徳島との交流

2021年3月 5日 (金)

無謀な国交省の吉野川整備計画

四国三郎吉野川の整備計画をめぐって大きな問題が起こっている。
流域の住民に呼ばれてこの計画を調査した。

今日異常気象によると思われる豪雨によって各地で水害が起こっている時代に、元の計画より川幅を大幅に縮小して堤防を築くという国交省の計画。その場所は徳島県東みよし町である。その箇所は吉野川が鋭角に屈曲するところでいわば遊水地の役割をしていたところである。なぜ元の計画を変更してまで川幅を縮小するのであろうか理解できない。

この川幅縮小の事実はほとんど誰にも知られていない。古来幾たびも洪水被害があり、幕末では、洪水によって数万人の死者も出たという。驚くべきは現在でも半分ぐらいしか堤防がないということだ。堤防は必要だが、危険を呼ぶ堤防は許せない。
住民らは今回請願書という形でこの国交省の無謀な計画に反撃を開始した。相当大きな抗議運動が起こるだろう。


吉野川整備計画(第2加茂堤防)についての
請 願 書


             2021年2月 日 
東みよし町議会議長 殿

              請願者代表

【請願の趣旨】
以下の事項について町長及び議会が国交省及び徳島県知事に対し厳重に申し入れをすることを請願します。
1,国交省の吉野川河川整備計画(平成29年堤防建設計画)による加茂第2工区で河川幅の大幅縮小計画が実施されようとしているが、危険であるのでこれを見直すこと。
2,河川の屈曲部はできるだけ川幅を広くとり、少なくとも平成21年当時の当初の国交省計画の川幅を確保すること。
3,河川幅を確保し計画是正の間、強制執行による土地収用を中止すること。

【事実経過及び請願理由】

1,四国三郎吉野川は、暴れ川として有名でありますが、長年両岸の築堤がなされず、やっと下流が整備されたにすぎません。上流・中流の築堤が今徐々に進められていて、異常気象による豪雨災害が全国各地で起こっている現在、吉野川流域県民は一日も早い整備工事の進捗を待ち望んでいます。

2,今計画進行中の加茂第2の工区は吉野川が大きく屈曲している箇所であり北東方向に流下している河が東南東方向に急角度で変わっているところであって、吉野川中・下流では最も危険な箇所であります。平成16年の大水が出たときには、この個所の両岸が吉野川流域最大規模の洪水が起こっています。
周知のとおり過去の多くの堤防破堤-氾濫の事例は屈曲部で起こっています。 
  
3,この個所における国交省の現在の築堤計画は、平成21年度に作られた同地区の築堤計画を大きく変更し右岸・南側の川幅を100メートルほども大幅に縮小したものです。国の説明では1万3000㎥/sの最大流量を安全に流下できるという。
(徳島県収用委員会裁決書令和2年12月21日)
しかし、過去の吉野川は、近くの岩津で平成16年には13700㎥/sを記録し(別の記録では1万6400㎥/s)、同地区では昭和年代(49年、50年)でも1万4000㎥/s前後の最大流量を記録しています。
(国交省徳島河川国道事務所「出水速報」平成16年11月10日)
 昭和・平成の近い過去の事例でも現在の計画最大流量を超えているのであって、これから先の想定外の集中豪雨には対応できないことは明らかであります。

4・国交省の縮小理由の説明では、河川敷の土地をなるだけ住民が利用できるようにするために川幅を狭くとったとか、平成16年の大水の時、川床が深くえぐられて川幅を狭めても十分流下水量を確保できるとのことです。
 しかしながら、住民の利用土地についてはともかく、大水が出たことで川床が深くなったというのは外見上その様子は見えず、むしろ中・下流では大水によって川床は土砂の堆積が増加するのであって国交省の説明は自然科学上理由にならない。
 また、河川敷の住民利用への配慮はありがたいが、洪水ともなれば元も子もなくなります。

5,地球温暖化などの原因で異常な集中豪雨によって全国各地の河川が想定外の大水で氾濫し流域住民の財産や生命に重大な被害を及ぼし、年々大きな脅威となっています。
 吉野川の最大の屈曲部であリ、無堤防地区である東みよし町・三好市の状況もきわめて厳しい。堤防建設の計画はありがたいことでありますが、これほどの川幅の縮小ではかえって危険であり、賛成しかねるものがあります。

