1、原判決は、地方自治体が、特定一私企業のために公共事業を遂行することができるかという問題については、以下のように言う。
「原告らが本件住民訴訟の対象としている財務会計行為は、本件売買契約の締結行為であるから、室戸市が羽根町土地を取得し、これを造成したことに公金が支出されたことが違法であるかは判断の対象外である。」として判断を回避した。
しかし、本件請求の住民訴訟及び元の住民監査請求は、売買契約の金額が不当に過小であることを直接問題にしているだけではなく、用地整備費と売却収入との著しい「差損」について措置するよう請求しているものである。その差額について被控訴人は契約担当である小松幹侍に対してその「差損」について賠償請求をすることを求めているものである。
したがって、本件工業用地の整備事業及びそれにかかる費用の支出についても妥当なものかどうか判断が下されなければ事案を判断できない。
室戸市は既述の通り本件工業用地整備事業を行う前に2地区でかなり大きな工業用地整備事業を遂行してきたが、それは室戸市の行政機関が直接遂行したのではない。
乙25号証、同26号証に見る通り室戸市土地開発公社という団体が整備事業をやり、その結果物を市が購入するという手法を取ってきた。室戸市の業務は購入した用地を販売するということだけであった。だが、本件では直接室戸市が私企業のために開発事業を遂行した。そういうことが許される法的根拠は何なのかについて裁判所は判断をする義務があると考える。

原判決は、「本件土地は、富士鍛工の工場の移転先として開発されたものであるから、公用又は公共用に供する財産であるということはできず・・・」(原判決16頁)とあからさまに公共目的性を否定しているのである。
2、そもそも、憲法92条や地方自治法第1条でいう「地方自治の本旨」というものが具体的に何を指すかは明瞭ではないが、通説では、地方自治は、団体事務と住民自治(住
民参加)があり、それぞれ法令や規則に基づき公共の事務を扱うということである。
住民自治の場合はともかく普通地方公共団体自身の担任事務が公共目的であることはいうまでもない。

もちろん国や地方公共団体が、地域振興などの名目で個人や民間企業に補助金等の公金を交付したり、貸し付けたりすることも可能であり今日こういった交付金が数多く存在する。
しかし、これらは、すべて制度として公開され、一定の要件を満たす場合誰でも応募し申請をすることができ、民主的手続きを経て交付決定がなされる。
室戸市にも補助金交付規則があり、又企業誘致推進条例が存在している。
監査請求の段階や第1審当初において被控訴人は、本件事業は、室戸市企業誘致推進条例第3条に基づいて遂行していると主張した。(甲第2号証監査結果通知、原審答弁書)
法令・規則があればこれに従わねばならないし、不備であれば改正し、なければ新たに制定しなければならない。被控訴人は、室戸市に該当する趣旨の企業への支援の条例がある以上これに従わねばならない。このような既存の法令・規則を無視して首長の自由裁量で無制限に公金を民間企業に支出することは、許されていない。

被控訴人は第1審答弁書で、監査委員の報告書のなかで室戸市の執行部が本件事業の用地確保の協力として室戸市企業誘致推進条例第3条に基づき行ったという認定を認め、自らも同条例3条について「室戸市が工業用地となる土地を買収し、それを造成した上で誘致企業に売却する手法によることも、用地等の確保の協力に含まれる。」と主張し本件工業用地整備事業が企業誘致推進条例に基づくものであると主張した。

もしこのようであれば、たとえ私企業であっても公共の資金を利用することは許されるということになるが、しかし、被控訴人は控訴人らの反論に会い、適当な反論ができないままその後この条例のことは何も語らなかった。控訴人らの批判というのは、この企業誘致推進条例を根拠にして本件事業が行われたとしたら、この条例を実行する上で施行規則で定められた諸手続き(申請書や付属書類の提出など)があるはずであるが、それが何もなされず証拠の書類も皆無であることの指摘があって実際にはこの条例を適用していなかったことが暴露したのである。被控訴人の企業誘致推進条例第3条に依拠したという主張は
ひっこめたのであれば、それでは本件整備事業はいかなる法令に基づいてなされたのか、公共性を帯びる何の痕跡があるのか原判決は何も指摘していない。

