医療・福祉の問題

2020年7月19日 (日)

矛盾


コロナ感染の急増のなかでGo to トラベル をめぐってにっちもさっちもゆかなくなっている。

政府は、感染対策と社会経済活動の「バランス」をとるなどともいう。

しかし、有効な治療薬がない今、三密を避けるなど感染対策と経済活動は、根本的に対立するものであり、バランスのとりようがない。類的存在である人間は、社会的経済的に相互依存し密接に交流しなくては生きていけない。

とりわけ資本主義経済では、人の命や健康よりも資本の増殖が優先される社会では、アメリカやブラジルのように社会経済活動がコロナ対策を無視して推し進められる。

仮に有効なワクチンや医薬品が開発されても、次々に発生する新たな新型ウイルスの蔓延には対処できない。

新型コロナに対する有効な感染対策はこれまでの人類の生活・文明そのものの存在の在り方、存在の意義そのものをゆすぶるものである。広くは国際社会、国内社会全体、地域や職場、学校や電車・飛行機、家庭まで感染対策はくさびを打ち込んでくる。社会的活動をしなければ人類は生きていけない。コロナ対策はそれを問題にして社会活動の遮断を要請するのである。

資本主義を揚棄することはもとよりであるが、新しい人間の生き方と思想の模索が始まらねばならないだろう。その社会は、自然・環境の破壊をやめ自然と共生し、都市の政治経済の集中をやめ、それへの人口の集中をやめ自立性の高い地方の創生・・・・。

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2020年4月18日 (土)

コロナ徳政令

 

いくら政府や地方首長がわめいても人の外出は止まらない。何の補償もないからである。
30万円、いや10万円出すとかいうが雀の涙でそれもいつになるのやら。
非常事態宣言は、政府からではなく国民が政府や地方自治体に向けて発するべきことだ。
非常事態といっても政府は何もしていない。国民に犠牲と責任を押し付ける魂胆だ。

 

国民は大小の権力を持つ連中に次のことをするように宣言する。

 

    非常事態宣言・コロナ徳政令

 

1、国民は外出をやめ一切の社会的経済的活動をやめる。
そのかわり

 

2、政府はコロナ徳政令を発する。税金や家賃や借金の返済をすべて凍結する。
3、政府は、すべての国民の食糧・医療・病人の収容所等国民が生きていくに必要なものをすべて無償で提供する。農漁業などすべての物資生産者の生産物を政府が全部買う。

 

4、希望者はもとより全地域の全住民にウイルス検査を受けさせる。
  陽性発覚者には隔離と治療を完全に保証する。

 

5、このため、政府や地方自治体が持っているすべての資金を投入する。
都道府県、市町村は全住民に生活物資の配給を直ちに開始する。
水道、電気などのライフラインに関係しない公共事業を全部やめて資金をこのウイルス対策に回す。

 

 国会議員や高級官僚の給料を半減する。
公務員の給料を月30万円を上限にすべてカットし、ボーナス・退職金を当面廃止する。

 

6、自衛隊員の武力訓練をやめ半分以上の部隊をコロナ対策に動員する。

 

7、すべての原発の稼働をやめ、核燃料の装填を外す。

 

8、安倍内閣や国会がこの徳政令を発令しないなら、国民はその代表を決めて独自に徳政令を発する。

 

9、コロナ徳政令は、国民がこの徳政令を実行するに必要な限りの集会・デモ、自己権力樹立のための反体制的決起の行動を妨げるものではない。無能・圧政に対する暴動(内乱)は人類の死活に係るライフラインである。

 

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2020年3月14日 (土)

新型コロナ特措法

検査もろくにせず、患者数をごまかし、ウイルスの蔓延に手を貸している安倍政権は、この伝染病の蔓延を奇貨として、非常事態宣言で、政府の無制限の権力行使を可能にする法律を作り上げた。

これに共産党など一部の議員以外がもろ手を挙げて賛成したのには
驚きだ。所有権を否定して建物や土地を権力が自由に使用するという。

このウイルスの蔓延に藉口して例えば朝鮮系の学校や施設の稼働を中止させそれを自由に使うということも考えられる。

ウイルスの蔓延するクラスターと認定した貧民窟を一掃し種々の特定被差別集団を弾圧し差別を増幅することもできる。病気や地震など災害を理由に「反社会的」集団を抹殺するのは権力の常とう手段だ。

