オンブズマン町長の視点

2017年6月25日 (日)

大川村議会

News & Letters/574

超過疎の高知県大川村の議会が村民総会を検討しているという。
ふたつほど意見がある。

一つは、村民総会は議会が成立しづらいから仕方なしに検討する、という考えは
正しいとは思わない。議員のなり手がなくて困ったなどといって嘆く必要はない。
村民総会の開催は民主主義の原点であって、否定的に考えるべきではない。
代議制・議会制度は市町村民の総会、直接民主主義ができ難いから仕方なくとっているに過ぎない。

ヨーロッパの古代の民主主義は奴隷制の問題はあるが、公民の直接民主主義だ。
数万人規模の都市国家ですべての公民が参加して社会を自らあ統制した。
大川村で600人ぐらいの住民ならむしろ議会制度を止めて喜んで直接民主主義を実行すべきだろう。

もう一つ私が言いたいのは、最近大川村だけでなく高知県の各地で議員の立候補者が少ない、無投票選挙が多くなったという嘆きだ。しかし私の経験では、東洋町では澤山町政の終わりごろ(平成23年1月)の町議会選挙では10人程度の定数にその倍の20名ぐらい立候補しひしめき合い激戦となった。

何故か。私の身びいきの考えでは、それは私が絶えず町内に行政がやっている事業についてどんどん報道し町内世論を?き立てる活動をしてきたからだと思っている。

事業について住民説明会を繰り返し、町長の機関誌を発行し、毎日の本ブログに町政について考えを披瀝し、・・・議会では、議員から、どんどん、どんどん新しい事業をやるので議会がついていけない、とか、あまりにも素晴らしい予算案だから、だから賛成できない、とかの発言があり、毎議会、丁々発止の激論を町長と議員が交わしてきた、その結果町民の行政への関心が大いに高まり定数の2倍の立候補者が出現してきたのではなかったか。

だが今、東洋町の最近の選挙では無投票当選であった。死んだような静かな議会では立候補する者も少ないであろう。
給金や人口の過多の問題ではない。

これまでにない新しい事業、町民への情報公開、沸き立つような議会、それを実現すれば議員のなり手に困ることはないだろう。 

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2014年2月 8日 (土)

オンブズマン活動は私の日常の仕事

News & Letters/340

私はオンブズマン活動に参加して何年になるであろうか。今は単独のオンブズマンとして高知県の片隅から発信を続けている。

これは私の天職となり、町長職にあったときも基本的にこの立場で行政事務を行ってきた。そしてこのオンブズマンの仕事の結節点となるのは、住民監査請求と住民訴訟である。

行政に対し少々の提言をしてもなしのつぶてであり、裁判にかけなければらちが明かない。もちろん裁判官も行政の味方であるから、なかなかしんどい。マスコミも以前に比べてオンブズマンの訴訟や問題提起はほとんど取り上げないようになっている。

オンブズマン活動に参加する市民は最近特に減ってしまった。
私は、資料など情報を集め事件を調べ、それを法令に照らして、違法性をえぐり出し不当な利権を糺すということで、監査請求・住民訴訟を行う。

淡々と粛々とこれを行う。少しでもこの世の悪を減らし、市民の福祉の増進を願う。
相手の利権にすがる主張、裁判官のでたらめな論旨を糾弾するのは、痛快でもある。

平成25年(行ウ)第19号 損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 東洋町長松延宏幸
原告準備書面(2)
平成26年1月30日
高知地方裁判所 御中
原告 澤山保太郎

原告は以下のとおり弁論を準備する。

一、「公の施設」の管理についての法律の規定について

1、旧法との比較
公の施設について地方自治法第244条の2の第3項は平成15年9月に現行の規定に改正された。それまでは、次のとおりであった。
「3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、その管理を普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの又は公共団体若しくは公共的団体に委託することができる。」となっていた。

改正された現行法では
「3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第244条の4において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。」となっている。
旧法においても、現行法においても、ただの一般民間会社が何の手続きもなしに公の施設の管理の委託は受けることは出来ないことは明らかである。

旧法においては地方公共団体の直轄以外には、その50%以上の出資会社か公共団体や公共的団体しか運営委託を受けることはできず、そして公共団体とは他の地方自治体や衛生組合、土地改良区などの公法人を言い、公共的団体とは農協や漁協などをいうと解釈されている。現行法では、民間団体に門戸を開放する趣旨で、直轄以外の仕法では、指定管理者制度の手続きを経て指定された法人であれば公の施設の管理が任せられるというものであるが、あくまでも議会承認等指定管理者制度の手続きを踏まなければならない。この手続きを経ずにした東洋町斎場の本件委託契約は違法であり、それに基づく公費の支出は違法なものである。

2、民間に委託する業務の領域について

地方自治法第244条の2の第3項に規定する「公の施設」の業務の民間委託については、次のことが前提となっている。

第1に、その施設は既設のものであって新たに施設を建設するという業務は入っていない。
第2に、建設した施設の建物の保全やそれに備わっている器機類、主要な備品については、それを設置した地方公共団体が用意し、その機能や材質の保全についての管理も地方公共団体が担当する。例えば図書館が何らかの適法な手続きで民間委託された場合、館の建物の維持管理、照明や冷暖房など空調設備、水道下水道などの維持、等々図書館としての財産としての管理は、基本的に設置自治体に責任がある。

運営を委託される民間団体は、それら施設や機器類を使用させてもらいながら図書の管理や貸出業務、清掃など住民サービスの面を担うのである。経費の支払いについては利用料を徴収するか、設置自治体からの委託料で賄うことになる。
備えられる図書や資料類については、元々設置自治体が備えるが、委託業者が独自に収集したり購入する場合もある。

東洋町の場合でも、例えば地域福祉センターを東洋町社会福祉協議会に委託して管理しているが、建物やボイラーなど機器類のメンテナンスは被告東洋町が直接責任を負いその費用も負担する。社会福祉協議会はその施設を利用してお年寄りのデイサービスなど福祉事業を遂行する。運営を委託されると言っても建物や付属設備を利用するということであって、決して建物そのものや付属機器類の財物の管理責任まで委託されるのではない。
又、東洋町では「海の駅東洋町」(指定管理者㈱東洋リ・ボルト社)が目覚ましい繁昌を示していたが一昨年7月これが何者かによって深夜炎上させられた事件(放火事件)があった。これの管理責任が問われたが、建物そのものの管理責任は被告町にあって、住民サービスの為にその施設を利用していた指定管理者には特段の失態が無い限りその責任は問われ得ないのである。焼け出されたリ・ボルト社や多数の出店者は大損害を被ったが、「海の駅東洋町」の建物の管理責任者である東洋町は火災保険をかけていて、火事の後保険会社から数千万円の保証金を手に入れたのである。施設の財産上の価値を維持する管理業務は、地方自治体にあるのであってこれを民間団体に委任することはない。

