環境問題

2019年8月20日 (火)

六ケ所村視察旅行

脱原発を目指す首長会議が六ケ所村など青森の原発施設視察旅行を企画し、私もこれに参加した。東洋町の高レベル放射性廃棄物騒動の、根源を製造する施設である。

この施設で全国の原発の使用済み燃料を集め、再処理してプルトニウムを取り出しこれをまた原発や高速増殖炉の核燃料に仕上げ、またそれを使った燃料からプルトニウムを取り出し・・・という夢の核サイクルの施設であるが、それはまた無限の高レベル(低レベル)放射性廃棄物を生産する施設でもある。今それは破綻し成功するという見通しも立たないが、政府や電力会社は止めようとしない。

高レベル放射性廃棄物はこの六ケ所村には置くことは許されていない。政府はこれを日本のどっかで地層処分するという法律を作っている。経産省やNUMOが血眼になってその最終処分場を探してきた。

小さな日本一貧しい東洋町はこの企てに巨大な拒絶の鉄槌をくらわした。もはやどこの市町村も自ら手を挙げて受け入れようとするところはないだろう。民主主義が続行する限り国がどこかに勝手に押し付けて建設するということもできない。

何億の札束を積まれようともプルトニウムの人工活火山を故郷の町や村に作ろうという人間は決してその村や町の多数派にはなれない。

今、最終処分場がないまま、日本は、高レベル放射性廃棄物や何万トンともいう膨大な使用済み燃料を地震・津波という大蛇の餌食に供しようとしている。これからこれら今でも始末に負えない毒物をさらに増やそうというのは狂気というよりほかにない。

①原発の稼働、②再処理工場の稼働、③その廃棄物の最終処分をめぐって、巨大な国民的騒動が起こらなくてはならない。これまでの裁判闘争は①に集中していたが、むしろ③の方から②、①に攻め上るという方策が必要である。

特に③については現在①や②の施設内に保管される方策がとられているが、これは違法状態であることをはっきりさせる必要がある。

国の法律(「核原料物質、核燃料物質及び原子炉に関する法律」43条3の5第2項8)には原発設置の許可申請の段階で使用済み燃料の処分法について明確にする義務が規定されていて、施設内に保管するなどというのは処分方法には当たらないのであるから原発稼働の許可は無効となる。

原発の稼働をめぐる裁判では、安全かどうかの判断は裁判官の恣意の裁量に左右される。権力におもねる裁判官では原告は100パーセント敗訴する。だが、核廃棄物の処分をめぐっては、裁判官の恣意のはいる要素はほとんどない。

核廃棄物の処分をめぐってこそ国民運動、裁判闘争が必要である。稼働する原発の脅威ももとよりだが、残存する核廃棄物の脅威はさらに大きい。福島第一でももし使用済み燃料に火がついていれば、今頃関東地方はどうなっていたかわからない。

核廃棄物、その地層処分をめぐる問題(闘争)こそ国民の圧倒的賛同を得、勝利の道が望めると考える。
今回の視察旅行で私はこのことを痛感した。

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2019年8月 5日 (月)

無題

原発の問題には、ウランを掘り出しこれを精錬して燃料に仕上げることを第1都市、第2に原発の建設と稼働、第3に使用済み核燃料の処理、そして第4にこれらの過程で出てくるさまざまな廃棄物や汚染物の処理である。それに言うまでもなく第5に、事故による放射能の汚染と被害の処理が加わる。

中でも第3の使用済み核燃料の処理の問題は、もはや人類が自らの力では処理できない最大の難題である。
今、どのように考えても各原発の敷地に残されている核燃料は処理のしようがない。日本だけでなく韓国にも中国やアメリカ、ヨーロッパ地上いたるところにいながら貯蔵されている。原子炉のような多重バリャなどもなく、ほとんど野ざらしにされている。既に処理するには遅すぎるのである。処理できないものを作ったのだ。

本来ウラン燃料はつくってはならないものなのだ。
何千年、何万年も安全に貯蔵管理するなどということは到底不可能である。これを地下に埋めるといっても地震がくれば一発でお陀仏である。
少なくとも日本は原発はもとよりであるが全国に散在するこの使用済み核燃料の噴出毒素で死滅的打撃を受けるであろうことは間違いない。
原発反対を言うのは、その被害を0にするためではない。それの被害を軽減したり、先延ばしするというだけだ。

