反核運動

2017年10月 9日 (月)

ノーベル平和賞

News & Letters/595
被団協の受賞はならなかったが、核廃絶を目指すNGO、ICANがノーベル平和賞を受賞したことはこの平和賞にとっても極めて有意義であった。ICANの活動、核兵器の全世界的廃絶の運動は、憲法9条を強く照射した。
今日核を持たないというのは、戦争のための武器を持たないということと同義である。
核武装をしないということは、戦争をしないということと同義である。
国連で核廃絶の条約に調印した国は、核保有国からの核の脅威、核攻撃をさえも無防備で対応するという決心を示した国々である。憲法9条の趣旨はまさにこの通りだ。
だが、一部の憲法学者を除いて今日日本の既成政党、日本共産党、社民党、を含め全政党が自衛隊は合憲だと主張している。
誰が見ても自衛隊の存在は憲法9条に根本から背反している。どの文字を取り上げても強大な軍隊と重装備の武器を持つ自衛隊は、憲法9条に違反している。だから自民党らは、憲法を変えよというのである。
憲法9条は日本国民の悲願であり、アジア人民の血でもってあがなわれた至宝である。
それは日本国民固有のものではなくアジア人民の共通の財産である。
それを変えるには日本国民だけでなく日本の侵略で永久に忘れることのない被害を受けたアジア人民の意思に問わねばならない。
今回のノーベル平和賞は、日本国憲法9条の正当性を明証するものであった。

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2017年7月29日 (土)

非科学的マップ

News & Letters/580

政府によって本日核のゴミ・高レベル放射性廃棄物の埋設適当地が発表された。
ほとんど全国の海岸部に埋めることができるというものである。
東洋町も適当ということだ。全国に点々と散在するという形でなく予想に反し面状に塗りつぶされた。

「日本の活断層」(東大出版)という活断層に関する代表的な著作では日本列島いたるところに無数の活断層が走っていることがわかっているが、そんなことは全然お構いなしでごくわずかな活断層が徐外されただけだ。

日本の地下はどこも断層だらけで水浸しだ。安定した地層などひとかけらも存在しない。
南海地震の直撃を受ける高知県や和歌山、三重県なども適地だという。

室戸岬の突端が外れるというのは福岡市での昨11月の公聴会で大学の先生が隆起の激しい土地としてすでに例示されていたが、その室戸市でも半分ほどは適地に入る。海岸部には人口の大半が集まっている。

室戸だけではない全国的に大勢の人が海岸部に集中して住んでいるが、石炭や石油、火山地帯は避けるというが人間密集地帯は避けないのか。極めて非科学的、だけでなく非人間的な作図というほかはない。

うまく埋め込むことだけが頭にあるようだが、事故のことも考えねばならない。
核施設は海岸部が危険だというのは福島原発で実証済みだ。事故があれば海洋がとめどなく汚染され放射能汚染が全世界に永続的に拡散する。

いかなる核施設でも火山や活断層と同じくらい海や川を避けるべきだ。
潜在的には、東洋町と同じように日本国の津々浦々は良好な漁場であり、そこに住む人々は核廃棄物に対して強いアレルギー反応があると考えられる。

必要なのは科学的だけではなく政治・社会的マップだ。狙われたところだけでなくこうなったら、核燃料や核廃棄物を拒絶する条例を全国の都道府県、市町村につくるべきだ。
それを表面化すれば政府の科学的マップの緑色図面はことごとくリオマス試験紙のように赤色に変わるだろう。

原発の稼働を止め、すべての原子炉を廃炉にするまでは、高レベルであれ何であれ、核の埋め立てを拒絶するべきである。

高レベル放射性廃棄物の地下埋設は何ら安全性が実証されていない冒険的事業にすぎない。
また、同じ理由で、原発敷地内外の中間貯蔵についても乾式であれ湿式であれこれを拒絶するべきである。

政府エネ庁が発表した核のゴミ科学的マップは、東洋町などごく一部の市町村だけでなく、全国的な核廃棄物の恐怖とアレルギー反応を巻き起こし、核廃棄物の元凶である原発に対する反対運動を全国に広めることになるだろう。そうしなくてはならない。

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2017年3月30日 (木)