安倍ら世襲政治家貴族には排外主義と差別主義が脳髄深く根を張っている。
権力の差別的攻撃には多くの国民は簡単に乗って輪をかけて襲い掛かる。パンデミックは、権力の無為無策から引き起り、その責任を逃れるために被差別集団にその矛先をむける。

国民的災難に何もしない、する能力も、意思もない権力に、何の特別な権限が必要であろうか。

その強権が無辜の民に向かうのは目に見えている。

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2020年3月 5日 (木)

クルーズ船について

高知県下の感染が広がっている。当初30歳の看護師は大阪のライブハウスのコンサートで感染したと報道されていたが、むしろ逆であったことがわかった。県庁やマスコミのこのような誤った認識には
あきれるが、私もうっかりそれを信じてしまった。既に高知市内にも感染は潜行していたのである。

小中高校の休校が始まったが、これには何の効果ももたらさないだろう。子供たちは、家に閉じこもるわけにはいかないから、学童保育や休校中の学校はもとより、友人の家、親せきの家に行き来し、量販店やゲームセンターなどへ自由に解放されることになり、通学しているよりリスクや心配が拡大する。これは安倍の唐突な思い付きであり大失敗だ。

民間の検査機関をほとんど使わず検査を局限し、それによって患者数をごまかすという悪質な政策を続行しているから、政府の非人間的な政策の変換を要求するとともに国民は独自に対策を講じなければならない。

検温を全職場、全学校、すべての公共施設、全地域、全家庭で実行し、発熱のある人を探索し、人交わりをさせないようにすべきだ。政府の言いなりになってあのクルーズ客船の大失敗を繰り返してはならない。

クルーズ船の防疫対策は根本的に間違っていた。陽性者を発見することに熱中しその他の乗客を密室に閉じ込めウイルス培養器と化した船で患者化を促進させられたのである。

陽性者の発見も大事だが問題は陰性者の発見とその乗客の密室からの脱出(救出)を図ることがさらに重要だった。

高齢者や病弱者には十数日も狭い密室に閉じ込められるだけでも身体や精神への大きな打撃になるが、その上に病原菌を植え付けられるのであるから、日本政府のやった防疫は、甚だしい人権侵害だった。

陽性者や感染者は当然すぐに病院に搬出されるべきだが、陰性者も可及的速やかに船から脱出させなければならなかった。
これくらいの判断は、素人でもできる。

建物に人質をとって立てこもる凶悪事件でも、傷ついた市民を救出するだけでなく無傷で閉じ込められている人も脱出させねばならないのである。安倍自民党の政府要人や「専門家」たちの言う通りにしていたら、我々の命が危ない。

緊急事態…法とかの新しい強権的な法律の制定ではなく、検温、検査、収容施設の確保、マスクの配布など普通のまともな対策を進めさせること、そんなこともしない政府を打倒することが大事だ。このままでは日本全体がクルーズ船になるかもしれない。

革命は、恐慌や戦争だけではなく、病気の蔓延を契機として起こっても構わないのである。

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2020年2月26日 (水)

新型コロナウイルスの猛威

中国を発生源とするコロナウイルスが中国以外に日本、韓国、イタリア、などに広がり始めている。感染の勢いが簡単に収束するとは思えない。政府や医療関係者たちに有効な打つ手がない。

マスク着用とうがいと手洗いの励行の三点セット、それに外出を控えること、人ごみを避けることぐらいの対策を国民に呼びかけるぐらいしか手がない。

最初の三点セットも国民はどのくらい実行しているか、高知市などではほとんどの通行人はマスクをしていない。

外出を控えるとか人込みを避けるなどは国民の大半は不可能なことだ。
職場に出なければならないし、学校や保育園に子供は通わねばならない、年金暮らしのお年寄りや生活保護受給者も買い物にスーパーやコンビニに行かねばならない。現在では世界中の人が国境を越えていたり来たりしなければ日常生活が回転しなくなっている。今では、ウイルスが蔓延するのを防ぐのは至難の業でほとんど不可能だ。