屈曲部の川幅が大幅に狭くなると、堤防新築の予定のない左岸の溢水(オーバーフロー)による洪水、基底部の洗堀による県道破壊の恐れもあり、また、右岸の新計画
堤防自体も河川幅狭小による急流化によって圧力が増し溢水や破堤の恐れがあります。
現在の整備計画の実施によってむしろ洪水の危険性が高まり、公共の公益とは正反対の結果をもたらす重大な懸念があります。

今日、水害など自然災害の多くは想定外の出来事だとされていますが、現在進行中の吉野川整備計画の危険性は十分想定できる範囲のものであって、今修正可能であります。一度堤防ができあがれば数百年以上の長い年月これを動かすことはできないものでありますので、慎重なる見直しと県民の皆さんの意見を集めて賢明な判断が必要であると思います。

6,その議論の目安は、少なくとも平成21年に作られた当初の計画図面を基にするべきであることはいうまでもありません。屈曲部の川幅はできる限り広くとること、そのために土地の収用をされても流域住民全体の百年,千年の恩恵を考えた場合、その損害は受忍すべきであることもやむを得ないことであります。

7,北側の川岸も大水の時には氾濫をしているわけですが、片方だけの築堤では、対岸の方に水が押し寄せるのは当然予想されます。できるだけ同時に築堤工事がなされるべきだと思います。


吉野川整備計画(第2加茂堤防)についての
請 願 書


             2021年2月  日

徳島県議会殿
             請願者代表

【請願の趣旨】

以下の事項について町長及び議会が国交省及び徳島県知事に対し厳重に申し入れをすることを請願します。
1,国交省の吉野川河川整備計画(平成29年堤防建設計画)による加茂第2工区で河川幅の大幅縮小計画が実施されようとしているが、危険であるのでこれを見直すこと。

2,河川の屈曲部はできるだけ川幅を広くとり、少なくとも平成21年当時の当初の国交省計画の川幅を確保すること。

3,河川幅を確保し計画是正の間、強制執行による土地収用を中止すること。

【事実経過及び請願理由】

8,四国三郎吉野川は、暴れ川として有名でありますが、長年両岸の築堤がなされず、やっと下流が整備されたにすぎません。上流・中流の築堤が今徐々に進められていて、異常気象による豪雨災害が全国各地で起こっている現在、吉野川流域県民は一日も早い整備工事の進捗を待ち望んでいます。

9,今計画進行中の加茂第2の工区は吉野川が大きく屈曲している箇所であり北東方向に流下している河が東南東方向に急角度で変わっているところであって、吉野川中・下流では最も危険な箇所であります。平成16年の大水が出たときには、この個所の両岸が吉野川流域最大規模の洪水が起こっています。
周知のとおり過去の多くの堤防破堤-氾濫の事例は屈曲部で起こっています。
   
10,この個所における国交省の現在の築堤計画は、平成21年度に作られた同地区の築堤計画を大きく変更し右岸・南側の川幅を100メートルほども大幅に縮小したものです。国の説明では1万3000㎥/sの最大流量を安全に流下できるという。
(徳島県収用委員会裁決書令和2年12月21日)
しかし、過去の吉野川は、近くの岩津で平成16年には13700㎥/sを記録し(別の記録では1万6400㎥/s)、同地区では昭和年代(49年、50年)でも1万4000㎥/s前後の最大流量を記録しています。

  (国交省徳島河川国道事務所「出水速報」平成16年11月10日)
  昭和・平成の近い過去の事例でも現在の計画最大流量を超えているのであって、これから先の想定外の集中豪雨には対応できないことは明らかであります。

11,国交省の縮小理由の説明では、河川敷の土地をなるだけ住民が利用できるようにするために川幅を狭くとったとか、平成16年の大水の時、川床が深くえぐられて川幅を狭めても十分流下水量を確保できるとのことです。
 しかしながら、住民の利用土地についてはともかく、大水が出たことで川床が深くなったというのは外見上その様子は見えず、むしろ中・下流では大水によって川床は土砂の堆積が増加するのであって国交省の説明は自然科学上理由にならない。
  また、河川敷の住民利用への配慮はありがたいが、洪水ともなれば元も子もなくなります。