第3に、したがって地方自治法第244条の2第3項の民間への公の施設の委託は、主として施設の設置目的に沿ってこれを利用した住民サービス業務の領域に限定されていて、この点について法律制定者である政府総務省の通達(甲第8号証)を見るまでもないのである。そして逆に、施設の住民サービス業務の主要業務を民間会社に委託した場合、被告準備書面の言うように、これを、業務の一部を委託したにすぎない、などとは言いえないことは、自明であろう。

二、「事実経過」について

既に述べたように、何の適法な手続きもなしに民間団体に公の施設の、その主要な住民サービス業務を委託することは認められていない。法や条例を無視して現行のような方法を講じなくても、適法な仕法がこれまでの経過の中にもあった。

1、平成18年度以前の違法状態に戻った

被告準備書面は、これまで本件斎場の管理について経過を述べているが、現在の東洋町役場の担当課長に聞きながら私がまとめた経過は次のとおりである。
もともとの条例では、この施設の管理は、本来町が直営でなければならなかったのに、
町内の葬儀屋に、遺体の焼却など主要な業務の運営を任していたところ、原告が被告町長に就任して是正措置をとり、平成19年9月1日より、従来の民間葬儀会社への委託  
をやめて条例の趣旨である本来の姿として町の直轄または、町有(町が100%出資の株式会社「東洋リ・ボルト社」)の会社に運営をさせたり、また同社から派遣社員という形をとって運営してきた。

「東洋リ・ボルト社」は被告準備書面で挙げられている二人の町民(川渕稔、坂田武行)
を社員として雇用し、施設の運営に当たってきた。
 平成21年9月ごろ、その会社の資本保有の構成比率が変わった(町の持ち株が25%
 に低下した)ので、再び町の直轄に戻し、従業員は東洋リ・ボルト社から町へ派遣という形をとって施設の運営がなされ、それが平成23年11月末まで続いていた。

 平成23年12月からは派遣社員制はやめ、被告町長松延がその従業員を再び町の臨時
職員というかたちで本件斎場で勤務を続けさせ、平成25年3月まで同じ形態できた。
そうして、本件で問題にしている通り被告は、平成25年4月1日から、前記二人のう
ち坂田が地元葬儀会社の社員と一緒に立ちあげた株式会社東洋開発との間で随意契約を
結んで斎場業務を委託しこれを運営している。というものである。
 これを要するに、一般法人(平成18年8月末で)→ 町の直営・雇用(平成19年9
月1日~20年3月末まで)→ 町有会社に委託(20年4月1日~平成21年9月8
日まで)→ 直営(派遣社員)(平成21年9月9日~平成23年11月末まで)→ 直
営・雇用(平成23年12月~平成25年3月末まで)→ 一般法人(現行)、
 というふうに経過してきた。

 現在は、平成18年度以前の元の違法状態に戻ったのである。

2、3つの管理方法があるという

今回の被告準備書面の第2の1で被告は、地方自治法第244条を掲げて公の施設の管理方法について3つを挙げる。
すなわち、
①全ての管理業務を直営で行う場合

②直営ではあるがその1部の管理業務を第三者に委託する場合(第234条)
  
③指定管理者制度を使う(第244条の2第3項)

  被告は本件の場合は、このうち②の方式をとったものだから問題はないと主張する。
  しかも②の場合には地方自治法第234条に依拠しているような書きぶりであるが、
  その234条には、「公の施設」の管理についての規定は何も存在していない。  
被告のこの主張には二つの問題がある。

第一に、被告町は施設の建物の維持や釜(火炉)など機器類の保全業務、残灰の処理を町外の専門業者に依頼して行っているが、本件施設の主要業務である火葬という住民サービス業務には一切関与せず、当該業者(株式会社東洋開発)に丸投げ委託をしている。
斎場の業務では、遺体を受け入れそれを火葬に付し、遺族に骨の一部を選骨収集させ
残灰を片づけ、火炉や斎場を清掃する業務が主たる内容である。火葬を基軸にするこれらの一連の業務を斎場の一部の業務と呼ぶことはできない。それは主要な業務である。現在の地方自治法では、何の手続きもなしに「公の施設」の住民サービスの主要業務を民間業者に委託をすることは認められていない。

現状は被告町の直営とは言えず、運営の表舞台の火葬業務には民間業者が立っている。
そもそも、地方自治法の旧法でも又現行法でも、公の施設の運営について法人に委託する業務領域は主として住民サービスの方面である。それは現行の地方自治法第242条の2の3にも規定されているように「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは・・・」民間法人に委託できるというものである。

ここで「設置目的を効果的に達成するため」というのは、住民サービスの向上のことである。すなわちそれは、総務省の通達(「指定管理者制度の運用について」平成22年12月28日 甲第 号証)にはそれを明確に「住民サービスの質の向上を図っていく・・」、「住民サービスを効果的、効率的に提供するため・・」指定管理者制度が導入されているという趣旨を繰り返し強調しているとおりである。

したがって、被告が主張するように施設の財物管理を含む全的な管理は、はじめから論外であり、直接住民と触れ合う業務領域が委託の対象となるのである。
そのことは、被告は、町の福祉センターや物産販売を扱う「海の駅東洋町」など他の指定管理者制度などで十分わかっていたことである。

施設の建造物や機器類の機能や材質を保全する業務はあくまでも設置した行政機関の責務であって、財物管理業務までは民間に委託されえない。
  従って被告が挙げる③の指定管理者制度の場合でも委託されるのは住民サービスの面の主要業務に限定され、施設の物理的な維持管理を含む全面的な業務の委託などはあり得ないのである。「管理に関する業務の全てを一括して第三者に委託したとすると、指定管理者制度を利用することを認めた地方自治法・・・・に違反するかどうかを検討する必要がある。」(被告準備書面(1)2頁中段)などというのは、全く法律の解釈を誤った謬論である。

