警察・司法のあり方

2022年9月21日 (水)

安倍国葬の法的問題

私は、友人とともに高知県監査委員会に、高知県知事濱田氏及び県議会議長らが、今月27日の安倍国葬に出席することについて差し止め請求の住民監査請求を行った。

理由は、内閣が安倍国葬を行うことは⓵憲法に違反するということと、安陪元総理が②様々な反動的行動をした人物であることの二つである。

地方公共団体が、憲法など法律に違反する行為は地方自治法第2条の第16項、で禁じられ、第17項では法令に反する行為は無効と規定されている。
違法かつ無効な行為に公金を使うことは当然違法であり、差し止めや賠償の請求の対象となる

⓵の憲法違反は二つある。

一つは、内閣法第1条第1項で、内閣の職権は、憲法第73条他憲法で定められた職権を行うと明記されていて、国葬を行う職権などを
定めた条項は憲法にはない。戦前の勅令のように内閣がきめたことが法であるというのはファッショ的な考えだ。

権力は法定されたことしか執行できない。吉田茂の国葬も当時の自民党内閣は「超法規的」行為であることを自覚していた。
現在の自民党権力はそのような意識すらもないから権力を握ったら何でもできると考えているのである。これはファシズムだ。

もう一つの憲法違反は、憲法20条の第3項違反だ。「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動してはならない」
という規定に違反する。国葬も葬儀である。葬儀は宗教活動だ。無宗教的葬儀は現在の日本には存在しない。

明治5年6月28日太政官布告で自葬祭が禁じられ、葬儀は全て神式か仏式に限定され,神官か僧侶によって挙行されることになった。
勝手に自分で葬式ができなくなったのだ。この太政官布告は今でも生きている。明治4年のいわゆるエタ解放令の太政官布告が生きているように。
明治5年6月以来、日本人の葬式は宗派宗教の独占物となった。

「葬式仏教」は国のお墨付きとなり、寺院のドル箱となった。
国葬も例外ではない宗教行事であるから、憲法では国が宗教行事は執行できない。
マスコミや学会は、安倍国葬について法的根拠がないというだけでなく、憲法違反だという法的根拠を国民に示すべきだ。

そして安倍国葬に出席する連中もこの憲法違反について理論的に反論すべきだ。憲法違反と知って、超憲法的行動をとることの

政治的責任についてどう考えるのか、聞きたいものだ。憲法を破っていいのか。統一教会のような、日本人にとっては売国奴的教義(日本は韓国の属国だから金を貢げ)を持つ団体と一体となって権力を築いた安倍晋三の葬儀に、憲法を破ってまで奉仕しなければならないのか。

反社会的な宗派宗教の広告塔となっていた男の葬儀は二重に宗教的であり憲法違反だ。

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2022年9月 6日 (火)

安倍元総理の横死

安倍元総理が奈良の駅頭で銃撃を受け横死した。

第一に、このことによって日本の保守政党が根底から揺れている。
安倍だけでなく自民党そのものの「国葬」、自民党と安倍晋三の合同葬が必要だ。自民党は解散すべきだ。衆参両院も解散して選挙をやり直すべきだ。

統一教会や創価学会など宗教団体の支援・連携がなければ議員当選はなく、国会で多数党ではありえなかった。

反社会的な団体の資金とスタッフ応援・集票活動がなければ存立できなかった腐敗した政党を国民は支持してはならない。

第二に、宗教団体の本質的な姿が統一教会であり、政治にかかわる他の宗教団体だけでなく、宗教団体そのものの金権体質が問われている。葬式や法要などが資金収集のネタであり、先祖供養や極楽往生などというほらを吹いて民衆をたらしこむのであるから、悪質だ。罪業深き民衆を救うという大乗仏教そのものの罪業が問われる。

第三に、警察の警備体制であるが、全く機能していない状況が露呈した。
これは警察だけでなく自衛隊など防衛関係組織の堕落した姿ではないか。
「警護改善」とかで都道府県警にまかせず、警察庁が関与するという方式に変えるそうだが、しかし、奈良の駅頭で起こったことは、上位下達を徹底すれば解決するような問題ではない。

野球でもサッカーでも卓球でもおよそスポーツ競技を少しでもやった人は、自己の守備範囲で大きな死角を作ることがどういう結果を生むか小学生でもわからない者はいないだろう。指揮系統の整備ではなく警察官たちにスポーツを推奨した方がいい。

これが軍隊であれば国が亡ぶかもしれない。それは警備(試合)をしている、敵と戦っているという意識そのものが喪失しているのだ。
このことは、政党や国の官僚組織、市町村の役場の組織でもおこっているのではないか。責任ある役人たちが、警戒すべき相手になれあい、金権に鼻までつかり正邪の分別もつかず、自己の任務を亡失している姿、それが奈良市西大寺駅頭の状況であった。もっともそれによって安倍晋三・自民党の反社会的団体との関係が暴かれたのだから何とも言えない。  

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2022年7月20日 (水)

安倍元副総理の国葬


安倍元副総理が奈良の駅頭で撃たれ横死したことによって、大きな政治的反動がもたらされた。

その存在自体が反動であったばかりかテロの被害者という事でその死が美化され一層大きな反動を引き起こしている。

今次の参院選挙の自民党の圧勝が第1の反動だが、無知と超ネオコン的反動思想を美化する国葬行事が第二の反動結果だ。国葬という途方もない美化は安倍元副総理には最もふさわしくない行事だ。