大阪高裁の判決

News & Letters/562

高浜原発についての大阪高裁の判決は、玄海原発の福岡高裁判決(2016年6月27日)と基本的に同じ趣旨で、司法は行政に従う、原子力規制委員会という行政機関が決めた安全基準に適合しておればそれでよい、というものである。これはもう裁判所の自殺のような判決である。

この判決の趣旨について何ら法的根拠も示されていない。行政の決めたことについて批判的に分析することもしない。
安倍政権の意思を忖度したものというべきであろう。これは、憲法第76条第3項の規定
「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される。」

に違反する。良心や憲法や法令を打ち捨てて行政の決めたでたらめな基準に従って、権力の奴隷となる。

地裁段階では、まだ裁判官に良心が残っているものもいるが、高裁になると感性がほとんど麻痺していくのであろうか。
もともと国家権力を守る擁壁としての裁判所に多くを期待するのが間違いなのである。
裁判の意義は、勝つことによって人民の権利を守ることであるが、裁判を通じて真実を人民に知らせ、闘いを広めることにある。

そして、敗北の主な理由は、裁判官の良否にあるのではなく、人民の間に真実が十分浸透せず、そのため権力側がでたらめなことを言い続けることができている状況にある。

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2016年12月 9日 (金)

共産党の綱領

News & Letters/539

 日本共産党の綱領(2004年1月改定)の中で、原発という文字は一字も見えない。
エネルギーに関連する文章は次のところだけである。

「四、民主主義革命と民主連合政府」の章で「経済的民主主義の分野で」の箇所で
「3 国民生活の安全の確保および国内資源の有効な活用の見地から食料自給率の向上、安全優先のエネルギー体制と自給率の引き上げを重視し農林水産政策、エネルギー政策の根本的な転換を図る。

 これでは、原発に反対かどうか、何のことかわからない。むしろ、原発推進と受け取られる可能性すらある。
 「安全優先のエネルギー体制と自給率の引き上げ」では、電力会社の原発推進の宣伝文句と酷似している。
  使用済み燃料の再処理による核のリサイクルでは電力会社や政府はエネルギーの自給だとうそぶいている。「エネルギ^-政策の根本的な転換を図る」といっても何から何へ転換させるのか全く分からない。

 チェルノブイリ原発事故から相当たっている2004年に、脱原発・脱化石燃料→再生エネルギーへの転換という明確な方針がなぜ綱領に出せなかったのか。
原発は放射能汚染で人類の生存をも危機に落とし込めているし、化石燃料とともに地球温暖化の巨大な装置なのである。
  野党共闘で日本共産党の重みは誰も否定できない。いい加減な綱領はいま直ぐに改訂し、市民と野党共闘の闘争に反原発・反核兵器の戦略を基軸に据えなければならない。

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2016年11月26日 (土)

言論の封殺

News & Letters/537

 私の言論に対する封殺攻撃は幾回かあった。

一つは、全国部落研と中核派との路線論争である。
この論争に対しては橋本利昭らが私に対して2組の糾殺隊を組織して白色テロを実行して封殺に成功した。糾殺隊の隊長はFとYであったという。この白色テロによって澎湃と台頭していた革命的な解放運動がつぶされた。

大衆運動を指導中の反対派を暴力でつぶすというのはスターリン主義の真髄でありマルクスレーニン主義とは正反対の反革命そのものだ。

次に、私が東洋町の町役場に入って、行政内外の不正行為を次々と暴きこのブロッグに載せたが、それに対して一部の町民からブログそのものをやめろという攻撃が続いた。しかし私は断固としてこれを拒否した。

今、私が九州で反原発の運動を展開してきた。それは九州の人の要請であり、私もやらねばならないと決心してやっている。

しかし、最近の私の本ブログなどの言論について厳しい査問とも思える規制行為を受けた。
私の主張は、政府文科省の地震調査研究推進本部の「新レシピ」を原発再稼働の裁判や運動で主張すべきだ。

そのレシピでも電力会社が各原発で設定した基準地震動の値を大きく超過し、原発は動かせなくなる、というものであるが、これは何も私の独創ではなく、すでに全国各地の反原発住民訴訟で重要な戦いの武器として使われているし、脱原発全国弁護団連絡会(海渡、河合弁護士らが主導)も原子力規制委員会に対し、このレシピに基づいて全国の原発の過小な規準地震動を計算しなおせという「要請書」を出している。特に「若狭ネット」で大阪府立大の長沢教授がこの政府のレシピの住民裁判での活用を強調している。

