原子力政策と地方自治

2023年1月21日 (土)

無罪判決

東京高裁は地裁に続いて福島原発事故による数多の殺人事件について刑事責任の被告を全員無罪にした。

その理由は、政府の調査機関(地震調査研究推進本部)が発表した長期評価が当時として対策を講じるほどの確実性はなかったとするものであるが、この判断は民事(昨7月東京地裁株主訴訟、昨6月最高裁判決)事件の判断と根本的に相違するものであった。

まず第一に、原発を稼働させること自体に犯罪性がある。
⓵原発稼働によって施設から大気や海洋に放射能がまき散らされること、
②また、処理することができない超危険な使用済み核燃料を産出することであり、その廃棄物は広範な範囲の周辺住民や不特定多数の国民に危害や損害を与える。
③周辺住民に事故による被害の脅威が日常的に与えられ続ける。
原発稼働の責任者はこれらだけでも十分重罪に処せられる理由がある。
まして、実際にその稼働によって事故を起こし、それを防止できなかった結果多数の人間を殺害したのであるから当然極刑に処せられるべきであった。

津波だけでなく、地震動によって配管などが毀損されていたという事実もあり、無数の配管などがぶら下がって稼働する原発では些細な地震でも重大事故に
つながる損傷がありうること、またそれを防ぐことは不可能であること、その不可能性を認識してそのうえで稼働していたのであるから、これはほとんど故意か少なくとも未必の故意というべきだ。

人通りの多い繁華街を速度制限を無視して猛スピードで車を走行させること、そして実際そうして事故を起こし多数の人間を殺傷した場合、無罪で済むだろうか。いったん事故が起こればその機会も事故も制御できず、何万何十万の人間の死につながるという機械の稼働をh会は許すべきではないし、ましてその機械が正常に稼働しても、放射能をまき散らし、どうすることもできな使用済み燃料という放射能の塊を作り出す、こんな人類滅亡にもなる危険物をもてあそぶことを犯罪として裁けない裁判所は何の価値があるだろうか。

今回の判決は、資本家とその権力機関の走狗化した裁判所の哀れな姿がさらけ出された。

政府の巨大地震についての長期評価の認識の程度がどうであれ、テロや敵勢力による攻撃は固より、原発を稼働させておれば大地震はいうまでもなく中小の地震でも、あるいは経年劣化によっても、配管や原子炉などが毀損し重大事故につながるという認識は、誰でも持っていたことであり、その事故が実際におこったのである。

政府の巨大地震の長期評価を知っていた以上は故意であり、対策を講じなければ大変なことになるかもしれないという認識ぐらいはあったはずだから、少なくとも未必の故意という犯罪の範疇で処罰されるべきだ。

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2021年4月11日 (日)

放射能水海洋放流

ガースー総理はいよいよ福島第一の莫大な放射能汚染水を太平洋に
放流することを決めた。太平洋の歴史に一大画期となる暴挙である。
放流される放射能は太平洋から世界の7つの海へ拡散し還流して、年々その濃度を高めていく。

地球上の生態系への最後的な打撃となるだろう。
今日コロナウイルスに全世界の人類が感染してやまないのも、核兵器や原発からの放射能によって人間の免疫系が破壊され弱体化しているせいではないかと思う。

人間の免疫系が破壊され続けるならウイルスとの戦争には勝てない。放射能はそれ自体でがんなど様々の病変の原因となる、人間や生き物の免疫系を破壊することによって生き物たちは病原菌への抵抗力を失うから、もはや生きていけなくなるのである。

今回の放流決定は人類死滅へのファンファーレとなるものだ。

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2021年3月11日 (木)

東洋町の核廃棄物導入の策謀は誰か

室戸市議会の現在の議会の一般質問で東洋町の核騒動のことが論争となったという。
傍聴人の女性の話では、それは植田壯一郎室戸市長が県会議員の時のことであった。

ある議員が、本会議場で、植田県議は表面では核廃棄物反対を言っていたが実際は東洋町持ち込みを画策していた、当時の田嶋町長は、その市会議員に対し、植田君に騙されたといっていた、と暴露したのである。