今回の奈良西大寺駅頭のテロは結果としては警察当局ら関係者らによる犯行誘導によるとの疑惑を抑えられない

誰が考えても、安陪の背後の道路の無警備は通常考えられないことであり、犯人が車で通りながら車から射撃してそのまま逃走することもできる絶好の状況であり、この現場の状況が語るものは、当局が意図しなかったとしても結果としては暗殺を誘導したと非難されても仕方がないものだ。

逆に暗殺⇒国葬強行まで考えるとしたら、奈良事件の犯行誘導の「警備」の疑惑の深行は避けられないだろう。

あくまで結果からの推定としてであるが、今回の奈良事件は日本のネオナチ的反動グループの起死回生的な企画実行であると評価されるべきだろう。

参院選勝利だけでなく国葬まで持ち込む美化運動は、決して偶発的なものとは考えられない。
今回の犯行の動機があくどい献金収奪の特定新興宗教団体への恨みに根差すもので理由なしとは言えないが、それでも、

いかなる反体制運動であっても、テロリズムは、民主主義の政治的手段にはなりえないのである。それは単に生命の尊重というだけでなく、その被害者への同情や不当な美化を止めるのが困難となるからである。

日本の歴史上その暗殺が許容されたのは桜田門外の変だけである。

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2021年1月18日 (月)

美は乱調に在る

1月6日プロ・トランプ集団がアメリカ議会に突入しこれを占拠し死者5人も出す反乱(riot)事件が勃発した。
世界中がこれを非難した。この反革命的反乱に何か意義があるか。
これでも「美は乱調にある」のか。

今日1月17日(1885年)はアナキスト大杉栄の誕生日だ。1911年9月1日大杉は関東大震災の直後憲兵隊甘粕大尉によって殺害された。

大逆事件(死刑判決は1月18日)の後の機関紙での大杉の有名な文章に「・・・この反逆とこの破壊との中にのみ、今日、生の至上の美を見る。・・・諧調はもはや美ではない。美はただ乱調に在る。諧調は偽りである。真はただ乱調に在る。・・・」と書いた。

「乱調」そのものが美であり真であるというのではない。美は乱調の中にあるというのである。

2・26事件の青年将校らの反乱行為に何か美があったのか。この反乱に対して果敢な批判を加えた学者河合栄次郎の姿にこそ美がある。

天皇裕仁らが引き起こしたアジア太平洋戦争という巨大な乱調にあるのはただ醜悪と虚偽だけである。それと戦った反戦闘争と抗日戦争に美と真実があった。

トランプ派の反乱行為には何の美も真実もない。この「乱調」は人種差別と金権政治と暴力のどす黒い醜悪さだけの「諧調」の極致だ。乱調だからと言って美しいのはない。

明治の文豪尾崎紅葉の金色夜叉の名場面、熱海の海岸の貫一がお宮へのセリフ

 今月今夜のこの月は僕の涙で曇らせてみせるの今月今夜とは1月17日である。26年前の今日、阪神淡路地方に巨大地震が襲った。今なお多数の遺族が涙を流している。

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2020年6月 7日 (日)

アメリカの暴動

黒人に対する差別的虐殺に対し、全米・ヨーロッパなどで反撃の「暴動」が
始まった。白人警官による黒人殺害行為は、これまで全く訴追されず、無答責だ。

今回は一応加害警官が訴追されたが、有罪になるかどうかわからない。
人種差別の実態は、今も昔も変わっていない。部落差別もそうだ。

日本の場合、官憲が直接被差別民を迫害するという事象はなくなっているが、
差別行為や加害行為を放置するというやり方で今も差別は息づいている。

数年前ある同和地区の男性が死体の状況から明らかに殺人事件の被害者だと思われる事件について住民が訴えたが警察は病死として扱い、耳を貸さなかった。新聞も被差別民の事件や犯罪は大々的に扱うが彼らが被害を受ける場合は多くの場合無視される。

権力と癒着した連中は、犯罪を犯しても訴追されることはわずかで、悪がはびこることは江戸時代と同じだ。
アメリカで暴動が起こるのは当然だ。日本に暴動が行らないのが不思議なほどだ。

権力の無答責は暴動によってしか治癒されない。香港を弾圧するスターリン主義、黒人を迫害するアメリカ帝国主義。

暴動が新しい世界プロレタリアートの権力奪取に向かう日を心から望む。

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2020年5月21日 (木)

公務員の定年延長

検察官の定年延長問題はどうやら先送りになった。
しかし、予断は許さない。これについては別に論ずるところがある。
問題はそれだけではない。それが国家公務員の定年延長と抱き合わせなのである。

国家公務員の5年間の定年延長をする理由が明らかにされていない。
世の中には若い層の多勢の労働者が正規社員ではなく、ふりーらんすなど不正規労働に従事し、結婚もできない、不安定な生活を強いられている。国や市町村の公務員に定年を延長しなければならないほどに仕事が多いのであれば、青年労働者をどんどん雇用するべきだ。

特に今回のコロナパンデミックで明らかになったのは、防疫や公衆衛生方面での医療スタッフの弱体ぶりだ。
本来の医師や病院スタッフが動員されてばたばたと感染し医療崩壊寸前までになった。防疫や公衆衛生の従事者を大規模に養成しなければ、通常の医療スタッフでは到底持たない。

公務員の定年延長をするぐらいならその資金で大量の青年労働者を特別に教育し、全国の保健所を復活・強化し防疫・公衆衛生のスタッフを急速に補強・整備すべきだ。学校教育にも医学や保険科目を主要科目に格上げし、大学の医学部も増強すべきだ。

