地方自治の学校

2022年8月19日 (金)

議員による役場職員の叱責ハラスメント

最近高知新聞で大きく報道されていたある役場の職員を議員が失跡したことが議員によるハラスメントだという事で一騒動起こっている報道があった。

内容は何かたわいもない五回かなにかで議員が役場職員をひどく叱ったか罵倒したとかの内容であった。

しかしこのような叱責位でパワー・ハラスメントだ人権侵害だなどというのはどうであろうか。権力を持つ連中が無権力の者から叱責されたという場合パワハラという位置関係では理解できない。議員には職員に対して何らの権力関係にない。

議員がパワーを持つのはその議員が首長などと癒着しその言動が行政を動かす力を持つ場合であって、普通の議員には何らの権力(パワー)はない。

首長でも職員でも市民や議員から叱責されたり時には罵倒されるのは甘んじて受けるべきことで受忍の範囲のことだ。
わたしも役場に勤めていた時には、叱責・罵倒どころか酒を飲んで怒鳴り込んでこられるという事が何回かあった。

苦情や叱責、要望や意見は行政を担当する者にとっては勉強の材料・肥やしであって、これをうるさがったり迷惑だとして避けるべきことではない。

パワーを持っている者がパワーを持たない者から叱られたからと言っていじめは発生しない。
民主社会では、権力は、民衆を恐れるべきであって、民衆に恐れられてはならない。

私が小中学校の時吉良川町役場には「公僕」という大きな扁額が内部にかけてあった。公僕たる者が主人に叱られたからと言って公僕の組合に訴えたり、新聞でキャンペーンを張るというのは主客転倒ではなかろうか。

何処の市町村でも、住民サービスが十分行き届いていると自負できるところはないだろう。不十分で気が付かないことがざらにあるのが常態で住民に言われて初めて気が付くという状態だ。

市民(その代表格の議員)がいつでも行政に足らざることを指摘し、ひどい場合には叱責し罵倒しても、行政側は、それに誠実に対応する度量が必要で、その度量も業務の範囲だ。市民の中には敬語や丁寧語をうまく使えない者もいる。

切羽詰まって役場に駆け込んでくる人もいる。大概は何かに困窮してやってくるのだ。役場職員は明るく、優しく、丁寧にどういう人でも誠実に応対してやらねばならない。

それは客商売と同じだ。役場は客商売とは違うという態度、その威厳が損なわれたり侮辱されたら人権侵害だとして訴えるぞという事では市民のための役場にはならない。

芭蕉の句の「物言えば唇寒し秋の風」ということでは、民主政治は消えてしまう。


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2020年12月25日 (金)

議員のリコール

群馬県楠津町の女性議員リコールは、いただけない。
リコールの制度を悪用したものだ。その町議は、町長の行為を議会などで公に告発した。

告発された町長はそれに対し町議を逆に当局に告発などの対抗策を講じた。
町長の味方である町議会議長が告発した町議をリコールにかけた。市民がそれに応じてリコールを成立させた。

このリコールによって問題は何も解決しない。問題はますますセンセーショナルとなり深刻性を増している。
町長の行為についてもこのリコールによって消えずむしろ疑惑が広がっている。
そもそも女性の訴えを抑圧し、その女性を排撃するためにリコールという政治的制度を使っていいのか。
議員または議会そのものをリコールするためには、大儀(正当な理由)が必要である。

どういう理由であってもリコールをしてもよいというわけにはいかない。草津の町議リコールの場合、彼女の主張することの真偽がいまだ不明な段階で一方的に彼女を非難し排撃するのはむしろ人権侵害ではないか。

彼女の主張の真偽を何も知らない町民の判断で決するわけにはいかない。
人権侵害行為を実現するためにリコール制度を利用するというのは、リコールを定めた地方自治法の想定外のことで、権限の濫用であろう。彼女を議会から放逐するためには、正当かつ明白な理由がなければならない。

彼女は自己の体験に基づいて主張しているという。その体験の真実性は、彼女と相手(町長)しか知らないし、第三者(裁判官でも)にはわからない。分かりえない事柄について住民に判断を迫るというのはその女性に対する偏見をあおり人権侵害キャンペーンをするということである。リコール制度をそのようなよこしまな目的で使うべきではない。

北海道でも議会リコールを進めている町があるが、リコールには正当な理由が必要である。
提起された議案に賛成か、反対かをしたというだけでは当議会の評価が落ちたり、あがったりするものではない。
その賛否が住民の気持ちを反映しているかしていないかは、一方的に決めつけるわけにはいかない。

議会として不法、あるいは不当な手続き・不当な審議があったかどうかとか、町が定めた条例や計画、国の法令に違反する行為が行われたとか、・・・・、議会解散の正当な理由がなければならない。

そうして問題は、当該の問題や事件について議会解散によって解決できるものかどうかである。
首長の非民主的かつ独断でなされた行為について議会解散・再選挙によって解決されるのか、13年前の東洋町のように議会がどうあろうと(東洋町議会は反対派が多数であったが)首長の独裁的行為は止められなかった。