この話はずっと以前から私の耳に入っていたが、はっきりした証拠がなかったので公然とは追及できなかった。
田嶋町長が騙された、といったというのは、高レベル核廃棄物の地下処分事業に応募することを町長に慫慂したのに、世間が騒然となると、手のひらを反すように反対を唱え始めた、と理解されるだろう。

今回この話が室戸市議会の本会議で公然化した。植田市長は顔を真っ赤にして何か反論をしていたらしい。植田県議は橋本大二郎知事の側近とみなされていた。橋本大二郎は原発に賛成であったから核廃棄物も反対ではない。

ただ、札束でほっぺたをたたくやり方で応募を募るやり方に反対したことは確かだ。
橋本大二郎は東洋町の事件の前、たしか茨城県あたりの核施設の視察に行っていた。
私など当時のオンブズマンらは知事の核施設視察旅行の魂胆が何かわからなかった。
その後果たせるかな東洋町の事件が勃発したのである。

東洋町への核廃棄物の導入策動について、原点となる策略の仕掛人が誰であったか、
この室戸市議会でのやり取りで一つの糸口が見つかった気がする。
東洋町の核騒動のほとぼりは、真相が明かされぬ限り冷めることはない。

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2020年12月23日 (水)

コロナ禍対策

政府や地方自治体の政治家たちのうろたえぶりは滑稽である。
コロナウイルスの前に完全に無能力をさらけ出し、国の責任だ、東京の責任だ、国民の責任だ・・・とわめきあっている。

経済とコロナ退治と、二兎追うものは一兎も得ず、というのではない。経済と防疫の二者は相矛盾するものだ。
経済に力を入れればウイルスが広がり、ウイルス退治に力を注いで人の交流・経済活動を抑えると人が生きていけなくなる。
だからこの二者を同時に遂行するという戦略は誰が考えても愚劣な作戦である。
Go TO TORAVELLなどにより日本国中にコロナは浸透した。それはあたかもガースー総理自体がコロナの親玉になったようである。防疫が何より大事であるという判断がどうしてできなかったのであろうか。

それは現在においてそうであるが、日常不断に防疫と病気治療が何よりも優先するという政治哲学が現代の政治家に欠如していた。全国の保健所を大幅に縮減したり、医療・特に防疫についての施設やそれにかかる予算や人員を削減したり、やることなすことが全部今日のコロナな猛威に手を貸すことばかりだ。

インバウンド4000万人だ、爆買いだ、大型客船だといって有頂天になって、そのインバウンドが持ち込んでくるありがたくないお土産の対策は、全くしない、あるものも縮減する。

医療体制のひっ迫だけでなくその根底の政治哲学がひっ迫しているのだ。
原発もそうだ。原発が生み出す巨大な電力に目がくらんで、それによって出来する巨大な事故、また、使用済み核燃料・膨大な核のゴミについては何の対策もない。人類を滅亡させかねない原発事故や核廃棄物については何も考えず今も原発を稼働させようと構えている。

コロナウイルスと原発、インバウンドなどによる経済の賑わいと巨大電力、だが、ヒューマニズムの観点が明確であれば、パンデミックと放射能の蔓延による人類の災厄は歴然と見えたはずだ。

人類が類的存在をやめるわけにはいかないが、その存在の在り方・人類の生存とその環境の保全を優先しない資本主義的社会・資本家階級の世界支配に弔鐘を鳴らさなくては、世界戦争だけでなくウイルスと原発にっよってもいづれ人類は死滅するだろう。

ガースー総理がゴーツーキャンペーンをやめようとしなかったのは当然である。

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2020年12月 4日 (金)

アイヌモシリの歌

私が北海道に行ったのは、
北海道に核廃棄物を埋めるというからだ。
そんなことをさせるものかアイヌモシリの大地を放射能の土地にするなど
許せることではない。

だが、私が北の大地に行っているのは
それだけではない。
以前から、
北海道 アイヌモシリが私を呼んでいたからだ。
アイヌモシリに放射能の物体を導びこうとしているのは
アイヌモシリの地を征服した子孫たちだ。
決してアイヌではない。