特定企業からの固定資産税、雇用などを確保するためだ、といってもそのようなことが公金支出の理由になるわけではない。どのような事業でも地元の企業や個人の税金や雇用確保だといいうるからであり、そんな口実が通用するならいかなる法令・規則もいらないことになる。

それでは、普通財産だから、誰にでも首長が自由に処分できるといっても、わがまま勝手は許されないのであって、契約についての法令、処分遂行上の公正な手続き等の法令は遵守されなくてはならない。はじめから他の企業や個人の参加を一切遮断して特定企業に迎合する事業を設定し実行することが許されるはずはない。

六、室戸市企業誘致(推進)条例違反について

原判決は、誘致条例(正規には室戸市企業誘致推進条例)違反について次のように言う。
誘致条例に定められている手続きは、誘致条例第4条による指定を受けた誘致企業に対し、同条例6条1項所定の奨励金を交付するためのものであって、不動産の売却に適用されるものではないため、本件行為が誘致条例に違反したということはできない。
控訴人らは何も勝手に本件整備事業が企業誘致推進条例に違反しているといっているのではない。被控訴人及び被控訴人監査委員が、本件整備事業は室戸市の企業誘致推進条例第3条に基づく事業だと主張したので、控訴人らが原審控訴人準備書面(1)などで、誘致企業指定など手続上同条例に違反しているではないかという指摘をしたのであった。
その結果、同条例施行規則に定められた手続きは何もしていず何の証拠書類もなかったことが判明したのである。
被控訴人らは、監査結果通知書や一審答弁書で同条例に基づくと主張しそれを撤回しなかったのであるから、原判決が、それに適合していないという判断をしたのであれば、それは控訴人らの主張に対してではなく、(むしろ控訴人の主張を肯認するものであるから)本件事業そのものについて違法性ありとの判断でなければならない。企業支援の条例にも適合せず、補助金交付規則も採用しないとすれば、他に私企業への資金援助の制度はない。本件事業を可能とする公の制度や規則が何もない以上は、本件事業遂行は違法性を帯びることは明らかである。

被控訴人原審準備書面(3)10頁で
地方公共団体としては、室戸市企業誘致推進条例のような条例が存在しない場合であっても、行政としての目的を達成するために必要と判断される場合には、「事業所立地に係る協力」を行うものであり、それによって法令違反の問題が生ずることはない。という。
これは、まるでトランプ大統領の様な主張であるが、首長や議員が特定企業のために必要と思えば億単位の公金を何のルールも決めずにいくらでも使えるという利権政治宣言の様なものであって、民主主義的な、又法治主義的な地方自治の本旨からはるかに遠い。

結語

地方自治法第2条第15項は、「地方自治体は法令に違反してその事務を処理してはならない。」と規定し、同条第16項では、「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。」と明記している。原判決は本件における被控訴人の行為の違法性についてまともに判断せず、物件の評価法を誤り、法令の曲解、見当違いの判断までして被控訴人の責任を免除した。法令や常識に基づく正当な判断を求めるものである。

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2017年1月29日 (日)

県議会への監査請求

News & Letters/548

高知県議会は、領収書などをネットで初めて公開した、ということで評価が高い。

しかし、中身は相当でたらめである。宿泊費についてはやっと領収書をとり実費支給に替えた。これまでは、パック旅行以外は一切領収書を公表せず、高額の定額をとっていた。宿泊した事実を証明するのは領収書の代わりに議員本人の書いた自己証明書が証拠だと
言い張って来たのである。裁判所もそれを容認した。

しかし、さすがに私の住民訴訟のあと、領収書を出すようになり実費支給に切り替えた。しかし、まだまだ闇は深い。
本来年間数百万円の高額の政務活動費は廃止すべきである。第二の報酬である。議員にはすでに超高額の報酬が支払われている。

日本共産党は国会議員への政党助成金を拒否しているのであるから、それの地方版である政務活動費を拒絶するべきだ。

今回は、党派や議員が雇用している人件費のうち、社会保険料など事業者(議員側)負担まで政務活動費で賄っている事実について異議を申し立てた。公課公租を公金で支払うということは、公課公租の意義を喪失させる。憲法第30条の国民の納税義務をなんと心得ているのだろうか。