 だから、被告が本件斎場の業務のうち、住民サービスとは直接関係のない「火葬場火炉保守点検」や「残骨灰処理」の業務を遂行するのは当然であって、指定管理者制度を使ってもその業務は町の独自の業務として残るのであり、そのため機器類の設置業者や施設を建てた建築業者などとメンテナンスのため別途の契約を結ぶ場合には、随意契約を含め一般競争入札など地方自治法第234条(契約の締結)で処理することは当然のことである。

さらに付言すれば、①の行政が直轄で行う管理であっても、建物や機器類の点検、修理など維持管理は設置業者等にその工事や業務を委託するのであって、何もかも完全に行政機関独自で遂行することは不可能であるから、そもそも①という分類はあり得ないのである。
すなわち地方公共団体はその「公の施設」の管理としては、

A)建物や機器類の財物としての管理業務を専門業者に委託しながら、地方公共団体自身が直接住民サービスを遂行するか、

B)建物や機器類の財物管理を A)方式で町が遂行しながら、住民サービス業務は民間に委託して運営を遂行する。

という二つの形態しかあり得ないのである。

いずれの場合でも財物としての施設の管理は一般競争入札等地方自治法第234条に基づいて行われるが、B)方式の業務の民間委託の場合には現行法では地方自治法244条の2の第3項の指定管理者制度が使われなければならない。

 第二に、上述した通り、本件斎場については平成19年以降、条例の趣旨に沿って主として町の直営方式をとってきた。途中株式会社に委託した時期もあるが、その会社は町が100%出資したもので社長も町長が兼任するという町の純然たる外郭団体であって、町の様々な事業を分担し、特に町の臨時職員の身分を安定させるために設立された組織であり、一般の民間会社ではなかったものである。

被告町長松延も、本件委託契約までは職員を町が雇用するという措置をとって運営してきた。必ずしも民間会社に業務を委託する必要はなかった。
  そもそも、火葬場の業務はさして複雑なものではなく、特別な資格も要らず、機器類はマニュアルに沿って操作すればよく、初めての者でも、前任者か、火炉の設置業者からその操作は教えてもらえるのであって、大規模なものはともかく、普通では、火葬場作業専門の業者など必要ではなく、そもそもそんな業者なるものはこの世に存在しない。斎場の業務は単なる労務の提供にすぎない。

当該「株式会社東洋開発」は、被告東洋町との「随意契約」の折には会社としての実績はゼロであって、「履歴事項全部証明書」(甲第7号証)をみても火葬業務はそれとしては会社設立の目的として登記されていない。

 被告はそれを何か「町内には火葬業務を行う業者が株式会社東洋開発以外にはないこと」などを「随意契約」の理由に挙げているが、その業者の構成員の二人は、つい前日の平成25年3月31日までは町の職員として、その業務を遂行していた者だった。
  引き続きその者を町の職員として雇用して本件施設の運営に従事させることについては何らの障害もなかったし、誰も文句を言う筋合いはない。

  しかし被告は、敢えて民間会社に本件斎場の主要業務を委託した。それが一般競争入札であるか随意契約であるか、契約の形態については第二の問題である。
  契約の仕方が問題なのではなく、委託する民間法人の選定の手続きが問題なのである。
原告は、「公の施設」について民間会社に委託するには地方自治法第244条の2第3項に基づいてそれ相応の法的手続きを踏まねばならないと主張しているのである。

その適法な手続きを踏んでいない本件契約は違法であり、違法な契約は無効だと主張している。

三、損害賠償請求等について

被告は、本件施設の一部を第三者に委託するが東洋町の直営方式であり、その場合一部
の管理業務の委託契約は地方自治法第234条に基づき、同法施行令第167条2第1
項2号の随意契約によっているから、適法であり、賠償責任は存在しない、という。

1、随意契約の不当性

既述のとおり、現在の本件施設の管理運営の状況は、町の直営とは言えず、火葬等その
主要な業務が株式会社東洋開発に任せられていて、そのような契約も結ばれている。
住民サービスの主要な業務を民間法人に委託する場合は地方自治法第244条の2の3
の規定に基づき適切な手続きを踏まなければならない。

 しかし、被告は、そのような適法な手続きの代わりに、如上の法令に依拠し違法な契約
をして開き直っているが、その理由として「随意契約」をあげ次のように言う。

 被告は、①地域性、利便性の観点からは東洋町内の業者の方が望ましいところ、町内には火葬業務を行う業者が株式会社東洋開発以外にはないこと、②同社の職員は東洋町の斎場及び施設を管理した経験を有していること、③同社との委託料は年間300万円であって経費が削減できることなどを考慮して、同社と随意契約によって委託することが、斎場及び施設の円滑かつ適切な管理、ひいては東洋町及び町民の利益増進につながると判断して、本件業務管理委託契約を締結したものである。
(被告準備書面(1)3頁上段)

 既に述べたように株式会社東洋開発は、火葬業務をするということで設立されたもので
はないし、社員個人は別として、会社として葬儀その他いかなる業務の実績も何もなか
った。

町会議員が経営する別の葬儀屋(有限会社東洋 甲第9号証)の建物の一室を会
社の事務所として借りて、本件契約の前月に急きょ作られた会社にすぎないものである。
そもそも本件斎場は平成19年8月末までは長年この有限会社東洋が委託運営していて、
その委託が何らの法的根拠も無いということで、契約が打ち切られ是正されたのである
が、本件随意契約の相手である株式会社東洋開発は、有限会社東洋の元社員坂田武行と
その会社の現職の役員である森佐智尾が設立したものであって、いわば有限会社東洋
の子会社なのである。その有限会社東洋の社長小松煕は、現在東洋町の町会議員であり
本件の監査請求を棄却した監査委員でもあるが、その葬儀屋の事務所は数年前の町長選
挙の折には、被告東洋町長松延宏幸の後援会の看板がかかっていたところであって、本
件「随意契約」を理解する上において重要な参考となるものである。

 およそ「火葬業務を行う業者」など、聞いたこともないし、あり得ない。東洋町程度の規模の施設であれば火葬業務を行うのにはさしたる資格も要らないし、簡単なボイラーの操作をてきぱきと行う労務者が一人か二人おれば用が足りる程度のものであるから、役場の職員が兼任するか、あるいは町内からの用務員の募集で足りる話である。

