地方の公共交通のありかた

2020年12月27日 (日)

阿佐東線にDMVバスは無駄な投資

昨日12月26日の高知新聞の報道では阿佐東線にDMVバス(汽車か?)の導入で16億3000万円が投入されるという。
主に徳島県だが、高知県や沿線の市町村も巨額の負担を負わされる。
これほど無駄な事業はない。売り上げと費用のアンバランスでこの阿佐東線の会社ほどひどいところはないだろう。

赤字路線の鉄道会社でなぜか生き残っているという点では、一つの観光名物となってもおかしくない。
私がかかわっていた十数年前の状況だが、今もそんなに変わっていないはずだ。

一日数万円の売り上げで費用は数十万であろう。年間1000万円の売り上げに対し、人件費など経費は7千万、8千万円という
状況であって、売り上げではなく、徳島、高知の県庁や関係市町村の拠出金で維持し、運営している路線である。
売り上げの半分ほどはJR阿佐線に関係のある阿佐東の役員の給料で消えていた。

徳島駅から海部駅までの阿佐線自体が赤字路線だということである。阿佐東線の駅はわずか数駅に過ぎず、料金(海部~甲浦)は270円程である。乗客がごく極く少数であり、同じ路線沿いにバスも走っている。少ない乗客をバスと列車が奪い合っている感じだ。

バスにも毎年市町村から大枚の補助金が出されてきた。DMV車に替えたからと言って乗客がそれほど増えるとは思えない。

16億円もの巨額の投資は阿佐東線からは一銭の金も回収する見込みはない。
誰の発想で北海道のJRで使い物にならないもの(DMV)を買うことになったか。年間1000万円ほどの売り上げ(それだけ乗客が少なく公益性が低い)でそれの7,8倍の経費の掛かる路線を国民の税金で維持し続ける必要があるのか、しかも並行してバスも走っているのであって、廃止路線候補の最たるものについて馬鹿みたいに巨額の投資を続ける理由がわからない。

私の提案は、少なくともこの阿佐東線は、DMV車ではなく京都嵐山に走っているトロッコ観光列車に替えるか、それとも思い切って鉄路を走る馬車に替えるべきであろう。そうすれば年間1000万円前後で採算ベースで運営できると思う。

もちろん、JR天下りの専務の給料も半減すべきである。馬と馬方に一頭当たり年間250万円~300万円ほど渡し、それを3組保有して運転すればよい。両県からの公的な資金の拠出も激減するだろう。

東洋町長も自動的に阿佐東線の会社の取締役になることになっていて私も取締役会に出席していた。
その当時は残念ながら何の提案もしなかったという自責の念がある。。

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2007年7月13日 (金)

News &letters8

地方における公共交通のあり方

くろしお鉄道(ごめん・なはり線)の集会に出席しました。安芸市長をはじめ安芸郡下の市町村長、議長がほとんど参加していました。南国市や香南市らも参加していました。鉄道会社や県庁の幹部も参加していました。18年度も赤字で1億円のマイナスだということでした。県庁の6千万円を筆頭に沿線市町村の出し前は毎年1億円から2億円近くに上っています。お客さんを増やし確保する名案は今のところないようです。このままでいいのでしょうか。阿佐東線も風前の灯です。

阿佐東線も、また、くろしお鉄道の会社を経営する場合も、次の数点を考える必要があると思います。

1、乗客の増加を図るために各沿線の市町村が何をするか、です。駅の周辺に客をひきつける何かを講じなければ、待ちぼうけのように待っているだけでは意味がありません。殺風景な荒地の甲浦の駅一帯を花の駅に変えようとする会合に呼びかけても、 鉄道会社から一人も姿を見せない。花の一本も持ってこない。乗客が少ないのは乗客 が悪いのではない。経営努力がないからだと思うべきではないでしょうか。

2、そして何よりもコストを大幅に減らす方策を講じる必要があります。コスト削減の検討をするために専門家に依頼すべきです。阿佐東線は1500万円の水揚げしかなく、7000万円に上る経費がいっている。少なくとも収入に見合った経費にすべきなのだから、今の車両をやめて簡便なトロッコに変えるなど抜本的な対策を講じなければなるまい。

くろしお鉄道も4億円の水揚げに対して5億円の経費が要り、1億円前後の赤字なの だから、1億円のコストダウンの方策を講じなければならないと考えます。県や市町村への納税は文字通り血税であり、その税金からの負担金を受けているのだから、身を切り、骨を削る努力が必要です。テレビで報道された銚子の鉄道会社のような努力
が必要です。

3、そして、県や市町村の方は、バスと競合する列車についてどう調整するかという 交通政策が明確でないといけません。限られた乗客(というよりも減少しつつある乗 客)に対して平行にバスと列車を同時に走らせて競争しても共倒れになることは明らかです。
くろ鉄と県交通・土電バスが一体となった取り組みが必要です。ようするに、バスと 鉄道がひとつの会社に統合するぐらいの県の交通政策の指導力が必要なのです。鉄道とバスとどちらかを主従とするという当然の策が必要です。

4、鉄道事業にともなってサイドビジネスもいとわず、車内でジュ-スでもお菓子でも販売する、駅舎でせんべいを売っている鉄道会社があるというが、なりふりかまわない経営努力が必要だということです。

5、県や市町村の負担金の額の制限または減額、負担する期限を切るなど、危機意識を醸成する必要があります。くろしお鉄道の今のように10億円もの基金を常に保有するように毎年負担金を積み上げておけば、誰もまともに努力しないでしょう。赤字をすべて補填してくれるというのであれば、どんなぼんくら社長なり、どんな間抜け 社員でも、誰でも会社の「経営」はできます。
阿佐東線の場合は基金の積み上げも今は途絶え、あと1、2年で食いつぶす金もなくなる見通しです。

会社は慈善事業ではないのだから自力更生の計画がたたないのであれば事業の大転換をするか、それでもだめなら閉鎖すべきです。県や市町村の財政は苦しい。無計画に、共倒れするように競合する二つの路線に湯水のように県民の血税を注ぎ込むこと については、県民に説明はつかない。 阿佐東線の集会やくろしお鉄道の集会に参加して、お歴々のお話を聞きながら、以上のように考え込んでいました。

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