だが、玄海原発に対する二つの陣営がやっているそれぞれの裁判では、このレシピに基づく主張は何も出されていない。裁判で有力な新証拠を取り上げることが重要なことは言うまでもない。他の裁判闘争で活用している武器をどうして使わないか不可思議だ。佐賀を拠点する二つの陣営のうち一つが、そのレシピで計算すれば玄海の竹木場断層についての規準地震動は、現行の520ガルをはるかかに超えることが確認された。

それでもこのレシピを使わないという。政府の推本が、このレシピを作ったのも市民側の地震学者たちの批判活動の結果である。

武村方式に比べれば完ぺきとは言えないかもしれないが、政府推本のレシピでも全国の原発の現行の基準地震動を超えるという事実は、電力会社や原子力委員会にとっては脅威であり、裁判では窮地に立たされる。原子力委員会や経産省は政府部内、地震学会でも孤立しているという状況だ。

だが、佐賀の裁判闘争をやっている人たちは、これを取り上げようとしないばかりか、その状況を私がブログで明らかにしたことについて「私たちの裁判をつぶす気か」などと罵倒を浴びせ、ブログやメールで取り上げることを止めろという圧力をかけてきだした。
それはほとんど査問に等しいものだった。その男達は平然と言う。「九電などへの質問など運動面でその「新レシピ」を出さないことにしたのも私たちの裁判に影響があるからだ」いったいこの男は何者なのだろうか。誰かに対する「信義」を大事にしなければならないという。その誰かの計算でも新レシピは九電の基準地震動を超えるという数値を出していた。

それでも、それを使わないという。使わないというその理由に合理性があるであろうか。かれは、そのレシピについてずっと前から知っていて、使わないことに合理的理由は何もないことも知っている。論理的に言えば、合理的理由がないということは不合理な理由ということだ。それで勝つかもしれない有力な証拠を裁判で使わないということでは、非難を浴びるだろう。

糾殺隊の暴力なら私も黙らざるを得ない。命を惜しんで逃げなければならないからだ。しかし査問ぐらいで私の言論を封ずることはできない。今このブログでは実名を伏せているが、不当な言論封殺には、合法的ないかなる対抗手段も辞さない。玄海原発のもとに九州や中四国の人間の命がかかっているのである。

会計や人間関係など団体のプライバシイは守らねばならない。だが運動論や裁判方針などは、公然と討論されなければならない。大衆団体は党派ではないのだから、結果だけでなく、結果に至る論議もオープンでなければならない。党派を含むいかなる組織も官僚的な統制や暴力による抑圧で内部の異論を封殺してはならない。大衆運動の中で民主主義は鍛えられねばならない。自由な言論は民主主義の根幹である。

 明治二年、地元佐賀藩の首班に就いた江藤新平は民主主義でも現代を超えるような構想を持ちそれを実施しようとしていた。すなわち「民政仕組書」である。それによれば、直接民主主義を基盤にして議会と行政組織を確立しようとしていた。

人民は、各戸から200人単位の直接民主主義の議会に全員が参加し、投票で行政担当者を選らび、諸事を審議決定し、行政を質すこともできた。

このような思想を生み出した佐賀での大衆運動は、権力者に民主主義を要求するだけでなく、江藤の構想に沿うような民主主義を自ら実行しなければならない。
党派でも大衆運動団体でも、言論統制は人権侵害であり、してはならない。異論や少数意見の中に真実や勝利のカギが胚胎しているかもしれないのである。

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2016年11月21日 (月)

原発の規準地震動

News & Letters/536

九州の玄海原発に対して二つの訴訟団がある。私が所属しているプルサーマル裁判の会と「原発なくそう九州玄海原発訴訟」の会である。両方に特徴のある有意義な訴訟だ。
だが、共通したものがある。両方の訴状や準備書面を見ても政府「地震調査研究推進本部」の「修正レシピ」又は最近の「新レシピ」が出てこない点である。

他の原発の裁判では住民側が政府作成のそのレシピを強く押し出して、それで計算せよ、そうするとほとんどの原発はそれぞれの電力会社が作成し規制委員会が認めた基準地震動を超過し、再稼働ができなくなる。と主張している

。両方の規準地震動に対する批判、一方では入倉方式はだめだ武村方式を使えという主張、他方では基準地震動が過去の地震の平均像にすぎず、平均を超える地震動が無視されているから、基準地震動そのものが無効だ、という主張はその通り正しいと思う