 また、経費が約100万円ほど節約され300万円で済むようになったから経費削減であり東洋町の利益になったという。しかし、この経費削減の主張には根拠が無い。
 直接労務者を雇用した場合、東洋町の斎場での火葬業務は毎日あるわけではないから、暇ができる。そこでこれまで東洋町では、雇用した二人は火葬場が暇な日には別途の労働が課せられていた。すなわち、廃食油を精製して、ディーデル自動車エンジン用の油を作る業務と、廃食油からエコ石鹸を作る業務などが与えられていた。その他町役場での雑用はいくらでもあり、決して無駄に過ごしていたわけではない。

 また、民間会社に依らなくても、雇用の方法をとり、火葬業務が無いときには労賃を払わないということで労務者を募集すれば、やはり同じく300万円程度の費用で済むであろう。
 
それに、公の事業では、委託費用が安ければよいというわけにはいかない。
 無資格の弁護士に安い値段で業務を委託し、ちゃんと仕事をして貰ったから、よかった、といえるだろうか。無資格の者に運営を委託して経費節減を図ったということは公務の世界で許されるはずはない。そんな違法な事由を挙げて随意契約を正当化できるであろうか。被告の順法精神を疑わざるを得ない。

 また、付言しておくが、町や公共団体と関係のない純然たる民間会社、特に葬儀関係の団体に本件施設を委託するのは芳しくない。葬式を依頼した親族から規則で定められた斎場使用料以外の 心付け(金品)の授受という悪習を制止することが困難であるからである。民間会社なら葬儀に携わった人に心付けを渡すこと、またそれを要求することは許されるであろう。しかし、公設の斎場で、そのような悪しき慣行が横行することは許されることではない。

 随意契約をする必要は何もないのに、法令の定めを無視して政治的なコネのある業者と委託契約をしたのは町長としての裁量権の逸脱である。

2、随意契約の不当性を知っていた
 幾度も述べ来ったように、「公の施設」の管理運営を民間法人に委託する場合には法定 の条件や手続きがあることは、その施設管理に当たるものであればだれでも知っていることであり、知らなければならない。

従って、以下の被告が言うとおりのことが、本件の場合ズバリ該当する。
地方自治法施行令167条の2第1項にあげる事由のいずれにも当たらないことが何人の目にも明らかである場合や契約の相手方において随意契約の方法によることが許されないこと知り又は知りうべかりし場合など当該契約を無効としなければ随意契約の締結に制限を加える法令の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められる場合に限り、私法上無効となる。 

 被告準備書面(1)3頁中段
地方自治法第244条2の第3項や本件についての東洋町条例の存在は首長や担当職員なら知っていなければならず、少なくとも「知りうべかりし」ことがらである。これを知っていれば、「公の施設」の運営の委託業者の選定には、随意契約で済むわけがないことも自明でなければならず、それどころか委託契約の前提条件が満たされていないのであるから、いかなる契約も成り立たないことを知らねばならなかった。

施設管理の無資格の者とは契約行為はできない、してはならないのである。だから、「随意契約に制限を加える法令を没却する結果となる特段の事情」があったどころか、契約そのものが制約(禁止)されている「特段の事情」があるのである。

3、損害の発生について

 被告は本件随意契約による支出が仮に違法だとしても、東洋町の負担は従前より軽減され損害は発生していない、と主張する。
 しかし、損害は発生した。なぜなら、この随意契約によって支払われる公金は、その相手側の会社に渡るべき金ではなかった。株式会社東洋開発が受け取る金は不当利得であり、本来正当な手続きで選定され契約される団体か又は東洋町に雇用される労働者に支払われるべき金であった。それでも、株式会社東洋開発は仕事をしたではないか、それに相応する金は貰わねばならない、というかもしれない。

 その金は、違法契約をして働かせた被告町長らの責任であり、一旦公金でもって支払ったとしても、それは被告町長らによって弁済されるべきものである。
違法な公金の支出は、弁済されねばならない。

それは例えば、首長が私的な秘書を勝手に雇い、大事な公務を手伝わせたからといって、その労務の提供に公金を充てることはできないというのと同然である。
そんなことが許されるなら、適当に私人に公務を任せ、公金を支払うといういうことが無制限に許されるということになるであろう。

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2013年6月27日 (木)

生活保護法改正

News & Letters/356

自民党ら反人権団体が生活保護法の改悪を狙った法案を成立させようとしている。
その内容は、申請手続きを厳格化し、親族の扶養義務を強化し、本人の早期の自立・保護打ち切りを促す、生活保護の恥化政策を内容とする。

、私は町長時代、生活保護申請者には基本的に全部町長が直接申請を受け付けた。
それは、担当職員が保護申請を拒絶することがないようにするためであった。
だから、町長在任中一件も保護申請を却下したことはなかった。
生活保護申請は暴力団関係を除いて、絶対に受理しなければならない。
行政はむしろ住民の生活の実態を知って、雇用対策を講ずると同時に、適切な保護を積極的に進めるべきなのである。

、誰であれ本人とともに付き添い人が面談に参加することを歓迎した。
 他の役場では、申請人本人を孤立させ、密室で強圧的に問い詰め申請を諦めさせるために付き添いを排除していた。職員が相手に何を言っても証拠が残らない。
室戸市議の時には、私はしばしば保護申請に付き添って助言をしてきたが、やがて室戸市福祉事務所は付き添いを一切排除した。
私は、むしろ、本人が十分窮状を訴えられない場合もあるから、近所の人や親 
 族がそばで助言することは大いに参考になることであると考えたのである。

、保護費の支給を希望者には全て銀行振り込みに替えた。役所や公民館で支給日に被保護者を並ばせるのは、残酷であり、それを思って保護申請ができない者もいたのである。プライバシイのはなはだしい侵害であって、そういう卑劣な手法で保護費の削減になるという愚劣な考えは我慢ならないなのであった。

銀行振り込みを希望しない被保護者に対しては、職員に被保護者の家に保護費を持って行かせた。生活保護法では、保護はその者の居宅で行うと規定されている。
被保護者を役場の庭に並ばせて支給するやり方は、私が室戸市議であった時も、とくに問題とし、貧しいということの刑罰としてその貧しさを暴露させるという蛮行。私は、室戸市でついにこの蛮行をやめさせたものである。

どんなに忙しくとも、町長として私がすべての生活保護申請者に面談した理由のもう一つは、行政執行者として住民の困窮の実態を身にしみて知る、というためであった。雇用対策と福祉施策の重要性をそこから予算に生かさなくてはならない、その感性を常時磨くために最底辺であえぐ人々の声を直接聞くことが大事な仕事なのである。