近い将来今持っている核燃料やその使用済みのもの、六ケ所村などにある高レベル放射性廃棄物などが日本列島に住む人間に襲い掛かってくることは避けることはできない。地震や津波を避けることができないのと同じである。福島第1原発事故で最も恐れられたのは(今もそうだ)、施設に貯蔵中の使用済み核燃料の崩落事故による巨大な放射能汚染であった。1か所だけでも日本列島の大半を失う規模だ。

悠遠の地球の歴史の中で人類はいつかは滅びるが、処理不能、管理不能の猛毒物質を作った日本列島人類は、早くて百年か長くても数百年のうちに滅亡する可能性が高い。人間が、濃厚な放射能と共存できるようになるとは考えられない。


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2016年10月14日 (金)

中間貯蔵施設の唐津市誘致

News & Letters/525

今日の佐賀新聞(2016年10月13日付)の一面トップに唐津市串地区の一部住民が
使用済み核燃料の中間貯蔵施設を受け入れたいと唐津市長に陳情した、というニュースが躍った。

串地区は玄海原発の値賀岬の対岸串崎にあり原発から500メートルの至近距離にある。
唐津の「玄海原発反対からつ事務所」は間髪をいれず別紙緊急要請文を作成し唐津市役所及び市議会に提出した。

玄海町長岸本といい、今回の一部住民といい、原発利権、おこぼれを求めて恥も外聞もなくうごめく。現地におれば何事にも即対応ができる。

使用済み核燃料等の
唐津市・玄海町への誘致に反対する
緊急要請書
唐津市長 殿
唐津市議会議長 殿
                        2016年10月13日
                       玄海原発再稼働反対からつ事務所
        記
私たちは、玄海原発の再稼働に反対するとともに、いかなる核廃棄物の受け入れにも反対します。私たちは唐津市、玄海町を含め佐賀県に使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物など核廃棄物の導入、中間貯蔵施設の建設、最終地層処分場の建設に反対します。

本日佐賀新聞の朝刊によると、唐津市串地区の一部住民が使用済み核燃料の貯蔵施設の誘致を唐津市に陳情したということですが、その本旨は荒廃する農地やさびれゆく地域の現状を憂え何とかしようという願望であって、決して「死の灰」ともいわれる放射性物質を望んでいるとは思えません。

2003年にも同様な陳情が唐津市にあった際には、唐津市はこれを受け入れていません。
私たちは、使用済み燃料の中間貯蔵施設の建設に反対します。
国の核燃料サイクル政策が破綻した今、放射能漏れなど大した防護対策もない中間貯蔵施設はそのまま半永久の貯蔵施設になる強い恐れがあります。

また、高レベル放射性廃棄物の地下埋蔵処分についても日本学術会議の研究では、日本列島にはそれに適した場所はないとされて、現在まで全国どこの市町村も受け入れようとはしていません。

これらの施設が導入された場合、稼働する原発施設よりももっと深刻な危険地域が現出することになり、しかも永続的にその周辺には人が居住することが困難になり、風評被害が激しく巻き起こり、これまで以上に周辺地域は荒廃することになります。
使用済み核燃料の貯蔵施設や高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題は、まず第一に現在の原発の再稼働をやめ廃炉にし、これ以上「死の灰」の核物質の産出を止めることが大前提です。

私たちは、唐津市長が、近く行われる県知事の意見聴取に際し、玄海原発の再稼働に反対の意思表示をされると同時に、2003年の陳情と同様に今回の一部住民の使用済み燃料貯蔵施設受入れ意見は、断固お断りされるよう申し入れます。

以上

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2016年8月24日 (水)

原環機構(NUMO)の説明会

News & Letters/514

8月20日佐賀市でNUMOの説明会に出席した。定員50名のところ半分程度の集まりで反対派が大半であった。
NUMOに会うのも久しぶりで、最終処分場立地のための絶望的な努力には敬意を表したい。日本が民主主義を守る限り、だれもプルトニウムの廃棄物を受け入れるところはないであろう。

火山帯や活断層などを適地ではないとの説明があった。東大の徳永とかいう先生の話では一つだけ地名が出たのは高知県の室戸半島で土地の隆起などが激しいので不適だとのことである。

そんなことは地震学者や地質学者であれば常識のイロハなはずであるのに、9年前その半島の根っこにある東洋町に高レベル放射性廃棄物を持ち込もうとしてエネ庁は調査をNUMOに認可したのである。科学的有望地も怪しい。