憲法をないがしろにするいかなる法令も無効である。県の監査委員会は、悪事の隠ぺい機能をどのように発揮するのか、
また、それに続く裁判所がどのようなでたらめな判断を下すのか、見ものである。

          高知県職員措置(住民監査)請求書

                        平成29年1月18日
高知県監査委員殿 
                〒781-7412高知県安芸郡東洋町405番地1
                請求人 澤山保太郎
【請求の要旨】

1、公開されている高知県議会政務活動費のうちで、人件費として健康保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金などの事業主負担分について政務活動費から支払うのは不当かつ違法であると考えるのでこれまでの会派及び議員への既支給分の全額返還を求めるべきである。公租公課を公金で支払うことは税法の根本的趣旨に反する。

2、人件費にかかる社会保険料の事業主負担分について、今後これを会派及び議員に支給しないようにするべきであり、差し止めを求める。
3、人件費での社会保険料の事業主負担分については、政務活動費で支払った分については、会派及び議員は、これら社会保険料は未納であり滞納であるので可及的に遡及して納税(支払い)する義務がある。

【理由】

1、公課公租を負担することは国民の憲法上の義務である。何人もこの義務を免れない。
(憲法第30条)
 国や地方公共団体は事業主であるが、担税義務はない。国庫以外に財源がないからである。政党政派は行政機関ではなく、任意団体であるから、人を雇用した場合、事業主として各種の社会保険料を負担する義務がある。
 その保険料を政務活動費という公金でもって支払うことは、公租公課の意義を踏みにじり、あたかも任意の政党政派が公的機関と同等であるかの如きふるまいをしていることになる。

 議員による調査研究の費用を賄う政務活動費で、人を雇い人件費を支弁することについては疑義があるが、仮にこれが認められるとしても、そのうち社会保険料にかかる費用まで支弁することは認められていない。現行の条例・規則などではそもそも人件費の内訳を明瞭にしていない。
議員への政務活動費の支給を定めた地方自治法(第100条第14項)においても、また他のいかなる法令でも国民に課される公課公租についてこれを公金で支払うことが許容される規定は存在しない。いかなる法令、条例規則でも憲法第30条を凌駕(又は無視)する規程を作ることはできない。

地方自治法第100条の第14項の規定では、政務活動費は、「議員の調査研究に必要な経費の一部」について支給するとなっていて事業主(会派又は議員)や労働者個人にかかる公課公租は、「議員の調査研究に必要な経費」とは言えない。
公課公租は、国や地方公共団体が国民(法人を含む)に課するものであってそれでもって行政を施行する財源とするものなのである。

2、高知県議会の政務活動費の実際の運用では、人件費においては、被雇用者からは社会保険料の個人負担分として給料から差し引いている。

労働者に対する措置は正しいとしても、それより優越的立場にある事業主(会派又は議員)の負担分については、これを事業主に負担させず、公金で賄わせるというのは、畢竟、県が雇用主である議員に対して不当な利益供与をするものというべきであって、政治資金規正の法令にも抵触する疑いがある。

各種の重税に苦しみながら納税義務をはたしている多くの県民から見て、厚顔無恥というべきであろう。政務活動費で必要な経費は何でもこれで支弁していいということにはなっていない。あくまでも「必要経費の一部」しか支給されない。
  
       添付資料
   政務活動費支出伝票(社会保険料にかかるもの) 11枚

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2017年1月26日 (木)

天皇制の危機

News & Letters/547

天皇制が直ちにつぶれるというわけではないが、少なくとも近代日本が成立して
最大の危機にあることは間違いない。

①天皇制の根幹である血統主義と男系主義が断絶しようとしている。
 血と性による差別は、日本社会の身分差別の中核であり、聖と賤の差別の軸であるが
 天皇制はこれにより長く存続してきた。いまそれが途絶しようとしている。

②年を取ったから退位したいという天皇の意向は、改めて天皇の「現人神」性を自ら否定  した。
 天皇も人であり、公務に耐ええない年齢が来るのである。
 昭和天皇は終戦において明確にしなかったが、現天皇は、その談話において「現人神」  から「神去る」=崩御以降も天皇は不死であるとされている天皇観を打ち消した。
 天皇は自らの死後の簡易な埋葬方法にも言及した。