私は東洋町始まって以来の億単位の巨額の雇用対策を実行し、米の配給など福祉行政を徹底的に拡充してきたが、それは、生活保護申請者の生の声とその姿に後押しされていたからであった。

生活保護法を改悪し、今よりも一層申請者を委縮させ、保護費を切除し、国民にそれを恥とさせるというのは、ひっきょうは、むしろ為政者たちの無能と恥をさらすことである。
今も昔も、民主主義であれ何であれ、国民が貧しく、仕事もなく、飢えと病気に苦しむのは為政者の責任なのである。

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2011年1月21日 (金)

阿久根市長の敗北

News & Letters/212

阿久根市長がリコールの住民投票で破れた。
私は、仕方がないと思う。現在の法律の下では、議会制度を無視し、法令を無視して市長サイドで行政を遂行するというのは、あまりにも無理な行為であり、考えが単純すぎた。

いくらいい考えであっても、独裁的にこれを実行するというのは日本の行政制度では許されない。
前へ進むだけではなく、屈辱を耐え忍んで後ろに引き下がることも必要なことである。直線的に進むだけではなく、ジグザグにらせん的に、また行ったり来たりしながら少しずつ進むということがこの社会の現実なのである。

第1に竹原市長は、曲がりなりにも任期期間の市長の職を守るべきであった。後退したり妥協したりしながら時間を稼ぎ、そのうちに反撃の機会もあったであろうし、自分の考えが理解されることもあったはずである。その位置を失ってしまっては、どうする手立てもない。

竹原市長の考えの場合は、職員の給与などの問題は相手の利益を損なうわけであり、よほどの説得力と相手が納得する代替案がなければ実現しがたい問題である。ワン・ストロークで解決できる問題ではない。相手がなるほどという雰囲気にまで持っていかねばならない、その努力をするべきだった。

第2に、市長の職におれば、大小にかかわらず今の現状を改革すべきことがたくさんある。議会も何もかも反対というわけには行かないのだから、小さいことでもたくさん改革を積んでいけば、大きな前進につながってくるだろう。福祉や教育、雇用・・・ですることはたくさんある。職員の給与や議員の報酬の改革だけに固執する必要はない。難しい課題にはそれなりの準備も要る。

他の分野に目を移せば、することはたくさんある。市長の職を失えば、それもこれも何もできず放置してしまうのである。

第3に、自分が正しいことをする、どんな手段を使ってもやるというのは意気は大変いいが、立場を替えるとヒットラーや先の天皇のように自己を絶対化してしまうことになる。竹原市長の場合はたまたまそれがいい政策であったからいいが、これがとんでもない独りよがりである場合には、大変なことになるであろう。竹原市長がいつもいい考えをしているとは限らないのである。

いいことをしているつもりが、大気を汚染したり、放射能を撒き散らしたり、戦争をおっぱじめたり・・・ということがいっぱいあるのである。労働組合の話もじっくり聞きながら気長く改革を進めるべきだった。打たれても打たれても雑草のように生きて戦うことがまず大事なことであろう。

私は議会では、1つの質問に10ぐらいの返答をし負けずに丁々発止と議論をするが、それが終わったら直ちに反省会をやり、議会の質疑応答を反芻し、失敗した答弁はなかったか、指摘事項ですぐにやるべきこと、今後課題として検討すること等々の仕分けをして議会の審議を大事にしている。

竹原市長はまだ若い。捲土重来を期し、議会制民主主義の意義を深く勉強しながら、再び立ち上がることを期待したい。

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2010年9月12日 (日)

四国銀行の不正融資事件の始末

News & Letters/206

四国銀行の別件闇融資事件が最終的に高松高裁で決着を見た。
3億500万円の損害賠償の支払いが、当時の銀行最高幹部らに命じられた。
四国銀行に対して平成13年の夏から追求の手を緩めず、9年間の辛苦が実ったのである。

最初は、銀行の監査役に闘犬センターに対する融資について、提訴請求を起こしたが、すげなく却下された。どこの会社も同じく、監査役が、会社の監視役ではなくボディガードのような存在であり、何の役にも立っていないのである。却下されたから我々は株主に代わって提訴した。それが平成13年の10月のことである。

最初高知地裁は我々の訴えを一部認める様子で、和解案を出してきた。1億円ぐらいの話であった。しかし、四国銀行はにべもなく拒絶してきた。その結果、第1審判決は四銀役員側に1億6千万円の賠償金を支払えという判決を下した。

たまげた四銀側は控訴した。控訴では四銀側の言い分を認めて、逆転して我々を敗訴にした。

そうして、昨年11月最高裁小法廷で、再逆転があり我々が勝訴した。違法貸付の範囲は3億円を超えた。

そして、昨日平成22年9月10日、高松高裁で、最高裁の認定した最大幅の責任の3億500万円、我々の弁護士費用3500万円の支払いで決着したのであった。全体の損害額(不正融資額)15億円の5分の1であったが、それ以上は我々の力が及ばなかった。裁判官を揺り動かす力が無かった。

和解調書の内容は、第1に不正融資について陳謝すること、第2に、賠償金と弁護士費用を払うこと、そして、第3には、この裁判の基調をなす所であるが、銀行は高知県行政の不正に荷担しないことの誓約が盛り込まれた。

しかし、真実は、そんなものではない。銀行が県の不正に乗せられた、という筋書きではない。

県が闘犬センターのために「念書」を銀行に発行し、そこに県の公金を貸し付けるから、貸し付けるまでの肩代わりに銀行が金を都合してくれと依頼があった、という話ではない。この不正融資は銀行が仕組んだものだ。
その証拠に依頼した「念書」は銀行と県の間でファックスで吟味がなされていた事実が確認されている。

銀行が県の上にあった。指定銀行の四銀の幹部は県庁を押さえていた。
四銀は、有力株主の子分である男の借金(主に高利貸しからの借金と言われる)を銀行の金と県の金で処理しようとしたのである。

その借金もはっきりした証文は一切ない。商売によって生じた借金とは思われない。ただ1枚の事務員のメモがあり、それに10億円近い借金の相手と金額が書いてあるという程度である。普通そんな訳の分からないことに銀行が億単位の金を出すであろうか。

公金にも等しい銀行の金を、闇金融の世界へ横流ししようとした事件なのであり、それに、県庁を保証人代わりに巻き込んでいたのである。県庁はこの金をころがしという手法で密かに貸し出し(実際はプレゼント)、年度末に1日だけ県の会計に戻すという偽装を続けようと画策していた、というよりそうさせられていたのであろう。