担当の職員を交えた小集会ではNUMOが実際に東洋町で調査を開始していたということも忘れていたようだ。

平成19年月に前町長が応募しそれをNUMOがエネ庁に申請しこれが認可された。と説明してもそんなことはない、などというので、私が応募を撤回の文書を作成してエネ庁やにゅーもに申し入れ1週間もたたない間で撤回が了解された、といって初めて分かったようである。

唯一教授の口から出た地名が室戸半島であったことは印象深い。その半島の東海岸数キロ沖には東洋町から室戸岬はるか遠くまで深い活断層が横たわっていて、その断層にホースを垂らして日本で初めて深層水をとれるのもそのおかげである。これが活断層であることは東大出版会の古典「日本の活断層」という本の図面にも赤々と印刻されている事実だ。

日本で最悪の条件のところでもやろうとしたのであるから、前科一犯であって、信用してはならない。

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2016年4月30日 (土)

玄海町の弁解

News & Letters/480

玄海町役場へ昨日3月28日午後2時半に裁判の会のメンバーと一緒に要請行動をとりに行った。
玄海町長岸本は居留守を使って出てこなかった。
町役場の「統括監」とかいう幹部職員数名がロビーで応対ということになった。
逃げ口上、火消しばかりで煙に巻こうという構えだった。

いわく「あれは全部仮定の話だ」、「全部取り消している」とかを言い張っていた。
確かに「仮定」の話だ。政府が玄海町に定めたら、という仮定である。
しかし、この仮定はありえない話の仮定ではない。

野球でいえば、9回裏、2アウト満塁、2エンド3のさよならの場面でピッチャーはど真ん中に直球を投げざるを得ない場面で、原子力村チームの強打者岸本が打席に立っているという場面が設定されているという事を国民に知らせたのである。この場面は仮定のことではなく、ほとんど予定というべきものだ。

切羽詰まった政府チームの先発ピッチャーの甘利明は、ノックアウトされてひきこもったが、主戦投手の安倍晋三がマウンドにあがっている。投球がど真ん中に入ってきら・・・、という仮定をバッター岸本は頭に描いて打席に立っているのである。

現実は野球の話ではない。恐るべきプルトニウムの話であり、これまで数十年日本のすべての原発が作り上げてきた高レベル放射性廃棄物を一手に引き受けるという話である。この玄界灘沿岸の海底の埋設施設で事故が起これば玄界灘と九州が全世界的規模の破滅の源泉になるのである。ガラス固化体数万本だ。この地下施設は極めてもろい。震度3ぐらいでもコンクリートの壁はひび割れる。日本列島の地層は断層が入り乱れ、水浸しだ。ひび割れた壁から大量の水がキャニスターに浸潤するだろう。
News & Letters/480

玄海町役場へ昨日3月28日午後2時半に裁判の会のメンバーと一緒に要請行動をとりに行った。
玄海町長岸本は居留守を使って出てこなかった。
町役場の「統括監」とかいう幹部職員数名がロビーで応対ということになった。
逃げ口上、火消しばかりで煙に巻こうという構えだった。

いわく「あれは全部仮定の話だ」、「全部取り消している」とかを言い張っていた。
確かに「仮定」の話だ。政府が玄海町に定めたら、という仮定である。
しかし、この仮定はありえない話の仮定ではない。

野球でいえば、9回裏、2アウト満塁、2エンド3のさよならの場面でピッチャーはど真ん中に直球を投げざるを得ない場面で、原子力村チームの強打者岸本が打席に立っているという場面が設定されているという事を国民に知らせたのである。この場面は仮定のことではなく、ほとんど予定というべきものだ。

切羽詰まった政府チームの先発ピッチャーの甘利明は、ノックアウトされてひきこもったが、主戦投手の安倍晋三がマウンドにあがっている。投球がど真ん中に入ってきら・・・、という仮定をバッター岸本は頭に描いて打席に立っているのである。

現実は野球の話ではない。恐るべきプルトニウムの話であり、これまで数十年日本のすべての原発が作り上げてきた高レベル放射性廃棄物を一手に引き受けるという話である。この玄界灘沿岸の海底の埋設施設で事故が起これば玄界灘と九州が全世界的規模の破滅の源泉になるのである。ガラス固化体数万本だ。この地下施設は極めてもろい。震度3ぐらいでもコンクリートの壁はひび割れる。日本列島の地層は断層が入り乱れ、水浸しだ。ひび割れた壁から大量の水がキャニスターに浸潤するだろう。