12,地球温暖化などの原因で異常な集中豪雨によって全国各地の河川が想定外の大水で氾濫し流域住民の財産や生命に重大な被害を及ぼし、年々大きな脅威となっています。
  吉野川の最大の屈曲部であリ、無堤防地区である東みよし町・三好市の状況もきわめて厳しい。堤防建設の計画はありがたいことでありますが、これほどの川幅の縮小ではかえって危険であり、賛成しかねるものがあります。

屈曲部の川幅が大幅に狭くなると、堤防新築の予定のない左岸の溢水(オーバーフロー)による洪水、基底部の洗堀による県道破壊の恐れもあり、また、右岸の新計画
堤防自体も河川幅狭小による急流化によって圧力が増し溢水や破堤の恐れがあります。
現在の整備計画の実施によってむしろ洪水の危険性が高まり、公共の公益とは正反対の結果をもたらす重大な懸念があります。

今日、水害など自然災害の多くは想定外の出来事だとされていますが、現在進行中の吉野川整備計画の危険性は十分想定できる範囲のものであって、今修正可能であります。一度堤防ができあがれば数百年以上の長い年月これを動かすことはできないものでありますので、慎重なる見直しと県民の皆さんの意見を集めて賢明な判断が必要であると思います。

13その議論の目安は、少なくとも平成21年に作られた当初の計画図面を基にするべきであることはいうまでもありません。屈曲部の川幅はできる限り広くとること、そのために土地の収用をされても流域住民全体の百年,千年の恩恵を考えた場合、その損害は受忍すべきであることもやむを得ないことであります。

14,北側の川岸も大水の時には氾濫をしているわけですが、片方だけの築堤では、対岸の方に水が押し寄せるのは当然予想されます。できるだけ同時に築堤工事がなされるべきだと思います。


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2020年12月27日 (日)

阿佐東線にDMVバスは無駄な投資

昨日12月26日の高知新聞の報道では阿佐東線にDMVバス(汽車か?)の導入で16億3000万円が投入されるという。
主に徳島県だが、高知県や沿線の市町村も巨額の負担を負わされる。
これほど無駄な事業はない。売り上げと費用のアンバランスでこの阿佐東線の会社ほどひどいところはないだろう。

赤字路線の鉄道会社でなぜか生き残っているという点では、一つの観光名物となってもおかしくない。
私がかかわっていた十数年前の状況だが、今もそんなに変わっていないはずだ。

一日数万円の売り上げで費用は数十万であろう。年間1000万円の売り上げに対し、人件費など経費は7千万、8千万円という
状況であって、売り上げではなく、徳島、高知の県庁や関係市町村の拠出金で維持し、運営している路線である。
売り上げの半分ほどはJR阿佐線に関係のある阿佐東の役員の給料で消えていた。

徳島駅から海部駅までの阿佐線自体が赤字路線だということである。阿佐東線の駅はわずか数駅に過ぎず、料金(海部~甲浦)は270円程である。乗客がごく極く少数であり、同じ路線沿いにバスも走っている。少ない乗客をバスと列車が奪い合っている感じだ。

バスにも毎年市町村から大枚の補助金が出されてきた。DMV車に替えたからと言って乗客がそれほど増えるとは思えない。

16億円もの巨額の投資は阿佐東線からは一銭の金も回収する見込みはない。
誰の発想で北海道のJRで使い物にならないもの(DMV)を買うことになったか。年間1000万円ほどの売り上げ(それだけ乗客が少なく公益性が低い)でそれの7,8倍の経費の掛かる路線を国民の税金で維持し続ける必要があるのか、しかも並行してバスも走っているのであって、廃止路線候補の最たるものについて馬鹿みたいに巨額の投資を続ける理由がわからない。

私の提案は、少なくともこの阿佐東線は、DMV車ではなく京都嵐山に走っているトロッコ観光列車に替えるか、それとも思い切って鉄路を走る馬車に替えるべきであろう。そうすれば年間1000万円前後で採算ベースで運営できると思う。

もちろん、JR天下りの専務の給料も半減すべきである。馬と馬方に一頭当たり年間250万円~300万円ほど渡し、それを3組保有して運転すればよい。両県からの公的な資金の拠出も激減するだろう。

東洋町長も自動的に阿佐東線の会社の取締役になることになっていて私も取締役会に出席していた。
その当時は残念ながら何の提案もしなかったという自責の念がある。。

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