しかし、その主張に加えて、政府作成のレシピの試算を示すことを入れてもその主張を何も損なうことはないだろう。むしろ、それぞれの主張を補強する証拠となるし、裁判官や一般国民には分かりやすい。規準地震動というのは原発が受けるであろうと想定される最大の地震動のことである。

各原発の定めている基準地震動は政府の作成した計算方式で計算した地震動の数値を大きく下回り、原発施設の耐震性がない、という話は難しい地震学の話が分からない者でもだれにでもわかるし、素人の裁判官に受けやすいだろう。まさか政府の定めている計算方式を裁判官が電力会社と一緒になってこれを否定するわけにはいかないだろう。

裁判に勝利する、原発を止める、ということより以外の目的があるのではないか、という深い疑念を持たざるを得ない

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2016年11月10日 (木)

反知性の勝利

News & Letters/534

憎悪と弱者いじめ、金と暴言、反知性が選挙に勝った。
トランプ、フィリピン大統領、金正恩、そして安倍晋三、橋下徹・・・・反知性派たちがこの世を牛耳る時代。

ただ黙然と空を仰ぐのみ。反知性派は、いかなる不合理なことでも、人類の生存がかかるようなことでも狂気のうちに平気で遂行する。

例えば原発推進は、反知性派の象徴的な事業だ。狂った連中がやることだから、なかなか止めるのが難しい。しかもこの連中は政治権力に貪欲である。

民主主義は、この反知性派の優勢的な登場を抑えることができない。理性的人間は、この地上では少ないし、政治活動を疎んずる傾向があるからである。

従来の民主主義に代わる新しい民主主義の思想が必要であろう。

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2016年11月 9日 (水)

誰がために鐘が鳴る

News & Letters/533

誰がために鐘が鳴る

Never send to know for whom the bell tolls,
It tolls for thee.

昨日、プルサーマル裁判の会の佐賀事務所で、先に行われた3県にまたがる原発事故避難訓練の観察報告会が開催され、それらは貴重な学習材料となった。

参加した行政や関係住民のずさんな訓練の姿が映し出され、とても本番では対応できない、何のためにやっているのかさえ分からないものだったということであった。

私が知っている南海地震による津波を想定した避難訓練の方がはるかにましであろう。
なぜこういう結果が毎回くりかえされるのか。
それは段取りが悪いとか、設備が不十分だとか、・・・そういう段階のものではないだろう。

それは原発事故の恐ろしさ、福島事故を対岸の火事のように見ている意識の低さが反映しているからに他ならない。県や市町村の行政関係者が第一に原発事故が起こることについて現実的感覚が全くない。

唐津市役所の公務員や議員のように熊本地震級の地震が原発を直撃しても原発施設の健全性は損なわれない、という見解を堂々と市議会本会議で答弁し、その答弁について誰も何とも反応しなかったのである。

このような危機感のない人間たちが、避難訓練だといって集まっても何ができるだろうか。
だが、問題はそんなところにあるのではない。
その弛緩しきった避難訓練を観察してあざ笑うことはたやすい。
だが、誰が誰をあざ笑うのか。

そのような避難訓練の実態は、この佐賀県周辺の公務員や住民の低レベルの危機感しか持たせなかった我々の問題に返ってくるのではないか。
あざ笑うのは、我々の努力のなさ、われわれのこれまでの運動の姿を笑うことになるのではないだろうか。

後藤曜子(立命館大学出身)さんという人がプルサーマルをやっている玄海原発の事故のシュミレーションを作ってネットで公表していた。
それによると、最悪のシナリオでは、玄海町など原発周辺の3町村数万人の住民は全員急性死亡、旧唐津市8万人のうち7万5千人も急性死亡・・・・という悲惨な想定がなされている。この想定を拒むことができるであろうか。

福島と違って玄海原発の場合は海の方から陸上に風(西風)がほとんど常時吹いている。
放射能の濃厚なプルームは玄海町や唐津市を長時間にわたって完全に飲み込み、佐賀、福岡、長崎をも包み込み、中国四国地方に広がって放射能が人々の肺腑に浸透するだろう。
このような想定をほとんどの公務員も住民も知らない。無知ほど強いものはない