町政において首長と議会の対立、さらなる混迷を深める結果を招来するということになれば町民は嫌になるばかりだろう。
核導入を目指す独断専行の町長が悪いのであって、議会ではなくストレートに町長のリコールが必要なのである。

群馬県でも北海道でも議会(議員)リコールによって直接的に問題は解決しない。地方自治法のリコールの制度は多くの住民を巻き込み、署名活動によってさまざまな軋轢や疑心暗鬼が生じ、住民にとっては苦しい選択が迫られる一種の苦行である。

それだけに問題解決の方法としてリコールを行うなら、明白かつ正当な理由を掲げて最も直截で効果的な方策をとるべきである。
群馬県のように人権侵害キャンペーンのためにリコール制度を使うなどは許せることではない。こんなことが許されるなら
部落差別キャンペーンや人種差別などを目的にしたリコールがまかり通るようになる。

また、提起された議案に対し自分たちの気にいる議決がなされなかったというだけでは、全員解職リコール(住民に賛同する議員が半数近くいる議会)の正当な解散請求理由としてはあまりに薄弱であり、またそのリコールは問題解決の直截な方法でもない。

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2017年9月23日 (土)

室戸市政の利権行政への痛撃

やっとパソコンを操作できるようになりました。
すでに室戸市監査委員会へ、利権行政の骨格となっている
総合評価落札方式にメスを入れる監査請求書を提出し受理されて
審査中である。この総合評価落札方式では業者はもはや談合をする必要も
ないといわれ、特定業者の思うままになっている。
監査請求書の中核は、業者に加算された評点のうち「施工実績」の実績が虚偽ではないか、
虚偽に基づく入札・落札は詐欺行為ではないか、という主張である。
これは、何よりもそれら特定業者の施行の実態が、下請けに工事を丸投げをしている事実にある。
分割して複数企業に丸投げして下請けさせる場合も建設業法に違反する。
総合評価落札方式では、施工実績は元請けの工事実績に限られている。
他社(下請け)の実績を自分の実績のように申告するのは虚偽の行為であり、市役所も
虚偽であることを知っていた。
あらゆる産業、市民生活のあらゆる部面で低迷が続く室戸市。特定業者を優遇する市政に終止符を打たなくては、室戸市の発展はあり得ない

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2017年5月26日 (金)

公金で社会保険料の雇用主負担

News & Letters/568

高知県議会では人件費ということで議員や会派が雇用した職員の社会保険料(事業主負担分)も政務活動費で支払っている。
課せられた税金を税金で払うという理不尽な公金の支出は、47都道府県のうち43県が実行しているという。

高知県の場合問題は次の通り3つある。

1、政務活動費の交付権限を知事が議会事務局長に委任した。条例で知事の交付決定など行政行為はすべて事務局長の名で執行する。
その根拠は高知県会計規則第3条1項の知事の権限委任の規定だ。
しかし地方自治法での首長の委任の規定はすべて行政機関内部か、行政庁相互の間に限られ、行政庁と議決機関の間は許されない。
高知県の会計規則が違法なのである。従って議会事務局長の行為は権限の踰越であり無効な行為である。

2、政務活動費で人件費を賄うことが許されるとしても高知県の場合、雇用の実体を証する資料(雇用契約、出勤簿、業務日誌等)が全く存在しない。
  社会保険料を支払ったという領収書などが提出されているだけである

3、その社会保険料の雇用主負担分を公金で支払えと請求し、この請求を認めるというのは、憲法で定められた納税の義務に違反する。

平成29年(行ウ)第3号 損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 高知県知事 尾﨑正直外1名
   
   原告準備書面(2)
                  平成29年5月23日
高知地方裁判所 殿
                    原告 澤山保太郎

被告準備書面(1)について

はじめに 争点ぼかし
今回の被告準備書面では、原告が請求する内容についてまともに答えず、ただ、議会が勝手に作ったマニュアルについて敷衍するだけである。
社会保険料を公金でまかなうことが適法かどうか、というのが本件訴えの中心的テーマであり、それに付随してそもそも本件において人件費が認められるとしても社会保険料を含む人件費の実体について何も主張(反証)がなされていないのである。

一、本案前の申立て について

(1)ずさんな会計制度の擁護

政務活動費をめぐっては全国各地でトラブルが発生し住民の不信を買っている。
その根因は、公金の取り扱いが厳しい行政のなかでひとりこの政務活動費だけがその会計処理のずさんさ、議員任せ、使い放題の無責任体制が放置されているところにあると考えられる。今回の被告準備書面の2頁目~3頁目、5目~6頁目に繰り返し政務活動費交付の手続きが説明されているが、それによると、