結局、県庁がこの金を出すということが、確かな担保だということになって、裁判所は、最初の融資から、相当部分の融資の責任をみとめなかったのである。

銀行の損失を関係役員の責任に転嫁出来なかったのは、ひとえに県の闇融資の意志の存続という事実であった。その意志がある限りにおいてすなわち予算措置がある限り、例え執行しなかったとしても、融資には根拠があったというのが裁判官の判断である。

金融資本の魔性に縛られた小官僚の浅はかな行為が、段々と不正融資の拡大に寄与し、会社に大損害を与えたのであった。

融資した金が何に使われたかもはっきりしない。闇の向こうにけらけらと笑う魔性のものの声が聞こえる。

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2010年9月 7日 (火)

阿久根市長

News & Letters/205

阿久根市長と議会の対決は非常に興味深い。
異常な事態であるが、それだけに地方自治の問題点が浮き彫りになっている。
普通は、まあまあで、首長・議会が相手を尊重しあいながら、悪く言えば妥協しあいながら何とか役所を運営してきた。しかし、阿久根市では譲り合いや妥協と言う点がほとんど無いので先鋭な形で戦後の地方自治の問題が出てきた。今の所解決の方法はないようだ。

最大の問題点は、次の点だ。

地方自治を行う上においては予算はもとより人事にいたるまで多くの重要案件で議会の承認議決が欠かせない。議会での承認が得られない場合、首長はどうすればいいのか。
いったんその案件を引っ込めて時期を待って再提出するか。それとも完全に諦めるかだ。
首長の専決処分が問題になっているが、そうすると、かえって議会の専決が問題になってくる。いかなる議案でも議会はそれを否決することよって現状維持案や議会が好む別案を決議し、首長に強制すると言う事になる。明らかに行政権限を行使することになる。
地方自治法上では、議会はいかなる決定を下しても法律上は無責任と言う事になっている。

市民の生命財産にかかる重大問題でも、議会は責任を負うことも無く、処分権を保有し行使しているのである。違法な公金支出事件でも罰せられるのは首長であって、その事業を議決して推進した議会は何のとがもない。
このような存在・・・強大な権限を行使しても無答責である、というのは民法の法典上では存在していない。幼児など当事者能力を欠如している者を除外して、人はその言動において責任を負うことになっている。

戦前、天皇にはこのような無責任行政権・法律制定権が与えられていた。
戦後地方自治法では議会にこれが与えられているのである。これを掣肘する制度は直接的には無い。

リコール請求など直接請求制度や、選挙などの方法があるが、リコール権を行使するのは大変なことであり、地方の住民では地盤に密着しているので別の議員を過半数に達するほど交代させる力はきわめて少ない。普通は首長の専横は一応議会にそのブレーキが与えられている。翼賛議会でブレーキをかけずそのまま執行してもその専横の責任はずっしりと首長にかかってくる。しかし、議会の専横にはブレーキのかけようはないし、しかもその専横の付けは議会ではなく、首長にかかってくるのである。

かくて、戦後地方自治が整備される中で、全国各地に、無答責の小天皇が制度的に確立された。双方が立場をわきまえて、その権能を尊重し、妥協しあっていくのが法律の前提であるが、阿久根市のように議会やその係累にかかる利害が絡む場合、いい加減にしてきたその地方自治法の空白部・・聖域化された無答責の権力がまともに首をもたげ威力を発揮する。

今私は、阿久根市長の言い分が正しいか、正しくないかのことについていっているのではない。心情的には、市長の気持ちは充分分かる。そのやり方をもっとうまくやればと言う気もする。だが、市長の主張の可否を超えて戦後地方自治の重大な問題が提起されていることは間違いない。法の改正が必要であろう。

それは、議会にも普通人と同じように、それ相応の責任をもたせることであり、間違った公金支出の議決をした場合、または、住民にとって本当に必要な公金の支出を伴う事業を拒否した場合、その議決に賛同した者に賠償責任など適切な責任を負わせるべきであろう。

民法上その行為に何の責任も負わないという存在は責任能力を欠如した者だけである。
議会の議決は普通の人以上に行政機関や一般市民の生活に大きな影響を与えるのだ。

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2010年8月28日 (土)

奇妙な事件

News & Letters/201

例の田島毅三夫議員が、リコール事件の腹いせに、私を名誉毀損で訴えていました。
ところが判決文では、私は何の関係もないのですから、無罪です。

むしろ、田島毅三夫自身の方が、町長である私に対して「人身攻撃」をしている、「誹謗中傷」をしていると言う判決が出ました。それで、私は、自分への人権侵害が裁判所で明らかにされた以上、これを放置するわけにはいきません。

早速別添の訴状を認めて裁判所に手続をしました。これによって得られる賠償金は反原発の運動団体にカンパしたいと思います。裁判所がすでに認定しているのですから、後は賠償金の多寡の問題だけです。

例の男は、まさに天につばするという結果になったわけです。

訴   状

      原告 高知県安芸郡東洋町大字河内1801番地1 澤山保太郎         
      被告 高知県安芸郡東洋町大字甲浦15番地2    田島毅三夫      
        
損害賠償請求事件 
訴訟物の価額      万円
貼用印紙額        円

請求の趣旨

1、被告は、原告に対し300万円及び平成22年8月18日より支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。

2、被告は、別紙の通りの謝罪広告を東洋町内に配布せよ。

3、訴訟費用は被告らの負担とする、
との判決を求める。

請求の原因

第1、当事者

1、原告澤山保太郎は平成19年4月より東洋町長である。

2.被告田島毅三夫は、東洋町の町会議員である。

第2、請求原因

1、被告は、「議会活動報告NO1」(「平成19年8/9/10月議会号」 これを議会活動報告と呼ぶ 甲第1号証)を作成し原告澤山保太郎の名誉を毀損する記述を掲載し、東洋町内で配布し、高知地裁安芸支部の公判廷にも提示した。
 これらの記事は事実無根であり、町長である原告を公然と侮辱しその名誉を著しく毀損するものであって許すことは出来ない。
 名誉を毀損する記述は多数あるが、中でもつぎのものはひどいものである。

①議会活動報告 2頁目上から3行目
「町長は、自分に意見し反論する者、気にいらない人等には、直属の部下を使って、チラシ配布や監査請求、身辺調査、さらに告訴等、手段を選ばず服従するか沈黙するまで徹底的に弾圧を加え、絶対君主制の確立を目論むのが下衣間見える。」

