町政

2016年12月 6日 (火)

裁判は続く

News & Letters/538

1000万円を貸したが、返済を拒絶されている。松延宏幸町長は、裁判所で貸付金を回収する義務はないと主張した。

1000万円はどうなるのだろうか。この馬鹿げた主張にも反論をしなければならない。
公金を貸した首長がそれを回収する義務がないなどと主張するとは予想もできないことであった。

奨学資金でもなんでも東洋町から金を借りているものは、払わなくてもいいことになるのか。

平成28年行ウ第6号 損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 東洋町長松延宏幸
         
原告準備書面(1)
 高知地方裁判所 殿
                      平成28年12月2日
原告は以下の通り弁論を準備する。
はじめに
 別件訴訟の内容と経過について

一、 債権について

普通地方自治体で問題になる税金等の滞納の扱いについては一般的にその市町村の債権を二種に分けて処理する。

一つは公債権でこれには強制徴収権(差し押さえなど自力執行権)のあるもの(地方税など)と非強制徴収権で自力徴収権のないもの(公営住宅使用料や水道料金など)がある。
今一つは、私債権で私法上の契約などに基づいて発生した債権であるが、徴収についてはこれには自力執行権は例外を除いてほとんどない。

自力執行権のない場合は、督促状を発行したり訴えを起こして公金徴収を履行しなければならないことになっている。この原則は東洋町も実行しており、論議の余地がない。
本件の場合も私債権として貸付金の回収をする手続きを踏みこれを回収することは東洋町長の義務であって、これを怠ることは、地方自治法第240条第2項に違反する。
すなわちその地方自治法は

「普通地方公共団体の長は、債権について、政令の定めるところにより、その督促、強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置を取らなければならない。」と規定し同法施行令171条(督促)、171条の2(強制執行、訴訟)の手続きを義務付けている。
平成16年4月23日最高裁第二小法廷の判例によれば、地方自治法の債権の行使については、首長の自由裁量の余地は全くないと判示されている。

二、本件債権の行使について

しかるに、被告答弁書で「東洋町が野根漁協に対して、平成23年11月に1000万円を貸付け、被告が東洋町の町長として貸し付け手続きに関与したことは認めるが、貸付金を回収する義務があることは争う。被告が負うのは、地方自治法、同施行令で規定された債権を管理することである」などというのは公職を冒涜する主張であり言語道断である。 
貸付金の回収義務は前記の通りであって被告はこれを免れない。
そもそも債権は、債務者が履行する義務があり、その債権の管理は、すなわち債務者の義務履行を管理することなのである。貸付金の債権管理とは、貸付金を債務者から回収する行為である。そのことは、地方自治法第240条の冒頭で定義づけられている。すなわち、
「債権」とは金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利である、と明記されている。
ここでいう「金銭の給付」とは本件の場合、1000万円の債務者が東洋町に弁済することであり、債権者が貸付金を回収することである。被告は債権を何か宝物か金庫のように考え、これを大事に抱えていることが自己の任務と考えているようであるが、いやしくも地方公共団体の首長として余りにも不甲斐ない認識であろう。

本件の監査請求及び訴えは、地方自治法第242条の1第1項の「違法もしくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実」に基づくものである。
すなわち違法若しくは不当に公金の徴収を怠る事実について監査請求及び訴えがなされたものである。貸付金について督促状を発しても支払わない場合、強制的に支払わせる手段を取るという意味で本件の場合も徴収という言葉が妥当である。
被告が貸付金の回収の義務がないというのであれば、その法的根拠を示すべきであろう。

三、損害の発生について

被告答弁書は、「現在、借用書(甲6)記載の東洋町が野根漁協に貸し付けた1000万
円が東洋町に弁済されていないことは事実である。しかし、将来において、東洋町が野根漁協から、1000万円の返済を受けることができないことは確定していないから、現在、東洋町に1000万円の損害は発生していない。」という。

1、高松高裁の判決文他

本件については、別件で高知地方裁判所(平成24年行ウ第7号)、高松高等裁判所(平成26年行コ第3号)、最高裁第二小法廷(平成27年行ヒ第156号)、高松高裁(平成28年行コ第8号)で裁かれており、1000万円の貸付について東洋町長松延宏幸に不法行為があり賠償責任を追及する訴訟が続いてきた。

これらの裁判で問題になったのは松延宏幸の野根漁協への本件貸付について公金支出行為の当否であるが、1審では違法性があるが、松延宏幸がその違法性を認識していなかったとし賠償責任は免じ、第二審では、違法であり故意性があったと認定し賠償責任を認定した。しかるに最高裁及び高裁での差し戻審では、違法性はなかった、合理的であったという判断が下され、現在最高裁に上告中である。
松延宏幸の本件貸付の可否についてはともかく、漁協側の返済についての態度については、最初の高松高裁の判断(平成26年12月18日判決)があるだけである。すなわち
「被控訴人は、東洋町には現実の損害がないと主張するが、2で認定したところによれば、野根漁協は本件貸付の効力自体を否定しており、今後貸付金を回収する見込みがあるとはいえず、採用することはできない。」と断じた。

この判決文(Ⅰ6頁~17頁)によれば、
「野根漁協の本件貸付当時の代表理事(組合長)である桜井菊蔵は平成24年3月の総会において、本件申請時に東洋町に差し入れた確約書に署名した理事らの義務を改選後の理事らに引き継ぐことを議題として諮ったが、本件貸付けを受ける至った本件理事会決議及び本件定款変更の手続きに瑕疵があるとの意見が出て決議に至らず、同年6月7日に代表理事を辞任し、他の理事も、松吉保彦を除き辞任した(甲21,28)

さらに、
「後任の代表理事に就任した桜井淳一は、本件貸付に至る本件理事会決議及び本件定款変更の手続きに瑕疵があるとして、本件貸付の平成25年度分200万円の償還期限である同26年3月31日を経過した後である同年5月6日、東洋町に対し、本件貸付の効力を否定する内容の文書を送付して200万円の支払いを拒絶するとともに、同年8月16日の野根漁協臨時総会において、本件貸付の効力を認めないとの結論を出した旨報告し、本件貸付の効力を争っている。」(前提事実(4)、甲35,36)
高松高裁のこの事実認定は、事後の裁判でも問題になっていない。

2、野根漁協の本件貸付金の事実を否定する理由

第一に、本件貸付金を決議した理事会の名簿が虚偽であること、正規の理事名簿(定数8名)で計算すれば、出席したという6名の理事のうち部外者(松吉保)が1名、特別利害関係人2人(親子、実弟、松吉保彦、松吉孝雄)を除けば3人(桜井菊蔵、桜井勇、井崎勝行)であり、正規の出席可能理事6人(桜井菊蔵、桜井勇、井崎勝行、桜井淳一、桜井春雄、松田博光)のうち3人出席では過半数に達していないから、その理事会は成立していない。

第二に、そもそも6人の理事が平成23年11月3日に理事会を招集し、開催した事実は存在していない。理事会を開いたことにして、後で議事録に署名しただけである。
野根漁協の特別調査報告書でも出席したという理事のうち2名(桜井勇、松吉保彦)はその日出漁していて陸にはいなかったとされている。

第三に、桜井菊蔵が本件貸付金申請の直前に組合長に選任されたという理事会は、正規に招集されたものではなく、また、議決に参加した理事のうち松吉保は理事に選出されたことは一度もない部外者である。そのものを除くと出席理事は4人しかいない。8人の理事が存在している中で、4人の出席では理事会は成立していず、桜井菊蔵は組合長にはなれない。正規の組合長でない者が、申請して借り受けた貸付金は漁協として責任を負えない。

第四に、本件貸付金を議決したとされる総会の議事録を見ても、1000万円借り入れるという文言は何も記載されていず、訳の分からない「定款変更」の話だけである。
組合員総会で1000万円を借り受けるという決議はしたことがない。
以上のような主張について松延宏幸側が反論することができるであろうか。
最高裁では、虚偽の理事名簿を提出し、特別利害関係人の計算をして乗り切ったが、野根漁協の総会でその虚偽名簿が通用するかどうか。かつて一度も正規の総会で選任されたこともない人間を3人も理事にでっちあげ(従って正規の理事3人を抹消)する行為は雲の上の最高裁や高裁では通用するが現場では笑われるだろう。例えばそのでっちあげ理事のうち一人(松吉裕也)は、野根漁協の職員である。職員は経営者である理事職を兼任できないことは自明であろう。

3、貸付金規則の実行

本件貸付は貸付規則に基づいて実行された。この貸付規則は、正規の手続きで公示されていず、無効なものであることは、第二審、最高裁でも認定され、本件貸付はいかなる規則にも基づかず、町長の裁量によって行われたとされた、という。
しかしながら、東洋町長松延宏幸は、この貸付を行うにおいて議会で本件貸付規則を示し、それが定めた手続によって貸付を行うことを言明した。
してみれば自らの裁量によって本件貸付規則に基づいて貸付を実行したということができるから、本件貸付規則の各規定に自ら拘束されるということになる。

本件貸付規則第第10条に組合及び転貸しを受けた漁業者が「貸付金を目的以外に使用したときには貸付金の一部又は全部について返済を求めることができる」と定めている。
転貸し先である松吉小敷が目的にそって漁具類を購入したという記録、これを操業で利用したという事実を証する記録は全くない。松吉小敷が1000万円の借入金で何かを購入したという形跡は全く存在せず、松吉小敷は本件借入金を受けて1年もしないうちに操業をやめたまま今日に至っている。
貸付金の使途を確認するのは被告の責務であり本件規則第12条には関係漁業者から「関係帳簿類その他必要な物件」を検査することができることになっているが、被告は全く無関心である。

目的通りの漁具の購入の事実がない、使途が不明である以上、償還期日に関わらず、規則第10条に基づいて本件貸付金の全額の返還を求めねばならなかったが、被告は何もしていない。返還金は債権であり、これを回収しないのは松延宏幸の違法行為である。

4、すでに3期分が償還期日を過ぎた
1件記録によれば、本件貸付金の償還について督促状を発行しているがすでに3期分600万円が返済期日を過ぎている。やがて残りの1期分も間もなく返済期日を過ぎても返済がされないし、最後の1期分も同じように返済され得ないだろう。
すくなくとも、これまでの3期分については地方自治法に定められた通り、債権を実行しなければならないし、公金を確保しなければならない。本件貸付金を借りた当時の漁協理事会の署名理事の中には高齢のためすでに死亡したり(2人)、漁業をやめていく者が続出している。
本件規則第11条によれば、償還期日までに支払わなかった場合10.75%の延滞金を徴収することになっている。すでに延滞金だけでも100万円を超えている。
2年後以降の延滞金は年間100万円を超えることになるだろう。

5、督促状などの送り先の誤り
被告は、督促状を野根漁協に送付して受取がなされなかったなどといっているが、
現在の野根漁協の本件貸付金についての拒絶的態度は変わらない。又その理由が存在する。
被告が償還金を請求する相手は、本件確約書に署名押印した「理事」たちである。
その理事について原告が、それらは正規の理事ではない、と主張したのに対し、被告は最高裁まで一貫してそれが正規の理事であるとして否定しなかった。

前掲高裁判決文の通り漁協総会では本件貸付金については否認された。理事会の成立も重大な疑義がある。そうである以上少なくとも総会承認のない事業についてこれを実行した責任は当時の理事に係ることは明らかである。
 その確約書(甲第3号証の1,2)によると、「3、規則に定める事項及び本確約書の履行が困難となった場合、町が法的措置(役員等の個人財産への差し押さえ、提訴等)を執行することについて、異議はありませ」と確約されていた。
被告と談合して本件貸付を実行したのは、これら確約書に署名押印した「理事」たちであることは明らかである。

支払いの通知書や督促状、また催告書を間違った者に送り続けたのでは全く無効な行為であり、送ったことにはならない。強制徴収も訴訟も相手が間違っているなら問題外である。
被告は、これらの事情はよくわかっているはずだから、督促状の送り先が借り受けた当時の理事かまたは、又貸し相手であることを知っていながら、わざと情実か何かで避けているものと考えられる。

以上の通りであるから、平成23年11月台風の災害の救済名目で出した東洋町の公金1000万円は丸ごと使途不明となり、償還期日とは関係なく全額返還されるべきものであるが、何の手続きもなされていない。また、これがまともな貸付金としても、償還期日が超過しているのに元金(3回分600万円)も延滞金もそのまま放置されている。
償還金の徴収は時効が来るまでの間にすればよい、という考えでいるが、理事会に署名押印したという理事のうち、すでに、当時組合長を名乗っていた桜井菊蔵と理事であった松吉孝雄は死亡している。次々に高齢化した関係者はこの世から去っていくのは止めようがない。時効の前に死に絶えたら徴収すべき方策がなくなる。

1000万円の公金を回収して町民のために有効に使うということでは、被告は、可及的速やかにこれを処理する義務がある。

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2016年7月13日 (水)

東京都知事選

News & Letters/499

鳥越さんが都知事選に立候補された。喜ばしい限りだ。
宇都宮さんが一番いい候補だと思われるが、今は野党と市民連合を優先せざるを得ないだろう。
石田純一さんもそうだったが、鳥越さんも国政レベルの危機感で都知事選に立候補したようだ。
テレビなどの記者会見で都政に国政の話はないでしょう、という批判的な声もある
しかし、都政と国政とを機械的に区別するのはおかしい。

憲法改正問題は、国政は言うまでもないが、地方自治においては重大な問題なのである。
国政が憲法をないがしろにしている中で、義務教育無償など憲法の理念を実現する重責は地方自治体に負わされている。

憲法の第三章「国民の権利及び義務」の数十条は、すべて地方自治体の行政実務上の課題であり理念である。

憲法9条の問題も、兵役の負担、兵士の徴集も地方自治体に押し付けられる。都知事をはじめすべての地方自治体の首長や議員の仕事で憲法に関係がないなどというものは何一つない。