A)交付までの手続き

①県議会議長が→議会事務局長(条例では知事)に交付金を受ける議員数を通知し→②議会事務局長が交付決定をし→③決定の通知を議員側に通知し→④議員側は毎四半期に交付金を議会事務局長に請求し→⑤議会事務局長は当該四半期分を満額「概算払い」をする。
B)実際の支出行為
⑥議員側はこれを消費し、→⑦消費した事実と金額を支出伝票に記載する。
C)精算
⑧議員側は、翌年の4月30日までに支出伝票と付属書類を議長に提出する。→⑨議長はこれら書類を議会事務局長に送付する。→⑩議会事務局長はこれを精査し最終的に交付額を確定する。

A、B、C①~⑩までの過程は一歩も議会(議員と議会事務局)の域を出ない、完全な議会のお手盛り体制である。
このシステムの問題点は、第一にキーマンの議会事務局長であるが、彼は職掌柄議長及び議員の下僕のようなものであるから承詔必謹であって議員の作成する「支出伝票」の当否をチェックなどできるわけがない。

これまで政務活動費の不正使用がとめどもなく明るみに出てきているが、議会事務局が摘発したということは聞いたことがない。
第二に、概算払いというが、経費について実際に何の概算もせずただ予算全額をまるごと議員側に移転するだけであり、議員が公金を預かり管理することになる。泥棒にお金を預けるという訳ではないにしても議員(身分は特別公務員であるが政治家として私人の面が強い)に公共事業にかかる公金を預ける形をとるというのは極めて危険でありトラブルを発生しやすい。予算による公金は出納室(会計管理者)が持ち出納員の審査を受けて必要(支出)に応じて支出するというのが県庁や市町村町の会計の鉄則である。高知県の会計規則には議会事務局には出納員の配置すらない。

本件交付条例には議員一人につき月に14万円(議員・会派分合わせて28万円)支給するとなっているが、政務活動に使わなかった場合は還付義務があるから、この14万円(又は28万円)は議員の収入ではなく使用限度額を示すものであり、支給されても自由処分できず預り金の性質を持つと理解される。その公金について「支出伝票」を執行機関でもない議員が作成発行してその金を使用するという異常な会計システムこそ問題である。
いづれにしても私人に近い議員に公金を預けその支出についての権限を議員に任せるのは
地方自治法第243条の1(私人の公金取り扱いの制限)に抵触するものと考える。
今回の被告の準備書面は、政務活動交付金について様々な不祥事の原因であるこのようなずさんな会計システムについて何ら反省せず、ただこれを賛美しているだけである。

(2)知事の権限と責任

 本件交付金の会計事務は会計管理者の下で正規の出納員の手によって遂行されるべきであり、交付の決定、交付額の確定、返還金の命令権限は、被告高知県知事尾﨑正直にある。
被告が強調する高知県会計規則(乙第5号証)第3条知事の権限の委任についての規定で、その委任先に教育長や県警本部長などとともに議会事務局長を指定しているが、この議会事務局長の指定は何ら法的根拠がない。

本件に関し、首長の権限行使の委任については地方自治法第153条、第180条2(第180条7も関連あり)に規定があるが、これらに規定されている委任はいづれも行政機関である知事部局の補助職員又は教育委員会や監査委員会など行政委員会に所属する職員であって、議決機関である議会及びその付属する事務局が対象にはなっていない。
議会事務局長や議会事務局職員を知事部局の職員として兼任させて首長の職務を委任することは許されていない。

上記の地方自治法の該当条文には、議会事務局への委任が明文で制禁されてはいないが、委任することができるという対象から外されている。
乙第6号証及び乙第7号証の「権限の委任」の事例は、いづれも「行政庁」であって、議決機関に対しては該当しない。

委任に関し議会について言及がないのは、法律(立法者)がうっかり没却していたのではなく、行政機関と議決機関とは基本的に癒着させず対立又は並立して互いにけん制しあうものとする建前上職員の融通をさせなかったものと解釈すべきであろう。
しかるに高知県会計規則では、政務活動費の支給に関することのみならず全般的に議会及び議会事務局の財務会計行為の知事の権限を事務局長に丸投げする規則を作ったのである。
本来なら、本件交付条例の通り、知事が交付を決定し、出納員が審査し、知事が交付額の確定を行うべきである。議会に関する会計事務は会計管理者(旧出納長)の下で配属された出納員によって遂行すべきものである。被告高知県知事尾﨑正直は違法な会計規則をつくり、自己の職責を故意に怠った違法行為の責任がある。

(3)本件概算払いの実体と違法性

被告が言う概算払いはたんに資金全額を議員の金庫に移転させただけであって具体的な経費の支弁という意味の支出行為には当たらない。
そのことについて今回の被告準備書面で「原告は、‥‥本件における違法行為を、甲第3号証で特定できる平成28年1月22日から同年3月31日までの各・・・・になされた支出行為であると特定されたが、それらの支出行為は会派及び議員が行ったものであって、住民監査請求及び住民訴訟の対象となる財務会計行為には該当しない。」(3頁後段)という。本来支出金を受け取る側の人間が、支出行為を遂行するという行為が住民監査請求や住民訴訟の対象にならないという主張にはなんの根拠もないが、被告は、本件支出行為が議員によってなされたことを自認した。「支出伝票」を議員が作成していることがその証拠である。