東京オリンピックを開催しどころではない。ここ数カ月で少し収束に向かうかもしれないがオリンピック特に室内競技によって感染が爆発的に伝染する可能性がある。大相撲など室内競技は止めるべきだ。野球場か砂浜でやればだいぶ感染が防げるかもしれない。

しかし、エイズやサルスとか今回のウイルスの蔓延の連続には根本的な対応が必要である。
これを制御するには日常生活を劇的に変更しなければならない。というよりも文明の在り方、人類の生活様式を根本的に変革しなければならないだろう。

会社や工場などの働き方、スーパーや百貨店などの大規模な消費者の集合、何百何千人の子供たちを強制的に集める義務教育学校や高校・大学など教育施設、飛行機や電車、バスなど交通機関、映画館やコンサートのホール、教会、大型クルーズ船・・・・

こういった現代の人類の生き方は、病原となる感染性のウイルスにとっては非常に好都合なのである。
そして、特に中国などのような強権的な全体主義国や日本のような腐敗した権力が長く続いている社会下の人間たちはウイルスの宿主としては最適なのである。なぜなら、防疫にあたる政府が国民の健康よりも何か別のことに熱中しているからである。人類は、小集落で極力自給自足で牧歌的な生活をしておればこんなことにはならなかっただろう。

次々と発生するウイルスは人類の繁栄の仕方を考え直せと我々に迫っているように思われる。
・・・・・・・・
私は、風邪の予防には紅茶が良いというので何十年も紅茶を毎日飲んでいる。
インターネットでも紅茶の効能として風邪ウイルスの殺菌効果があると解説されている。紅茶でうがいをするのも効果があるといわれる。

また、断食をすることによって免疫力が高まり風邪をひかなくなるといわれているのでここ五年間ぐらい夕ご飯を食べないようにしてきた。結果、毎年数回は風邪で高熱に襲われて苦しんできた私が全く風邪をひかなくなった。

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2020年2月 9日 (日)

コロナウイルスの感染

中国が発生源といわれるコロナウイルスの蔓延・封殺の失敗は
第一に、中国スターリン主義体制(全体主義的社会主義国家)の強権的官僚制に原因がある。

いくら良心的な医師らが現場で警鐘を鳴らしても最高幹部が危機感を抱くまでは、対処されない。

国民の健康などまともに考えたこともない病的に腐敗した権力者の支配が続く限り、スターリン主義国家では、このようなパンデミックは繰り返し起こるだろう。

このウイルスの発生は食用として小動物をも売買する大衆的な市場の低劣な衛生状況を根源とするといわれる。

豪華客船のお客が騒がれているが、り患しやすいのは貧しい人民であり、ホームレスや病弱な人々だ。

貧しい無権利状態の大多数の民衆、放置された低劣な生活環境、そして独裁的な権力者の存在、この三つがあるところ常に致命的なpandemic が発生し、多くの犠牲者が出てくる。

安倍独裁が続く日本政府(地方の市町村も同じ)の対処もマスクが払底する状況を見ても明らかなように習近平と同程度の鈍感さだ。
徹底した民主主義政治が欠如するところでは、死ななくてもよい場合でも死ななくてはならない。

民主主義は、人民の命を救い、村や町を救う。

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2018年5月22日 (火)