防疫や公衆衛生の従事者養成のために特別な専門大学や学部を増設すべきだ。
パンデミックはこれからも世界規模で猛威を振るうだろう。これに立ち向かう資金は、パンデミックによる被害額を考えれば微々たるものだ。

公務員の定年延長など何の理由もないことに金を使うのをやめよ。それこそ不急不要だ。
日本の労働貴族のかたがたこそ火事場泥棒ではないか。いま、野党も与党も労働貴族のご機嫌をとる場合であろうか。不正規労働で呻吟する若者に正規の職を与えよ。

そして何よりも今大事なのはパンデミック対策の体制、人材確保だ。
従来の医療体制をパンデミック対策に回せば医療はマヒするのは目に見えている。医学教育を見直しこれを増強し、全国の保健所を再建し、国、都道府県、市町村、小中高校・大学、そして企業などに防疫・公衆衛生の専門家を常時配備する新しい医療体制の構築こそが急がれる時だ。

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2020年2月22日 (土)

森友学園籠池夫婦の補助金裁判

先日第一審大阪地裁の判決で籠池が有罪となり夫は実刑5年,妻は猶予刑で3年であった。新聞の評価では、森友事件の核心は、学校敷地の総理夫婦、国交省の関与、文書の改竄問題だということで、この裁判の補助金についての裁判所の判断については殆ど論評されていないから、裁判の真相がよくわからない。

だから、推定するしかない。
補助金を詐取したという罪である。
一つは小学校建設の工事費の水増しで国から5600万円かすめた。
もう一つは、幼稚園の運営費で教員数を水増しして大阪府・市から1.2億円かすめ取った、というものである。

しかし、補助金交付の制度の運用が厳格であればとても工事費や運営費の水増し請求が通るはずがない。
もし補助金が詐取されたというのであれば、だまされたほうの責任の方が大きい。
補助金請求の内容については行政側は調査し真実であるかどうか判断しなければならない。

工事費の水増しや教員の水増しなどは調べれば簡単に判明することであってそれが分からなかった、だまされたなどということ自体行政として恥ずべきことだ。

第一に、行政がだまされたのではなく、調査しなかった、あるいはわかっていたが許した、その小学校の特異性から忖度したという可能性がある。総理夫人が背後にいたということ、国粋主義的教育を援護する観点から審査なしに通した可能性がある。これこそが犯罪であり背任罪だ。

第二に、補助金が過大に交付したということが分かった段階で補助金返還の措置命令をしなければならず、返還してもらうか、返還の約束をしてもらうかして事件を解決しなければならない。

それらは補助金交付条例の範囲の事柄であって、刑事事件になる問題ではない。
したがって、責任は籠池側ではなく、まともに審査もせずずさんな補助金交付をした大阪府市の首長の責任である。

国の場合も同じだ。
的外れな今回の判決ではすでに破産した籠池夫妻から補助金の損害は回復できないだろう。

私が大阪市民であったなら当時の大阪府・市の首長を相手に損害賠償の住民訴訟を起こしただろう。

籠池の森友学園への大阪府市の補助金行政の過失責任は明白であった。
市町村の補助金交付行政は極めてずさんであり、利権化している場合がある。
私は東洋町長の折、数件の乱脈だった補助金交付を厳格化した経験がある。

利権化した補助金は、もらう側(申請者・受給者)を罰するのではなく交付する連中に制裁を加え賠償させなければこれを根絶できない。

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2020年2月16日 (日)

検事長の定年延長事件

東京高検の検事長の定年問題が重大な政治問題となってきたのは当然である。

時の権力が司法を思いのままに動かすという深刻な事態の背景には、日本の民主主義の脆弱性が横たわっているように思われる。

第一に三権分立ということの法的根拠が明確でない。日本国憲法ではそれが明示されていない。
むしろ、一権独裁という感じだ。国会で多数派が内閣を構成するから総選挙後直ちに立法と行政の2権が多数党に取られる。

そして最高裁長官もその判事も総理大臣が人事権を持つから司法も取られ、三権が一権(行政権)に収斂される。

それまで高級官僚の任命などには政府は遠慮していたが五年前の内閣人事局の設置によって官僚組織の首根っこが押さえられた。

私は提案する。日本国憲法の精神は明確だから、法律で三権分立を明確に定めるべきである。

そして、内閣の人事権が司法に及ばないこと、検察庁を含む各省庁の官僚の人事権にも内閣が干渉できない
ことを明確にすべきである。そして官僚についてもキャリア・ノンキャリアの差別を撤廃すること。

ここで憲法第15条第1項が重要である。

憲法は、国民固有の権利として国民が公務員を選任、罷免するとなっている。
しかしその実施方法を担保する法令がないので空文化され、憲法上何の権限もないのに総理大臣や首長が勝手気ままに人事権を振り回し、三権分立の建前をぶっ壊しているのである。

15条が言うこの公務員というのは、何も公職選挙法で選ばれる議員や首長に限られていることではない。

野党は、政府の独断専行・法令無視についてその度に驚いて異議を述べるが、そのような消極的な姿勢ではなく、日頃民主主義を保証・補強する法令を提案するなどもっと積極的な攻勢を持つべきだ。

私は、10数年前小さい町の首長であったが、毎年の人事異動については、まず全職員の希望をアンケートにとり、実際の移動の調整については総務課長にやらせ、特別に不適任と思われる場合以外は、口出しをしなかった。