その大事な憲法の基本的人権等を骨抜きにし戦争国家に改編するということは、地方自治の本旨の破壊であり、空洞化なのである。

石田さんや鳥越さんが、安倍自民党政権について危機感をもって都知事選に臨むのはまともな姿勢であり、憲法改正を支持し安倍政権に追従する徒輩(やから)は、都政で住民の暮らしや人権を踏みにじる方向に進むことは間違いないであろう。

憲法は何か宝物のように大事にし守るというものではない。憲法は実行し実現すべきものであって、地方自治をまともに遂行する上で至上の指針なのである。

都政と憲法論議とを切断するのは、行政実務を知らない低い次元の話である。
私は、自慢ではないが、東洋町で4年間、憲法実行の地方自治をやったつもりである。
義務教育の無償化や福祉無償化などのたくさんな町政上の施策は、憲法を指針にした行為であった。

宇都宮さんの記者会見の中で、国政レベルの話で都知事に立候補するのはいかがかと思うという趣旨が示されたが、

この発言はいただけない。弁護士らしくない。

地方自治では憲法は関係ないのか、国政レベルで憲法が無視され国民の人権や生活が脅かされているときに、地方自治体に拠って国民を守ろうという行動は全く正当である。原発であれ戦争であれ、結局は、地方の末端まで攻め込まれる。
それを地方自治体を砦として、阻止線を張るのは我々人民の権利だ。沖縄県を見てみよ。

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2016年4月 5日 (火)

差戻し審高松高裁 準備書面

News & Letters/473

東洋町長松延宏幸が虚偽の理事名簿を最高裁に提出し、そのウソが功を奏して野根漁協の1000万円不正融資事件
の差戻し審がこの4月20日午後1時20分に高松高裁で開かれる。
そのため準備書面を用意した。

平成28年(行コ第8号)損害賠償請求控訴事件(差戻し審)
控訴人 澤山保太郎
被控訴人 東洋町長松延宏幸
        控訴人準備書面(1)
                   平成28年 月  日
                         控訴人澤山保太郎

控訴人は以下の通り弁論を準備する。
控訴人の主張は、最高裁での答弁書に基本的に述べたとおりであるが、なお確かな書証を提出し主張を補充する。

【一】、昨年平成28年1月22日の最高裁第2小法廷の本件差戻の判断(本件最高裁判決と呼ぶ)について

1、判断の趣旨

 ①、最高裁昭和50年(オ)第326号・同54年2月23日第2小法廷判決(これを54年最高裁判決と呼ぶ)に基づき、特別の利害関係を有する理事を除いて議決権を有する理事のうち過半数の理事の議決があればその理事会議決は有効であるところ、本件理事会もその要件を満たしている。
 ②本件規則が効力を生じていないものであっても、本件規則に基づく貸付と同様の目的を有する貸付をしたものであり、有効な理事会議決を基に本件支出負担行為等をしたものであるから、被控訴人(上告人町長松延宏幸)はその裁量権を逸脱したものではない。
 ③なお本件について被上告人が言うその他の違法事由がないかどうか吟味するため差し戻す。
ひっきょう、最高裁は、過去の最高裁判例の論理を本件に適用したものである。

  
2、最高裁判例の覊束性 
最高裁自身は実際に本案に関する事実について審理をしていないから、特別利害関係理事についての論理以外には、本件に係る重要な事実全体については最高裁判決の拘束力はない。
最高裁判例(最高裁第3小法廷昭和35年(オ)第571号昭和36年11月28日判決)によれば、
上告審は原審の適法に確定した事実に羈束されることは民訴四0三条の明定するところであるから、同法四0七条二項にいわゆる「事実上の判断」とは、職権調査事項につき、上告審のなした事実上の判断だけを指すもので、訴えの本案たる事実に関する判断を含まないものと解するのが正当である。もし同条同項の「事実上の判断」を所論のように解するならば、差戻前の控訴審において確定した事実は差戻後の控訴審を羈束することになり、民訴法の精神に反すること明白である。とする判例がある。
そうすると、本件理事会の成立についての最高裁判決は、その判断(上掲の特別利害関係理事の議決に関する論理適用)の基礎となる真正なる理事名についての事実等については全然吟味していないから、本控訴審においてそれについてはじめて確定し、正しい裁判の基底的事実を明らかにする必要がある。

3、時機を逸した主張

被控訴人が上告理由書又は上告受理申立理由書に掲示した野根漁協の8名の理事会名簿については、被控訴人は第1審、2審をつうじて全然提示せず、その正当性も何ら主張していなかった。8人の理事名は突如上告理由書等に出してきたものである。
被控訴人が1審、2審を通じて出した理事名は乙第1号証の「臨時総会議事録」の末尾に活字で掲載されたものしかなくそれも6人だけである。控訴人は第2審で野根漁協の当時の正規の理事を示すものとして甲第33号証を提出し、それを補強するものとして最高裁へ甲第37号証の2(総会議事録)を提出した。
なお、それらを客観的に実証するものとして今回甲第39号証の2(高知県庁が保管していた平成23年度野根漁協の「業務報告書」)を提出する。これに記載された理事が真正な理事である。
一体最高裁は1審、2審で確定もしていないのに、最高裁へ突如出した被控訴人作成の理事会名簿をもとにして、54年最高裁判例を適用できるであろうか。
 新たな事実を主張するのであればそれ相当の証拠が必要ではないだろうか。
 民事訴訟法第156条(攻撃または防御の方法)の趣旨からして第2審の弁論終結までに本件理事について主張又は証拠の提出をするべきであろう。

4、最高裁判断の基礎となった本件の事実関係について

本件についての最高裁の判断は、主として理事の中の特別利害人にあたる者が、理事会議決に参加したことについてであった。しかし、当時野根漁協の組合理事が誰であるかについて1審、2審、最高裁でも事実を確定していない。真実の理事が誰であるかをはっきりさせていないのに、理事会の出席者のうち利害関係理事が誰であるかとか、残る理事数の多寡について論じて判断をするということは全くの空論であって、地元の漁師の嘲笑の対象でしかない。被控訴人はでたらめな理事名簿を初めて作成し、それをもとにして特別利害関係の理事に関する昭和54年最高裁判決の趣旨を元に上告したが、最高裁はその理事名簿を真に受けて判断したからである。

差戻審以前の元の高松高裁で控訴人は、甲第33号証を示し、正規の理事名簿を明らかにしたが裁判所はそれを採らなかった。従って正規の理事名簿は確定されないまま、現在にいたっている。今回新たに提出した書証(甲第39号証)は甲第33号証を実証するものであり、この真正なる理事会名簿をもとに審理をし直せば本件最高裁判断とは正反対の判断がなされると考える。

【二】控訴人の主張

本件野根漁協の理事会の事実関係については、最高裁へ控訴人が提出した「答弁書」のとおりであるが、最高裁は本件理事会について特に事実関係については審理しなかったのでここでその要点を述べ新たな補充意見を述べる。
一、理事の親族関係及び部外者の参加などについて
 上掲昭和54年最高裁判決に基づく本件最高裁判決は、「漁業協同組合の理事会の議決が、当該議決について特別の利害関係を有する理事が・・・」(4頁)となっている。
被控訴人が主張した上告理由書や上告受理申立理由書が掲げた理事名は以下の8名であった。
松吉菊蔵   井崎勝行      (松吉菊蔵は桜井菊蔵の間違い)
*松吉孝雄  *松吉 保
桜井 勇  *松吉保彦
    *松田安信  *松吉裕也

 棒下線部は、正規の理事ではなく部外者である。
本件貸付金は松吉保の保有する小敷組合に対してなされたものであり、借主の名義はその息子の松吉保彦である。
今ここで「小敷組合」と名のっているが組合とは名ばかりで法的に何ら組合的実体を持つものではなく、単に松吉保一家数人が経営する個人漁家である。
 *印は松吉 保一家の利害関係者である。この8人中の部外者には現在犯罪事件で収監中の者もいる。
このうち、被控訴人が平成23年11月3日の本件理事会に出席したというのは
     桜井菊蔵   井崎勝行
*松吉孝雄  *松吉 保
桜井 勇   *松吉保彦

 の6名だという。被控訴人(上告人)の上告理由書及び上告受理申立理由書での主張及び本件最高裁判決はこのうち松吉 保は本件貸付金を受ける当事者でありその息子松吉保彦との2人は特別利害関係を有する理事として決議から除外するとした。
しかし、特別利害関係をもつ理事はもう1人松吉孝雄がおり、これは戸籍謄本(甲第40号証)が示す通り松吉保の実弟にあたる者である。松吉という名字は東洋町野根地区の特定の姓であり、その性を名乗る者が、姻戚関係であることはほとんどのものが知っている。被控訴人は、税務課長を務め、住民の家族関係は熟知していたはずであり、本件理事中特別利害関係人が3人いることは承知していながら、人数をごまかしたと思われる。しかも問題は、松吉 保は正規の理事ではなく利害関係人ではあるが部外者である。(甲第33号証参照)

昭和54年の最高裁判例も、被控訴人による上告理由書の主張でも「特別利害関係のある取締役」又は「特別利害関係を有する理事」についてである。
松吉保彦は、特別利害関係を有する理事であるが、その実父松吉 保は、本件貸付金の実際の対象者であり特別利害関係人であるが、「特別利害関係を有する理事」などではなく、部外者にすぎない。

従ってこの松吉 保の理事会出席・議決参加については昭和54年最高裁判決も本件最高裁判決も該当しえない。理事の出席・議決参加を前提にした最高裁の判決(その他特別利害関係人についての取締役会に関する他の判例、学説や論評)は、部外者の理事会への出席及びその議決参加については、何も判断せずその判断の埒外であり、別個の問題である。会社法も特別利害関係を有する取締役または理事についての除外規定である。
すなわち、特別利害関係を有する部外者の取締役会や理事会への出席、議決参加の場合、その理事会なり取締役会の議決は有効であるのか、それもまた単にその部外者を除けばよいというものであるのか、ということの裁判所の新たな判断が必要なのである。

もとより控訴人は部外者が介入してなされた審議さらに議決は無効であると主張するが、被控訴人または裁判所は、無資格の部外者が介入した理事会なり委員会なりでの議決が有効であるというのであれば、その根拠となる法令又は判例を示すべきである。
正規の理事会に、ある特定議案を強く支持する部外者が介入(議決参加)してもその理事会は有効であるとすると、暴力団員などその理事達を圧服できる有力部外者を出席させ影響力を行使させて議決をしても構わないということになるであろう。

二、真実の理事

甲第33号証(甲第37号証の2、甲第39号証)の野根漁協の理事が当時の正規の理事である。すなわち、
    桜井菊蔵   *松吉保彦
    井崎勝行    桜井淳一
   *松吉孝雄    桜井春雄
    桜井勇     松田博光

 の8人である。(*印は松吉保、松吉保彦親子の特別利害関係者である)
甲第33号証のこの正規の理事は、平成21年5月の野根漁協定例総会で選任(重任)
されたもので任期は3年間であるから、本件当時の真正の理事である。
 この8人の理事のうち、桜井春雄、松田博光は理事就任以降段々に辞意を表明していた
が、当該組合は後任の理事を決めなかったので定款の定めによりこの者たちも理事とし
ての義務を果たす責任があった。しかも、この3人のうち桜井淳一は本件事件の直前ま
で組合長を長年勤めていて、本件貸付について賛同していなかった。

桜井淳一が組合長を辞任の届けを組合事務局に提出したが、理事を辞任した訳ではない
ことは、組合関係者皆が知っていたし、被控訴人も知っていた。
この8人のうち、松吉保彦と松吉孝雄の2人は松吉保の息子と実弟であるから特別利害
関係を有する理事で議決権がなく除外される。議決権のある6人のうち、桜井淳一、桜
井春雄、松田博光の3人は理事会に招集されず欠席した。出席したとされる残りの者は、
桜井菊蔵と井崎勝行と桜井勇の3人だけである。議決権のある6人のうち出席者が3人
では過半数とはならない。しかも甲第21号証によれば、桜井勇は、その日出漁してい
て理事会に出席していないから、実際は桜井菊蔵と井崎勝行の二人だけの出席である。
甲第33号証が正規の理事を示すものであることは、前述の通り野根漁協の定例総会の議
事録及び今回提出する業務報告書によって実証される。
 高知県の監督部署が保有する業務報告書は誰でも開示請求すれば手に入るものである。
 したがって、被控訴人が最高裁へ出した理事名簿は虚偽であり、それが虚偽であること
を被控訴人は知っており、真実の理事名簿に基づけば本件理事会は成立していないこと
も分かっていたはずである。とりわけ被控訴人が掲示した理事名簿中に町内では悪名高
い男(現在高知県警の留置場に凶悪事件で逮捕され収監中)を入れたことは、全くふざけた

行為であって最高裁たるものがおちょくられ(馬鹿に)されたも同然である。
裁判所を愚弄する不敬の行為である。地元の町民の多くは東洋町内でこの男が漁協の理
事になる最後の人間であることを知っているからである。理事会の成立に問題があると
した第1審、第2審の判断は、正しかったのである。

三、実際の理事会

1、平成23年11月3日の理事会は実際に開かれたのか。1枚の理事会議事録(甲第11号証)以外にはそれを実証するものは何もない。
 本件理事会については、被控訴人は1審、2審を通じてその理事会決議の成立について自ら否定的であった。第1審、第2審の判決も否定的であった。本件最高裁判決は、被控訴人が自ら否定的であった理事会についてどのように認識して判断したのであろうか。
 理事会議事録があったとしても、下級審での理事会開催・成立についての主張や裁判官による認定がなければ、最高裁としては判断できないはずである。
 第2審判決だけではなく、第1審判決も理事会の成立について「11月3日の理事会決議には手続上の瑕疵がある可能性がある。」としていた。
 これに対し被控訴人の方は、第1審準備書面(2)において理事会成立について積極的には主張せず、「何らかの瑕疵があったとしても・・・理事会の瑕疵の有無を問題にする余地はない」、などと争点化を避け、第二審準備書面(5)においては「総会の決議は理事会の決議より優先する。」などといって本件理事会の成立を自ら否定するかのような主張を繰り返してきた。