。死が迫っていても泰然として暮らすことができる。この死のシナリオを我々はどれだけ人々に知らせたであろうか。人々は電力会社の金で潤うマスコミの安全神話に浸され続けている。
それに勝る情宣活動を我々はどれほどしてきたのであろうか。

避難訓練のみじめさをあざ笑うのは、我々の運動のみじめな努力の低水準を笑うのではなかろうか。

中世イギリスの詩人牧師が歌うように語った

誰(た)がために弔鐘(かね)が鳴ると思うなかれ、そは汝のためなるぞ。
という言葉を心に響かせば、人を見て笑っている場合ではないだろう。

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玄海町民の監査請求書

News & Letters/532

玄海町民による反撃が始まった。玄海町長岸本に対する住民監査請求です。
原発5キロ圏内の住民の健康診査が昭和48年~平成22年まで行われていた。
約3000万円の公金をかけて実施されたが、その報告書は一切公表されず、破棄または隠匿されてきた。

開示請求しても、保存期間を過ぎて不存在という回答である。
玄海原発周辺の住民の健康状態についてはすでに森永徹氏が統計資料を使って明らかにしており
原発から放出されるトリチウムが原因で白血病の異常な罹患率として表れていた。
玄海町の健康診査も森永氏の分析結果と同じものが出ていたと強く推定される。
それがゆえに玄海町長と九電はその診査結果報告書を抹殺しようとしているのであろう。
監査請求書は、藤浦町議らによって明日朝9時に玄海町監査委員に提出される。

玄海町職員措置請求書(住民監査請求書)

                   2016年 月  日
玄海町監査委員殿
                   請求者
                       住所
                      氏名
                    同
                      住所
                      氏名                          
                    同
                      住所
                      氏名
【請求の趣旨】

玄海町は、岸本英雄町長の公文書(「北部地区健康診査」報告書)の違法な破棄により、その文書作成に要した2921万3446円相当の損害を被っている。
また岸本町長らの違法行為により、医学的見地からも高い評価を得られる価値ある著作物である上記報告書について、少なくとも1千万円相当の著作権益を喪失した。
よって、玄海町は岸本ら関係職員に対し上記合計金額を玄海町に支払うよう請求する義務がある。

【請求の理由】

一、添付資料の通り、「北部地区健康診査」(これを単に診査と呼ぶ)は、玄海原発周辺直近の地域住民に限定して昭和48年~平成22年までほとんど毎年実行された。
玄海町はこの診査のために上記の公金を出費した。

この診査の目的は、時期や対象地域から見て新設された玄海原発(昭和50年1月28日臨界)から発する放射能の、地域住民の健康への影響について明らかにし、これを行政施策の参考にすることであった。このような診査が正規の行政機関で行われたのは全国ではこれ以外には存在しない貴重なものである。この診査の結果について岸本町長が議会や住民に全く報告もせず、秘密のうちに破棄またはそれと同等の処理をしたことは重大な背任的違法行為である。

その行為は、単に一文書の破棄にとどまらず、その長期にわたる診査とそれを集約した報告書の作成には上記の費用を要したのであるから、その公金を捨て去ったも同然であり、同額の損害を玄海町に被らせたものである。
また、その破棄行為は、同報告書が国内だけではなく国際的にも貴重な学術上の成果であることから極めて高額な著作権益を台無しにしたことになる。玄海町は、岸本町長ら関係職員に対し損害賠償の請求権を行使すべきであるがこれを怠っている。

二、玄海町議会議事録(平成28年3月議会)によると、この診査は、堀田医院など地元の医師たちに委託されて実行されたという。平成22年に終了した際に委託先から報告書が届いたというが、住民の健康には問題がないということで報告書が委託先に「回収」されたとの岸本町長の答弁があった。(町職員は請求人に対し初めはプライバシーにかかるので公開できない旨の口頭での回答をしていた。)
しかし、最近の請求人らの情報開示請求に対して、町側の通知書では厚生労働省令の5年の保存期間が過ぎているので、保存していないという回答であった。

三、しかし、玄海町文書規程第31条の文書の保存期間(別表第3)や32条の保存年限の計算では、その報告書は未だ保存期間中であった。すなわち、文書規程31条別表第3では、「重要な調査又は統計関係文書」は永年保存か又は「行政執行上必要な統計関係文書」と考えても10年の保存の義務があるものである。本件診査はその性質からして永年保存に当たることは明らかである。