選挙で選ばれ政治性を持つ首長が人事を切り盛りすれば必然的に中立であるべき行政職員が党派性を帯びるからである。

選挙で選任する場合とは違う憲法で謳われた国民の公務員任免権が空疎になっていること、これが、今回の検事長問題の基底にある。少なくとも、国や地方自治体の不法行為や不公正な公務員人事について国民が、現在の住民監査・住民訴訟制度程度のチェックができるような制度を作るべきだ。

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2018年6月17日 (日)

裁判における矛盾論

News & Letters/637
本年6月11日、袴田事件の東京高裁決定があった。
静岡地裁の再審開始決定を覆し、検察の抗告を受け入れて袴田氏を再び死刑囚の身に戻した。ただし身柄は釈放のままである。
この事件につき元検事の郷田信郎氏のコメントを読んだ。
確かに、静岡地裁の再審開始の根拠としたシャツについた血痕についての筑波大学本田教授の鑑定は残念ながら信用性を否定されるのはやむを得ないだろう。
しかし、次の高裁決定の理由については郷田氏の考えは首肯できない。
「供述の任意性及び信用性の観点からは疑問といわざるを得ない手法が認められるが、捜査段階における袴田の取り調べ方法にこのような問題があることを踏まえても、取り調べの結果犯行のほぼ全容について袴田の供述を得て犯行着衣についてもそれがパジャマである旨自白を得た捜査機関が、新たにこの自白と矛盾するような5点の衣類をねつ造するとは容易には考え難いというべきであり、袴田の取り調べ状況から5点の衣類のねつ造を結びつけることはかなり論理の飛躍があるといわざるを得ない」
郷田信郎氏はこの高裁の判断をも支持する。
だが、我々の一般常識では理解できない
A)犯行時の着衣はパジャマであったという自白と
B)新たに味噌樽から発見され血痕がついていたという5点の衣類 
一般的にはAとBは矛盾する⇒故に自白か又は5点の衣類の発見のどちらかは信用性がない。
高裁の判断は AとBとは矛盾する。故に(矛盾があるからかえって)Bは信用性がある。
この矛盾の論理で行くと袴田氏ならずとも一度被告とされたものは万が一にも助からない。この論理は次のようになる。
1、自白と現実の間に矛盾がなければもちろん両方とも信用性がある。
2、自白と現実(でっち上げの可能性がある現実)とが矛盾する、その場合矛盾するがゆえに現実(でっち上げ)が信用性がある。
ということになるからである。
これは私が狭山事件で寺尾東京高裁裁判長の判決の「弁証法」を批判した内容と同じだ。
狭山事件の場合は袴田事件とは逆に強制された「自白」、と現実とに矛盾があった。
だが論理は一緒で矛盾があるがゆえに警察が作った「自白」、または現実が真実とされ、矛盾があればあるほど真実性が高まるというものになる。
寺尾はこれを「弁証法」だと自賛した。この論理でいけば弁護団がいくら自白と現実の矛盾をついて弁論しても、そうすればするほど有罪の可能性が高まるということになるのである。これでは、天網恢恢であって犯人にえらばれた人間は2度と監獄から帰れない。
寺尾の矛盾を動力とする「弁証法」という非論理は東京高裁に生き続け、権力が窮地に陥ったときの伝家の宝刀になっているようだ。
権力(暴力)を背景にした非論理に対抗するには論理では歯が立たない。論理的に非論理に対抗するのは⇒人民の武装蜂起しかないであろう。
なぜなら刑事裁判における非論理とは暴力(監獄・死刑)だからである。郷田信郎弁護士は様々な事件で鋭い観察をし、法的観点から詳細な解明をしてくれてありがたいが、今回の袴田事件のコメントには欠陥があると言わざるを得ない。

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2018年6月 2日 (土)