2、当該野根漁協の事務所には理事会開催時には必ず2台の録音機で記録され、その録音テープが保存されることになっているというが、本件理事会についてはそのようなものは存在していないという。理事会には必ず立ち会う2人の組合事務員の話では、理事会の議事録は作成したが、6人の者が理事会を開いた事実はなく、作成した議事録に個別に署名押印しただけであり、実際には理事会そのものは開催されていない、という。
この事実について本控訴審で明らかにしなければならないし、実際に開かれていなかったという事実について、被控訴人は知っていたと思われる。

四、虚偽の事実

1、被控訴人が最高裁に出した理事名簿は虚偽であることは上記のとおりである。
この虚偽の8人の理事のうち、松田安信(松吉保小敷の現場責任者)及び松吉裕也(松吉
保の孫)は理事になった覚えはない、と現在の野根漁協理事会に証言(甲第41号証1、
2)している。
 被控訴人は、松吉保らとはかって、部外者である松吉保、松田安信、松吉裕也を急遽理
事と言うことに仕立てたと考えられる。
これらの名前は、本件について調査するために事件後作られた特別調査委員会が組合事
務所に置いてあった関係資料を収集し甲第21号証(中間調査報告書の添付資料)として
収録した中の数枚の「確認書」中に理事として記載されていたものであって、それらの書
類は正規のものとは認められていない。
 特別調査委員会は、平成24年本件事件後、野根漁協の臨時の組合総会で1000万円の借受けが組合員全員から拒絶され、借受けを推し進めた理事(桜井菊蔵、井崎勝行ら)が一斉に退任した後に県庁の指導のもとに設置されたものである。
2、松吉保彦は別として松吉孝雄が松吉保、松吉保彦の特別利害関係理事であることについては、その姓「松吉」が東洋町内では特有の名字であり、その姓を持つ家族はごく限定されていて姻戚関係にあるということは東洋町職員であった被控訴人にはよくわかっていた。
 被控訴人の上告理由書などで掲げて8名の理事名簿中、5人の特別利害関係人があるのに、それが松吉保と松吉保彦親子の2人だけだと主張したのは詐罔である。

【三】、今回の最高裁が依拠した昭和54年2月23日の最高裁判例について
一、54年最高裁判例の例外

特別利害関係取締役(または理事)が出席して会議を行い利害関係のある決議に参加
した場合、昭和54年最高裁判決の趣旨がそのまま適用されない場合がある。
すなわち、特別利害関係取締役(理事)が議長となった場合である。その場合、議事の
進行や議決が可否同数になった場合など、議事を自己に都合のいい方向で運営し決着さ
せる恐れがあるからである。 本件の場合は、これと同等の評価が与えられるべきであ
ると考える。
 すなわち、利害関係理事が議場で絶対多数で議決権を行使した場合である。
 被控訴人が最高裁に出した上告理由書に掲示された理事8名が仮に真正なものとして、
 8名のうち6名の理事が出席したというその6名は、松吉保、松吉保彦、松吉孝雄の特別
利害関係者3名と桜井菊蔵、桜井勇、井崎勝行の3名であるが、議長は組合長の桜井菊
蔵が務めることになっているから議決に参加したのは5人であり、特別利害関係人3人、
そのほかは2人である。特別利害関係者が絶対多数である。
 議場で絶対多数を占める者たちは議長を自由にすげ替えることが出来る。自分たちの意
に沿わぬ議事進行をする議長は特別利害関係の理事か他の者に交代させることが出来る。
無論議事全般を思う通りに左右する事が出来る。特別利害関係人がそのような勢力を持
つ場合、特別利害関係者が議長となった場合と比較すれば議場における影響力は同等か
それ以上である。特別利害関係者が議場で絶対多数を占めた状況で議決がなされた場合
でもそれが有効であるとするなら、特別利害関係役員の議決参加を規制した会社法や水
産業協同組合法の本来の趣旨は意味をなさない。
最高裁の判例にもかかわらず、学説では、
「当該決議について、特別の利害関係を有する取締役は決議に加わることはできないので、決議に加わった場合は、決議の無効事由になる。当該取締役を除外しても決議が成立した場合は、無効にはならないとの考え方もあるが、具体的な事情にもよるがその影響からみて一般的には取りえない。」

(新谷勝著「会社訴訟・仮処分の理論と実務」207頁

 裁判所は法令の趣旨を実現するのが本来であり、例外を一般化すれば悪用の風習が大手をふるうことになる。例外を適用するには特段の事情の説明が必要である。

二、54年最高裁判例の性質

 判例、とりわけ最高裁判例は、一般的に以後の同様のケースで判断の基準となる。
 しかし、本件の54年最高裁判例は、それ以降の事件について判断の基準として使えるかどうか慎重に考慮する必要がある種類のものである。
この54年最高裁判例では、特別利害関係の取締役なり理事が、たまたま利害関係人であったから、それを控除して・・・ということであるが、この判例以降では、特別利害関係人の役員が取締役会なり理事会に入って議決しても、後でその役員を議決から控除してなお多数の役員の議決があればその議決は有効であるということを悪用する可能性があるからである。議決に特別利害関係役員で有力者(多数の場合もある)を参加させて特別利害関係者に有利な議決をさせるということをはじめから意図的に行う可能性がある。
そのような意図があったかどうかということを判別することは不可能である。

最高裁の判例の趣旨は、特別利害関係の役員の議決への参加を許容したわけでもない。
あくまでも法律の通り利害関係役員の議決への参加は禁じているが、結果として、そのような場合でもその役員を議決数から控除して・・・というものであろう。
しかしこの判例を目的意識的に利用して特別利害関係者が議決に参加しても無効にはならないから、それらを出席させて議場で優勢的影響力を行使して・・・・・ということになれば、特別利害関係人の議決参加を禁止した法律の存在意義がなくなるであろう。
一般的に、54年最高裁判例は、事後の事件に適用することは不適当と考えられるが、特に議決に参加した特別利害関係役員が数的に多勢であるとかその影響力が相当強いなど、特別利害関係人がその議決に決定的な役割を及ぼす又は及ぼそうとしたケースでは、54年最高裁判例を悪用したものとしてその適用を排除すべきである。

利害関係人を控除するどころか、利害関係者を多数理事名簿に入れ込んで、実際の理事会の議決に持ち込み、後刻最高裁判例を挙げてその理事会の成立を主張する行為は、法令に反し、最高裁判例の趣旨を悪用するものに外ならない。すなわち本件では、被控訴人は、1審、2審を通して理事会の成立や特別利害関係の理事の議決参加については、実質的に何も論じなかったにもかかわらず、2審判決を受けてから、54年最高裁判例の趣旨に着目し新たに特別利害関係の理事を多数構えて最高裁への上告に及んだと考えられる。

実際には議場で優勢的影響力を行使して、法的にはその影響力がなかったかのようにそれを控除する。すなわちたとえば、①8人の理事中5人が特別利害関係理事としそれらが議決に参加してあとから5人を控除するやり方(残り3人が有効で2人で成立となる)と、②8人の理事中2人が特別利害関係理事として議決に参加したのち2人を控除するやり方(残り6人が有効で4人で成立)とを比較すると、本件のように特別利害関係理事を多くすればするほど理事会の成立は容易になる上に、議場で大きな影響力を行使できる。
 これと同じ傾向が招集通知漏れの事件(最高裁昭和44年12月2日の判例)についてもあり、この判例を不用意に適用することによって反対派の取締役に取締役会開催の通知をせず、あらかじめこれを除外して重要な議案を議決してもよいという風潮が懸念されているのである。

54年最高裁判例が決して特別利害関係理事(又は取締役)の議決参加を容認するものではない以上、54年最高裁判例を意図的に悪用した恐れのある事例では、これをみだりに適用するべきではない。

【四】その他の重大な法令違反について

本件貸付に係る手続き上の重大な法令違反については、最高裁に提出した控訴人の「答弁書」に主張した通りであるが、新たな事実の指摘を含めて次回の準備書面(2)を提出する。

 平成28年(行コ第8号)損害賠償請求控訴事件(差戻し)     
控訴人 澤山保太郎
被控訴人 東洋町町松延宏幸
         控訴人証拠説明書
高松高等裁判所殿 
                      平成28年3月26日
                          控訴人澤山保太郎
        記
一、甲第39号証(平成21年度業務報告書  写し)
 1、標題:業務報告書
 2、作成者::野根漁業協同組合
 3、作成期日:平成22年6月24日
 4、立証の趣旨:
    都道府県は、管轄下の漁業協同組合から毎年度業務報告書を徴収する。    
    その中(5頁目)に役員の名簿が必ず掲載される。この年度は役員改選年である。
    甲第33号証はこの業務報告書の一部であった。
    野根漁協の役員の任期は3年間であるから、平成23年11月の本件当時はこの名簿の役員である。
    本書証は、野根漁協が高知県庁からファックスで取り寄せたものである。
    被控訴人も容易に取り寄せ確認することができるものである。
二、甲第40号証(戸籍謄本   写し)
1、標題:改製原戸籍
2、作成者:東洋町
3、作成期日:平成28年2月9日
4、立証の趣旨:
   野根漁協理事会の正規の理事の中で、松吉保と松吉孝雄が実の兄弟(松吉竹蔵の二男、三男)であることを示すもの。8人の理事中松吉孝雄と松吉保彦(保の息子)の2人が特別利害関係人である。
三、甲第41号証の1(証言   写し)
1、標題:もうしたてます
2、作成者:松田安信(本文作成は野根漁協、署名、拇印は本人)
3、作成期日:平成27年4月8日
4、立証の趣旨:

 漁協理事の一人が事情(本件貸付金の「確約書」に理事として署名押印があることについて)を確認し、本文を作成。本人の面前で本文を読んで了解を取り、本人が署名し、拇印を押したもの。松田安信が漁協理事になったこともないし、また、理事だと名乗っても地元では誰も信じない。
 地元に来たことのない裁判官は信じるかもしれない。現在高知県警本部の管轄下にある。

四、甲第41号証の2(証言  写し)
1、標題:なし
2、作成者:松吉裕也(野根漁協職員)
3、作成期日:平成27年10月10日
4、立証の趣旨:

 作成当日漁協理事会は本人を呼び、これまで野根漁協の理事になったことがあるか、1000万円の本件貸付金のことを知っているかなど尋ねたところ、出席理事の前で本文の趣旨を述べ、それをその場で文章化した。
   松吉裕也は、松吉保の孫である。

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2016年1月25日 (月)

高知新聞の悪乗り

News & Letters/458

嘘の理事会名簿で出席者が多数であったから理事会は成立していた、などということが通用するなら、如何なる取締役会でも、どこの理事会でも嘘の名簿を裁判所に提出し、無効だ、有効だというでたらめが横行するであろう。

裁判所の役割は、その名簿が事実かどうか、証拠が確かかどうか確認したうえで判断することだ。

今回の事件では第1,2,3審ともその事実の確認、確定を行わず、数の計算だけで判断をしているのである。

このようなバカげた裁判を日本の裁判が今もやっていることに驚かざるを得ない。
ところで、昨年元の高松高裁が本件東洋町長の1000万円融資事件を違法だとしたのは、大筋2つの理由であった。

①ひとつは貸付規則を町民に公布しなかったことで、この貸付規則を無効と判断したこと。

②もう一つが、貸付相手側の漁協理事会の借り受け真正の議決が、特別利害関係者が参加していたので無効だと判断したことである。これについて松延宏幸町長側は、貸付規則の無効については争わず、ただ、理事会の成立の可否についてのみ最高裁に上告したのであった。

そして、最高裁の判断は、①についての高裁の判断は認め、すなわち貸付規則の無効についてはその通りだとし②の理事会成立については以前の最高裁判例があるので高松高裁の判断は誤りだと判断したのである。

その最高裁判決はインターネットで「平成28年1月22日最高裁判決」と打ち込めば誰でも見ることができる。

ところが、最高裁判決の翌日平成28年1月23日(土曜日)の高知新聞朝刊では、②の貸付規則についても、最高裁は「合理的だ」と判断したと紹介してある。
すなわち、
「二審が「規則は効力を生じていない」とした点についても「合理的な手続き」だったとし、町長の裁量権逸脱を否定した。」と書いていた。

高知新聞の記者は最高裁の判決を読めないほどのばかではないはずだから、読んだうえでわざと嘘を書いたという事になるであろう。新聞記者又は新聞社が判決文を新たに作ることができるのであろうか。

高知新聞のこの記事を読んだものは、本件東洋町の1000万円貸付事件について最高裁は全面的に違法性はないと判断したと理解するであろう。ある検察官も高知新聞をそのように読んだとして私に質問してきた。

この事件は検察庁に告発中だからである。
松延宏幸町側も、本件貸付規則の違法性、無効性については最高裁では何も争わず、町民に規則を公布しなかった事実については、認めていたのである。およそ、一般に公布しなかった規則が無効であることは近代社会では当たり前のことである。

雲の上の最高裁の裁判官でもそれくらいのことはわかる。今回の高知新聞の最高裁判決の偽造について責任者はどのように釈明するのか、聞きたいものだ。悪意がなければこれだけのことは書けまい。

高知新聞は以前にも東洋町の議員リコール請求に係る事件で地方自治法施行令に記述していない重要な文言をその施行令に書いてあると言って「   」で新聞で紹介した事件があった。