カンヌ映画賞で万引き家族

News & Letters/634
安倍自民党政権下の貧しい日本の家族の実像が描き出された作品に
最高級の賞が与えられた。賞が与えられたということが大事ではない。
その内容、訴えるものが大事だ。私はその映画を見ていないが、報道である程度わかる。
深刻な悲喜劇だ。私の住む周りにも大勢の貧困家庭が不安な毎日を暮らしている。
生活保護世帯はその貧困層の中で数十%にすぎない。あとは放置されている。
政府の生活保護費の段々の削減はその生保家族をも追い詰めている。
市営住宅の家賃が払えない、国保税が払えない、固定資産税が払えない、という人々が私のところに相談に来る。
生保を申請しても、葬式代にも足らないわずかばかりの貯金を暴かれて拒絶される。
このような実態に私は日ごとに立ちあっている。
  み吉野の 吉野の鮎
   鮎こそは 島辺もえき
     ゑ苦しえ 
   なぎのもと せりのもと
    吾は 苦しえ
という日本書紀の民謡の声が寒村の私の村に高く低くうなっている。
  ところで、私が調べたところ室戸市も税収が11億円程度なので必要経費の大半は国の地方交付税交付金に頼っている。高知県も、県下の市町村は総てこの交付金にすがってくらしているのだ。
この交付金は国に申請するときには、高齢者への手当てに何億、子供たちの世話に何億、道路1キロメートルにつきいくら・・・・
という風に事細かく計上して出されている。だが、政府がそれを認めて交付するときには、総額幾らでおりてくるから、もらった都道府県や市町村は何に使ってもおとがめはない。
しかし、例えば高齢者のお世話に年間7億円必要だと申請してもらっておいて、実際にはその半分ぐらいしかお年寄りに使わず、他に流用しているのが実情である。
また、生活保護費の4分の3は国や県が出すことになっていて、4分の1は市町村が負担することになっているが、その市町村の負担分も地方交付税交付金でもらって賄っている。
室戸市の交付金の内訳では、生活保護費は4億円申請しもらっているが、生保費には3億円程度で済んでいる。
残る1億円は、どこへ行ったのか。生保家族以外の極貧層はその数倍存在していると考えられるから、少なくともその人々を支えるためにせめて残りの1億円は使うべきではないか。地方交付税交付金では、農林水産業に2億5000万円ほどおりてきているが、予算書を見ても1億5000万円ほどしか使われていない。残る1億円はどこへ行ったのだ。不漁や台風の被害で農漁民はあえいでいるのに。
室戸市長は、ウミガメ水族館の建設で3億5000万円業者にわたした。たった3カ月の工期を16ヶ月延ばし、ほとんどの工事を下請けにやらせた。下請けの契約金は、たったの1億8800万円程度だから、その差額は1億6000万円である。
このような巨額利権に絡む無駄な事業がどんどん遂行されてきた。
そのような多額の無駄事業のために地方交付税交付金はおりてはいない。
地方交付税の申請では、お年寄りや子供や地域改善のためのお金が必要だといっておりながら、いったん入るとその情報は深く秘匿し、室戸市の場合50億円近いその交付金を湯水のように特定業者どもに注ぎ込む。
このような地方交付税交付金をめぐる国家・地方がらみの大詐欺事件は室戸市だけではない。
そして悲しいかな、多くの貧困層は選挙になるとオウンゴールよろしく、自分たちにあたがる金を剥ぎ取り他に流用する
政治グループに投票してやまないのである。
是枝監督に頼みたい、このような悲喜劇を映画化していただきたい。二度目の賞は確実と思われる。
 

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2018年2月 7日 (水)

高知大学(高知医大病院)への質問状

News & Letters/616
高知大学医学部附属病院は数年前、その薬剤発注に関する契約等において澤山らの告発を受け会計検査院が入り込みその不法行為が弾劾され、国会にまで報告された。
だが、財務担当の理事が交替するや否や、またぞろ大きな権益事業(「アメニティ施設新設」)について異常な公募をしている。
これは官製談合の疑いがある。既に大手県外企業Hの名前が取りざたされている。
応募期間が1週間という短さを一見しても明らかであろう。出来るだけ公募も公表もせず特定業者と契約したいという意図が見える。
これとおなじ調剤薬局を核とする「アメニティ施設」が滋賀医大でも建設されたが応募期間は1ヶ月であった。
 

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2016年7月 5日 (火)

丸山長寿園控訴理由書

News & Letters/495

   控訴理由書

平成28年(行コ)第25号  
                   平成28年7月1日

高松高等裁判所殿

                 高知県安芸郡東洋町河内405番地1
                       控訴人 澤山保太郎
                 高知県室戸市佐喜浜町1374番地
                        同  楠瀬立子
                 高知県室戸市吉良川町甲4015番地
                        同  田原茂良
                 高知県安芸郡奈半利町乙478番地1

            被控訴人 安芸広域市町村圏特別養護老人ホーム組合
                   同代表者組合長 齋藤一孝                    
                 高知県安芸郡奈半利町乙478番地1
               同 安芸広域市町村圏特別養護老人ホーム組合 
                                   組合長齋藤一孝 