室戸市火葬場工事の裁判は進む


News & Letters/636
平成29年行ウ第16号 損害賠償請求事件
原告 澤山 保太郎
被告 室戸市長 小松幹侍
                  平成30年4月13日
高知地方裁判所民事部合1係 御中
                  原告 澤山保太郎  
      原告準備書面(2)
原告は被告準備書面について以下の通り反論する。
一、 値上げの根拠について
1、スライドさせた物価水準は
本件訴訟の最大の争点である5000万円余の工事費追加の根拠について今回の被告準備書面(1)のどこを見ても何の説明もない。被告準備書面(1)の6頁~7頁にかけて「4請負代金の増額金額の積算根拠」及び別紙【「設計金額及び工事更生価格表」説明書】なるものを具に見ても、積算の結果の解説ばかりであって肝心のその根拠は明らかにしていない。
本件請負契約で25条の物価スライド方式というものに依拠して積算しているようなことを被告は市議会においても繰り返し、また、今回の準備書面でも「建設物価に関する一般的な統計資料」(被告準備書面6頁上段)を挙げているが、その「統計資料」については何の証拠も挙げず、言及するところもないし、また、「資材費や労務費の上昇を反映させて更生した更生設計金額であるが、そのバックデータは大量のものであるため、この「設計金額及び工事更生価格表」には示されていない」(被告準備書面11頁中段)という。肝心の建設物価の統計がどんなものか、「更生設計金額」を裏付ける「バックデータ」はどういうものか示さないとすると、被告がいう4500万円とかの算定根拠はまるで不明である。その「バックデータ」なるものが日本国の当時の物価水準の裏付けがあったものか、説明できなければ何の意味も持たない。
被告準備書面では、追加工事分などを差っ引いて計算すれば全体として「増加率は40%」(被告準備書面8頁中段)程度の値上げになっているとのことであるが、少なくとも40%にまでしたその増加率が当時の建設物価の上昇率と照らして妥当なものかどうかが問題であるが、被告はそれについては何も説明しない。日本国内で平成26年前後で40%もの建設物価の高騰があったという途方もない話は到底説明できるはずがない。
本件工事の設計を受注していた設計事務所が本件工事費追加分の計算をしてきたものだ という主張だけでは積算根拠を説明したことにはならない。法廷は議会ではない。議会は証拠がなくても議員の政治的思惑で往々にして案件を可決する場合がある。
被告らは市議会に本件工事費追加の内訳を資料(甲第10号証の2)として提出したがなぜこのような値上げが必要なのか何も合理的な説明はしなかった。
裁判に臨んでも依然として説明ができないでいる。
2、最近の議会での説明 「見積単価」で
本件工事費増額が市議会で議決されるまでは、被告は、増額分の積算の根拠については具体的な根拠を示さなかった。
最近の市議会(平成29年3月議会(甲23号証)、及び同年12月議会(甲第24号証)での被告及び当時の萩野市民課長の答弁では、「単価決定につきましては、建設物価と見積単価による単価を使用しています」と説明し、さらに「全部で設計項目が600項目ほどありまして、そのうち500項目程度を見積り単価で改めてとっておりますので、・・・」と説明している。この「見積単価」というのは、工事発注者側が設計書を作成するときにあらかじめいくつかの業者から参考として提出してもらう参考見積りの単価のことである。
原告は、この見積書について室戸市役所に対し情報開示請求をしたが、なぜか金額をすべて黒塗りにしたものしか出せない、との回答であった。
如上の最近の被告らの議会での答弁は、本件変更工事費の600項目のうち500項目がどこの誰とも知れぬ業者による見積りをもとに値段が計上されたということであって、決して本件請負契約書第25条が言う客観的な物価水準や賃金水準に拠っていなかった、ということを表明したものである。
本件請負契約第25条第1項の特約規定では、請負代金の変更を請求できるのは「国内における賃金水準又は物価水準の変動」によることが明記されている。
甲第25号証は、高知県庁で示された建設資材の価格の指数であるが平成26年前後では指数はほとんど変化がない。
何よりも、室戸市の建物の固定資産税の課税の計算式でも物件の再建築費について物価指数が使われるが、その数値は0.95(高知市に準ずるものという)であり全国的な基準値より5ポイント低いのである。室戸市の固定資産税は27年度に見直されているが、物価指数の値は変わりがない。
全国の名目・実質の賃金指数もアベノミックスによって平成26年前後は右下がりに下がっている。(甲第26号証)
そもそも川村総合は何をもって請負契約第25条の適用による契約金の変更(値上げ)を要請したのか。そして被告は何をもってその要請に応じて5000万余円も川村総合に提供したのか、その答えが最近の議会答弁であった。誰ともわからない業者が作った参考見積書に基づく、それには単価が200%も超えるものも含まれていたというのである。
その参考見積書を法廷に出すべきであろうし、被告はそれに基づいて本件工事費の増額を正直きに説明するべきである。
この値上げは、業者と被告との間の「協議」という名の純然たる談合という不法行為によって決められたというよりほかにない。
したがって本件工事費追加の5141万6226円は談合によって支出したものであるから、不法に出したものは返還してもらわねばならない。
3、施工記録がない追加工事
なお、被告準備書面の説明では、本件工事費追加分5141万6226円のなかに、残土処理、支保工などあらたな工事が含まれているという。
しかし、この追加工事分の予算についてはそれとして別個に契約変更の会計手続きがなされたという記録は示されていないし、さらに市議会に新たな予算議案として提出されていず、それとして議決されていないので無効であって違法な支出である。
被告が言う残土処理とか、支保工などについては5000万円余の増額のつじつまを合わせるために思いついて業者の言い分を聞いただけで計上したものと考えられる。
これらを本件工事費の追加の物価スライドの設計書の中にまぎれこませる手法は予算措置としては異常であり無効である。少なくともこの支出分は市長小松の職権濫用によるものであり、不法行為による別個の返還債権であって本件返還分に入る。