メディアは最低限、法令や、判決文を偽造することだけは、やめてほしい。私澤山保太郎を貶め害を加えるのはいくらでも構わないが、しかし、それは、国民を愚弄し、己の新聞の品性を汚すものである。

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2015年12月 5日 (土)

3度目の最高裁

News & Letters/449

来る平成27年12月11日午後1時半 最高裁第二小法廷
 東洋町長松延宏幸の野根漁協1000万円不正融資事件
 松延宏幸側はあろうことか、虚偽の理事会名簿を最高裁に提出し、それで漁協理事会は
 成立していた、と主張した。やれやれ、最高裁も落ちたもので、事実審理はしないはずなのに
 虚偽の理事会名簿を取り上げて、審理をするという。
これで3度目の最高裁となりました。
最高裁は霞が関にあり、コンクリートの要塞です。
人権や正義を訴える人民の願いをはねつけるためにこのような頑丈な
要塞を作ったのでしょう。権力を守る砦→憲法を守る砦に替えなくてはなりません。
一度目は、大法廷へ。確か平成21年12月18日ごろ→勝利→地方自治法の直接請求で法律が変わった。
二度目は、小法廷へ。これも同じ年 →勝利 →四国銀行が損害賠償
三度目の今度は小法廷へ。→-?私の答弁書はすでに最高裁や松延宏幸側に届いている。

平成27年(行ヒ)第156号
上告受理申立人  東洋町長
上告受理申立て相手方 澤山保太郎
          答 弁 書
平成27年11月22日                     
最高裁判所第二小法廷 殿
                    高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1     
                        相手方(原審控訴人) 澤山保太郎
【一】 はじめに
上告受理申立て理由書で主張された平成23年11月3日の本件野根漁業協同組合(本件組合と呼ぶ)の理事会(これを単に本件理事会と呼ぶ)成立の可否について簡単に本件上告受理申立て(これを単に「本件申立て」という)の相手方として意見を申し述べる。
上告審は憲法、法令、これまでの最高裁判例などに関する事案を審理するのがその目的である。
本件申立ては、特別利害関係人は原則として理事会での議決に加わることはできないが、特別利害関係人が議決に加わった場合でもそれを控除してもなお議決権のある理事多数が出席しておればその理事会は有効に成立するという通説を本件理事会の出席者に照らしてどうかという問題と理解する。
そうすると、本件理事会の8名の理事が誰であったかという事実の認定が前提となる。原審までは本件理事会の構成メンバーについて確定的な判断はなされていなかった。
本件申立て理由書にはこれまで1審2審を通じて主張されてこなかった新しい理事8名が掲示された。(本件申立て理由書3頁目)
申立人は1審2審を通して本件理事会の成否については自ら終始否定的であり、理事会の手続き上の瑕疵は、総会によって治癒されているなどと主張していた。
本件申立てではじめて8名の理事の名前を掲げ、それをもとに親族である特別利害関係人を控除する上記の算術を試みたのである。
本件申立てが受理された以上、それが適法かどうかは別にして、その算術の元になる本件理事会の理事8名が誰であり、親族など特別利害関係人が誰と誰なのか、これらについて最高裁であらためて事実審理に応ぜざるを得ない。