②同 3頁目下から11行目

「選挙後その署名簿を現臨時職員H氏に焼却を命じたのも町長である。」

③同 4頁目上から13行目 
『振り込め詐欺』の手口極似する」

④ 同 4頁目上から24行目
「これは事実横取り、騙しの集金である。」

⑤ 同  5頁目上から15~16頁目
  何故こうしたウソを流して人を罪に陥れるのか。それこそ人間失格である。」

⑥同 5頁目上から25~26行目
「カンパ取り込みを行った上、嘘によって人を陥れることこそ人間性を疑う。」

⑦同 5頁下から4行目 
「選挙前後町長の嘘・独断横暴は限りなかった。」

⑧ 同 6頁目19~23行目
「職員や調査員を使って探し出した住民の個人情報を、新聞やブログ、チラシ等でどんどん公開し、気に入らぬ者の社会的抹殺を図るとなれば、それこそ東洋町は疑心暗鬼、行政不信から大混乱。適正な行政執行は出来なくなる。虚言癖のあるオンブズマンが権力を握ればこうなるという最悪の見本である。」

⑨ 同 7頁上から4行目
  「守秘義務の無い虚言癖町長から出た情報を鵜呑みにすれば大変なことになる。」

⑩ 同 上から10~12行目

1、「今この権力や金に媚びない正義感が目の上のコブとなって邪魔になった権力者及び取り巻きが、告訴やデマチラシで追い落とそうと画策しているのである。」

2、被告が作成した議会活動報告の上記内容は、「東洋町議会だより」第99号に同趣旨の記述が掲載され、平成19年東洋町9月定例議会で公然と発表されたものである。

3、以上の被告の行為は、公職にある町長個人へのいわれなき名誉毀損であり、憤りに耐えない。被告は少しの反省の色もなく、その後も多くの誹謗中傷をやめない。
  個人としてのみならず首長としての澤山保太郎の名誉や信用が損なわれたから、少なくとも300万円の慰謝料に相当する損害賠償を請求する。

4、また、民法第723条に基づき、別紙記載の謝罪広告を求める。

5、被告の原告に対する如上の議会活動報告の記事は、原告に対する不当な人身攻撃であり、そのことは、高知地方裁判所安芸支部において、平成20年ワ第21号損害賠償請求事件(原告田島毅三夫)についての判決文(平成22年6月23日言渡)でも「・・・これらの記載は、人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を脱したものを含む誹謗中傷というべきであるから・・・」という風に明瞭に認定されている。

立証方法

一、甲第1号証 議会活動報告
二、甲第2号証 議会だより第99号

添付書類

一、訴状副本 1通
二、甲号各証 各1通

平成22年  月  日

原告 高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1澤山 保太郎

高知地方裁判所安芸支部 御中

(別紙)
        

 澤山町長及び町民への謝罪
                  東洋町議会議員 田島毅三夫

                    平成  年  月  日

 私は、以下のとおり根拠のない事実をあげつらい、東洋町長澤山保太郎の名誉を著しく損なう行為を行いましたので、ここに謝罪します。今後このようなことを言わないように致します。

1、澤山町長は、町民を服従させるために手段を選ばず弾圧をした。

2、澤山町長は、平成19年4月の町長選挙で、部下を使って選挙署名簿を焼却させた。

3、澤山町長は、虚言癖のあるオンブズマンだ。

私の以上の発言や主張は、根拠のないことであり、澤山保太郎町長の名誉を傷つけるものでありました。町長や町民、議会の皆さんに対し深くお詫びを申し上げ、今後この様な言動をしないことを約束致します。

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2010年3月27日 (土)

菅家さん無実確定と新聞報道

News & Letters/183

宇都宮地裁で足利事件再審の判決が出た。
裁判長は起立し深々と頭をたれて謝罪の意を表した、という。

ところで、この事件で裁判所と同じくらい深い罪を負っている新聞社などの報道機関はどうするつもりか。謝罪しないのか。菅家さんに濡れ衣を着せ冤罪を世間に言いふらし書きふらした。菅家さんだけか、その親族一同にかけた苦しみをどのように償うのか。

私は、日本にも権威あるプレスオンブズマンがなくてはならないと思う。新聞報道には何らの自主規制もなく、その人権無視、無軌道な報道にブレーキをかけるすべがないのだ。
名誉毀損で訴えられても、仮に負けたとしてもその賠償額は新聞社にとってはささやかな出血だ。

貧しい一般市民には裁判を起こす資力もないし、勝ったとしても弁護費用を支払うのがやっとである。
実際の裁判では、ほとんどの場合裁判官が新聞社の方に味方をするだろう。潔白を立証するという作業は市民には困難なものである。

ちなみに、高知新聞の最近の記事で奇妙なものがあった。
この3月26日の地域の議会欄で、室戸市が取り上げられている。小見出しには「職員不祥事で市長減給処分」で、中の記事は
「2月に発生した職員不祥事を受けて追加提出された・・・市長を減給10%1ヶ月(4月分)とする条例案など・・・・」

市長の減給処分の原因となった「職員不祥事」とは何か。この様な記事が突然新聞に出ても読者には何のことか分からない。
高知新聞は、本年2月に発生したこの「不祥事件」なるものをこれまで全く報道しなかった。
市長が減給処分をしなければならないほどの重大事件を新聞社が知らないわけはない。

理由があって報道しなかったし報道するつもりもない。この「不祥事件」は隠すことにしたのだ。
私の所には、この「不祥事件」が発生して直ぐにその重大な内容が伝わってきた。
これは、白昼、市役所庁舎内で職員間の暴力事件だ。人を逆落としに落として脳しんとうか何かでも起こしたらしい。
県のヘリコプターがよばれ、どっかの病院へ搬送された。よく分からないが、これほどの暴力事件でも警察は事件にはしないらしい。県のヘリコプターはただではないのに。

新聞社は、弱いものにはその人権を無視しても襲いかかるように容赦なくその人の身をはぎ、骨を削るような記事を書く。
だが、おもねている権力者には、いかなる重大な事件が発生しても隠し通してあげる。その記事中の「不祥事」という言葉が何のことか読者には分からないという、新聞としての体裁も顧みることはない。