二、 工期延長の理由について
1 工期延長の理由、
工期延長にかかる契約変更については原告準備書面(1)では甲第8号証に基づき論じた。本件工事費の追加にかかる工期変更は甲第4号証の1及び甲第33号証(変更契約伺い書)によって説明すれば十分である。本件工期が平成26年12月27日の「基準日」にまで延長されるその延長理由が肝心であるからである。それには旧火葬場での営業は遅延の理由に入っていない。
甲第33号証の伺い文書では、工期変更理由は 
(1)造成工事の関連で基礎工事が遅れたこと
(2)人手不足、特に下請け業者の確保ができがたいこと
である。(1)についてはともかく(2)については完全に請負業者の都合によるものである。川村総合は本件工事のほとんどを自社の社員で遂行する能力がなく、主要工事のほとんど全部を下請けに丸投げ状態で遂行させてきた。
下請けの確保は川村総合が工事を受注する上で絶対的な前提条件であったが、本件も含めてほとんどそのような準備をしないで受注するから本件工事以外の他の工事でも工期の遅延は常態になっている。
この造成工事の遅延はせいぜい2か月半(平成26年3月末まで)にすぎない。(甲第12号の1)それを裏書きするように平成26年3月17日に川村総合が室戸市と交わした第1回工期変更契約書及びそれに添えられた川村総合の本件工事の「総合工程表」(甲27号証)では、工期は平成26年12月中には終了するという日程が示されている。
それ以後の本件工事の遅れはもっぱら(2)の下請け業者の確保ができなかったことに由来すると考えられる。
上記工程表のほかにそのことは「注文請書」(甲第7号証)で確認できる。元請けの川村総合が本件工事の主要部の工事で下請けを確保したのは平成27年5月以降である。
「注文請書」47件中平成26年度までに下請け契約がなされているのはわずか10件ばかりの2割強(進捗率では34%という)に過ぎない。天変地異が起こらない限り人手不足とか下請けを確保できなかった、自社では技術者がいない、などというのは受注した公共工事での工期延長の正当な理由にはなりえず、むしろ遅延損害金が発生する事案である。したがって、自己都合で遅延損害金が発生するような工期遅延によって本件請負契約第25条の期間(12か月)をクリアしたという主張は無効である。
2、火葬場への道路補強工事 
甲第34号証の工期変更最終版の決裁文書で初めて「市道椎名室戸線舗装工事」が工期延長の理由として挙がった。
原告準備書面でもふれたが、原告は道路工事関連資料の開示を得たが、この路線は火葬場に行く道路であってこの舗装工事というのは、一時的に道路のふちに鉄板を敷くというごく短期的な工事である。(甲第28号証)
これは新火葬場建築工事に絡んで重機など大型車両を搬入するのに路肩補強など必要なものだということで用が済んだらすぐ撤去されたという。
だが、問題なのは、この工事がなぜ平成27年の7月の段階までに出てきたのかである。
これは、何かの災害などの事情で道路補修工事があったのでそのため通行止めになり本件工事が遅れた、というのではなく、本件工事に使う大型車両を通行させるために行った工事なのであった。本来なら、この工事はとっくの昔に施工されるべきものであったが、本件建築主体工事が遅れているためにこの時期にまで施工する必要がなかったのである。
したがってこの道路補修工事は、工事の遅延の原因になるのではなく、川村総合が工事を延々と遅延させた結果この時期にまで補強工事が延ばされたものであって、この時期になって初めて重機などを必要とする工事をする段取りができた、これまでする必要がなかったという証拠なのである。
最初から受注した工事を遂行するスタッフを用意せず、工期を守ることなどまったく不可能であるのに市の工事の入札に参加し、落札してその工事をキープし、延々と屁理屈を並べて工事を遅らせ、あまつさえ自己のわがまま勝手を理由に、換言すれば、無法行為を理由に工事費のつりあげを請求したのである。
3、市道工事も川村総合が受注
しかも重要なのはこの市道補強工事の受注者が川村総合なのである。(甲28号証)
本件市道補強工事の契約時期は、川村総合が本件新火葬場建築主体工事で遅延している最中の平成26年11月13日で工期は翌日の26年11月14日~27年3月20日まで(実際は工期を延長しており27年7月10日)となっていた。大きな受注工事で工期が守れない業者に対し、関連があるとしても半年近くかかる別工事を発注するということは、どういうことであろうか。そのため請負契約第25条のスライド条項適用が可能となったとすれば、本件増額の理由づくりに決定的な協力をしたということでこの市道補強工事の川村総合への発注行為は官製談合そのものではないだろうか。
川村総合も被告らも、この市道補強工事を本件火葬場建築工事の遅延の理由として要請し、認容していたのである。
本件工事を受注した当時、特に平成26年度には、川村総合は本件以外に億単位の大きな工事を4件(西部給食センター建築工事、室津地区避難タワー建設工事、津呂地区避難タワー建設工事、元地区消防屯所建築工事など)も抱えていて本件工事に関与する余裕がなかったというべきであり、本件を含めこれら5件いずれとも工期が大幅に遅延していた。
このような工期を無視する無法行為を容認しそれに屈したことが請負契約第25条のスライド条項適用の期間要件を満たすことに直結したのである。
本件を含め満足に工期を守れないいくつもの大型工事を抱えている企業に次々と別工事を発注するというのは、通常の行政ではありえないことであるが、被告らは川村総合に限ってはこれを許容し、その業者のやりたい放題にしてきた。
本件の支出行為は単なる財務会計行為の間違いや瑕疵ではなく、理不尽な不法行為によるものであるから、支出したお金は返還してもらわねばならない。
三、支出負担行為及び繰越について
1、 本件に係る支出負担行為については原告は訴状での主張に追加して準備書面(1)の1枚目で新たな主張をしたが、今回の被告準備書面では、これについて一言も触れていない。
すなわち、室戸市財務規則第44条2項の規定による繰越し分の予算については、特段の支出負担行為の設定が必要とされていることについてである。