公金の支出行為を私人でもある議員がすること自体地方自治法違反であることは前述のとおりであるが、そのような財務会計方式をつくり、それを議員にやらせた者、それを精算段階で承認した者、すなわち「普通地方公共団体の長若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員」の違法責任が問われるのである。前掲地方自治法243条の1に抵触する行為も財務会計行為であり住民監査請求の対象となる。

二、本案に対する被告の主張について

(1)政務活動費対象経費としての人件費

本来政務活動費を規定した地方自治法第100条の14では、「議員の調査研究その他の活動」の経費に資するために政務活動費が交付されることになっている。
決して誰かを雇ったり誰かに依頼して調査研究するという趣旨ではない。
従って人件費などという対象費用が設定されること自体おかしい。

仮に議員の補助活動として人件費が認められるとしてもそれはあくまでも議員の特定の政務活動に直接かかわるもの(「補助」する)であって、事務所の管理、客の応対、政務活動も含む会計処理など総務的な仕事は無関係である。そして、雇用契約はもとより、議員の事務所に勤める以上事務所の仕事の中で政務活動とそれ以外の仕事とがあるから、費用を按分する上で、業務日誌やタイムカードがなければならない。雇用の証拠として他の都道府県では徴収している雇用契約、業務日誌、タイムカードなど雇用と労働の実態を示す証拠もなしに人件費を請求することはできない。

被告は「補助職員を雇用することは、まさしく調査研究活動の基盤を充実せることであって・・・・・合理性がある。」などというのみで、雇用の証拠が何もないのにどうして本件人件費が「合理的」なのか説明できない。事務所の費用は、私的な政治活動と政務活動費の対象になる活動とに案分されている以上は、そこに勤める被雇用者の仕事の量も按分されねばならない。証拠を提出せず、被雇用者の労働をすべて政務活動についての補助労働だとして人件費を請求することに「合理性」があるはずはない。
また、社会保険料の支払いについても、全国46都道府県で43都道府県が支払っているので高知県の取り扱いは「標準的」だという。しかしこれは多数決の問題ではなく適法かどうかの問題であり、少なくとも3県が社会保険料の支払いをしていないということに留意すべきであろう。被告はその理由を尋ねるべきである。

(2)議会事務局長の責任

 上述の通り本件交付金の決定行為など財務会計行為の責任は議会事務局長に委任できず、被告高知県知事が直接遂行する責務があった。しかし、実際には被告準備書面が言う通り本件条例で規定された知事の職務行為についてこれをことごとく議会事務局長が執行した。これは職権踰越の行為であり権限のないものが財務会計行為を遂行した場合そのすべての行為は無効となる。
「行政機関の代理権のない者のなした行為や無効の権限の委任に基づいて行政機関のなした行為も、行政機関としての権限のない者のなした行為として、原則としては、無効と解すべきである。」(田中二郎 「行政法総論」昭和32年11月345頁)

本件政務活動費の違法な支出行為は、会計制度に問題があるとしても直接的にはこの議会事務局長による無効な越権行為によるところが主因である。

  (3)不当利得返還請求権

現在、被告らの違法な行為によって本件請求額の損害が発生していることは事実である。
受益者たる議員側にその分の返還命令もされていないし、本件訴訟の過程でもその損害さえも否定している状況であって、それどころか被告らは、永年社会保険料を人件費として認め政務活動費で支払うことを認めてきた経過があり、この行為を適法なものとして議員側に認知させてきたから、不当利得返還の命令を出す気配は全くない。
にもかかわらず、被告準備書面は
「原告の主張の通り社会保険料の事業主負担分の支払いに政務活動費を充当することができないとするならば、その分につき、各会派及び議員に対する不当利得返還請求権が高知県に生じるものではあるが、高知県にとって損害ともいうべき当該不当利得相当額は、条例12条に基づき返還を命令すれば補填されるものであり・・・高知県に損害が生じているとはいえない・・・」(被告準備書面8頁目)という。

しかし、本件訴訟は、単に公金を議員側から高知県に移動させるという単純なものではない。被告らの不法行為に基づいて高知県に損害が発生しそれについて賠償請求するものであり、不当利得返還請求の訴訟とは結果は同じでも性質が相違している。被告らの主張は、お金が返ればいいというに等しく、被告のこの主張が認められるなら地方自治法が設定する損害賠償請求の監査請求も住民訴訟も意味をなさず成立する余地がなくなるだろう。
さらに、不当利得返還請求権は、本件の場合を含め簡単に成立するとは限らない。
今一度田中二郎氏の見解を引用する。