【控訴理由の要旨】

原判決の本件行政財産の処分についての①事実認定とそれが地方自治法第238条の4第1項に②違反し、本件行政財産の処分、民間団体への施設の無償譲渡は③無効である、との判断、及び当時の組合長であった小松幹侍の組合長としての④過失・注意義務懈怠の責任の認定、①②③④は正当と考える。がしかし、小松幹侍の⑤賠償責任を否定する原判決の結論は、①~④の前提と賠償責任の結論が著しく撞着・齟齬をきたしていて、きわめて不合理であると考える。

本件処分(行政財産の無償譲渡)が違法、無効であり、長としての過失・注意義務違反が認定され、その行為によって、組合が数億円もの本件財産を喪失した以上は、その賠償責任が問われるべきである。
原判決にはそのほかにも法令の解釈に重大な誤りがあり改めて正しい判断を求める。

【控訴理由】

【一】原判決の主たる判断の正当性と欠陥

 1、本件処分の違法・無効性の判断

原判決「第三 当裁判所の判断」の3 争点(2)(無償譲渡処分の違法性)について(16頁)で
「本件契約は、地方自治法第238条の4第1項の規定に違反してされたものであり、同条の4第6項の規定により、無効である。よって、本件契約に基づく本件無償譲渡は、地方自治法に違反した違法な財務会計行為であったというべきである。」
と断定した。本件訴訟の主要な争点について控訴人の主張を認めた。

 行政財産の用途廃止以前に民間団体との間で譲渡契約をし、その契約に基づいて譲渡を実行した。これを地方自治法第238条の4第1項違反だとするのは何人も否定できない。本件譲渡契約及びその実行は地方自治法で制禁されている行政財産に私権を設定する行為であることは明らかであり、原判決はこれを認定しこの行為を無効であるとした。

また、原判決は、17頁中段で、
「被告らは、本件契約をめぐる瑕疵は治癒されていると主張する。地方自治法第238条の4第1項に違反する契約は同条第6項の規定により無効になるところ、無効な行為は、追認によっても、その効力を生じないから(民法119条本文)、事後に本件施設の建物等の用途が廃止され、その後に本件施設の建物等が現実に譲渡されたからといって、本件契約が有効となるものではない。」
と判示し、被控訴人の行為の違法性と無効性を確然と認定した。このゆるぎない認定による本件訴訟の結論はおのずと明らかである。

2、手続きさえすれば行政財産を用途廃止できるのか

ただ、この判断には、控訴人が原審において主張してきた稼働中の行政財産の処分(民間に譲渡)自体の違法性については判断をしていない。本件においては必ずしもそこまで判断する必要性はないが、事件の重大さの認識において、特に賠償責任の判断において相当な影響を及ぼす余地が出てくる。

原判決は、平成26年4月1日に本件施設の用途を廃止したことについては問題がないと考えている様子である。

原判決には、用途を廃止してその後に譲渡契約を結んで稼働中の行政財産でもこれを処分しておれば、何も違法性はなかった、という甘い認識が潜在している。
行政財産の用途は、それを管理している行政機関がこれを管理条例や規則から削除するなどして普通財産に落とし、一定の手続きをすれば自由に処分できるのか、という根本問題については、肯定しているようである。

しかし逆に、もし本件のように収容者が満杯状態の公の施設(行政財産)でも手続きさえすればこれを売却など自由に処分することが許されるのであれば、地方自治法第238条4の第1項の規定は、何の存在意義もないということになるであろう。
直前まで行政財産であっても0.1秒の瞬間も普通財産にしたという実績があれば、民間へ処分できるということになる。本件の場合は平成26年3月31日の23時59分59秒・・・までは行政財産で、翌4月1日の午前0時より民間の所有になった、行政財産を居ながら民有に転化した場合でも地方自治法第238条4第1項の制禁条項の適用は免れられるということになるのか。

後で詳しく見る原判決の最後尾21頁で「小松は、本件契約の締結を、本件施設の建物等が普通財産となる平成26年4月1日以降にすべきところを、早まって、未だ本件施設の建物等が行政財産であった平成25年12月25日にしてしまったものにすぎない。」
・・・にすぎない との判断には、稼働中の行政財産でも手続きさえすれば普通財産と同じように売却でも譲渡でも行政機関がこれを自在にする事ができるという謬見が根底にあるものと考えられる。