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高レベル放射性物質を入れたキャニスターは鉄とガラスでできている。すぐに錆びついてしまうし、浸潤した水は高温のキャニスターで熱せられて蒸気を発生すれば、地下施設は高圧蒸気が圧縮され・・・やがて火山の爆発のような噴火型の大爆発を起こすだろう。

地震や津波での破局型の事故が起こらなくても通常の埋設状態で100年も持たないだろう。
政府エネ庁の解説でも1本のキャニスタ500kg だけで、ウラン鉱石600tの2万倍の放射能が入っていると言われる。

その数万本の集積では、人類存亡がかかっている。
確かに、原発賛成でも反対でも、現にある使用済み核燃料をどう処分するかは重大な課題だ。

それについての私の回答は、

1、2005年に政府が策定した原子力政策大綱にもある通り、核廃棄物については「最小化」を図る必要がある。最小化というのは原発を廃止して新たな核廃棄物を0にすることである。

2、日本をはじめ各国が今進めている地層処分については、まだまだ、研究の端緒についばかりであり、何もわかっていない。岐阜県の瑞浪市や北海道の幌延町で掘削して研究しているが、非常に困難な状況だ。日本学術会議が言うように日本のような火山や地震の多い島では、地層処分は無謀であろう。

3、世界中の学者や国民がどう処分するべきかを探求し、それが相当明確になるまでは、地上施設で厳重に管理しておくべきである。核廃棄物処分についての国際的な研究機関が必要である。

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2016年4月 8日 (金)

核のゴミの中間貯蔵施設

News & Letters/475

玄海原発の玄海町にも九電は使用済み核燃料の中間貯蔵施設を作るため10ヘクタールの土地を構えたという。

これは、半永久的な核廃棄物の貯蔵施設である。
原発廃炉の要求、原発稼働反対の戦いとは次元の違う問題である。

原発の稼働も核廃棄物の貯蔵(最終処分でも中間貯蔵でも)も根源的な性質は同じだ。
しかし、国民の受ける意識は大きく違う。

原発は表面上は電力を作る施設だが、核廃棄物は何も生産しない汚物だ。
市民の受け取り方は大きく違う。これは我々の方としても戦略を変えねばならない。
原発反対闘争と核のごみ処分に対する闘争とは別個のものとして取り組む必要がある。
同じ反核闘争であって放射能という共通の毒物を対象とするが、核廃棄物への闘争は別段の闘争を組み必要がある。

原発そのものへの不安を持つ市民だけでなく、原発は仕方ないが、核廃棄物の貯蔵は反対だという市民もたくさんいるであろう。

玄海原発の足下の玄海町や唐津市における戦いを喚起する必要があるであろう。
1年後には唐津市長選があるが、一つの焦点にしなければならない。

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2016年3月14日 (月)

高知新聞の本性

News & Letters/464

今日平成28年3月13日の朝刊に、高レベルの核廃棄物の最終処分場の記事が載っていた。

四国南部が核廃棄物の地層処分場として適地となる可能性について書かれていた。 火山や活断層が無く、海に近いからだという。 四国南部と言わずそれはずばり高知県のことだ。

名古屋大学の教授のインタビュ記事では、教授は何も四国南部が適地とは言わないが、高知新聞の記者が誘導質問的に四国南部が条件に合うような話を持ちかけている。 しかし、高知県土佐沖やその湾岸は火山地帯ではないが南海地震の震源地であり、繰り返し巨大津波が襲来している。また、野根沖から室戸岬のはるか沖合まで巨大な活断層がある。

南海地震の震源地であることを書かず新聞の地図でこの室戸沖の活断層について表示していない。室戸近辺の活断層は東大出版会発行の古典的な「日本の活断層」という本に赤々と表示されている。深層水をこの断層(それは海底の峡谷をなしている)から取水していることからも知れたことだ。

南海トラフは、如何なる活断層よりも恐ろしく活発であり、その激烈さその頻繁さは誰でも知っている。 その「四国南部」にまたしても狙いをつけて高レベル放射性廃棄物を埋設しようというのか。

このところ高知新聞は原発に反対するような記事がたくさん載せられていて頼もしく思っていたが、しかし、それはどうも高レベル核廃棄物受入れの地ならしであるのではないか。強い疑惑を持つ。