「・・・公権力の発動たる行政行為に基づいて不当利得が生じた場合である。この場合には、その行為が絶対無効であるか又は違法として取り消され法律上の原因なくして利得したことが、公に確定されて初めて不当利得を構成する。行政行為が有効に存在する以上、たとえ実質上には理由のない利得であっても、未だ法律上の原因なき利得とは称し得ないからである。」(田中二郎「行政法総論」昭和32年11月 255頁~256頁)

政務活動費の交付行為は、公権力の発動を伴う行政行為である。社会保険料の支払いが政務活動費で充当できないからといって直ちに議員に対し不当利得返還請求権が発生するということにはならない。したがって被告の主張は失当であり、被告らは本件請求額の損害について賠償する義務がある。

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2017年2月26日 (日)

高知県監査委員会の事務局職員との会話

News & Letters/551

月18日に高知県議会の政務活動費について会派や議員が勝手に雇った事務員の
社会保険料についてその事業主負担を政務活動費の公費で払うように請求し、県が支払っていたことにつき住民監査請求した。任意団体に課税された税金を税金で払えという請求は、憲法第30条に違反すると主張した。

ところが監査委員会は、これを却下した。具体的な違法性の指摘がないなどということで、監査請求の要件が欠如しているというのである。
その理由は条例や、議会作成のマニュアルでは、雇った者の人件費は政務活動費で払ってもよいことになっているからだ、という。

わたしは、税金を公金でまかなうというのは納税の義務を果たしたことにはならないという憲法次元で違法性を問うているのである。
監査請求の要件を充たしているのに満たしていないというので不審に思い理由の開示請求をしたところ、昨日直接監査委員会の事務局の職員に話を聞くことができた。その男の話では、憲法30条(国民は納税の義務を負う)では、公金で税金を支払ってはならないとは書いていないから、違法だという私の主張は理由がないというのである。
呆れてものが言えない。

法令でも、県の条例でもマニュアルでも、政党政派にかかる税金を政務活動費で支払えと請求し実際に支払ってはいけないとも、いいとも書いていない。
それを判断するのは、憲法と良識だけである。憲法があっても良識がなければ憲法は死文にすぎない

納税は国民の義務だというのは、国民(法人や団体、個人)が自らの金で税金を負担するという意味だ。国や地方自治体から何らかの形でもらって自分の
金となった資金で税金を支払うことは許されよう。しかし、自分にかけられた税金の支払いを県知事に対して支払うよう請求し、知事もそれを認めてその金を支給するというのは、実質的に納税とは言えない。

監査委員の間違いの第一は、監査請求の法律の趣旨をはき違えている点である。
地方自治法242条を見ればわかる通り、監査請求の段階では、違法な事実があると判断するのは、監査委員ではなく住民なのである。

「普通地方公共団体の住民は、…違法若しくは不当な公金の支出・・・・があると認めるときは、‥‥監査委員に監査を求め…措置を講ずべきことを請求することができる。」となっている。
監査請求書の様式が整っていれば監査委員はこれを受理し監査をしなければならないのである。

請求の段階で監査委員や事務局の職員連中が条例に違反していないとか憲法に違反していないとか勝手に判断して違法性は認められないといって却下することは
許されていないのだ。監査請求の段階の主体は住民の判断なのである。
第二に、知事や市町村長もその雇っている職員についは事業主負担は公金で払っている。という。
政党政派は任意の団体であって、知事や市町村長のような公職ではない。
知事ら首長が補助職員を雇用するのは法令で定められた義務であるが、政党政派が人を雇うかどうかはその団体の私事にすぎない。

第三に、会派や議員が雇っている事務員は、何も政務活動費の対象事業だけのために働いているわけではない。通常の議会内外の活動の為にも使用されている。
従ってその仕事の分量に応じて雇用にかかる費用も案分して請求しなければならない。政務活動費とは無関係の通常の議会活動の手助けをした分も公金で払えという
請求を根拠づける法令やマニュアルの規定はどこにのないのである。事務所費用もパソコンを購入しても、政務活動費で全額の支払いは認められず、案分するようにマニュアルに定めている。

条例やマニュアルに違反する事件だけ監査するという姿勢にしても、その範囲での監査も怠るということになる。
仕事をしないというなら監査委員会の職務から外してもらえばいいだろう。

高知県議会の政務活動費で多額の宿泊費が証拠もないのにどんどん使われてきたが去年あたりからやっと領収書の添付が義務付けられた。
それまでは、マニュアルでは宿泊費は領収書の添付は必要なしだった。条例ではすべての経費請求には証拠の書類が必要だと規定されていたが、宿泊の証拠はと問うと、
議員が宿泊したと書いた書類が証拠だ、と言い張って来たのである。議員が紙に書いただけで、どこで宿泊したかもわからない、1泊1万数千円以上の定額が使われ続け、
監査請求をしても裁判をしても通らなかったのである。