繰越しの予算についての「支出負担行為の内容を示す書類には、繰越である旨の表示をするものとする」との規定は無視していいというものではない。本件支出負担行為の文書には繰越を表記したものは存在しない。この新たな表記は軽視されるべきではない。繰越しの予算に関する支出負担行為は前年度すでに行わねばならないことはもちろんであるが、室戸市財務規則は繰越した予算についてこれを翌年度に使うものとして支出負担行為を更新する、更新したことを表示する必要性を指示するものなのである。支出負担行為の決議は前年度の決議だけでなく翌年度の分も必要だという意味なのであって、これをしなければ予算執行は無効となるということである。
2、被告準備書面は事故繰越(地自法第第220条第3項但し書き)についても原告の主張について何も言及しない。
 最初の25年度から26年度への繰越明許(地自法第213条)はともかく、法令によってさらなる繰越明許は許されないので27年度へは事故繰越を使った。がしかし、自然災害など特段の事故もないのに事故繰越をしたのはあまりにも異常であり職権乱用であろう。一業者のわがまま勝手の工事遅延を認め、1件半年程度の工期の工事を3年度(25年度、26年度、27年度)にまで渡らせる無理難題を実現するために適用が厳しい事故繰越の手法を使うことが許されるのか。
 本件工事の工期の遅延を理由とする繰越は、甲第19号証(平成22年3月財務省主計局司計課の作成になる『繰越ガイドブック』から抜粋)の事故繰越の数百事例のいづれにも該当するものはない。これも被告による職権濫用であり不法行為である
四、不法行為
1、請負契約書の履行義務 
本件工事費の追加が被告と業者間の「協議」(被告準備書面5頁)によって決められたことは争う余地はない。この「協議」の内容が本件請負契約に規定された範囲で行われたものであればともかく、それを逸脱し途方もない金額が打ち出された場合、それは談合というべきであり背任罪などの刑事犯罪に該当する行為となる。被告はこの「協議」は物価水準などに基づいてなされたというのであるが、被告も認める40%もの建設物価の上昇率は説明することは不能である。川村総合は請負金額の値上げの理由もないのにその変更(増額要求)を求め、それによって値上げ幅の協議を行い、その結果法外の契約金額の増額に成功した。このような値上げの額をどちらが提案したかは問題外である。両者が合意した事実が重要であり、被告準備書面が言うように最終的には被告側が業者に4500万円を提示したという。業者はそれに同意したがそれには消費税は別だという注文を付けたという。この4500万円の積算根拠が物価や賃金の水準など請負契約書の規定に沿うものでなければたちまち談合となり共同の不法行為となる。
  本件請負契約書は、室戸市と業者間の私法上の契約である。この契約書の各条項は双方が厳守し履行する義務がある。スライド条項を守らないなら、この契約をいったん破棄しなければならないが本件では破棄はしていない。
世間の物価や賃金水準で工事費の値上げを認めるという第25条規定は、合理的でありこれを履行しない特段の事情はない。また、これらの規定を守ることは、最小の経費で最大の効果を規定した地方自治法第2条第13項の規定にも適う。私法上の契約を無視し義務なき負担を引き受け、地方自治法の趣旨をも踏みつぶし、室戸市に多大な損害を与える行為は市長として職権乱用であり、違法かつ無効な行為である。
2、室戸市議会議員山本賢誓の陳述書によれば、実際の「協議」は被告が言うようなものではなかったという証言がある。(甲第29号証)
 川村総合から請求があったのは、市議会(甲第20号証)での林竹松議員が言うように6000万円を超えるものであり、それが5000万円程度で落ち着いたが、その過程で被告は本件工事の設計屋の杢設計事務所に3千数百万円の線の見積もりを作らせたという確かな証言がある。杢設計の社長の証言ではその見積もりをファックスで室戸市役所に送付した、という。このフアックスは担当課長萩野義興、課員濱吉ら数人の職員は確認したと市会議員に白状したとのことである。
 萩野義興元課長の証言では小松市長の指示でそのファックスの見積書をもって川村総合へ赴き3千数百万円で決着をつけようと話をしたところ、川村総合に全く取り合ってもらえず市役所に帰った。それで仕方なく被告準備書面が言う通り本件5141万円余で手を打つことになったと考えられる。
 設計事務所所長の証言では3千数百万円の見積書を作ったが、その書類はすでになく、それを作成した設計事務所の元社員はすでに退社しており、そのデータの入っているパソコンは事務所にはないとのことであった。
 また元担当課長の萩野義興の証言については原告は録音テープの提供を受けた。
3、談合について
本件における談合というのは、業者と行政機関の長との間の不法行為を内容とする話合い(協議)であるから、官製談合である。
 本件の場合、工事の途中でさしたる追加工事や工法の変更が行われたわけでなく、またそのようなものとして議会での議決もされていず、被告準備書面も認めるように少なくと40%もの物価の値上がりも根拠がなく、根拠もないまま法外な契約金の増額追加をしたことから、それでは、被告は、もともと1億5000万円ではなく2億円の請負金額として最初の入札時に提示して業者間の競争入札に付すべきものであったのではないか、という批判に答えなければならない。また工期もさしたる理由もなく1年半も遅延させたのであるから、最初から本件工事の工期は半年ではなく2年間なりとか無期限なりとかと提示して競争入札にかけるべきであったのではないか。
被告はそうせず、請負金額1億5000万、工期6か月の入札条件で、請負金額2億円、工期2年間という驚異的に有利な工事を川村総合に提供したのである。
これは、いわゆる官製談合防止法第二条第5項の四(入札談合幇助等)に該当する行為であることは明らかである。(官製談合防止法の正式名称は「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」である。)
そしてこの被告の談合行為は、他の同業事業者を不当に市場から排除する効果をもたらすことになるからいわゆる独禁法第2条5項(私的独占)にも該当し同法第3条に抵触し正常な競争入札を阻害したと考えられる。
官製談合の不法行為による公金の違法な支出金に対するその返還請求については、監査請求期間の制限はなく、裁判所の判断を受けることができる。