③そして、重大なのは現天皇・皇室は、政治的に現政権と明らかに対立しだした。
 憲法9条など現憲法擁護の天皇の姿勢、安倍政権の憲法改悪政策と思想的にも、政治的  にも皇室が国民側に立って権力と対立することを辞さないという姿勢が誰の目にも明ら  かになった。
 天皇皇后が先の大戦に関連して一部であるがアジアの激戦地や沖縄に赴き、慰霊の旅を繰り返すのは、明らかに第二次大戦への反省と、反戦的意図が見えるし、また、皇后美智子は日本人草莽の手になる憲法草案を見学して現憲法がアメリカ進駐軍によって押し付けられたものでないということまではっきりと言明した。
 これは、現政権やそれを取り巻く右翼勢力と皇室が鋭く対立していることを表している。

④従って皇室が、リベラルな独立した政治勢力として登場した。
 国会も、行政府も、そして裁判所など司法権力も、右翼反動勢力によって牛耳られている現在、安倍政権が思いのままにならぬ、しかも「神聖」であるはずの皇室の存在が浮かび上がった。
 そして一部雑誌によると、右翼反動の巨魁となっている安倍晋三は、天皇皇后が各地の被災者を見舞い、ひざを曲げて被災者を慰藉する姿を真似をして天皇皇后を侮辱した。そうすることによって政権側がこの対立を決定的に認識している。
 日本の右翼勢力が天皇・皇室を敵に回す状況、皇室が右翼連中を嫌忌する状況が生まれたのである。

⑤これまでの国民の皇室に対する畏敬や親しみの念は、単に尊王の域にとどまらず、政治性を帯び、幾分の革新性さえ持ち出した。
 民百姓のことを思い、戦禍を厭う皇室が、悪代官、悪大名にいじめられているという構図が次第に浮き彫りになりつつある。

①の生物学的必然性が、②~⑤の事象と併行している。これらの兆候は天皇制の終焉の兆しでなくて何であろう。

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2017年1月25日 (水)

小池知事の住民訴訟への対応

News & Letters/546

豊洲移転問題に関して、小池劇場が賑やかである。
これまでの小池知事の「東京大改革」がどんなものであるのか、さっぱりわからない。
泰山を鳴動させてネズミの一匹も出ないのではないか。あるいは何か恐ろしい化け物でも出すのではないか。

東京都民が起こした住民訴訟、豊洲市場の土地の購入にかかる売買契約で578億円の損をしたという住民訴訟に対する対応をころりと変えて、住民訴訟に乗っかり石原元知事へ賠償を求める考えのようである。

小池氏が旧来の都政に「対決」しようとし、自民党などの腐敗分子と戦おうというのはいいとしても、その独断的な都政運営については警戒が必要である。住民訴訟をも利用して政敵を追求しようという手法は危険である。
このような手法がまかり通れば、仲間に住民訴訟をやらせて過去の首長ら政敵をやっつけるということが横行しだす。

住民訴訟制度が政略の手段と化す。それはまた、住民訴訟をする側も、自分たちの政治的立場に都合の悪い相手の場合は不正があっても問題にせず、
政治的に反対派の首長については少しのことでも徹底的に住民訴訟をかける、ということになる。

かつて、高知県の同和対策の補助金(研修費)の予算が不正に使われた事件を追及して監査請求したところ、それが、特定政党に関係する団体(全解連)が関与していたことが分かった段階で、その特定党派に関係していた住民が一斉に手を引いて、私一人が住民訴訟をするということがあった。

裁判の結果はその同和研修費予算の使用は違法であると判断され、その予算は廃止された。
小池知事が、今回の住民訴訟の請求を認め、石原元知事に賠償を請求するには、その住民訴訟で住民側の主張に同意するということでは法律的に無理がある。

地方自治法第243条の2の第3項の規定があるからである。すなわち、首長が元の首長を含む職員に財務会計上の不正があり自治体に損害を与えたという判断をした場合には、雇っている弁護士に住民訴訟で住民側に同意させるという手法ではなく、自ら監査委員会に監査請求し、損害額を確定する必要がある

監査委員の監査結果を受けて初めて小池知事は、石原氏への損害賠償請求ができるのである。小池知事の独断(又は雇用した弁護士)によって賠償額を確定したり、賠償請求はできないのである。

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