もし仮に5年の保存義務としても請求人の藤浦が町議会で質問した時点(平成28年3月)、また、情報開示請求の時点(同年10月18日)では、その報告書は保存期間中であった。
保存期間中の公文書を確保しなかった事実、誰かに「回収」させたり、まして保存期間中に破棄した事実は、文書の破棄の刑事犯罪に該当すると思料する。

四、玄海原発周辺の住民の健康については、すでに森永徹氏の研究論文が存在していて、玄海町及び唐津市などでは白血病の罹患率が原発稼働の前に比べ稼働後に異常な高数値が出てきているという指摘がなされている。これは政府が発表している統計資料に基づくものであって何人も否定できない。森永氏はこの異常な数値の原因は玄海原発の異常に高いトリチウムの放出に原因があるのではないかという推定をしている。

福島第一原発など事故を起こした原発からの放射能の汚染は事故後も日に日に深刻になりそれが拡散して収まりがついていないが、事故を起こしていないとされる原発の通常運転で周辺住民に看過できない被害を及ぼしているとなれば、重大な人権侵害であり、そのことは本件診査報告書にも何らかの痕跡を残している可能性が高いと考えられる。
住民の生死にかかわる第1級の重要な疫学的調査の結果を違法な方法で破棄したことは天人共に許されない行為であり、その住民の健康上の損害額は本件請求額の何十倍にも登るものである。

  添付資料1  「北部地区健康診査に要した費用」(玄海町役場作成)
  添付資料2  玄海町議会議事録
  添付資料3  玄海町文書規程第31条別表第3
  添付資料4  森永徹 「玄海原発と白血病」

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2016年11月 1日 (火)

唐津市長への反論

News & Letters/531

唐津市議会で、唐津市の総務部長が、熊本地震級の地震が玄海原発を襲っても大丈夫だという暴言をはいたことについて市民が抗議の質問状を渡したら、開き直りの返事が来た。
その返事についてもう一度反論的質問状を送ることにした。その案文です。

坂井唐津市長への反論及び再質問
                      2016年10月 日
坂井唐津市長殿
                    玄海原発反対からつ事務所
                       代表 北川浩一
          
本年9月29日の私どもの機電への公開質問状についてご回答いただきお礼を申し上げます。このご回答の内容につき私どもが精査したところ、今日の市民の意識のレベルでは到底納得いかないようなものがあり、以下の点でご再考し新たなご回答をいただく必要があると思いますので、お手数ながら市民の生命と健康にかかることですのでよろしくお願い申し上げます。

一、回答の再考・再返答を求める

私どもの質問要旨:
本年6月13日唐津市議会定例会の本会議場で議員の質問への総務部長の応答で
「基準地震動レベルの地震が繰り返し発生をいたしましても、原子力発電所の健全性に影響はない」とういう九電からの報告を受けたとか、九州電力の資料によると「熊本地震クラスの地震が本市近くで発生したとしても、原子力発電施設の耐震性には問題ないのではないかという説明を受けた・・・」

という認識は何の根拠もなく、一般社会通念から言っても到底納得できない、市議会での答弁の根拠を示せ、

【唐津市長からの回答1】
唐津市長は【回答1】で市議会答弁の根拠として次の事実を挙げている。
1、原子力規制委員長田中が本年4月20日の記者会見で①重要な機器については弾性範囲に収まるようにという設計を求めている。②弾性範囲にあれば地震が繰り返しても何も起こらない。③熊本で起こっているような地震の繰り返しで何か起こるかということは、およそ考えなくてもよい。との趣旨の見解を述べた。

【我々の反論1】

1、田中委員長は「弾性範囲にあれば」という条件を付けた
 田中委員長の記者会見(熊本地震直後の本年4月18日及び4月20日)の発言脳趣旨については別記するが、市長の上の①②③を検討する。

①では田中委員長は、電力会社に機器類について「弾性範囲に収まるように」安全設計を「求めている。」というだけで玄海原発が安全設計が担保されているという趣旨ではない。

②では、「弾性範囲にあれば」という条件が付されているのであって弾性範囲であれば地震が何度来ようと耐えられるという一般的な判断にすぎない。
問題は、熊本級の地震が玄海原発の直下に襲来したとき、原発機器類の既定の「弾性範囲」が大丈夫かどうかなのであるが、田中委員長はそれには答えていない。