高知新聞はかつてしきりに高レベル核廃棄物の1面広告記事を掲載してきた前歴がある。 真実を隠し政府の意図を大きく報道する姿勢には、邪悪な魂胆が透けて見える。

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2015年9月21日 (月)

原発の運転と星座

News & Letters/438

きょうNHKのニュースでは、電力会社の原発運転の社員のうち5人に1人は運転未経験だという。
自転車の運転でもまして自動車でも運転未経験者は、それらをうまく乗りこなせないだろう。
巨大で、複雑怪奇で、原爆と同じものを爆発させる原発で未経験者に運転させるというのであろうか。

どんなベテランでも、またどんな機械でも、4年も5年もの長期間運転の実経験がない場合、その運転は覚束なくなる。

地震などの場合はもとより原発が故障したり、運転員がミスを犯したとき、瞬時の間に適切な判断や行動がとれるだろうか。
次々に多数のアラームが同時的に鳴りだしたら、平然と冷静に、マニュアル通りに行動がとれるだろうか

普通の人間はパニックに陥り、何をしていいかわからくなったり、してはならないことをしたり、手順を間違えたりいろいろな試行錯誤をやるであろう。普通の場合は操作が間違っても修正したり、繰り返したり、考え直したり、試したりして何とかトラブルを収める。
しかし、原発の場合の事態の進行は高速であり秒単位でメルトダウンに向かって深刻な変化が多発的に起こる。

そして、最も重大なのは、文字通り間髪をいれない事態の推移の中で、原発は星座のような宿命的なタイムラグを持っていることである。私たちが今星空に星を見るのは、それは何億光年も昔のその星の光であって、今はその星が存在しているかどうかも分からない。星座のタイムラグはロマンの物語だが、原発の場合はそうはいかない。

星座の場合よりもタイムははるかに極小であるが、同じタイムラグが原発に起こる。
原子炉の温度や状態について原発の運転員は見ることも感ずることもできないからコンピュータシステムで間接的に認識する。正常運転の場合は問題はないであろう。しかし、事故が起こったときコンピュータが発するアラームはこれをプリントアウトするのに時間がかかる。

さらにプリントアウトされた記録を人間が目視し頭に入れるのに時間がかかる。
ある個所の機械や器具の不具合をその事故発生と同時的にコンピュータが捉えてアラームを発しても、それが印刷され、それを人間が認識し、判断し、行動に移すまでに数秒~数分、実際には数十分かかる。

多発的事故で複数のアラームが一斉に発せられてもコンピュータからのプリントアウトはひとつづつしか出てこない。
仮に複数のアラームが同時に印刷されるとしても、聖徳太子ではないのだからそれを手に取って読む人間の能力はたかがしえている。数秒で深刻な事故の進展がある原発では、操作はすべて現実の現象とは違うものを認識することしかできない。
してはならない判断や行為をし、すぐにしなければならない行為をしない、という事態が本質的に起こる。

原発は、事故をシュミレーションすることができない。事故の進展現象も、数秒から数分以上のタイムラグでしか認識できない。
未経験者だけでなく超ベテランの運転員でもこのタイムラグは逃れられない。
スリーマイル島の事件、チェルノブイリ事件、そして福島の原発事故でこの宿命的なタイムラグは実証されたはずだ。

ちなみに高木仁三郎氏の著作によると、スリーマイル島事件ではこのタイムラグは最大数十分に達したという。

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2015年3月23日 (月)

続:: 佐賀地裁幻滅判決(2)

News & Letters/403

続き

福井地裁樋口英明裁判長の判決は憲法を判断基準としチェルノブイリおよび福島原発の事故を見据えて大飯原発の危険性を剔抉したのであった。

片や佐賀地裁の判決は、憲法や法律ではなく、また、福島原発事故の惨状を無視して、政府が原発を維持するために行政実務上編み出した基準という物差しを当てて、現状を肯定した。 

政府が作る基準値などというものは、たとえば労働者の年間被爆量100ミリシーベルトを250ミリシーボルトまで引き上げたのは、そうしなければ現場で働く労働者を確保できないからである。原発を維持し、事故をとりつくらうためには労働者の健康とか人権とかを基準にしないのだ。

佐賀地裁の判決の後尾には、使用済み燃料のことについて判断して、住民側の主張を一蹴している。
原子炉等規正法第23条の第2項には原子炉設置の申請書の必須記載事項が並べられている。その最後の第8号には「使用済み燃料の処分の方法」について記載することになっている。