3、何の公益目的もなく行政財産の用途を廃止することは許されない

本件の行政財産の譲渡という行為も行政行為である。

①学説によれば、「行政行為は、公益の実現を目的とするものであり、従って、事情の変
遷に即応し、その結果が常に公益に適合することを必要とする。行政行為が一旦適法有効になされた後においても、事情が変遷し、それを存続せしめることが、公益に適合しないことになった場合においては、これを公益に適合せしめるために、原則としてこれを撤回することができ、また必要に応じ、公益に適合する新たな行政行為をなし得るものとしなければならぬ。」(甲第18号証 田中二郎 「行政法総論」)
 公の施設の用途廃止は行政行為の撤回に当たるであろう。その撤回には行政機関の意思だけではなく合理的な理由と公益性が担保されていなければならない。

②また、従来の行政行為を存続させることが後発的な事情の変化や施設などの老朽化など
でかえって公共性を失い公益目的にそぐわなくなった場合、当該行政行為の存続をやめ
る、撤回するということになるが、その場合でも、その撤回行為はあくまでも公益目的
であり、また受益者に対する補償や代替などを配慮しなければならず、為政者が自由勝
手に公の施設を廃止したり、許認可を撤回したりすることは許されていない、とする学
説が支配的である。(甲第19号証 海野敦史「行政法綱領」)

③また、これを公物の管理とみても、その公物の消滅原因が明確でなければこれを消滅させることはできない。
 「公用廃止行為は、公共用物が公物としての機能を失い、当該公物を公共の用に供する必要がなくなった場合、公物としての性質を喪失させる行政行為である。」

 (甲第20号証 原龍之介「公物営造物法」)

 本件の場合、行政財産を民間に譲渡する行為には何の公益性もないし、公物を消滅させる外形上の腐朽性もあり得ない。公共用に稼働中の行政財産を廃止するには、廃止すること自体にそれ相応の公共性、公益性がなければならない。公共施設を丸ごと私権に供するために行政行為(公用廃止)を遂行することは許されるはずがない。

④稼働中の行政財産を廃止するなどという暴挙を可能にする手続についてはもちろん、行政財産の処分についての手続規則はどこの自治体でも持っていない。
唯一つ控訴人が見つけたのは東北の東通村の規則(事務取扱要綱 甲第21号証)があるが、この要綱でも行政財産の処分の要件は、機能喪失または必要性の喪失に限られている。
  本件行政財産を用途廃止することが許される理由は何も存在しない。
 原判決は、フル稼働中の行政財産でも手続きさえすれば譲渡や売却が可能であるのかのような謬見を前提にして結論を下したと考えられる。

 本件では、平成25年12月25日で本件施設が未だ行政財産の段階で、譲渡契約を結ぶという決定的な私権設定の事実があるので、必ずしも行政財産の廃止について如上の認識がなくとも、正しい結論は可能であったが、如上の認識の欠如が、判決文最後尾の賠償責任についての奇怪な結論の伏線になった憾みがある。

二、組合長小松幹侍の責任についての判断

原判決は、20頁上段、「(小松の不法行為責任の有無)」についてで、
「被告組合の組合長である小松が、平成25年12月25日、むろと会との間で、本件契約を締結し、それに基づき平成26年4月1日にむろと会に対して本件施設の建物を譲渡したことは、上記3で説示した通り、違法な財務会計行為であるところ、前記認定事実によれば、小松は、その前提となる事実、すなわち、本件契約当時、本件施設の建物等は未だ被告組合が運営する特別養護老人ホームの用に供されていたとの事実を認識していたものと認められる。

そうである以上、小松は、本件契約が地方自治法第238条の4第1項に違反する違法なものであると認識すべきであり、平成25年12月25日の時点においては、本件契約を締結すべきではなかったといえる。それにもかかわらず、小松は、被告組合の組合長として尽くすべき注意義務を怠り、過失により、本件契約を締結し、平成26年4月1日、本件施設の建物等をむろと会に譲渡したものと認められる。」
と明瞭に小松幹侍の組合長としての責任、注意義務の懈怠、過失を認めた。