1、申立人の掲げた本件理事会の8名の名簿(本件申立て理由書3頁下段)
は虚偽のものである。
この理事名簿が真実であるとする証拠は何もなく、第1審、2審を通じて申立人は一度もこれを主張していないし、原審判決でも8名の理事について何も確定的に判断されていない。
本件組合の総会で正規に選出された理事の名簿は甲第33号証であり、それ
を担保するのは甲第37号証の2の本件組合の総会議事録である。
 [甲第21号証によると、この甲第33号証の理事のうち本件が起こる直前までに辞任の通告が4名分(桜井菊蔵、桜井春雄、松田博光、桜井淳一各理事)あった。
しかし、後任の理事は正規に選任されていなかった。
したがって辞任したという4人も法令や定款の定めによって理事としての義務と責任があった。当然本件理事会にも招集され出席の義務があったが桜井菊蔵以外は誰も連絡されなかったという。]
2、申立人が本件申立て理由書に掲げた理事名では、8人のうち5人までが本件貸付金の借受け事業所である松吉保小敷組合の親族であり、松吉一家が漁協役員の過半数を占めるという異常な構成となる。すなわち、
松吉保本人、息子松吉保彦、孫松吉裕也、実弟松吉孝雄、甥で当該融資対象
者の松吉小敷の責任者松田安信の5人が本件組合の理事名にあがっている
が、これらは特別利害関係人である。(松吉保彦、松吉孝雄は正規に選出さ
れた理事) (甲第37号証の1)
本件組合は百数十名の組合員が現役の漁師として活動しており、その理事会
で1親族が半数以上を占めるような理事の選任をすることは、かつて一度も
なかった。
しかも甲第33号証に照らせば、松吉一家5人の理事中松吉保本人を含めて
3人(松吉保、松吉裕也、松田安信)が正規に選出された理事ではない。
3、そうすると、本件理事会は虚偽の理事名簿でもって招集され、そのうち松吉一家の特別利害関係人が出席して本件理事会の貸付金に関する議案を議決したということになる。
  辞任を申し出ていた正規の理事3人が本件理事会に招集されていないというのは、その3人に代わって部外者3人が理事に名を連ねていることによって判明する。
  8人のうち部外者でかつ特別利害関係人である欠格者が入り込んでした理事会が有効に成立するかという話は、法的な論考のテーマにもならない無法なものである。
  なぜなら、判例や通説で問題となっている特別利害関係人というのは、特別利害関係取締役(理事)ということであって、役員でもないまったくの部外者である松吉保が入り込んだ理事会の議決は無効と断ぜられるべきであるからである。部外者が入ってその部外者のための議決がなされた場合、その部外者を控除したり、それが議決に参加したという事実を拭い去ることはできない。2審の控訴理由書の11枚目で、その点を指摘した。
  その意味で原判決は正当である。
4、甲第33号証の8名の正規の理事のうち、辞任したが後任が選任されていない3人(桜井淳一、桜井春雄、松田博光)が招集されず、そのかわりに議事に直接利害関係があり、部外者である3人の利害関係親族を理事会に入れ理事会に出席させたり本件「確約書」に署名押印させた。
単にこの違法な出席者・署名者を控除すればよいという算術の問題ではない。
特に本件理事会から除外された桜井淳一理事は本件が起こる直前まで長年
当組合の組合長を務め、本件貸付金の借入れに強く反対していた者であるが、
現に大敷組合を経営しており、多数の組合員を擁し、漁場の利用権などの権
益に深く関係していて組合員総会では容易に過半数を制する勢力をもって
いた。その上組合はその運営には彼の経営する大敷組合に漁場料などで財政
的にも大きく依存してきた。
一人の理事や取締役でも理由なく不当に除外すればその理事会や取締役会
の成立が問題になるが、組合運営を現実に支え、常に漁港で陣頭指揮をして
いる有力理事に何の連絡もなく開かれた理事会は有効ではない。
正規の招集手続きを欠く取締役会や理事会の開催を有効とする判例は存在
しない。
ちなみに松吉保の小敷組合は漁場料など組合への賦課金は長年一銭も払っ
ていないといわれる。(甲第37号証の1)
漁場料などを支払わない組合員が漁業組合の正規の理事、しかもその理事会
の過半数を占めるなどということはありえないことである。
5、甲第33号証によって、本件理事会の正否について判断するべきである。
  理事8名のうち、本件申立理由書が出席して議決したという理事は6人であるという。この主張を仮に認めるとすると、そのうち特別利害関係人2人を除くと以下の4人がのこり、4人での議決が過半数で有効である、という。
   桜井菊蔵   井崎勝行
   松吉孝雄   桜井勇    (上告受理申立て理由書4頁)
しかし、すでに明らかにしたように松吉孝雄は松吉保の実弟であるから特別
利害関係人として除外されねばならない。(甲第37号証の1)
1親等及び2親等は特別利害関係人とみなされている。
そこで、甲第33号証の正規の理事8名のうち、親族の松吉保彦と松吉孝雄
の2人を除けば議決権者は6名(桜井菊蔵、桜井勇、井崎勝行、桜井春雄、
桜井淳一、松田博光)となり、そのうち本件理事会に出席して議決したとい
うのは上掲の桜井菊蔵と井崎勝行と桜井勇の3人となる。そうすると議決権
を持つ理事の過半数にはならない。
  申立人の出席理事だという主張を認めても本件貸付金に係る理事会の議決
  は有効に成立していない。
  また、甲第21号証によれば、上掲理事中の桜井勇理事は、長年理事の名簿
  に正規に挙がってきたが、本件理事会も含め一度も理事会に出席したこと
はないという。本件理事会の開催した日も、出漁しており出席しなかったと
いうことであるから、実際に議決権のある理事で出席したのは桜井菊蔵と井
崎勝行2人となる。議決権者6人のうち2人では過半数に遠く及ばない。
6、甲第33号証について
  原審までの裁判で平成23年11月の本件事件が起こった当時の理事会の正規の名簿は甲第33号証だけでこれのみが公判(第2審)に提出されたものである。
  これが正規の総会で選出された役員の名簿であることは甲第37号証の2の本件組合の「平成20年度第60回通常総会議事録」であきらかである。この議事録で第3号議案に「任期満了による役員改選承認の件」があり、甲第33号証の役員名簿通りの理事が選任されていることが分かる。この役員選挙が行われた組合総会には町役場から町長と担当課長が「来賓」として出席しているから、本件申立人が知らないという事はできない。
  特に総会に臨席した申立人の部下である「建設課長 奈良崎氏」というのは当時の東洋町産業建設課の課長奈良崎幸一のことであり、この奈良崎が本件貸付の実務を担当し又議会での本件組合の理事についての質疑に答えていた者である。
7、原審まで申立人は申立て理由書に掲げた理事名を挙証してこなかった。
  理事名が明確に出ているのは、甲第21号証の「別紙2」の「野根漁業協同組合理事会議事録」と同号証「別紙4」のNo.1とNo.2であり、前者の議事録では人数が足らないので後者のNo.1とNo.2とを接合して今回申立て理由書の8名の名簿を拵えたものと推定される。
しかし、甲第21号証の別紙2,3,4はいずれも本件組合特別調査委員会が組合内に残っていた事件の関係資料を調査のため集めたものであり、それら別紙に記載された理事やその者たちの行為を認めたものではないのである。調査委員会が無効な文書だという資料に基づいて合成して作り上げた理事名、これを元に特別利害関係人を控除するとの通説の計算で出た主張は、根本的に意味をなさない。
8、特別利害関係人(役員)の参加した議決に関する通説について
 通説では本件申立て人の言うとおり、取締役会や理事会などで議決権者のう  
ち、特別利害関係人が議決に参加した場合、これを控除したあと議決の成立に必要な多数が存在するならば、その議決の効力は妨げられない、という。
  この通説について本件申立て人は東京高裁判決と大阪地裁の判例を挙げていて、その両判例では、本件申立て人の主張を根拠づけるものは何もない。特別利害関係人が出席した取締役会などでその議決を有効であるとした最高裁の判例があるか不明である。
  学説では、欠格者が参加した議決は無効とすべきだとしている。
  「合議機関に欠格者(利害関係を有する議員又は委員)を参加させてなされた議決の効力について、欠格者の投票を控除してもなお結果に影響を及ぼさない場合には、その議決の効力は妨げられないとした例がある。
  しかし、欠格者が何らの発言をしない場合でも、その審議への参加自身が、公正な審議を妨げることになるのであるから、特別の理由のない限り、原則として、欠格者の参加した合議機関の議決は、無効と解するべきであろう。」(田中二郎著「行政法総論」第二編第二章第六節第三款「行政行為の  無効及び取消しの原因」)
  本件の場合、本件理事会に参加したとして議事録に署名押印のある6人の理事のうち松吉保、松吉保彦、松吉孝雄の3人は、2親等以内の親族である。
  仮に本件申立て人の言うとおり本件理事会が開かれたとしても、議長の桜井菊蔵を除けば、議決する5人のうち過半数の3人がその特別利害関係親族となる。役員会の議長が特別利害関係人である場合にはその役員会の議決は無効だとするいくつかの判例があるが、議場の過半数が議決権のない特別利害関係人である場合は、議長が特別利害関係人である場合よりも、より強くかつ直接に違法性(会社法第369条の2の水産業協同組合法への準用)を帯びると考える。したがって、本件申立て理由書の主張は認められない。
【二】地方自治法第96条1項12号規定と地方自治法第242条2の1項4号請求裁判について
本件は 地方自治法第242条2の1項4号規定(これを単に「4号規定」と呼ぶ)に基づく住民訴訟であり、
  被告 東洋町長
     松延宏幸
すなわち町長という執行機関を当事者とする訴訟という事になっている。
したがって従来の学説や判例によれば、本件は地方自治法第96条1項12号(訴訟提起の議会議決 これを単に「12号規定」と呼ぶ)に該当しない、上訴につき東洋町議会の議決はいらないということになる。なぜなら、「12号規定」が適用されるのは、「普通地方公共団体が当事者となる・・・訴訟の提起・・・」となっているからである。
しかし、これまでの「4号規定」訴訟について「12号規定」の適用の可否に関する判例(昭和30年11月22日最高裁第三小法廷判決)等は誤っており再検討する必要があると考える。
理由:
1、「4号規定」の「執行機関」を当事者とする訴訟は、地方自治法第242条3の2項以下の規定に見るとおり、究極的には普通地方公共団体を当事者とする訴訟に転化する。すなわち住民の起こす訴訟の究極目的は当該普通地方公共団体をして、問題を起こした長や職員に対して損害賠償請求をするだけでなく、その訴訟を起こさせることを求めるものとなっている。住民訴訟は必ずしも当該普通公共団体による訴訟にまで発展するわけではないが、その可能性を含んでいる。
それはたとえば、支払い督促は普通地方公共団体の長の事務であるが、これ自体は訴えの提起ではなく、必ずしも訴訟になるわけではないが、時に異議が出されると当該普通公共団体を当事者とする訴訟に移行するので、議会の議決が必要とされた。
(昭和59年5月31日最高裁第一小法廷判決)
「4号規定」による訴訟は、当該普通地方公共団体をも当事者とすると考えられる。
議会の議決を必要とするという「12号規定」は、本件のような執行機関を当事者とするがやがて当該普通公共団体をも当事者として登場させる場合には、地方自治法の条理上これを適用させるべきである。
2、「普通地方公共団体」の実体は、その執行機関が中核であり、また、特にその首長は、
 地方自治法第147条の規定「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統括し、これを代表する。」との規定があり、長の行為は、単に執行機関の行為というだけでなく、当該普通地方公共団体の行為として表象されるものである。
 実際上でも、執行機関としての長の行為は、予算の編成・執行、条例の制定等も含めてすべての重要行為は、普通地方公共団体として遂行されている。執行機関、市町村長の名前で予算案などは議会に提出されない。公共工事、道路工事ひとつをとっても市町村長などの執行機関の名、首長の名前で遂行されるわけではない。すべからく首長としての執行機関の行為は普通地方公共団体の名義のもとに遂行されるのが普通である。
 したがって、職員の行為は別としても首長としての執行機関の(違法)行為の当事者は当該普通地方公共団体と同視されうる。
3、「4号規定」の訴訟の場合、首長や職員など執行機関が当事者として訴えられても、その訴訟の費用は首長や職員ではなく当該普通地方公共団体が負担する。弁護士を依頼しても首長や職員との契約ではなく当該普通地方公共団体との契約となる。執行機関である長や職員らが訴えられた場合には当然のごとくに訴訟費用は当該普通公共団体の予算を使う。 この場合、執行機関を当該普通地方公共団体と別個の法人格として区別することはできない。
また、訴えられた場合に議会の議決なしに応訴することはやむを得ないとしても、敗訴してからの上訴費用まで当該普通公共団体の予算を何の手続きや住民(議会)の了解もなく使うというのはあまりに特権的でありすぎる。
4、「12号規定」の「訴訟の提起」の意味については控訴や上告にもいえるのというのが通説であり、かつ、「4号規定」の訴訟が当該普通公共団体を前面に引き出すことを目的とし、究極的にはそれが当事者として登場することになることは地方自治法第242条3の2項、3項、4項、5項の各規定から明らかであるから、本件についても「12号規定」を適用し、議会議決を経ていない本件申立てを却下すべきである。訴訟提起の重要な手続きを履践していず、民事訴訟法第316条第1項1号に該当するからである。
 ちなみに、本件申立ての相手方が、本年2月24日に東洋町議会議長に対し、当該議決についての公文書開示請求をしたが、即日町議会議長は、その公文書は存在していない、本件上告の提起及び本件申立てについて議会に議案を上程されていない、と回答している。(甲第38号証)
【三】原判決と本件申立て理由書の内容
 原判決は主として二つの理由で申立人の賠償責任を認定した。原判決を図式化すると、
(1) 貸付規則の非公示→ 貸付規則の無効
(2) 理事会の不成立→貸付契約の無効
(3) (1)及び(2)の無効→本件申立て人の敗訴
一、本件貸付規則の無効について
第1審高知地裁判決では触れられていなかったが、原判決では、本件貸付規則が、「交付手続きを欠いた未施行のものであって、効力を生じていない」と断ぜられた。(原判決18頁下段~19頁上段)この一事からしても、1000万円の本件貸出しは違法となる。
 本件申立て理由書においては、本件貸付規則の無効という原判決の重大な判断については一言も反論するところがない。ただ理事会の成否をあげつらうだけである。
本件貸付規則が無効であることは本件申立人も反論の余地がなく、認めたという事であろう。本件貸付規則無効の意義は、たとえ金銭消費貸借契約が有効に成立したとしても(本件においては金銭消費貸借契約書が存在せず、そのかわり「借用書」が存在するが、その「借用書」には借主(野根漁業協同組合)及び貸主(東洋町)両方の署名押印が欠如している。)貸付規則がない以上貸付けの対象、貸付の要件や返済の要件、手続きなどが不明ということになり、到底公的機関の貸付行為とは言えず、このことだけですでに判決を左右する重大な瑕疵である。
 適正な交付手続きを踏んでいず、特定の漁家にのみ本件貸付規則を交付し、その規則にのっとった申請書を提出させた本件の場合、それ以外の多数の台風被災者(そのうちいくつもの漁家が申立人の町に救済の陳情書を提出していた)に対して極めて不公正な取り扱いとなった。公金支出の上で公益性を担保する民主的な適正手続きが欠如した。
 第二に、本件貸付規則は無効であるが、一応議会への提出があり、本件貸付についての規範となるはずのものであった。議会は当然この規範的規則にのっとって本件貸付が実行されるものと了解した。しかし本件貸付規則の公布手続(不存在)は非民主的であり、無効と判断された。本件貸付は規範となる条例又は規則を失った。
 町議会についても、規則が交付もされず、公募もされず、貸付け対象者(応募者)の審査・選考もなされず、特定の漁家にだけ全額貸し付けるという事が最初から明らかであったなら、到底本件貸付は承認されることはなかったし、本件貸付金1000万円の入った補正予算も可決されることは困難だったと考えられる。
およそ公金支出には、執行機関の規範的ルールの存在又は制定が必要であり、それにはその公金支出の公益目的や適正手続きが定められる。一応本件申立人がそれを新規に制定し議会に示したという以上は、執行機関(首長)の行為は無制限な裁量に掣肘が加わりそれによって拘束され評価されることになる。少なくとも執行機関内部の事務手続きに関する限り規範的拘束性を帯びている。
首長としての裁量行為による貸付という行政行為の事実がそれによって評価されるが、本件申立人は、規範的ルールたる本件貸付規則に対し、それの非公示という重大な瑕疵によってそれが無効になるほどに背反したのである。規則を公布したり、公募したり、審査・選考したり・・・これらの事務手続きについて何もしなかったということは、自らの行為の公正さや民主性を否定したことになる。
それでは、本件申立人は何をもってその裁量行為が正当なものといえるのであろうか。
 補助金支出や貸付金の支出において、何らかのルールも作らずに首長の完全な恣意に基づく裁量は認められない。それらは、対象事業の公益性や、公金支出に至る過程の民主的手続きが担保されていなくては、単なる利権行政に転化するからである。
 実際、本件貸付(又貸し目的)は、返済の能力も意思もない特定漁家に融通するため、その無能力を十分承知していた申立人が、漁業組合の名義を差し出すことを条件にして特定漁家の利益のため遂行したものであり、その返済を漁業組合に代替させようとした利権行為そのものである。
 本件貸付をめぐって漁業組合の総会で紛糾して拒絶されて、本件貸付金を申請し実際に借受けを実行した桜井菊蔵ら本件組合執行部は、逃げるように組合役員を辞職してしまったのである。
 貸付規則が無効と判断されたというのは、公正な手続きの不存在、貸付金の利権化を認定されたも同然であるから、本件申立人松延宏幸の責任は逃れられなかったのである。 
二、本件理事会の不成立について
既述のとおり、本件申立て理由書の主張通り6人の理事(桜井菊蔵、桜井勇、松吉保、松吉保彦、松吉孝雄)が出席して本件理事会が開かれその議事録に署名押印したとしても、その場合議長を除くと5人の理事による議決となるが、そのうち3人(松吉保、松吉保彦、松吉孝雄)までが松吉保の特別利害関係親族となる。3人は親子と実の兄弟同士であるからである。特別利害関係人が議場で過半数となり、そのうえで議決したというのは、水産業協同組合法が準用する会社法369条2の規定に甚だしくかつ決定的に違反して、無効である。
 1、本件申立理由書の掲示した理事名簿は虚偽である
既述のとおり上告受理申立て理由書3頁目に掲示された理事の名簿は虚偽のものである。
このうち3名(松吉保、松吉裕也、松田安信)は実際の組合総会など正規の選任手続きで理事に就任したものではない。勝手に理事にされたか、勝手に名乗っているだけである。
本件申立人は町長である前に東洋町の幹部職員であった。特に税務課長を長く勤めていてその課には全町民の家族名簿が直ちに見ることのできるパソコンがある。本件申立人は東洋町のほとんどの家族や親族について誰よりも詳しく知る立場にあった。本件申立理由書3頁目に掲示された理事の名前を見ただけで、直ちにこの理事名簿はおかしいと判断されねばならない。すなわち
  松吉(桜井)菊蔵    井崎勝行
  松吉孝雄        松吉保
  桜井勇         松吉保彦
  松田安信        松吉裕也
                    (  )内の氏名が正しい
一つの小さな漁村の漁協の定数8名の理事の中にその半数が松吉(まつよし)という苗字をもっている。いかに片田舎の組合(本件組合の組合員は百数十名)とはいえ組合役員の半数を同じ一族(二親等以内)に占めさせるというようなことはありえない。すなわち、松吉保の実弟が松吉孝雄であり、松吉保の息子が松吉保彦であり、松吉保の孫が松吉裕也である。また、松田安信も松吉保の甥であり、しかも安信は貸付け対象事業所「松吉保小敷組合」の操業責任者であった。
さらに、この松吉一家の5人の理事のうち松吉保、松吉裕也、松田安信の3人は正規に理事に選任されたものではない。組合員ではあるが組合理事としては無資格の部外者である。
他の少数の3人の理事に過半数の親族理事の存在が影響を及ぼさないといえるであろうか。
そんな異常な役員構成、1親族が過半数を占める理事会が正規の組合員総会で選任されたり承認されるはずはない、という疑問を本件申立人が本当に抱かなかったとしたら、それは本件申立人の重大な過失か、それ自体を容認していたとしか言いようがない。
漁業組合は特定範囲の漁場で互いに厳しく競合したりまた協同したりする組合員の集合体であり、普通は組合財政を支えるいくつかの漁家を中心に選任される。組合に対してほとんど何の賦課金も納めない1親族によって組合の執行機関である理事会が牛耳られるほど多数を役員に選任するというようなことはありえない。
2、本件申立人が挙げる理事8人を選任したという総会は存在していない。
本件申立人が第1審第2審を通して、本件理事会の瑕疵は平成23年11月9日の組合員総会で治癒された、などという主張を繰り返してきたが、その総会(臨時総会)の議事録なるものにも理事改選の議案やその議事の記載は全くない。
それ以前の役員選挙に係る正規の総会は平成21年5月23日のことであり、そこで選任された理事は甲第33号証の役員たちであって、その次の役員改選の総会は3年後の平成24年6月のものであるから、申立人の今回あげた理事名簿が何を根拠にするものか不明である。
申立人が掲げる理事名簿が本当のものであるかどうかを立証するものは何もない。
当時の真実の理事名は甲第33号証に記載された理事であって、この書証は実際の総会に提出され可決された総会議案(甲第37号証の2)をそのまま活版印刷したものの写しである。第1審第2審を通じて、本件に係る理事の名簿一覧は甲第33号証以外には法廷に提出されていない。
3、本件組合の本件当時の理事の状況
平成23年11月中の正規の理事は甲第33号証であるが、これについて本件組合の役員はいくつか整理しなければならない問題があった。すなわち、甲第21号証によると幾人かの理事辞任の申し出の事実があった。平成21年5月23日に就任の役員(甲第33号証)でスタートしたが、
理事のうち桜井菊蔵(正規の理事)が家族が高齢を理由に反対したため辞任を申し出た。
また、桜井春雄(正規の理事)も辞任を理事会で口頭で申し出た。
松田博光(正規の理事)についても辞任を理事会に口頭で申し出た。
組合は、理事会の決定として松吉保と武山祐一を理事として補充した。11月9日の総会に動議として出された理事の名前であった。しかしこの新理事については総会の承認を得ていなかった。当時の組合は理事の補充は理事会で決めることができるという誤った観念をもっていたと考えられる。
補充されたとする武山祐一(非正規理事)」も本件が起こる1年前に辞任が申しだされた。
そして、桜井淳一(正規)は数期にわたって本件組合の組合長を務めてきたが、本件貸付金を組合が受けることについて反対していたがため、松吉保(非正規理事 本件貸付金の実質的借主)によって強行に辞任を迫られ本件が起こる直前に辞任を余儀なくされ組合長を辞任していた。本件が起こる直前では正規の理事のうち4人が辞任し本件組合定款で定められた理事8人中4人がいない、理事は5人以上という水産業協同組合法に違反するという状態になっていた。それ故に平成23年11月9日の臨時総会で組合員から理事の定足数が不足しているという指摘があったのであり、第1審判決でその事実が指摘され、理事会の手続きに問題があるとされたのである。
定款や水産業協同組合法の規定では、理事が辞任してもその後任が選任されない間は辞任した理事が業務を引き続き遂行するということになっていて、本件組合はその後任の理事を総会などで正規に補充選任するという手続きは取っていなかったし、また、辞任した理事に理事の任務遂行を促すこともしなかった。したがって理事会を開催してもそれら辞任した理事には開催について招集状など何の連絡もしてこなかった。
ところが、松吉保らが本件貸付金について「理事会」を開くにあたって、辞任させた桜井淳一組合長に代わって、数年前に辞任していた桜井菊蔵を突然理事に復帰させこれを組合長に据えて貸付金の申入れを決議した、ということになったのである。
当時の野根漁協の正規の役員は甲第33証のとおりであり平成21年5月に総会で選任されている。原審判決文16頁には、この甲第33号証について正しいかどうか不明である旨の指摘があり採用されていないが、当時の役員が総会で認められたものとしてはこの活版印刷された名簿以外に存在しない。
理事の任期は3年間であり、上掲の理事名簿の者が本件事案を担当するべき理事8人全員であり、また監事3人であった。二親等以内の者は桜井菊蔵と桜井勇の親子二人だけである。このうち、本件当時、辞任したという者が、桜井菊蔵、桜井春雄、桜井淳一、松田博光らがいて、桜井淳一前組合長以外は数年間理事会に出席していないとのことである。
正規に総会などで後任の補充選任はされていなかったから、法令や定款の定めでこの辞任届をした3人も理事としての任務を遂行する立場にあった。
理事会を開催するときには当然これら辞任したという理事にも招集状を送付するか何らかの連絡をしなければならなかったが、事件当時の本件組合執行部は一切そのような手続きはしていなかった、といわれる。
4、正規の理事で判断すべき
既述のとおり本件申立て人が言うとおりの理事名で本件理事会の成否を判断しても特別利害関係人が過半数で議決を行ったということになり、社会的相当性を欠くというべきであり、到底承認できるものではない。
甲第33号証の正規の理事に照らして本件平成23年11月3日の本件理事会を検討すると、冒頭既述のとおりであり、利害関係理事は松吉保彦(松吉保の息子)と松吉孝雄(松吉保の実弟)の二人であり、後の6人(桜井菊蔵、桜井勇、井崎勝行、桜井淳一、桜井春雄、松田博光)は議決可能な理事であるが、この6人の理事のうち本件理事会に出席したとして議事録に名が出ているのは、桜井菊蔵、井崎勝行、桜井勇の3人だけである。
本件申立人が言うとおり本当に理事会が開かれたとしても議決可能の6人の理事のうち3人では過半数とはならない。
したがって、本件申立人の理事会成立についての申立て理由は成り立たない。
本件申立人は本件組合の役員については知らないとは言えない。
本件組合とは漁港(野根漁港)の町営の荷捌き場や製氷機など主要な漁港施設の管理委託契約を結んでいるから、常時接触する関係にある。誰が役員であるか知る義務がある。
まして、正規の理事選出の総会に前町長と担当課長が出席し議案書を手にしたのであるか
ら知らなかったと言い逃れることはできない。今回、地元の漁業関係者であれば直ちに偽
物と看破できるような理事名を裁判所に出してきたこと自体、過失ではなく悪意ある作為
であり、故意であると考えられる。
5、理事会議決の重大な瑕疵
理事会の議決は既述のとおりその理事会構成員の形式上から見て、到底成立しているとは言えないが、その内容の面でも著しく不正なものであって、無効である。
  ①裁判所が認めた不正 定款変更
 本件貸付(又貸し)は、漁業協同組合としてのものであるので、本件組合はその貸付事業を行うためには定款を変更する必要があり、その定款変更は知事の許認可による。
 第1審判決(9頁中段)で「本件貸付は、知事が上記定款変更を認可する前に実行されている・・・・」と認定された通り、知事の定款変更の認可(平成23年12月)が下りる前に本件貸付(平成23年11月中)が遂行された。これは些末な間違いではない。漁業協同組合にとって信用事業の一部貸付事業を行うのは大変な事業の追加である。
県知事の許可もなく定款にない新たな事業を勝手に始めることは無法な行為であり、水産業協同組合法第48条2項の規定「定款の変更は…行政庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。」という規定を直視するべきである。日本国の法律が無効だと定めたものを屁理屈を並べて有効だというのはあまりにも無法である。
 認可どころか定款変更の県庁への申請もまだしていない段階(本件理事会は11月3日、認可申請は11月10日)で、具体的な案件として貸付事業の新規事業を理事会で議決することはできないし、むろんそれを実行することもできない。
 無免許で普通乗用車を運転して捕まったものが、後で免許を取得したからと言ってその犯罪行為を元に戻して帳消しにはできない。無効な期間にした行為は無効である。
 ②裁判所が認めた不正 借入の最高限度額の設定なし
 また、第1審判決では、「野根漁協は、総会で毎事業年度内における借入金の最高限度額を総会の議決で決めなければ、借り入れをすることができないが、本件貸付がされた事業年度にはこれを定めていない。」(第1審判決8頁~9頁)と認定したが、本件組合が災害対策資金の借入れのために定款変更を議決したことが最高限度額の議決をしたことと「同視し得る」として違法ではないと判断した。しかし、定款変更はただ貸付事業を行うというもので、借り入れる話とは全く「同視」できるものではない。本件理事会で問題になっているのは借入金のことであるから、本件組合が資金を借り入れるという議決のためには総会で特別議決が必要なのである。それなしに理事会で勝手に大枚の資金借り入れを決議した場合は、その議決は総会のバックアップがなければ無効たらざるを得ない。法律で無効とされたものはあくまでも無効であり、裁判所が無効なものを有効と判断してもやはり無効なのである。
 このように理事会の議決は理事の定数問題だけでなくその内容においても裁判官の指摘がある通り議決できない事案を議決していて、無効であることは明白である。
③自己取引についての理事会承認議決の欠如
本件貸付金は小敷網を敷いている松吉保に対してであるが、その借主の名義はその息子で理事の松吉保彦であった。それはとりもなおさず親子が共同の借り受け人という事になるであろう。したがって名義上であっても松吉保彦は組合との間で金銭消費貸借契約を結ぶのであるから、水産業協同組合法第38条、本件組合定款第49条2項の定めるところにより理事会の特別議決でもってその契約が承認されねばならない。
本件理事会ではこの利益相反の自己取引についての承認決議はなされていない。
本件理事会が議決したのは組合が東洋町に対して1000万円を借り受けるという申請が承認されただけであって、組合と、事実上貸付が決まっていた特定理事との間の契約については何も議決されなかった。
 そもそも、本件貸付金(借受金)についての理事会は本件理事会以外になかったわけであるから、本件理事会で、借り受ける1000万円をだれに貸すのか正式に決定する必要もあったし、またその相手が理事(松吉保彦又は松吉保)であるなら、その理事との間の契約についても議題に挙げて決議する必要があった。
 もし松吉保彦は仮の名義人であり実質的な契約相手は正規の理事ではない松吉保であるとして、松吉保1人とすると、その場合、理事たちが第三者の利益のために組合と利益相反取引をするということとなるから、理事全員が特別利害関係人の欠格者となり、議決ができないことになる。(会社法第365条(356条1項準用))
 学校法人や医療法人などでは理事と法人間の利益が相反する場合は、所轄官庁が特別代理人を任命して事務を処理するという事になっている。
特別利害関係人とは、理事又は取締役が、自己または第三者のために債務の保証などその法人と利益相反取引を行う場合に、その理事又は取締役のことをいうのである。
いずれにしても本件理事会では本件貸付金(借受金)に係る利益相反取引について、いかなる議決もしなかったし、その後も本件貸付金についての理事会は開かれていない。
したがって、本件貸付金(借受金)についての理事会としては重大な欠陥を持ったまま終わり、してはならない議決を行ったというべきである。
5、本件理事会について第1審、第2審での申立人の主張
原判決の判示(「松吉保及び松吉保彦が加わらなくても、本件理事会決議がなされたと認
めるに足りる特段の事情は主張も立証もない。」)のとおり、本件申立人は第1審、第2
審において本件理事会の有効成立については積極的には何も主張しなかったし、むしろ、
それに瑕疵があったとしても総会の議決でその瑕疵は治癒されたという趣旨の主張を繰
り返してきた。第二審の答弁書でも「原判決が「11月3日の理事会決議には手続き上
の瑕疵がある可能性がある」と認定したことは明らかに間違った認定であって相当問題
がある」というのみでどこに問題があるか、どうしてその手続きに瑕疵がないというの
か何も主張もしていない。第二審の準備書面(5)でも「総会の決議は理事会の決議よ
り優先する」という風にむしろ理事会の決議に瑕疵があることを前提にした主張の仕方
となっている。
 第一審(高知地裁)でも理事会に言及したのは準備書面(2)だけであり、「・・・・何らかの瑕疵があったとしても・・・同組合理事会の瑕疵の有無を問題にする余地はない」などといって、本件理事会の成立については否定的か極力争点化するのを避けてきた。
 第1審高知地裁は本件申立ての相手方(当時原告)の請求を棄却したが、それでも理事会の不成立などで「違法な公金の支出という余地がある」と指摘している。
すなわち、平成23年11月3日の1000万円借入金の理事会決議には6名出席となっているが実際にはそのうち2名が出席していず、議決権者が過半数にならないという甲第21号証の指摘している点である。その時の理事会出席者というのは
     議長 桜井菊蔵
理事  井崎勝行    理事 桜井勇
理事  松吉孝雄    理事 松吉保
理事  松吉保彦 
以上6名であるが、事件後の組合の特別調査委員会が、そのうち桜井勇、松吉保彦は出漁していて理事会に出席していなかったから4人の出席では定足数8名の過半数に不足しているという事実を指摘していること、(第1審では利害関係者については問題にしていない)
また一方、組合総会において組合員から、そもそも辞任者が4人もおり理事の人数が絶対的に不足していて、理事会の決定などが無効になっているとの問題提起があった、という事実を認定し、調査委員会の指摘と相まって「理事会決議には手続き上の瑕疵があるという可能性がある。」と判示した。
第2審の判断はひとり特別利害関係人の問題だけでなく、上述のような理事会の定足数が絶対的に不足しているという第1審裁判官の指摘も前提にしているものと考えられる。
【四】結論
上告審は、憲法・法令やこれまでの最高裁などの判例に係る事案についてのみ受理し審理することになっている。
本件申立て理由書は、第1審、第2審でほとんど実質的に争わず、まともな主張もしていないばかりか、その成立を自ら否定的に評価していた本件理事会の成否について新たな事実を元に主張をしているものである。その主張を根拠づけるものとして本件申立て理由書(2頁~3頁)が挙げるのは、東京高裁及び大阪地裁の2つの判例であるが、これら判例では、本件申立て人の主張は裏付けられていない。
前者東京高裁の判例では取締役の議決権行使が利益相反する事例ではないと判示されているし、後者の大阪地裁の判例ではまさに利害関係人が議決権を行使してその議決が無効とされた事件である。
ただ、その判例タイムズなどの解説の中で本件申立人の言うような特別利害関係人を控除して云々の説が紹介されているだけである。何の判例違反なのか不明であり、何の法令に抵触するか不明であって、一般論(通説)として特別利害関係人の取り扱いを論じた解説の一論理を本件に機械的に適用することを求めるに過ぎない。
しかし、その判例解説の、控除の論理を採用するにしても、その控除の前提になるのは、本件組合の正規の理事である。本件申立てはその理事について組合総会で正規に選任されていないものを新たに出してきたのである。
第1審第2審では本件理事会を構成する正規の理事については本件申立人側が本件理事会の成立についてむしろ否定的な見解を述べ続けていたこともあって、明確に確定していない。
本件理事会の成立については第1審第2審を通じて申立人自身が否定的見解を述べ続け、第1審裁判官も理事の絶対的定足数に「瑕疵がある」、「違法な公金の支出の可能性がある」と指摘し、第2審では特別利害関係人の点からその成立が否認された。 
事実の審理をしない上告審であらためてこれを取り上げるとなれば、本件のようにいくらでも架空の事実を言い立てそれに特定の論理を付会して上告審で争うことができるという事になるであろう。もしそうであるなら、まさにその架空の事実について最高裁でも審理することを避けることはできない。すなわち、利害関係人控除の論理とともに、正規の総会で選任された理事をもとにしてその論理を適用するのか、それとも、部外者も含む過半数の特別利害関係人で構成された虚偽の理事名簿でそれをするのか、判断は避けられない。