見よ、表面的には、アイヌモシリの征服者たちの子孫の中には核のゴミ
受け入れに反対している者もいるようだが、その弱弱しい声を聴いてみよ。

かつて大阪大学の小浜基次という人類学者は実証した。
部落民は、京阪神の朝鮮系の支配的な形質を持った人間の海のなかで、ただひとり孤島のようにアイヌ系の形質をもって存在してきた、と。

だから北海道が、私を呼んでいた。
私の母方の先祖はウラカワという。その姓の元祖は北海道ではなかろうか。
私の村にはいくつもアイヌの言葉が残っており高齢者は今も使っている。
ユーカラの最も大事な言葉にイタクというのがある。英語でTALKまたはSAYで日本語には全く存在しないとされる。だが、私の村ではイタクという言葉を今でも高齢者は使う。

古代、蝦夷をエミシ、イミシ、などと読むがその読み方の理由がわかっていない。だが、私の村の言葉では、イビシ(イ)=DIRTY、汚い人  という意味で使っている。

奈良時代から平安時代にかけて桓武天皇らが坂上田村麻呂らを使って奥州征伐が繰り広げられたが多くの原住民が俘囚とされ近畿・西国方面に連行された。

日本書記、続日本紀にその事実は克明に記述されている。その末裔が「同和地区」民の核となって残った。そういう考えは私だけではない。

同和地区民が蝦夷奥州俘囚の末裔であるとしなければ部落の歴史は説明がつかない。1950年代に今であれば許されない調査が行われた。阪大の小浜基次教授は近畿地方の部落民について血液型などあらゆる形質を調べて部落民を人類学的にアイヌ系だと断定した。

私はそれを誇りに思う。阿弖流為の末裔だと思えばわが身に流れる血を尊いと思う。東北のアイヌ系蝦夷の同族は北海道に存続し、北海道は平和で美しいアイヌモシリであった。
アイヌは幕府のそして明治政府の収奪と差別の迫害下に置かれたがアイヌモシリを守ってきた。やがてアイヌの天地であった北海道に多くの本州人が入植し北海道を制圧した。

だが、アイヌモシリの正当な継承権は依然として根源的にアイヌ民族にある。
アイヌからむしり取った北の大地に、勝手に核廃棄物を持ち込むことは許されない。

明治以降新たに北海道に入植した人たちの子孫にももちろん北海道で生きる権利はある。だが、北海道を汚し、北海道の自然をほしいままに破壊し乱開発する権限はその者らにも誰にもない。

そして、近代の入植者の子孫が偉そうに北海道への核廃棄物を阻止しに来た人間に対して、北海道から出て行けなどという暴言を吐くことも許されない。その者どもこそ北海道から出て行って先祖の出身地に帰れといってやりたい。

アイヌモシリは私を呼んでいた。
はるか前から私は呼ばれていたから北海道に来たのである。
血が私を呼んでいた。アイヌモシリは私のまほろば、血が私を呼んでいる。

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2020年10月12日 (月)

北海道へ高レベル放射性廃棄物

今私は北海道に来ている。

本日、後志管内神恵内村の議会の傍聴席で文献調査受け入れの請願書が
採択されたのを見た。続いて泊原発を挟んで70キロメーター離れた寿都町
役場の玄関先で町議会全員協議会の成り行きと町長の応募の意思を確認した。
幸坂議員によれば寿都町議会は、反対意見4人、推進意見4人、あと態度不明は議長1人とのことだ。

両町村とも大勢の報道陣やテレビの車両でいっぱいであったが、反対派住民の
姿はまばらであり、旗指物や横断幕も皆無であった。推進派の動きは計画的で
住民の対応が始まる前に事を決してしまおうという素早さである。
私はタブロイド判の新聞を両町村に3日がかりで戸別に配布した。

北海道は寒く雨勝ちであった。
私は室戸からバイクである。高松―神戸、舞鶴―小樽をフェリーで
越えた。あとはバイクで走った。

北海道に高レベル核廃棄物を集めさせてはならない。私としては何よりも
東洋町の2006年~2007年の戦いを無にしてはならないのである。
ここでの戦いは長期戦となるやも知れないがまずはこの1年が大事であろう。
戸別での新聞配布でわかったことは北海道の反核勢力がほとんど入っていないことだ。