誠実とかヒューマニズムとかいう言葉は、死語に等しい。県のヘリが出動し、市長が減給となる事件は新聞報道に値しないはずはない。

この事件が起こった同じ頃、室戸市の税務担当の職員が書類と現金を落とし、市民が拾ったという事件も私の耳には直ぐに入ってきたが、これは後に高知新聞の小さな記事になった。しかし大騒動した「不祥事」はその時に分かっていたはずだが記事にしていない。東洋町の改革行政に難癖をつけることに夢中になっている新聞社のこの偏奇を見よ。

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2010年3月19日 (金)

修正議案

News & Letters/182

 今朝の高知新聞に東洋町が当初予算を撤回して修正議案を出したことについて、大きく報道された。
議会審議の後、議案を修正することが異常であるかの如き取り扱いだ。

1、しかし、議会での審議の後議案を修正すること 
 は極めて民主的なことであって、そういう趣旨で記 
 事にするなら新聞として値打ちがあろう。
 修正することを異常扱いでは、この新聞はどっち 
 を向いているのか。良いことをしているのを非難 
 する、いわゆるけちをつけるという行為であって、
 社会の公器たるもののするべきことではない

、論議となり修正した内容について何の批評もな
  い。修正した箇所は

  ①お年寄りへ毎月5㎏の米の配給
  ②小中学校の修学旅行費用の助成金
  ③ホームセンターの人件費であった。

 高知新聞は意図的に②については何も書いていない。
③はべつにしても、①と②は画期的な事業であって、それ自体で全国ニュースになるべきものである。東洋町は昨年から保育園児(5㎏)から小中学高校生(10㎏)まで毎月米の配給を行ってきたが、さらに22年度からお年寄りにまでこれを拡大しようとしたのである。このことがどうしてニュースにならないのであろうか。今回は、75歳以上のお年寄り全員にと思ったが、委員の意見も無視しがたく低所得層に限ることにして減額修正をした。

 それでもお年寄りに米の配給制度は打ち立てられた。生活保護率全国一位、税の滞納率全国1位、高齢化率40パーセント以上、1600戸ほどの小さな町で、この3~4年間で生活保護の新規申請が200人を超すという地域では直接救護米を出すこともやむを得ない。借金を大幅に減らすなど健全財政をやっていて、その範囲内で出来る限りの手を差し伸べるは行政として当然なのである。

 室戸市の羽根町には、江戸時代の義士岡村十兵衛がまつられているが、彼は、窮民を救うために藩米の倉庫を勝手に開いて分配した、その責任を取って切腹したのであった。郷民はかれを神(鑑雄神社)としてあがめてきた。米の支給は貧しい市民を抱える市町村福祉行政の範となるものである。

 私が町長になる前東洋町議会は、全ての福祉行政を「全廃」するという前町長の福祉行政を支持していたのである。誰でもではなく支給の枠組みをつくれと言う議員の意見は道理の範囲の意見であるから、修正議案を出すことにした。それでもなお反対する議員がいるのはしかたがあるまい。
これまでの行政と正反対の突出した私の福祉行政にアレルギーを感じる人がいるのはむべなるかなである。

②の修学旅行への助成金も画期的なことで全国に先駆けた事業である。
修学旅行は強制的な正規の学校課程である。この費用の負担は保護者にとって過重であったことは、子供心にも分かっているはずだ。しかし、これまでの市町村教委はこの負担を無視してきた。
東洋町がこれに風穴を開けようとした。
私は、義務教育無償の憲法を掲げ、この修学旅行本人負担の悪習を破り、助成予算を押し通そうと考えていたが、議員の意見を入れて段階を踏んで進むことにし、減額修正した。

①②の事業の意義が何であり、それが全国の市町村にどのような影響を与えるかということは新聞として重大な関心事でなければならない。

 修正議案は、委員会審議ではいずれも可決となったことも高知新聞は記載していない。

 高知新聞の記事にはジャーナリストとしての矜持もヒューマニズムのかけらも感じられない。

 なんせ、さる1月17日、町議会選挙の開票場で、有権者以外入ってはならない開票場に他の記者たちと一緒に侵入し自ら大騒ぎをする不法行為をしておいて、会場が「騒然」となったという記事をでっち上げたほどの新聞であるから、これ以上言うべき言葉はない。

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2010年2月17日 (水)

格差社会

News & Letters/176

日本は、まだまだ身分格差のひどいところである。
封建遺制にまつわる差別はもとより、近代社会が生み出している格差は広く深く深行している。

身分格差は、生活水準、所得の格差として現出する。この東洋町でもひどいものだ。私が責任があるのだが、直ちにこの経済的身分上の差別を解消することが出来ない。

私は、今、役場と、リ・ボルト社の給与を考えている。先月などは、公務員で総所得60万円を越えるものが数名いた。リ・ボルト社の「海の駅」は先週の土曜日に売り上げ1億円を達成し、東洋町の産業振興に大いに貢献したが、そこの正社員4人の給与は月15万円を越えるものは誰もいない。

4人の正社員を束にしてこの町の突出した公務員1人に匹敵する。
窓口業務で月60万円、と激しい立ち居の接客業務の月15万円の社員との比較で4倍の給与の格差。これは、余りにも不平等ではないのか。私は悔しくて夜がねられないという日が幾晩も続いている。

私の給与は20%減で50万円ほど。何かにと引かれて手取り30数万円。それから、ホテル代金の借金支払いに20数万円ひかれ、家賃や食事代、生命保険代金等を引かれると、何も残らない。

私費の交際費などは持ち出しとなる。土曜・日曜祝祭日もほとんど年中出勤しているのにだ。
自業自得だから私はいいとして、私が担当しているこの町の農民や漁民、商売人たちは爪に火をともして暮らしている。

月数万円の年金で暮らしている大勢の老人もいるし、生活保護を受ける戸数の割合は全国最高であるというほど経済的に最低の社会だ。貧しさになれてしまって不平も出ない。
その町民に奉仕するという公務員が、毎月50万円以上の給与所得を得ることが許されるのであろうか。少々の残業をしたからといって月60万円(お年寄りの年金1年分)を超す給与を取っていいのであろうか。

私は貧しいプロレタリア・貧農の子であり、被差別部落に生を受けた者である。その立場からの視座で、現代の日本の公権力・公務員制度ー身分格差の根元をその根本から見直さなければならないと思っている。

私は、この日本全国の役場の中に牢固としてある官尊民卑の磐根錯節を断ち切らないでは、安心して眠れない。死んで親や先祖に申し訳が立たない。

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