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2015年10月30日 (金)

尾崎県政

News & Letters/444

尾崎正直がまたしても無投票当選。県議会でも議会外でも尾﨑正直を批判するのはほとんどいない。

最近共産党が伊方原発の県で尾﨑正直に抗議をしたが、さいきんになってやっとだ。
尾﨑正直はずっと以前から原発稼働賛成だ。高レベル放射性廃棄物の受け入れについては、はっきり否定した。

私が町長の折に直接確認したことだ。だが、伊方原発については一度も批判的になったことはない。

四国電力と「勉強会」をやっている、というが、その「勉強会」も四国電力の言い分を受け入れるための勉強会であって、原発の恐ろしさ、使用済み核燃料をどうするかなど本質的な勉強、県民を放射能から守るためにはどうするかなどは一切勉強していない。伊方が事故を起こせば、愛媛県と同じ程度に高知県も深刻な被害を受けることは明らかだ。
尾﨑正直には福島原発事故によっても原発の危険性を考えたり、想像する能力もない凡庸な男に過ぎない。

姿形は立派だが、県民を湧き立たせるような発想、従来の利権体制を破壊するような恐ろしさがまるでない。
それどころか、談合業者のボスたちへの処分の縮減などは利権温存勢力として県庁を維持するということだ。

原発だけではない。
尾崎県政全体についても誰もまともに批判する者がいない。尾崎県政は橋本県政以上に無為無策、無能行政であって、新しい事業も見えず、旧態依然とした事なかれ主義で、県勢浮上は一寸も進んでいない。
それどころかブレーキもなく県勢後退中だ。ゴスターン行政に批判もせず提言もせずその船に乗って眠っているのが高知県議会だ。

南海地震による津波対策でも、避難タワーなどの防災施設の予算が半分ほども消化されなかったという報道があったが、市町村がやらなければ県が自らやるという気概も県民への思いもない。南国市などを除いて高知県沿岸や0メートル地帯の高知市中心部などはいまだに無防備都市のままだ。

地方分権だとか地方創生だのなんだのというが、地方が今日のように頽落しているのは、地方の首長や議会に座っている連中が、無能であり、まったくやる気がないからである。頭脳が眠っているか麻痺しているから胴体がしなび衰退する。

だから、知事選も市町村長選や議会選挙でも、民衆に見放されて無関心、無投票となる。
知事も、県会議員も住民にはまるで存在感がない。全然役立たずだからだ。
役立たずであっても巨額の報酬や手当は湯水のように使う。
共産党などを除いてほとんどの県会議員が政務調査費の請求で宿泊費の領収書をいまだに提出していない。