共産党が動いているだけである。地元住民の反撃は徐々に高まっている。
老骨を鞭打ちながら、体の続く限り頑張っていこう。

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2020年9月12日 (土)

核廃棄物の最終処分場についての高知新聞社説

本日9月12日の高新朝刊の社説の見出しは「東洋町の教訓生かされず」だ。

1・北海道寿都町長が、文献調査への応募の意向を発表したことについて
「町民や議会の理解を得ないまま町長が、突然、応募検討を表明した。」
ことが、東洋町の教訓が生かされていない、ということのようである。

しかし、寿都町の片岡町長は、応募の意向を表明し、議員や町民と議論する、反対が多ければ応募をやめるというのだから、独断専行や秘密裏にことを進めるということではなかろう。
立場は違うが、今のところ片岡町長のやり方には問題はない。問題はその内容だ。

2・「東洋町で住民が分断される混乱が生じた際も、国が主体的にかかわる姿勢が見えなかった・・・」
 という。しかし、東洋町では、「分断」が起こったのは町長及び町長派議員と住民との間であって町民の間での分断や対立はさほど表面化していない。

核のごみ受け入れ推進派はごく一部を除いて大っぴらには活動せず、彼ら側からのビラや宣伝活動はほとんど見なかった。東洋町で突出したのは町長と国の代理人NUMOであって、表面に立ったのは反対派の町民やその支援者たちだ。

町長選挙戦が済んだのちにも核の問題で町民が「分断」されたとか、しこりが残ったいうことは全くない。核推進派の議員も新町政に賛同する者もいた。核廃棄物や核燃料の東洋町への持ち込み禁止条例には全議員が賛成して可決した。当時現地にはNUMOだけでなく経産省の担当職員も出てきていた。
NUMOではなく国が前面に出ろという社説は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設(地層処分)をもっと強力にやれという意味にしか読めない。

この社説には東洋町で最大に問題となった高レベル核廃棄物の地層処分そのものについて何も論じていないが、これに賛成しているということだろう。高知新聞はかつて何度もNUMOの地層処分に関する巨大広告を掲載してきた。
社説は、最近政府が選んだ「科学的特性マップ」での「適地」が全国に多数あることも指摘する。

だが、地層処分の危険性こそ東洋町で最も問題になり町民から忌避された問題であった。2007年の東洋町での教訓は、高レベル放射性廃棄物を含む核廃棄物の地層処分が町民に否定されたことだ。

政府やNUMOの宣伝刊行物によると、地下300m以下の地底にガラス固化体にした核廃棄物を埋設するという。それには4重のバリャがあって人間界から半永久的かつ安定的に隔離されるというのである。

第一のバリャはガラス固化体であり、第二は鉄の容器、第三はベントナイトという粘土、第四は天然バリャという岩盤だという。

しかし、第一と第四のバリャはバリャとはならない。第一のバリャのガラス固化体は放射性物体の本体そのものであり、第四のバリャというのは我々の生存する自然界そのものなのである。あとは鉄と粘土だけの二つのバリャだけであり、鉄はすぐにさび付き粘土はすぐにひび割れ崩壊する。だから地層処分というのはバリャがない生ごみの埋め立てと変わらない。

生ごみならまだしも極度に高レベルの放射性廃棄物を生ごみ並みの埋め立てで当面を糊塗しようとする方法が地層処分である。

すでに地層処分は日本学術会議が地震・津波の常襲国で、地層は断層や裂け目だらけで地下水が充満している日本列島では不適であると発表している。北海道寿都町には、狭い面積に黒松内低地活断層が帯状に横たわっている。こんなところまで科学的に「敵地」とされているのだから無茶苦茶である。神恵町も同じだ。泊原発の近辺が活断層だらけだ。

新聞や報道機関に求めるのは、政府が発表した「科学的特性マップ」なるものがいかにでたらめかということを調査して国民に真実を知らせることではないか。

3・東洋町の教訓でもう一つ大事なことは、財政的行き詰まっているから核の交付金で財政を立て直すということが、嘘だということである。いかに財政が苦しくても市町村や都道府県は、地方交付税交付金で財政が支えられている。
私の町政4年間で、公共事業や、福祉事業、教育の施策は飛躍的に増大した。予算上もほぼ1・5倍ほど増えた。