③では、田中のコメントは「熊本で起こっているような地震」という限定がついている。
 川内や玄海は熊本で起こった地震ははるかに遠くそれ自体では原発にほとんど影響がなかった、田中の発言は、記者会見の全応答から判断して熊本級の地震が原発直下で起こった場合ということでコメントしているとは読めない。
 唐津市議会での総務部長の答弁、及び我々の質問は熊本地震級の地震が玄海原発を直撃した場合を想定しているのである。

2、4月20日 田中委員長の記者会見の内容(速記録より)

田中原子力規制委員会委員長の記者会見での応答の実際の内容は、唐津市役所が解釈する内容とは大きく違っている。
もちろん、田中委員長は、熊本地震当時、世論の予備的停止要請を押し切ってあくまでも川内原発の強硬稼働を推進した立場から、極力その地震の原発への波及の危険性の不安を抑制しようとする発言を繰り返したことは事実であるが、それでも自ら不安を漏らしている。

① 唐津市役所が根拠とする田中の発言は、日経新聞記者の質問に答えたものであるが、その記者の質問は明らかに進行中の熊本地震と川内原発の関係であった。
「…未だに余震が続いていて、昨日も震度5弱がありました。川内原発は620ガルで想定していると思うのですが、何度も起こるこういった地震について、前回もご説明がありましたけれども、改めてどのような設計の余裕を見ているかということについて、お聞かせいただけますでしょうか。」(記者会見速記録4頁)
というものであった。この記者の質問は原発から数十キロ離れた実際の熊本地震についてであって、熊本地震級の地震が川内原発を直撃した場合を想定する質問とは考えられない。

② この質問に対し田中委員長は、「重要な機器ですね、安全上、それがいわゆる弾性範囲に収まるようにという設計を求めています。だから、弾性範囲にある分には、・・・・・」大丈夫だと答えた。しかし、それに続いて「基準地震を超えるようなことがあれば、変形が出るような構造物もゼロではないということですけれども、安全上影響を及ぼすことはないと思います。ただ、熊本で起こっているような地震の繰り返しで何か起こるかということは、およそ考えなくてもいいと思います。」と答えている。

③ この田中の答弁を要約すると、「重要な機器」については、弾性範囲内であれば大丈夫、基準地震を超える場合には「変形が出る構造物」もあると答え、そして今起こっている熊本地震の影響では川内原発には何も起こらない、という趣旨である。
唐津市役所の解釈、熊本地震級の地震が直撃しても玄海原発は大丈夫だという解釈が実際の田中委員長の質疑応答とは全く相違していることは明らかであろう。
むしろ、ここの発言でも、規制委員会は、基準地震動を超えると「構造物」-原子炉や格納容器建屋、発電設備などに「変形」が生ずる恐れを否定していない点を重視すべきであろう。

④そのことは、この4月20日の記者会見の後続の質疑応答でいよいよ明らかである。
共同通信記者の質問:「今の熊本地震とは別の前提で伺いたい、設計基準を超えるという事象は考慮しているのか・・・」(以下速記録6頁)
田中委員長の回答:
「・・・設計基準を超えるという事象は考慮していることになります。だから、地震動だけではなくて、何か外乱が起こったりして、今の安全基準というのか、設計基準事象を超えるようなものについては、そういう事故についての対策は考慮している・・・・」
他の記者の質問:「規制基準におけるSsというものは、あくまで超えてはまずい一線であるのか・・・・」

田中委員長の回答:

「100%とは言い切りませんけれども、十分な余裕があるということでございます。ただ、それを超える事故が起こった場合、これはまさに大規模損壊の対象とか、そういうことになるわけですから、そちらの方で対応していくことになると思います。」
耐震総括官の小林の回答:
「そこは越え方によると思うのですがね。仮定の話なので、あまりこの場で支度はないのですけれども、少しであれば裕度の範囲になるし、大幅に超えればこれは何らかの対応をしなければいけないということになると思います・・・」
これらの質疑応答では、基準地震動を超える地震が原発を襲うこともありうるということ、その場合「大規模損壊」が起こり、「何らかの対応」、「そちらの方で対応していくこと」になる可能性に言及しているのである。
ちなみに、この会見に先立つ4月18日の記者会見でも田中委員長は記者の質問に対して同様な見解を発表している。