高知県庁では、尾﨑知事の鼻息はまだ荒いが県勢は全国最下位から未だに浮上の気配がない。人口は激減中で戦前以下から、江戸時代以下に向かって急降下だ。
県民は落ち込みと絶望の中にあるが、県庁は春風駘蕩、議会事務局といい、監査委員会といい、子供じみたいいわけで行政事務を行っているのだ。
住民の意識と遥かに乖離した役人の感覚。藩政時代のお城の官僚侍とどう違うのか、判断が困難だ。

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2015年7月26日 (日)

国民の信託

News & Letters/425

憲法前文では国政は主権者である「国民の厳粛な信託によるもの」と謳われている。国民が政府に信託するものは第1に憲法やそれに基づく法令の実行であり、第2にはその時その時の国民多数の政治的意思である。

第1の場合には成文法であるから明瞭であるが、第2の場合のその時代その年度の国民の多数の願っていることについては、重層的で複雑である

普通考えられるのは選挙やアンケートなどで分かる世論であり、それに各種の社会運動や請願・陳情運動、司法の判断、マスメディア、雑誌などなどであろう。
仮に選挙で勝ったとしても、政策が全て支持されて当選しているとは言えない。
ほとんどが金権選挙である日本においてはなおさらである。

特定事案については様々な形で表れる国民多数の意思の動向を無視することは許されない。政権は、前にも言ったように政権を取ったものの意思を実行するためにあるのではない。選挙に勝つというのは、国民の信託にこたえる、国民の信託を実行する立場を確保したにすぎない。

このたびの戦争法案は、国民の大多数は誰にもこんなものを信託したわけではない。
安倍は、事の重大さがわかっていない。この法案で安倍は総理大臣として特定の国に宣戦布告の通牒権を取るということを意味している。

しかもその戦争は、敵国が仕掛けてくるだけではなく、自ら他国とともに戦争を仕掛けることも許される、というものである。ほとんど臨戦態勢だ。

選挙で国民の信託を実行するという立場を獲得しただけなのに、その国民の信託を放擲して、自分のけがれた血脈からくる好戦思想の呪いから、冷戦時代にくらぶればはるかに四海平穏な今日において新たな戦争を仕掛けようというのである。

全ては選挙制度、政府の存在の意義、民主主義をはき違えた所から始まっている。
市町村レベルでも国政レベルでも、政治を担うものは国民の多数の信託する意思を実行するのが任務であり、しかし実際には、安倍晋三らの様に政権を握ったら国民の支持率などどうでもよく、自分や自分ら政治的グループの意思を実行しても構わない、それが選挙で許されたのだという誤解が横行している。

以前はそれほどめだたなかった。岸信介の様に国民の意思をあからさまにないがしろにする政治はごく少なかった。
安倍らは選挙に勝てば、国民の多数意思実現の地位を取ったというのではなく、国民の首を取ったぐらいの途方もない誤解をしているのである。

私は憲法前文の国政の国民信託の趣旨、民主主義の根本的な原則を明確にする、安倍の様な誤解ができないような法の制定が必要であると考える。

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民主主義の誤解

News & Letters/424

地方でも国政でも民主主義について誤解している首長が大勢いる。
民主主義における行政又は統治行為では二つの原理的な約束がある。

①一つはもちろん法の支配ということを認めることである。
 このことはある程度の者なら理解するであろうが法律の通りやらない場合が往々 
 にして存在している。

②もう一つは、権力は、権力を取ったものが自由に行使できる、
 議会で多数派議員の意思の総意があれば何でもできる、という考えが民主主義で 
 はない、ということである。

議員の多数派の総意であればその総意を実行する権能を与えられたと考える首長が圧倒的に多い。 多数派に擁されて権力にある首長は法の支配の原則も顧みない場合もある。
選挙によって権力を取るということの意味は、国民(住民)の多数の総意を実行する、担当することができる、そういう地位を獲得したということにすぎない。

安倍晋三の見解では支持率などのことで政治をやっているのではない・・・という。
国民の支持(意思)とは無関係に国会の多数派はその議員達の総意を実行することができると考えていて、選挙や民主主義を根本的に誤解しているのである。

国民多数の総意が自分の考えと違ってきたのであれば、国民多数の総意を実行したくない、実行しない、のであるから、やめるべきなのである。

政権と言うのは、憲法などの法の実現と国民多数の総意の実行を担当する仕事人
であって、政権を握ったものどもの私物・私欲実現の道具ではない。
そのことは国民主権をうたった憲法前文の趣旨であり、国政はすべて国民の信託によるという明文で示されている。

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2015年6月 1日 (月)

県議会政務調査費の住民訴訟

News & Letters/413

被告の高知県は、県知事を相手にした私の訴状に対して、高知県会計規則第3条の規定により県知事の権限を議会事務局長に委任してあるので、知事を訴訟の相手にするのは失当であり、却下されるべきだと居直っていた。

しかし、私の今回の準備書面によって、その卑劣な論理が打ち砕かれた。
まさに知事は県議会に本件政務調査費の交付権限を議会に委任することができないという事が法的に証明された。従って知事が交付決定もしていない公金を、議会事務局長が永年勝手に使っていたということになった。

