News & Letters/221
この1月、恒例のとおり、予算編成の前に、町執行部は、町内各地区をまわって住民の声を聞いた。その中で、こんだけの福祉事業はあなたが町長をやっている期間だけですか、という趣旨の意見があった。それは普段でもお年寄りからくる質問であった。私は、これは1年1年の予算で議会の承認がある限りで続けられることだ、そうでなければ実施できないと答えてきた。
いま、後私の任期もわずかとなってくるなかで、この福祉事業を長く続けるにはどうしたらいいのか、私が永続的に選挙に出て勝ち続けることは、不安定なことだ、それではこれを条例にしたらどうだ、とある老人に答えた。
その老人に私は添付の条例案を見せた。ご老人は大変うれしがって健闘してみようといった。この案を私が執行部案で出すのがいいのか住民のほうから出してもらうのがいいのか。住民が出さないなら私が3月議会に出してみようと思っている。すぐには通してくれないかもしれないが。
東洋町人権宣言条例(案)
前文(宣言)
人権はもともと人が生まれながらに持っているものである。
東洋町に住む全ての人は、核のない美しい自然環境の中で生存する権理を保有する。
東洋町の町民は、国や県、町が東洋町に住む全ての住民の人権を擁護し、それを伸張させるために働くことを求める権理を有する。
東洋町町および東洋町議会は、町民の生活権を柱とする人権の擁護を最優先的課題としなければならない。
第1条(目的)
この条例は、東洋町民の生活上の諸権理を明らかにし、町民の権理に対する町の責務を明確にするものとする。
第2条(町の責務)
1 東洋町は憲法で定められた国民の基本的人権(憲法第10条~40条)についてこれが完全に実現されるように努めなければならない。
2、東洋町は、町民があらゆる核エネルギー施設及びその廃棄物の施設のない美しいふるさとで生活する権理を犯してはならない。
3、東洋町は、第5条の諸事業を実施しなければならない。
①第5条の事業経費は災害など非常時以外は義務経費に次いで優先的に予算計上されなければならない。
②町は第5条の事業を実施するに当たり、町民に対し年齢以外には如何なる差別も設けてはならない。
4、町は、毎年度末には事業実施の状況を議会及び町民に直接報告しなければならない。
第3条(町民の責務)
町民は自己の持つ人権を明確にし、他の人の人権に配慮し、かつ町が行う人権・福祉行政に協力しなければならない。
第4条(町民の権利)
1、町民は憲法で保障された諸基本的人権を守られる権理を有する。
2、町民は次条に掲げる町の事業を平等に受ける権理を有する。
第5条(町の実施事業)
1 町民の生活権の保障
①毎月町内の幼児から高校生に至るまでの年少者は米など主食の配給を受ける権理を有する。また毎月75歳以上の高齢者は米など主食の配給を受ける権理を有する。
②小中学生は、義務教育を無償で受ける権理を有する。
町は学校で必要な教材、修学旅行の費用や給食費を保護者に負担させてはならない。
③町内の幼児から中学校までの児童生徒の医療費の自己負担分は町の負担とする。
④町内の85歳以上の高齢者の医療費の自己負担分は町の負担とする。
⑤町内中学校を卒業した高校生は、通学費の助成を受ける権理を有する。
⑥高卒後上級学校への進学者は奨学資金の無利子貸付を受ける権理を有する。
⑦町民の共有するテレビ受信施設の維持費については町から助成を受ける権理を有する。
⑧漁業、農業、林業、商工業者等町内の業者は事業維持・起業のために町から無利子の融資を受ける権理を有する。
⑨町内の保育園児は無料で保育のサービスを受ける権理を有する。
⑩町民は、町独自の福祉事業については原則無償でこれを受ける権理を有する。
⑪町民は、就職や仕事で必要な資格を取得するために町が行う研修の費用について助成を受ける権理を有する。
⑫町民は、救急の必要な場合、無料で救急車で搬送される権理を有する。
2 その他の町の人権諸事業の実施
① 相談事業
② 啓蒙啓発事業
③ 人権関係図書や資料の収集と利用
3、以上の事業は全て予算の範囲内で行うものとする。
第6条(審議会の設置)
町は、如上の町民の人権について公正に事業が行われているかどうかについて、町民、学識経験者、役場職員、議会からなる審議会を設置する。
審議会の委員は町長が任命する。委員は10人以内とする。会長は互選によって民間人が就任する。審議会は年に1回開催し、町長が必要と認めた場合、または、3人以上の審議委員の要請があれば、臨時に開催する
。
第7条
町は第5条に掲げる事業以外に、予算の範囲内で町民の生活権等を守るための福祉・教育諸事業を積極的に推進しなければならない。
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