証拠もないのに請求してくる議員に対して知事尾﨑正直はこれを拒絶できない。
県会議員だけではない。高知県選挙区の国会議員も高知県のためにはほとんど何もしていない。

国道55号線が台風のため8か所の土砂崩れで例のごとく通行止めとなった。それは単なる自然災害ではない。
それはそういう風に国道が作られているからである。通行止め区間の東洋町野根~室戸市入木間は大雨が降れば山からの土砂が道路に落ちてたまるように作られている。要するに国道が水交じりの土砂受けとなっているという道路なのである。

土砂や大水が出る個所では当然相当な排水路や谷が造成され道路には橋梁が設置されなくてはならない。大水や土砂が道路をくぐって海岸や海に落ちるようにすべきなのだ。
徳島から室戸・高知へ抜ける三津坂トンネルは県道だ。おそらく県下の県道数多くあるうちで、交通量では3番以内に入るという高知県東部の枢要な道路のトンネルであるが、そのトンネルのほとんどは素掘りである。素掘りのままというトンネルは全国的に珍しいであろう。

菊池寛の「恩讐の彼方に」という小説の青の洞門を思わせるトンネルだ。
しかも交通の要所である。天井の岩から水がしたたり落ちている。壁はごつごつの岩だらけで不気味だったが私らがうるさく言うのでセメントを吹きかけて表面的につくろってはいる。トンネルは暗く、大型車両は行き違いができないので入り口で待たねばならない。何の支えもないから南海地震が来れば壁が崩落し埋まってしまうであろう。

これについては私が室戸市議の時代に山本賢聖議員らとずいぶんと骨を折り改替工事のルート設計図まで県が作っていたが、いまだに着工しない。まるで封建時代の行政が高知県に残っている。

高知県勢の浮上は何よりもこれら無能で無気力な首長や議員、それのもとで手足を伸ばしてのうのうと働いている幹部職員らを粛清することから始めねばなるまい

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2015年9月30日 (水)

東洋町不正事件の住民訴訟準備書面

News & Letters/440

平成25年東洋町のヘリポート設置のための土地の購入についての裁判が明日高知地方裁判所で11時55分に開かれます。

2筆の山地をヘリポートと付属倉庫の建設のためと言って買ったのに有力建設業者が地主の一つの山地(約5町)には全く何も建てず、もう一つ(16町)には5反ほどの面積に施設を 作ったが大半(15町5反)は不要であり無価値のものであった。前者の1町の単価が400万円、後者が200万円という破格の値段だった。
これは住民訴訟というより背任罪で検察庁で扱われるべきものだ。

平成27年(行ウ)第7号 損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 東洋町長松延宏幸

          原告準備書面(2)

平成27年9月29日 
高知地方裁判所 殿
                    原告 澤山保太郎

原告は原告準備書面(1)で被告の本案前の主張(答弁書)について反論したが、以下の通り被告準備書面(1)について答弁書と合わせて今一度意見を述べる。

一、 監査請求の期間についての最高裁判例

請求の期間については、地方自治法第242条1の2に規定があるが、「前項の規定による請求は、当該行為のあった日または終わった日から一年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときはこの限りではない。」という簡単なものである。

1、昭和53年6月23日最高裁第3小法廷はある町の町長と収入役の損害賠償義務について、財産の管理を怠る事実については地方自治法の期間制限はないという趣旨の判断を示した。

2、昭和62年2月20日最高裁第2小法廷は、新潟県のある町の町有財産の随意契約に基づく売却処分をめぐる住民監査請求について

「監査請求が、当該普通地方公共団体の長その他の財務会計職員の特定の財務会計上の行為を違法であるとし、当該行為が違法、無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としているものであるときは、当該監査請求については、右怠る事実に係る請求権の発生原因たる当該行為のあった日または終わった日を基準として同上2項の規定を適用すべきものと解するのが相当である。」
と判断し、53年判決に例外(いわゆる「不真正怠る事実))があることを示した。

3、さらに、平成14年7月2日最高裁第3小法廷は、上の「不真正怠る事実」といわれるケースでも例外があることを示した。公共工事に係る談合事件で県が損害を被ったという事件についてである。

「怠る事実については監査請求期間に制限がないのが原則であり、上記(62年判決)のようにその制限が及ぶというべき場合はその例外に当たることにかんがみれば、監査委員が怠る事実の監査を遂げるためには、特定の財務会計上の行為の存否、内容等について検討しなければならないとしても、当該行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にはない場合には、これをしなければならない関係にあった上記第二小法廷判決(62年判決)の場合と異なり、当該怠る事実を対象としてされた監査請求は、本件規定の趣旨を没却するものとはいえず、これに本件規定を適用すべきものではない。」     (  )内は原告の注

二、本件と上掲最高裁判例について

このほかにも住民監査請求の期間制限に関する重要な判例はいくつもあるが、住民側への監査請求期間の制限については、全体として緩やかになり、問題の行政側には厳しい判断となる傾向である。
被告が依拠した昭和62年判例と平成14年判例とに照らし、本件について検討する。

1、 昭和62年2月20日の最高裁判例

この判例の事案は、町有財産である土地の売却が時価に比して著しく低額であるとして住民が監査請求をしたものである。土地の売却という財務会計行為の違法行為についてはその売却行為についての監査請求が本来であり、その場合は1年以内の請求期間に限られ、その違法行為によって発生した損害賠償の請求権についての行使がなされていないとする監査請求については裁判所は怠る事実とは認めない、というものである。

被告はこの判例をストレートに本件監査請求に機械的に当てはめようとしているが、この最高裁判例が適正であるとしても、本件の監査請求の内容について、この判例を適用するべきかどうかきわめて疑問であると考える。

第1に、東洋町の本件事案の監査請求は、土地購入の財務会計行為の事実から出発しているが→その内実は土地の活用・管理の点に重点が置かれ、活用されていない、またはその計画がない土地について糾明していることは明らかである。
その証拠に、土地代金、購入価格が法外に高額であると指摘しているが、時価との差額を問題にしているわけではない。あくまで利用されない土地について地主への代金または土地の返還、またはその分について責任職員の賠償を求めている。

62年判決では、違法な土地売却代金の請求権不行使という財産管理が対象であったが、本件の場合は、売買契約の契約行為の違法性ではなく、購入した土地の財産管理の違法性を問題にしているのである。

 2、平成14年の最高裁判例 

上に掲示した平成14年7月2日の判決は上掲の原則的な基準を具体的事件に適用して次のように判示した。
「本件監査請求を遂げるためには、監査委員は、県が同被上告人と請負契約を締結したことやその代金額が不当に高いものであったか否かを検討せざるを得ないのであるが、県の同契約締結やその代金額の決定が財務会計法規に違反する違法なものであったとされて初めて県の被上告人らに対する損害賠償請求権が発生するものではなく、被上告人らの談合、これに基づく被上告人横川電機の入札及び県との契約締結が不法行為法上違法の評価を受けるものであること、これにより県に損害が発生したことなどを確定しさえすれば足りるのであるから、本件監査請求は県の契約締結を対象とする監査請求を含むものと見ざるを得ないものではない。
したがって、これを認めても、本件規定の趣旨が没却されるものではなく、本件監査請求には本件規定の適用がないも  
のと解するのが相当である。前掲第二小法廷の示した法理(昭和62年判決)は、本件に及ぶものではない。」

  本件東洋町の場合でも、確かに、原告は売買契約やその金の支出について問題にしないわけにはいかないが、あくまでもその購入した土地の利用状況を問題にしたのである。
また、売買契約の違法性については、施設建設の予定用地に何の施設も建設しなかった、もともと建設の予定もなかった、虚偽の議会説明をし、その土地を買ったには、利権がらみの不法行為があったのではないかと指摘している。すなわち土地の売買契約自体がのちの経過から判断して、実質的には背任行為である趣旨をも主張しているのである。

  談合や権限乱用などの不法行為がある場合には、財務会計行為の違法性とは独立して、その不法行為による損害についてはたとえ請求期間の超過があっても、住民監査請求の怠る事実について法の期間制限規定から除外されるというのが平成14年7月2日の判断である。
 法外に高い価格で買ったことは措くとしても購入土地に議会で説明した施設を建設せず放置して地主である町内の有力業者や大地主に不当利得を得させようとしたという事実は、単に財務会計行為の違法性を超えて、明らかに刑事上の違法性、権限乱用、背任などの犯罪の領域の事件である。
町の監査委員は、売買契約の締結など財務会計行為と離れて、被告のこの犯罪的事実に基づいて原告の請求の当否を判断することもできた。

 3、被告が挙げる平成14年9月12日の最高裁判例

  原告準備書面ですでに述べたがこの最高裁の事件は京都市の同和対策関係のずさんな報償費の支出事件についての住民監査請求であるが、被告答弁書3頁の主張はこの最高裁判例を誤読しているのではないかと思われる。
この最高裁判例は二つの事件であるが被告が挙げたのは平成10年(行ツ)第69号の方であろう。判決文によると、
原審大阪高裁判決では、当該監査請求は法の規定する1年を経過していること、徒過したことにつき正当な理由が存在しないことを挙げて、「適法な監査請求を経たものではない」として住民訴訟を却下した。正当な理由の不存在については、予算書、支出命令書、金銭出納帳などが秘密にされたわけではないということであった。
原審の判断について最高裁はこれを是認することができないとして、次のような判断を示した。

①当該行為があってから1年を経過してから監査請求がなされた。したがってそれにつき正当な理由があるかどうか検討しなければならない。
「当該行為が秘密裏にされた場合には、同項ただし書きは、「正当な理由」の有無は、特段の事情がない限り、普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて当該行為を知ることができたかどうか、また、当該行為を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである。」

②「そしてこのことは、当該行為が秘密裏にされた場合に限らず、普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかった場合にも同様であると解すべきである。」

③「したがって、そのような場合には、上記正当な理由の有無は、特段の事情のない限り、普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである。」
最高裁は、このような判断基準を設定して事件について具体的な判断を下した。
すなわち、京都新聞の不明朗支出の報道がなされた期日をもって
「市の一般市民において相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件各財務会計行為の存在及び内容を知ることができたというべきであり、第1審原告らが同日ころから相当な期間内に監査請求をしなかった場合には、法242条2項ただし書きにいう正当な理由がないものというべきである。」
と判示し、住民側の監査請求に正当な理由があるとして原審に差し戻した。

④ここで注意すべきなのは、最高裁は、支出関係の公文書類の存在を知りえたというだけではなく、それが「不明朗」であるとか「使途不明」であるとかの新聞報道の存在を挙げていること、その新聞報道のあった期日を住民が監査請求ができる起点としている点である。すなわち
「前記事実関係によれば、支出金ア及び支出金イに係る各支出は、支出決定書及び支出命令書において種別、科目及び支出理由を明らかにしてされたものではあるが、その具体的な使途については、第1審被告Aが持っていた領収書と京都市会計規則に準じて作成した金銭出納帳に記載されていたというのである。そして記録によれば、

〈1〉平成元年12月12日、毎日新聞および朝日新聞は、同月11日開催の市議会普通決算特別委員会において、昭和63年度中に報償費名目で市民生局同和対策室長当てに3回に分けてされた計340万円の各支出は領収書がなく使途を明らかにしないまま行われた不明朗な支出である旨が指摘された事実を報道したこと、

〈2〉同月13日、京都新聞は、同月12日開催の市議会厚生委員会に置いて、市の昭和63年度決算の中に報償費名目で同局同和対策室長あてにされた計340万円の各支出は領収書等がないまま行われた不明朗な支出である旨が指摘された事実を報道したことが明らかである。そうすると、遅くとも平成元年12月13日ころには、市の一般住民において相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件各財務会計行為の存在及び内容を知ることができたというべきであり、第1審原告らが同日ころから相当な期間内に監査請求をしなかった場合には、法第242条2項ただし書にいう正当な理由がないものというべきである。」

一般市民が、公文書類だけをいくら見てもよほどずさんなものでない限り、監査請求をする契機としてとらえることは困難である。専門の行政マンが自分たちが作成する文書や広報などに不正が露見するような記述をすることはありえない。何らかの方法でその文書の内容が実際とは違っているとか、異常であるなどの事実を知らなければ住民は監査請求を起こすことはできない。

しかるに被告準備書面は、町のホームページとか議会だよりだとかの本件事業に関して被告が出した情報で住民が不正疑惑を起こすことが可能であり、「監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができたと言える。」というのである。
被告が主張するように、ただ認識する、知るというだけではなく、最高裁が言うのは「監査請求をするに足りる程度に」特定の財務会計行為を知るというのである。
監査請求をするには、一つの事案について不正や不当な事実を把握するかまたは疑惑を起こしたりすることが前提となる。上掲平成14年9月12日の最高裁判例では、当該行為に問題ありの複数の新聞報道を監査請求の決定的な契機とした。

本件の場合予算措置や議会での承認の事実があり、土地購入の事実を住民が知っても、議会説明通りの施設が建てられるかどうかは、すべての施設の建設が終わらなければわからない。購入した土地が目的通り使用されるかされないかということを判断するのは、購入時点では不可能である。それを知ることができた時点から相当な期間内に監査請求をしておれば期間制限の法の適用はないのである。

平成25年本件購入土地の上に施設が建てられたのは平成25年~26年であり、建設請負代金の最終支払いは平成26年11月10日であった。それから半年以内に次年度の計画の有無などをうかがいながら本件監査請求はなされた。むしろ、土地利用の件では早すぎるといわれる恐れも無きにしも非ずであったが、平成27年3月末日の被告の説明を聞いた段階で監査請求に踏み切ったものである。本件監査請求は、議会での質疑や新聞報道を契機にしたものではないが、被告が依拠する平成14年9月12日の最高裁判例の基準に何ら違背するところはないと考える。