本件訴訟の前哨戦はかくて私の勝利のうちに終わり、今から本戦に入る。

ちなみにこの間の調査で、高知県議会事務局では、政務調査費の交付決定通知書はもとより、重要文書の送達簿すらも作成していないことが明らかになった。
文書管理もまともにやれない機関が行政のチェック機関として太いことを言って巨額の公金を使っている。

監査委員は、県議会事務局をまともに調査しているのであろうか。

平成26年(行ウ)第9号 損害賠償請求事件    
原告 澤山保太郎
被告 高知県知事
原告準備書面(4)
                 平成27年5月25日
高知地方裁判所 殿
                   原告 澤山保太郎                  

原告は以下のとおり弁論を準備する。
知事の権限の委任について
被告はその答弁書25頁及び準備書面(1)の2頁で高知県会計規則3条1項1号により、政務調査費などの支出についての権限を知事から議会事務局長に委任されていて、知事には権限がない、という主張を繰り返してきた。

原告はこれに対して準備書面(2)、(3)でその主張には法的根拠がないことを指摘してきた。これについて被告から法的根拠を示す主張は出ていない。
今原告の主張をさらに補強し整理する。

一、高知県会計規則第3条1項1号には、確かに予算の範囲内で教育委員会など諸機関の所掌に関する支出負担行為や支出命令等について「知事の事務委任」が規定され、議会もその機関の一つとして指定されている。
ところで高知県の会計規則関係の通知(甲第  号証)には、この会計規則第3条関係について解説していて、それによると知事の権限の事務委任は、「地方自治法第百五十三条又は第百八十条の二の規定」に基づくとされている。
 この二つの法律の規定を見ると、いずれも議会又は議会事務局への知事権限の委任の根拠にはなりえない。
すなわち、
 地方自治法第153条の第1項の場合、権限委任の対象は副知事や部課長など知事部局の職員に限定されているし、第2項の「行政庁」も保健所、福祉事務所など知事の管轄する部署のことであると理解されている。従って議会は対象となっていない。
 他には地方自治法第180条の2の規定があるが、その事務委任の対象も「当該普通地方公共団体の委員会又は委員」であって、議事機関たる議会は対象ではない。

二、被告準備書面(2)の3頁~4頁にかけて被告は、議会事務局が知事の権限事項について委任される法的根拠がないので、議会事務局の職員に知事部局の職員たる資格を与えるため「併任」という仕法を用いていることを明らかにした。

それを合理化するために乙第25号証の逐条解説書を出してきているが、その解説書でも、委員会など執行機関には委任についての規定があるが議会については「このような規定がないので・・・・」といって、別の便法「併任」について教示している。すなわち、
たとえば、議会事務局の事務局長、書記長又は書記を長の補助機関である職員に併任し、その長の補助機関である職員たるの資格において、これに議会に係る予算の執行権を委任し・・・あるいは補助執行させるより他に方法がない。」という。
しかし、この解説書の著者は法令の制定者ではないし、このような「併任」という著者の意見が法令に替われるものでもない。

被告が言う「併任」というのは法的には地方自治法第180条の3の「兼任」のことと思われるが、その規定も首長と委員会との執行機関同士の間の規定であって議事機関である議会との間のことではない。従って被告の主張には何の法的根拠も存在しない。

三、乙第25号証の解説書が「併任」以外に「・・・・他に方法はない」というがそうであろうか。
  回答:他の方法はある。しかも本来の方法である。たとえば議会事務局の職員の給与の支払いでも知事が出納室に命じてこれを支給させることができるし、実際そうしている。補助金の交付についても直接出納長に命じて支払い事務を遂行させることは当然出来るし、それが本来のやり方だ。事務の委任というのは、もともと行政事務の効率化・簡素化のために認められた制度にすぎない。

委任について法律の定めがない場合は、委任してはならないのであって、しかも委任しなければ事務の遂行ができないわけではないし、また、委任しなければならないという法令も存在しない。委任についての地方自治法の規定は全て「・・・することができる」という文言で終わっている。

法の制定者が委任の対象に議会のことを忘れたのではないかと思うかもしれないが、他の執行機関でもかつては首長の事務の委任が禁じられた機関もあった。すなわち、地方自治法第180の2の規定の末尾の文言では、知事など首長の管轄する執行機関と明確に一線を画す必要がある機関には事務の委任はできないことが予定されている。
議会と執行機関は完全に独立していなければならず、同じ人物が同時に双方の事務を担当することは好ましくないと考えて、わざと委任事務の対象から議会をはずしたと考えられる。問題によっては議会が執行機関と全面的に対立するという場面、議会事務局も議長の指示のもとに執行機関と対決する業務を遂行し行動しなければならない場面もありうるのである。