五、室戸市の総合評価落札方式の違法性(官製談合方式)
 公共工事では基本的に請負金額の変更は認められていない。仮にそれが認められる場合はよほどの事情の変更がなければならず、変更する場合でも、金額は本市の随意契約で許されている範囲の変更である。本件のような9か月を超える大幅な工期の遅延、工事全体の3分の2についての巨額の金額の変更がある場合は新たな入札・新たな契約が必要であって、いながら川村総合が継続的に受注することにはならない。特段の事情もないのに、契約金額を大幅に変更し、無条件で川村総合に残工事を遂行させたのは、競争入札制度を根本から破壊する行為である。
確かに請負金額の変更の特約条項(第25条)が本件請負契約書にはある。 
室戸市には、契約金変更については、他に一般的な規則や要綱は制定していない。
高知県庁の場合、建設工事について金額変更する場合は、設計変更がなければならず、
2000万円以内で元の契約金の30%を上限というガイドラインを作っているが、それはあくまでも工事についてやむを得ない事情に基づく追加的な設計変更などが前提であって、何でもないのに金額の変更などが許容されることはあり得ない。
入札のやり直しといっても室戸市の総合評価方式では川村総合ら数社が思い通りに落札できる方式が構築されている。以下の通り室戸市の総合評価方式は官製談合の一種と考えられる。甲第14号証の本件入札の「総合評価方式」で見る通り、川村総合の「施工実績」と「従事実績」の評価がダントツに高い。この書類の欄外には「平成10年4月以降に元請として完成・引渡が完了したものであること」と記載されている。
しかしこの実績は真実ではない疑いがある。
(ア)業者間の談合を看過した
本件のように発注段階で工事の内容が確定している場合は、価格による競争入札でコスト抑制が可能であるから、価格での競争がほとんど意味をなさない室戸市の総合評価落札方式を本件工事に適用するのは、地方自治法第2条第13項の最小の経費で最大の効果の規定に反している。室戸市では予定価格が公表されており、また、最低制限価格も予定価格の90%ほどと決められているから施工実績などで評価点を確保できる企業は、相手が最低制限価格の入れ札を出してもそれに勝てる入れ札を出すことができる。
ここで注目すべきは本件の入札記録(甲第14号証)では、川村総合以外の他の3社が予定価格で入札している事実である。特定業者以外の他の業者が全員予定価格で入札するというのは偶然の事件ではありえない。このことは、業者間の談合があった明白な証拠である。
このような入札状況では被告は当然価格上で談合を疑い入札のやり直しをしなければならないが、被告はこれを放置した。
(単位は百万円で2社が153.967で、あと1社が153.9である。小数点第1位までで計算されるから3社とも同じ金額の入れ札となっている)
(イ)元請けが自社で遂行した工事実績を評価すべき
総合評価方式をとるとしても施工実績は元請け自身が遂行した実績を評価すべきであって、下請けにほとんど丸投げした工事を評価の対象とするのは、総合評価方式の趣旨に反している。相手が複数企業であっても下請けへの一括丸投げは建設業法第22条で禁じられている。禁じられている一括丸投げを実績評価するのは理不尽である。
(ウ)一括丸投げの実体
元請けが下請けへ一括丸投げをしても、下請けの遂行する工事に元請け社員が実質的に関与し、指揮・監督などをしている場合は一括丸投げも違法ではないといわれる。
  しかし、本日提出する甲30号証に見る通り、本件建築工事における元請けの下請けに対する関与を示す資料は全く存在していない。甲第7号証に見るように本件工事は、川村総合が遂行したのではなく、複数の下請け業者が、被告の作成した設計書をもとに本件工事を完遂したということになる。そうすると川村総合はただの建設業の手配師のようなブローカーにすぎず、ほとんど何も仕事をしないから元請け失格企業であるというべきである。この事態は本件請負契約第6条の一括下請け禁止の条項に違反し、不法な契約違反行為である。
(エ)市契約規則違反 指名競争入札を骨抜き
  本件についての入札記録(甲14号証)では、入札参加業者は実質4社である。
室戸市には、指名入札についての契約規則(甲31号証)がある。
その第29条第1項には、指名する業者は「なるべく5人以上」と定められているが、本件を含む川村総合らが億単位の工事を受注する場合はたいがい5人未満で入札が行われている。これを指摘すると担当課員はそれは「なるべく」と書いてあるから必ずしもその規定を守らなくてもよい、などと答えている。しかし、「なるべく」という日本語は絶対不可能な場合を除いて通常実行するべき趣旨であり、ほとんど常に5人未満で、しかも室戸市内だけの企業で入札をするということが許される意味ではない。
実際川村総合の場合室戸市外の下請け企業に工事のほとんどを肩代わりさせているのであるから、県下広く一般競争入札か少なくとも室戸市内外の5社を超える企業での指名競争入札を実行すべきであった。
  室戸市の総合評価落札方式は、自ら作っている規則をも踏みにじり特定業者が落札しやすい方式に換骨奪胎されていて、これ自体官製談合そのものといえる。
(付論)
原告は、室戸市役所に対し被告準備書面(1)の主張について開示請求を行った。
次のような点について通知(甲32号証)があった。
被告準備書面(1)の5頁の
①「4500万円の増額変更による解決を打診した」という「打診」の資料は不存在。
②「4500万円での解決を承諾する旨の回答があり・・」という「回答」の資料は不存在。
③「…翌2月24日の協議」という「協議」の資料も不存在。
④被告準備書面(1)の11頁中段
「…更生設計金額であるが、そのバックデータ」についての資料は非開示。
また、旧火葬場の営業などで工事を中断したなどというが、
 ⑤ 開示資料では、工事を中断する指示についての資料は不存在ということである。
被告は、④の非開示資料は別として事実だと証明する資料もないのに間に合わせに主張していることになるのではないか。
また、④の非開示資料「バックデータ」は工事中はともかく、工事終了後までも非開示にする理由はない。

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