⑤なお付言するが、被告答弁書や準備書面(1)で当時の情報で十分監査請求をする材料を知ることができた、とか、不当に高い価格ではないかと疑うことができた、などとしきりに主張しているが、山林など土地の購入自体は、仮に住民が無駄だと考えたとしてもそれだけで監査請求の対象とすることは困難である。
価格の問題を別とすれば、現金を支払って町有地を増大させることはそれを直ちに財務会計上違法とすることはできない。現金が固定資産に転化しただけである。
原告は土地の価格が不当に高額に過ぎるという指摘はしているがそれの時価との差額を監査請求の対象にしていない。監査対象、違法行為の種別を選択するのは住民の権利であり、監査を受ける側が自らの他の不正をあげつらって原告に迫るというのは噴飯ものであろう。原告が土地の価格を問題にしなかったのは、本件で購入された土地のうちヘリポート及びその付属施設の造設に使われた土地は平地であり他にも宅地とおぼしきものもある。それらは相当な値打ちがあると判断した。その他の山地は十杷ひとがらげに不要な土地として返還されるか、かかった費用の賠償がなされるものと考えたから価格の差額は問題にしなかったのである。

特定目的の用地として土地を購入していながら、その目的のために土地を利用しない場合に監査請求は起こる。 

三、故意、過失について

1、被告は準備書面(1)の末尾で
「各土地代金の支出行為が違法であって、そのことにつき被告に故意、過失があったことを認める証拠はない。」
と主張するが、しかし、本件訴状及び書証には、

① 購入した2筆の土地とその価格、
② その土地の購入目的
③ 実際に利用した土地の範囲

これらが明確に立証されていて、まったく利用されなかったA土地、大半が利用されなかったB土地は、購入目的に反し違法ではないかとして訴えられているのである。
 被告は、この訴えについて誠実に答えるべきである。

2、他方、被告は答弁書で監査請求の期間について論ずる中で、
「東洋町がすでに防災用拠点施設整備事業用地として使用可能な町有地を有しおり、さらに用地を取得する必要がないにもかかわらず、1436番14の土地(48,961㎡)と1436番の1の一部の土地(160,564㎡)という防災用拠点施設整備事業用地としては使用に適さない部分を含む土地を購入したのではないか、また、その価格はいずれも不当に高い価格ではないか、それにもかかわらず被告が各売買代金の支出命令を出したのではないか、と疑うことができたのであるから、・・・・」
と、まるで住民側の口吻で原告の失策を追及する。このくだりで被告は、請求期間のことは別として、「疑うことができた・・・」などと言えるのは、本件監査請求の正当性を肯認しているということなのである。

  普通、被告であるなら、監査請求の内容について不当ないいがかりだとか言って憤慨したりして、その上に請求期間を徒過していると指摘する。
  被告の異様な主張ではあるが、請求期間の徒過が否定されたら、原告と被告の認識が一致したということで本件訴訟は直ちに原告の主張が認められるということになるだろう。被告は自分がした行為が、一般町民から厳しい疑惑の目で見られていることを自覚していると考えられる。

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2015年5月 6日 (水)

金権選挙

News & Letters/410

小松島署、牟岐署、室戸署、・・・・買売収選挙の摘発が続く。

南徳島、高知県東部の沿岸部の住民の実像が浮かぶ。これらは氷山の一角だろう。
地方の小さい町村長選では500票~1000票、市部では2000票も買えば、当選確実であろう。

町村議員では、100票、市議選では数百票買えば楽勝だということだ。
一票が1万円前後、数万円の場合もあり、一族で数十万円だから、きわめて魅力的で、
「誠意」のある候補者に親族の票を集中するのは当然のことだ。
売買の対象となる連中は毎回固定的で確実だ。

もちろん親戚縁者の運動員や議員には別途の手当てが配られるから基礎票はそれで固める。
民主主義は戦前から少しも変わらずまったく根付いていない。金が使われない選挙は「特異な」選挙であり、「普通の」選挙で金のない候補が当選するのはきわめて困難だ。

大きな市部では、金権腐敗選挙は相当薄められ、仕事ぶりや能力、公約などで当選できる余地もあるが、田舎の選挙では金権選挙を破ることはきわめて困難であろう。
一日1000円前後で暮らしを立てている孤独な有権者に1万円、まして数万円のプレゼントは感動さへ呼び起こすだろう。

  先途ほど遠し、思いを夕べの雁山の雲に馳す・・・・・

 都落ちする平忠度の高吟する声が私の胸に悲しく響く。

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2015年4月27日 (月)

幾たびか nobless oblige

News & Letters/409

この年になって、町長選挙か、もうやめちょけ、という声が聞こえるなか、
私は今3度目の東洋町長選挙に臨んだ。
今日が投票日で勝敗は誰も分からない。

だが、相当食い込んだことは事実だろう。

私が町長選に出たのは、第1に現町政に対する批判であり、
第2は、無論、当選して行政を実際に担当するためである。

第1の目的はほぼ達成されたと思う。市民新聞や後援会ニュースで現町政の問題点を明らかにした。街頭演説でも正々堂々と利権行政などを批判した。

第2の目標が達成されるかどうかは今の時刻では分からない。
私の様な戦前に生まれた人間が第1線で戦闘をするというのは、気恥ずかしい気もするが、しかし、年老いても、なさねばならないことはやる、ということだ。
外にやる人がいないから私がやるのである。

私はそれなりに高等教育を受け、親や家族、社会の恩恵を受けて人となった。
その恩に報わなければならない。曲がりなりにも高等教育を受けた者は、それ相当の国家社会への奉仕がなければならない。この混濁の世を横目に見ながら安穏と老後を養うわけにはいかない。

倒れて息を引き取るまで、この世に正義人道を打ち立てるために闘う義務がある。ファシズムに対して闘って死ぬるのはむしろ老人こそふさわしい。犬歯錯綜の戦線の前へ出て敵弾の盾となるのは老兵の役割だ。nobless oblige (noble obligation) いやしくも自分をインテリだと思う者は、常に前線に立て、という意味だ。

戦線。それは選挙であり、各戸ビラまきであり、裁判であり、開示請求であり、・・・・
反戦・反核、環境問題等種々の対権力大衆闘争である。

党は前へ、共産主義党員は常に最前線に立て。

     平成27年4月26日午後5時45分 

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2015年4月14日 (火)

告発状

News & Letters/407

最近の高知新聞のコラムに出た東洋町の不正1000万円融資事件は
貴社が真相が十分わかっていないようだ。
真相は犯罪なのである。貸した側も借りた側もずさんだったという問題ではない。
町の公金1000万円について町長と一部漁協幹部の共同正犯なのである。

        告 発 状
                        平成27年2月27日
高知地方検察庁殿 
                        告発人 澤山保太郎
                      
   当事者
      高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1  
       告発人 澤山保太郎
      高知県安芸郡東洋町生見758番地3 
       被告発人 松延宏幸

第一 告発の趣旨

被告発人松延宏幸(東洋町長)については平成23年11月に町の公金1000万円を災害対策として特定の漁師に不正に貸し付け、回収不能となっている。
下記のとおり刑法第247条の背任罪に該当する行為があると思量しますので、調査の上厳正な処罰をすることを要請するため告発をいたします。

第二 告発の事実

1、被告発人松延宏幸は東洋町生見に居住し、平成23年4月より現在まで東洋町長である。
告発人は東洋町大字河内に住む町民でホテル経営者である。

2、被告発人は、平成23年7月の台風6号で東洋町内の幾人もの漁師が被災した際、これを救済するとして貸付金制度(「東洋町漁業災害対策資金貸付規則」)を平成23年10月25日にこしらえた。町内漁業協同組合を通して被災漁民に「又貸し」するという制度であった。

3、しかし、被告発人は上記貸付制度について町民に告示もせず、被災者を公募もせず、予算全額の1000万円を特定1漁家(小式定置網漁業者M)に渡るよう野根漁協の一部幹部(当時組合長は桜井菊蔵)とあらかじめ談合し、高松高裁判決文に見るとおり不正な手法でこれを支出させた。
 すなわち、

4、不正な貸付手法

①被告発人は平成23年10月に被災漁家を救済するための貸付金制度(規則)を作った
というが、この規則は予算を伴うものであるから町議会でその予算措置が承認される前に制定してはならないという法律(地自法第222条第2項)を被告発人は無視し、野根漁協の一部幹部にそれを渡した。予算措置は同年11月7日の東洋町臨時議会であった。

②またこのような町民の福利を図る規則や条例を作った場合、町内に定められた掲示板
に公示して、町民に知らせなければならないが、被告発人はこれもしなかった。
 
③事前に貸付規則を手に入れた野根漁協の一部幹部らは臨時議会の前の11月3日に
理事会を開いたとして臨時議会の翌日に貸付金の申請を行った。
被告発人は野根漁協の貸付申請書を審査もせず直ちに受理し、大急ぎで貸付を実行(11月21日)した。その間町内の幾人もの被災者には何も知らせず、公募もしなかった。

④被告発人は貸付に当たって実際に被災した網やロープの実態がどうだったかについ
ては何も確認せず、又、貸付けた後この貸付金で本当に網などの漁具を購入したかどうか、現物はもとより領収書など証拠を何一つ確認しなかった。

⑤野根漁協からの借り受けの申込み書類に理事会議事録など理事の署名押印を必要とする書類があったが、それらに署名された理事の状況についても被告発人やその部下職員が確認した形跡がない。理事の状況については町議会でも大丈夫か注意されていたにもかかわらず、何のチェックもなく、結局理事会が成立していないという裁判所(1審、2審判決)の認定を受け、本件金銭貸借契約の無効が言い渡された。

⑥そもそも野根漁協は毎年1銭の余裕もなく、1000万円の大金を返済する能力もなかった。又、野根漁協は、組合員総会で借金の限度額の議決もしていず、金を借りるということ自体ができない団体であったことは調べれば容易に知ることができたはずである。

⑦また、貸付事業もできるように定款を変更したというが、定款変更の県知事の認可(平成23年12月5日)が下りる前に本件貸付は実行されている。
以上の重畳せる違法行為は、失念していたとか知らなかったという類の過失ではなく、被告発人らが通常他の事業では間違いなく遂行している適法な手続きを意図的に没却したものであり、強い意志でもって犯した違法行為であると考えられる。

4、町の損害

この公金1000万円を扱った当時の野根漁協役員は辞任しており、現在の野根漁協自体も正規の手続きを経た貸付ではない、被告発人と漁協一部幹部とが勝手に貸し借りしたものであるので漁協には債務はないとしてこの金の返済を拒否している。
実際にこの1000万円を受け取った小式網漁家Mは、元々返済能力が全くなく、数年前から操業もしていず、廃業同然である。被告発人はこの1000万円を回収するために、署名押印して貸付金を申請した当時の役員の誰にも請求していない。
高松高裁は昨平成26年12月18日町に損害が発生したとして、東洋町に対して被告発人から全額返済してもらうように命令した。

5、何のためか

この不正貸付は、被告発人が野根漁協の一部幹部と特定漁家の意向を受け入れ彼らの不当な利益に供するために町の公金1000万円を使って町に大損害を与えた、ということになる。
これは被告発人が、野根漁協の内紛(主導権争い)で、この事件の起こる数ヶ月前の町長選で味方をしてくれたS.Kグループにてこ入れをし、特定漁家(親子二人が理事という)に資金を供与することでS.K・I.Kグループが組合で優勢になるようにするための工作であり、事実これによって組合長の更迭に成功しS.Kが組合長になったのである。
S.K組合長らは以後この借入金1000万円を組合の借金にしようと数回にわたり臨時総会を開いたが、臨時総会は紛糾しいずれも流会となって何も決まらなかった。

被告発人は、正規の理事会も成立せず、漁協組合総会の議決もない、金銭貸借契約書自体も作成せず、貸主、借主双方の署名押印した契約書も存在していないのに、S・KやI・Kの求めに応じ漁協に貸し付けたと称して特定漁家を利し自己の政治的影響力を拡大するために町の公金を野根漁協の預金口座に振り込ませた。その金は1日のうちに特定漁家Mに渡った。公金を貸し付けるというのに貸借契約書も作成しなかったというのは、はじめから回収する意図はなく、町の公金をわがものと考え、相手を利するために使っても問題ないという被告発人の強い意志を示すものである。

6、その後の経過

漁協組合総会の流会の挙句S.K氏及びI.K氏は退任した。すなわちこの1000万円の金を組合の借入金にするという被告発人らの企図はくじかれた。
新しい野根漁協はこの借入金事件について調査委員会を設置し、野根漁協が正規に借り入れたものでないと断定し、一部組合幹部と町長による不正融資であると声明した。
その調査報告書は平成26年度正規の組合総会で承認され、町長からの返済の催促を拒絶した。そして、本件で高知地裁、高松高裁の判決があった。
告発人はこの事件を重視し、町の監査委員に調査し1000万円を回収するよう申し入れたが、小松煕委員らは被告発人を擁護して告発人の請求を拒んだ。
そこで告発人は住民訴訟に及んだ。

第1審高知地裁では、漁協理事会の不成立を認め本件1000万円の支出の違法性を認めたが、被告発人がその違法性について知らなかったとして賠償責任は免除した。
しかし、第2審高松高裁においてはがぜん厳しく、被告発人が違法性を認識できたとして被告発人松延宏幸に1000万円の賠償金の支払いを請求せよという判決を下した。

第三、立証方法

 1、高松高裁判決分
 2、高知地裁判決文
 3、告発人作成控訴理由書
 4、貸付金規則
 5、借用書
 6、理事会議事録
 7、野根漁協調査報告書
 8、事前協議資料

第四、添付資料

1、前記高松高等裁判所判決文、
2、前記高知地裁判決文

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