 四、法律的に知事の事務や権限の委任を議会(あるいは議会事務局)にすることはできない。
従って、被告の主張は実際の事務の実態を表現するものであるが、法的根拠はなく、県の会計規則第3条の知事の委任に基づくという本件政務調査費の交付及びその仕法は権限のない議会事務局長が知事から委任されたものと詐称し知事の権限を踰越した違法行為であると断定できる。
あるいは被告知事からすれば、自ら査定し点検をし決定をするなど本件交付事務の権限を行使しなければならないのに、その責務を放擲し、これを法的根拠もないのに議会に丸投げ的に委任し、議会の好きなようにさせてきて、原告が指摘するような事態をもたらした、というべきであろう。
五、しかも、すでに指摘してきたように、政務調査費の交付について被告は本件も含めて条例に定められた知事の交付決定を一度も行っていず、一通の交付決定通知書も議員や議会会派に送付していない。知事から委任されたという議会事務局長も同様に正規の交付決定書を発送していない。

原告が、尋ねたところ、高知県議会事務局では、そもそも「公文書送達簿」の書式はあるが、これまでこれに一切記載していなかったし、また、その送達簿のパソコンなどでの「電磁的記録」も作成していない、ということである。

 これが、本件政務調査費について権限のない議会事務局が適法な手続きも踏まず、議員の言うとおりに公金を支払い続けてきた姿である。 

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2015年5月18日 (月)

大坂都構想とオンブズマンの考え

News & Letters/412

橋本政治に対する審判がかろうじて非と出た。
それは都構想に対する批判よりも橋本政治への批判の色が濃い。

ところで、橋本の大坂都構想と大阪市の現状維持とどう違うのか。
基本は大阪市を解体し府に権限を集約するということからすれば
橋本都構想は地方分権に逆行するであろう。

しかし、オンブズマンの立場から戦後の日本の地方行政の問題点を見れば、
行政権力を集中するか分散させるかということだけでは、少しも住民の
民主主義的政治の前進には寄与しないということである。

行政の単位を小さくすることはそれなりに意義があるが、小さかろうと大きかろうと、行政に対する住民のチェック機能、住民の関与がほとんど全然機能しないなら、同じことなのである。小さい単位なら買収選挙や金権・利権行政はむしろ一層やりやすい。大阪の今回の住民投票には買収はきかなかったであろう。選挙民が巨大であれば住民の意思がむしろ反映されるいい例だ。

国政もそうだが地方行政では、住民の行政コントロールの力は極めて低い。
東洋町や室戸市の行政を点検してきたが、ほとんど無茶苦茶、無法がまかり通り、議会はその行政の粉飾にすぎない状態だ。それはおそらくどこの市町村、都道府県も同じであろう。

リコールの制度や直接請求の制度は針の穴を通るような仕掛けがあり、住民監査や住民訴訟では、その手続きは極めて制限的であり、それを取り扱う監査委員会や裁判所の姿勢は不機嫌で、住民の請求は邪魔者扱いの姿勢だ。日本の地方行政は戦前とさほど違いはなく、住民が行政への不平不満は一切シャットアウトだ。地方分権といっても住民への分権は皆無なのである。

橋本都構想はそういう観点からすれば落第であり、これまで以上の民主主義への新たな反動の策謀であろう。

大都会はともかく地方の選挙は金権勢力への献票行動にすぎず、権力を握った連中は法令など無頓着に利権行政を平然と推し進める。

日本各地にある原発とそれを推進する行政はこのような地盤の上に成り立っている。私はこの反民主主義の津波に対して絶壁のように立ちはだかる覚悟だ。

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2015年5月 7日 (木)

金権選挙をやめさせる方法

News & Letters/411

金権選挙をやめさせることはきわめて困難です。
今の状況では、どんなレベルの選挙でも非金権派が選挙で勝つというのは極めて困難です。

おそらく不可能でしょう。代替の方法を考えるべきです。
私は次のような選挙制度を提案します。

それはくじ引きです。

第1段階。

 立候補者に住民が投票する。
 投票の結果、法定得票率をクリアしたもの全員に

第2段階 くじ引きをさせて、その結果で当選者を決める。

 例:

有権者数千人のある町村長選に10人の立候補者が出てきたとする。
金権派は7人が法定得票率をクリアし、非金権派3人がそれをクリアしたとする。
クリアしたその10人がくじ引きをする。金権派の勝つ確率は70パーセント、非金権派は30パーセントだ。
 
これまで全然手の届かなかったところに30パーセントの確率で可能性が出てくる。
ある程度の得票をした候補者にくじ引きで当選を決めさせるという方式の方がはるかに民意を反映すると考える。

そうすれば、票を金で買うといういうのは第1段階だけであり影響は少ない。
第1段階で、金権派はいくらなんでもすべての票を買いきることは出来ないだろう。

 国政選挙でも知事選でも議員の選挙でもこのくじ引き選挙に変えれば、民意は相当に政治に反映されると考える。今の選挙は物量(金)を大動員したものの勝ち、弱いもの、貧乏人が常に負けるという選挙制度である。

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