それにもかかわらず借金は25%(10億円)ほど減少させ、基金も数億円増えた。町民全体の経済力を直ちには豊かには出来なかったとしても町民への行政サービスは前町政と比べ断然豊かになったのである。

高知新聞は、4年間の私の町政の実績を報道せず、町内のボス連中と同じようにバラマキだという風に否定的に報道したが、今、東洋町の核廃棄物問題の核心的部分、地層処分の可否、財政問題について何も語らずに東洋町の教訓を云々することは真実性、誠実性に著しく欠如している。

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2020年8月27日 (木)

北海道寿都町を訪問

8月24日午前11時過ぎ、私は、文書をもって寿都町の長役場を訪問し、片岡町長と約30分ほど面談した。別添の文書と私の核廃棄物についての小論文のコピーを渡した。

片岡町長は案外気さくな人物で、私が町長室に入って高知県から来た元東洋町長でお話をしたいというと即座に応接ソファーに座るよう言われた。北海道放送局のテレビの取材陣が居て、面談のすべてを録画していた。

北海道内には放送されるとのことであった。
片岡町長の説明はおおむね次のとおりであった。

①核廃棄物の最終処分場調査への応募は昨年4月から始めた。
 産業団体や議員、職員たちと勉強を重ねてきた。
NUMOに来てもらっての勉強は今年の6月からであった。
その動きが最近リークされて大騒ぎになっている。

②北海道知事の、札束でほっぺたをたたくやり方だという批判には腹が立った。泊原発で自分も交付金をもらっているではないか。
自分がその交付金を返上してからいうべきだ。

③30キロ圏内に泊原発がある。原発から核廃棄物が出る。この始末について
どうするのか、勉強するのは何が問題か。原発を作ってそこから出る廃棄物について議論しない方が無責任だ。この議論・勉強を寿都町から全国に広げたい。

④最終処分場の寿都町内での適地は黒松内断層帯の両脇はいけるのではないかと思っている。

⑤自分の任期はあと1年かそこらだ。やり残した事業、とりわけ寿都湾の洋上風力発電の大規模プロジェクトがある。このプロジェクトを推進しているからこそ核の最終処分場も堂々と話せる。

⑥今後のことはまだ決めていない。文献調査に応募するかどうかは産業団体や議員と話し合って決める。
産業団体とは、漁業組合、商工会、土建業などである。

⑦寿都町には農業はほとんどない、観光も言うほどのものはない。ふるさと納税が十数億円ほどあり、助かっているが、このコロナ禍では都会の自治体から不満が出る。この制度自体がこのまま存続するとは思えない。
核廃棄物施設建設の調査を受け入れるだけで巨額の交付金があり、これに応募しないという手はない。この件で勉強を続ける。

だいたい以上のとおりである。印象としては、勉強を続けるというなかで、処分場設置まではともかく、文献調査―概要調査段階まで進もうという意欲を感じた。

ただ、東洋町2007年のように町長が独断で暴走するという雰囲気はないように見受けた。土建業など産業団体の一部や一部議員で強く後押しするものがあるのかもしれない。

なお、④の処分場の適地について黒松内低地断層帯(日本海側の寿都町から太平洋側のオシャマンベン側に複雑な活断層)について町長から話があった。
この断層を含め泊原発の立地地帯は複数の重大な活断層が存在し、マグニチュード8前後の地震がここ30年以内に引き起こされる恐れが高いとされている。このような地帯は原発はもとよりいかなる核施設も不適切で危険である。

また、②の鈴木知事に対する反論は痛烈であった。泊原発を容認して交付金をもらっていながら、寿都町が核施設で交付金をもらうことについて批判するのは根本的に矛盾する。泊原発をやめて札束を返上してから人を非難するべきだ。


核廃棄物の地層処分に反対します

寿都町の核廃棄物最終処分場文献調査受入について

元高知県東洋町長からの 申入れ

寿都町長片岡春雄殿               2020年8月

                  元高知県東洋町長 澤山保太郎
【申入れの趣旨】

1,いわゆる高レベル放射性廃棄物等の核廃棄物の地層処分は、少なくとも日本列島ではこれを安定的に貯留することは不可能であり、極めて危険です。文献調査も撤回すべきです。