原発の稼働を中断するという判断について聞かれた田中委員長は、
「今回の断層と川内原発とは30キロメートルより遠くにありますので、そういったことも踏まえて判断しなければいけないのだと思います。近い、遠いというのは、もう少しきちっと科学的に評価したうえで判断すべきものだと思っていますので、・・・・間近で、本当に1キロメートルとか2キロメートルとか、そういうところでああいうことが起こるということであれば、当然そういう判断もあろうかと思います。」
(4月18日記者会見速記録9頁)

「当然、敷地近傍での地震の程度によっては、そういうことは、今後の予測も含めてそういう判断をする場合はあると思いますが、ただやみくもに近いからとめるということではなくて、当然、そこは評価をして、止めていただくという場合はあると思います。」
(同速記録12頁)

田中委員長は、「そういう判断」、直下地震では原発稼働を止めるという判断も「当然」ありうるという見解を述べている。
以上の通り、田中委員長の記者会見の内容は、唐津市役所が考えるような甘いものではなく、それと正反対の見解が出されている。基準地震動を超える地震、熊本地震級の地震が発生した場合、原発施設の「構造物の変形」や「大規模損壊」が起こり、それに対応する必要があると明瞭に語られている。

貴庁の【回答1】中、九電の説明については詳しくはコメントしない。
実際に起こった熊本地震の玄海原発への影響についての九電の評価は独自のものであり、今回の我々の質問とは無関係である。縷々列記している九電の説明は、我々の質問の趣旨及び貴庁の議会での答弁の根拠にはならないことを指摘しておく。

二、ご回答に関係する玄海原発に関する新たな質問

1、上記の本年4月20日の田中委員長の記者会見の内容について再検討し、
 正確な理解をして議会や市民に告知する必要があると思うがどうか。

2、政府の「地震調査研究推進本部」は本年6月に地震についての新しい評価基準(通称「修正レシピ」)を発表している。それに基づけば現在の玄海原発の基準地震動の算定は原 
発近縁の複数の活断層(竹木場など)の地震動について半分ほどの過小評価となっている。過小評価された基準地震動(620ガル)で設計された原発では、実際に起こる地震では過酷事故、原子炉のメルトダウンに至る可能性が高くなる。
 貴庁は、原子力規制委員会及び九電が、この政府の定めた新しいレシピをもとに原発施設の耐震性を見直さない限り、稼働再開を認めないという申し入れをすべきではないか。
「地震調査研究推進本部」は阪神淡路大震災の直後に特措法で設置された地震災害対策の日本における最高指導行政機関であり、これの定めた指針を無視することは許されない。
3、玄海原発の冷却用の海水取水口の前面に海水の滞留堰が設置されている形跡がない。

 地震による津波あるいは地盤の隆起の際には、激しい引き潮、海水の後退が想定され海底が露わになり取水が不可能となる場合もありうる。
 冷却水が確保されない場合、原子炉の空焚きが起こり過酷事故に直結する恐れがある。
 貴庁は九電に海水滞留堰が設置されているかどうか質し、存置していない場合、それの建造しない間は原発再稼働を止めるべきであると申し入れすべきではないか。
三、使用済み核燃料の乾式貯蔵(あるいは中間貯蔵施設及び高レベル放射性廃棄物の地層処分場)について

 1、本年4月岸本玄海町長が高レベル放射性廃棄物を玄海町に導入する意向を表明したが、このような施設を本市至近の地層に埋設された場合、事故の際はもとより、風評被害も本市はまともにかぶり、観光業や農漁業にも深刻な影響を来すと考える。
  唐津市は、市内はもとより佐賀県内など隣接地に高レベル放射性廃棄物の処分場建設に明確に反対すべきであるがどうか。

2、また、最近、市内の串地区の一部住民が使用済み核燃料の貯蔵施設(中間貯蔵施設あるいは乾式貯蔵施設)の受け入れを表明したり、また退任間際の市長がこれらの施設について研究をしていくなどという方針を出したりしている。
  核廃棄物の施設導入は原発の設置と同等以上の危険性があり、いくらお金を積まれても大多数の住民は承知しません。このような施設と同居して暮らすことを認める人はだれもいないでしょう。住民の意思も聞かずに勝手に核廃の施設の受け入れを検討することは許されないことです。
  直ちに核廃棄物の受け入れについてこれを断固として拒否する姿勢を示していただきたいが、どう考えているか。

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