使用済み燃料の処分を完全に出来るという見通しがなければ設置許可が下りない規定だ。現在日本では核燃サイクルが破綻しているから六ヶ所村に搬送して処理することは出来ない。この8号規定を満たしている原発は玄海だけではなくどこにも存在しない。違法状態が全国的に続いているのである。

だが、政府は、この法律を換骨奪胎するために「内規」をこしらえ、使用済み燃料の処分先は、搬送する前に決めたらいいということにした。だから、処分しなくていつまででも原発敷地内にその危険物をおくことが出来ることになったとするのである。
国会審議を経て議決された法律で定められたことを、時の政府の内部行政事務レベルの規則で捻じ曲げその趣旨を没却することが出来るというのだ。

そうするならいかなる法律も存在意義がなくなるだろう。たとえば選挙権は20歳以上の国民全員に与えられるという法律について政府の政令にこの10年間は選挙権は男性だけにするという規定を入れることも可能となるだろう。

そうなれば権力を握ったものが勝ちだということになる。このようなやり方については、平成21年に私ら東洋町住民が公務員の直接請求権をめぐって最高裁大法廷で逆転勝訴した事例があり、そのため地方自治法が改正された。公務員の議員リコールなどの請求権は地方自治法では認められているのにその施行令で否定されていて、東洋町だけではなくいくつかの地方でも公務員が直接請求にかかわったということでその署名簿が無効にされるという最高裁等の判例が続いていた。

しかし、私らの訴えで最高裁大法廷が開かれ、法律の規定が上位であり施行令など政令がそれを犯すことは許されないという判断が出されたのである。だから、原子炉等規正法第23条2項の第8号は生きているのであり、使用済み燃料の処分法が記載できないいかなる原発の設置許可も無効なのである。

政府が物事の現状を維持し動かすための方針や政策で決めた政令や規則などで原子炉等規正法という法律の規定をないがしろには出来ない。
                     

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2013年11月18日 (月)

反原発の我々の任務 「節電発電所」の建設計画

News & Letters/379

我々の任務 「節電発電所」の建設

現在日本列島の原発の原子炉の稼働は全て止まっている。
原子炉が稼働していなくても、原子炉に差し込まれた核燃料は燃えているし、使用済み核燃料も高温のまま燃えている。我々は何としても原発の再稼動を阻止せねばならないし、核燃料は永久に封印されねばならない。
しかし、反動勢力はどうしても再稼動をしようとして制止しがたい状況にある。
これを突破するには、

一、基本的行動

1、大集会や大規模なデモを全国的に展開すること
2、裁判や選挙で勝つこと。
3、原発反対の宣伝戦で勝ち、世論を味方にすること。
4、それでも突破できなければ、大衆的な実力闘争に訴える以外にない。
このようなオーソドックスな戦略を実行するだけではなく、次のような
活動も重要な戦略であろう。

二、
1、太陽光などクリーンなエネルギーの創出。
  太陽光発電、太陽光ヒーター、風力発電、地熱発電、海水温度差発電、燃料電池(水 
  素)、これらの再生可能エネルギーをどんどん開発すること。

2、油やガスを使ってでも自家で発電し、蓄電すること。
  ごみや間伐材などを燃焼させて発電したり温熱を生み出し暖房にする。

3、もっとも強力なのは、省エネであり、節電だ。
  各家庭や会社、地域に節電発電所を建設すること。
  普通1世帯の消費電力は年間3600キロワット(月300キロワット)とされている。
  1万戸の各家庭が年間100キロワット以上削減すれば100万キロワットの原発1基に
  相当する電力を削減できる。
  10万戸が協力すれば原発10基の電力が削減できる。
  50万戸なら、全国の原発を不要にする電力が削減できる。
  年間100キロワットの消費電力の削減はごく些細な努力で済むことだ。
  1日300ワットの電気を節電すればいい。

  福島原発事故以前までの自分の家の消費電力量を基点としその3%ほどを削減れば 
  良い。まず、自分の家庭から節電発電所を建設しよう。節電発電所の全国ネットワー
  クを結成し、総削減量を毎年集計し、全国的に公表することだ。

  節電発電所の全国的な発展は、原発の必要性、口実を封鎖することができるばかり
  か、火力発電所の削減まで波及する。

  既成電力会社の電気を出来る限り使わないようにすることが、日常毎日の反原発運
  動である。

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