2,地方自治体としては、町民や周辺道民の生命と生活、尊い生態系を守ることは如何なる場合も優先されるべきで、経済的な利益とこれらを安易に。引換えにはできません。

3,いかにコロナ禍などによって苦境にあるとはいえ、伝統のある美しいふるさとを猛毒の放射能プルトニウムの活火山にして、枕を高くして眠れるでしょうか。

【核廃棄物最終処分場について東洋町の騒動】

寿都町の財政事情については、私にはよくわからない。しかし、今から14年前2006年~2007年に起こった高知県東洋町では同じ財政ひっぱくを理由に交付金を目当てにして当時現職の町長が高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致の第一段階である文献調査に名乗りを上げました。

町長から政府への申し入れは最初は議会にも町民にも知らさず秘密裏に行い、翌07年には、町民のごうごうたる反対の中で正式に町長の職権でなされました。町民は、核廃棄物受け入れ反対の条例制定直接請求運動、ついで町長リコール運動を展開しリコール成立確実というところで町長が辞職して出直し選挙となりました。

私は隣の室戸市の市議でありましたが反対派町長候補に推され出馬しました。選挙戦では反対派が圧勝しました。新町長の私は一週間以内で文献調査を政府に返上し、1カ月以内に核廃棄物等放射性核燃料関係施設拒否の町条例を議会の満場一致で制定しました。

    【貧しい町でも財政の健全化は達成できます】

町財政のひっぱくなど行政の課題はたくさんありました。しかし、4年間ではありましたが、新町政では徹底的な行・財政改革によって無駄を省き、福祉・教育の無償化施策、防災など公共事業の推進、海の駅開設や失業対策事業をどんどん推し進めました。

50億円近くあった借金は38億円程度に縮小し、基金も数億円増やし、県下最低であった校舎の耐震補強工事もほとんど完遂、鉛筆・ノートに至るまで義務教育費の無償化を進めました。

職員の手当カットも全廃し、高齢者や児童生徒・高校生にまで毎月コメの無償配給までやれたのです。財政のために核廃棄物をというのは全くの虚偽であったことが立証されました。

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2020年8月14日 (金)

北海道寿都町の動き

第一の問題:財政問題

北海道寿都町の町長片岡氏が高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致に向かって動き出したようである。無謀なことだ。町民や北海道民が必ずやこの動きを封殺すると確信する。

町長の意図は町の苦しい財政問題を施設受け入れによる交付金で改善することだという。文献調査を受け入れるだけで20億円をもらえるという、それは平成18年の東洋町と同じ理由だ。

しかし、その財政問題の根拠は極めて根拠が薄弱であり、虚偽ですらある。
その代償として核廃棄物導入はあまりにも過大だ。東洋町でも私が町役場に入ったときには50億円に近い巨額の借金と貧困な福祉や公共事業の立ち遅れなど多大な行政課題が積もっていた。

しかし、それらは私の4年間の改革によってほとんど是正された。借金は30億円台に減少し、福祉事業は徳島県外に送り出すというでたらめな行政だったが、これを是正し町の福祉センターを基軸にした福祉事業を再開させデイサービスや配食サービスなどの福祉無料化政策をどんどん進めた。義務教育や保育行政もほとんど無料化した。高齢者や児童生徒には毎月コメの配給までやった。

学校の耐震化工事も県下最低であったがほとんど達成し東北大震災前であったが避難タワーも次々と建設した。海の駅開設、億単位の失業対策事業など公共事業も大幅に増やした。

職員の給料や手当のカットも全廃した。
核廃棄物を受け入れなくても行財政改革を徹底すれば断然町勢が回復することが実証されたと確信している。高知新聞など報道機関は、私が実証した東洋町の4年間の実証を明らかにしない。

東洋町の実例から町民や道民が片岡町長の虚偽性を見抜く必要がある。

第二の問題 核廃棄物の地下埋設

原発などから出された使用済み核燃料を再処理した結果できる高レベル放射性廃棄物、あるいは再処理せず使用済み核燃料を直接最終処理する最終処分場についてである。

使用済み核廃棄物の処分方法は現在のところ人類はこれを安全に処理する技術を手にしていない。
日本政府は法律で、地下処分を決めているが、日本の学術団体の判断でも、日本列島のどの地点での地下でも安全に核廃棄物を貯留することは不可能であるとされた。

地震や津波、膨大な地下水流の存在である。
核廃棄物を受け入れた市町村はいわばプルトニウムの活火山を受け入れたも同然であり日常不断に放射能の実害と恐怖を枕にして暮らさねばならない。
そもそも使用済み核燃料の始末については解決しなければならないことであるが、この地下埋設施設を建設する前に前提として日本から原発など核燃料に係るすべての施設の稼働をやめることだ。

現状のままで最終処分場を建設すれば始末に負えない廃棄物の処分場ができたということで核施設の稼働に手を貸すことになる。だから国民は現段階では最終処分場の建設に手を貸してはならない。

そのうえで、核廃棄物の最終処分の方法は検討しなければならないが、直ちに見つからないだろう。
地下処分は少なくとも日本では選択肢に入らない。政府は埋めて見えなくすればよいと考えているようだが、それが最も危険な方法となる。

最終処分に関する日本の現在の法律はいったん廃止し、地上での中間管理施設を考案しなければならないだろう。

現状の原発敷地や六ケ所村での高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料のずさんな保管方法は自然災害に打たれたら日本列島が壊滅するほどの大災害が起こるであろう。累卵の上に地上最危険猛毒物を置いていると同然だ。

最期に、核廃棄物の最終処分場問題が寿都町長と議会でのみ決められることがないように住民全員の意思を担保した憲法95条の2の「住民の投票」規定が発動されねばならない。

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2020年2月10日 (月)

伊方原発の連続事故

本年1月に四国電力伊方原発MOX燃料をも燃やす3号機で信じられない重大事故が続けざまに起こった。

高知新聞の記事からみると

①1月12日:予定外の制御棒1体が原子炉から引き抜かれ7時間も放置された。
使用済みMOX燃料を取り出す準備で核燃料を固定する装置を引き上げているとき、制御棒1体も一緒に吊り上げた。

②1月20日:使用済み核燃料のプールで燃料が点検装置にうまく挿入されず、装置の枠に乗り上げ、
燃料落下の信号が作動した。燃料損傷の可能性も懸念。

③1月25日:定期検査中、午後3時44分外部電源が遮断され発電機が作動するまで原発内の電源が失われた状況が10秒間
続いた。それは具体的には、

*原発施設への送電線の部品取替え中、異常な電流を遮断する装置が作動した。

*送電線への四つの回路のうち一つから、通常は発生しない放電に伴うガスが検出された。

④その日1月25日、午後4時27分最後に核燃料プールのポンプの電源を再起動したが、その間43分間核燃料プールの冷却装置は機能せず、水温は33・0度から34・1度まで上昇した。

この燃料プールの冷却装置の長時間の停止については、翌月2月になって初めて明らかになった。

これら①~④の事件について原因はわかっていない。

この事件が発生中、1月17日に四電は、広島高裁で伊方3号機の運転禁止の仮処分決定を食らっていたがその判決を別の形で自ら実証した。

その実証は、地震や火山など自然災害などによる外的な要因による原発の危険性ではなく、原発を運転する技術的な人的要因による危険性の実証である。

これまで、原発については、その電力会社の運転技術・管理能力については、完全であるとの前提で論じられてきたが、その前提が崩壊した。もともとそんな前提を担保するものは何もなかった。

伊方の今回の連続事故は、伊方だけでなくすべての原発の問題である。運転技術については、国民の側には、実際の事故を見せつけられる以外に、検証の方法がない。

何もないのに、原発内の電気がすべて無くなった、何もないのに原子炉の制御棒が長時間引き抜かれた、地震も津波もないのに、燃料プールの冷却が停止した、・・・・誰が枕を高くして寝ていられようか。

バカ殿さまとそれに服従する家臣たちの運営する城下で民百姓は戦々恐々と暮らすしかないのか。

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