小松は、地方自治法の規定を知らなかったというわけにはいかない。知らなかったとしたらそれ自体が重大な過失である。およそ地方自治体の首長の任務は、公金及び公有財産の管理が最重要事項の一つであり、巨額の価値をもつ公有財産を私人や私企業にタダで譲渡するなどということはあり得ない事件であって、本件行為は地方自治法第238条4の第1項が禁じていることであり、この条項のど真ん中のストレートに違反したものである。
その行為が違法・無効であり、それを執行した首長の過失を認定したのであるから、判決の結論は、一直線に首長の賠償責任に帰着するはずである。

三、賠償責任の回避

1、如上の通り原判決は、小松幹侍組合長の不法行為とその有責を認定したが、判決文最後でわけのわからない理由を述べて、本件組合に損害が発生していないということでその賠償責任を否定した。すなわち、原判決は20頁後半部で、「もっとも、前期認定事実によれば・・・・」の文言のもとに、にわかに論調を変え、小松幹侍組合長の本件無償譲渡の経過をそのまま認め「小松は、本件契約の締結を、本件施設の建物等が普通財産となる平成26年4月1日以降にすべきところを、早まって、未だ本件施設の建物等が行政財産であった平成25年12月25日してしまったものにすぎない。」

(下線控訴人)という風に一個の判決文でありながら別人が書いたかのようにその不法行為、その瑕疵の過小評価に転じた。小松組合長らは、順序を間違えた、早まったに過ぎず、結果は同じだから問題にならないというような口吻を弄しだしたのである。
そうして原判決は次のようにいう。

「そうすると、①小松が注意義務を果たしたとしても、②平成26年4月1日には、本件施設の建物等の用途が廃止され、被告組合はむろと会に対して譲渡されていたといえるから、③小松が平成25年12月25日に本件契約を締結し、これに基づき、平成26年4月1日、本件施設の建物等がむろと会に譲渡したということをもって、④被告組合に賠償されるべき損害が発生したということはできない。したがって、小松が不法行為に基づく損害賠償責任を負うとは言えない。」(①②③④は控訴人  原判決21頁)
この判旨はきわめて難しいが読み解くと次のようになろうか。

①小松が注意義務を果たし、12月25日に契約を締結せず、4月1日に用途廃止をし
たうえで契約を締結し、そうしてむろと会に本件施設を譲渡するという正規の手続きをとったと仮定した場合、②小松はそうすることも可能であった(早まってそうしなかっただけだ)し、いずれにしても用途は廃止され無償譲渡が実行されたといえるから、
③契約と譲渡の順序を逆にしただけをもって④損害が発生した、賠償責任を負うとは言えない、ということであろう。

要するに事後に追認されたから問題がないというのである。

2、しかし第一に、小松が「注意義務を果たしたとしても・・・」という事実に反する仮定の話をもって、判決文の流れを逆転させ、その中核部分を書くことが許されるであろうか。本件の事実の経過は、行政財産についてこれを私法上の譲渡契約の対象とし(私権を設定)、その契約の履行として「用途廃止」・譲渡を遂行したのである。そのことは原判決(15頁中段に「本件無償譲渡は、被告組合とむろと会とが対等な立場で締結した私法上の契約を履行したもの・・・」)にあるとおりであって、これは被控訴人の主張でもあった。
原判決は自らが認定した不可逆の事実を、想定でもって逆転させ、その倒錯した事実に基づいて判断をしたものであって到底受け入れられない。

3、また既述の通り、第二に、この判断は、前掲原判決17頁中段の次の文章と根本的に対立する。
「被告らは、本件契約をめぐる瑕疵は治癒されていると主張する。地方自治法238条の4第1項に違反する契約は同条第6項の規定により無効になるところ、無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない(民法119条本文)、事後に本件施設の建物等の用途が廃止され、その後に本件施設の建物等が現実に譲渡されたからといって、本件契約が有効になるものではない。」(原判決17頁中段)

追認によっても無効な行為を有効にはできない。これは事実に基づく当然の法的判断であり、何人も覆すことはできない。
理由も説明せず同一の争点について自らの判断を真っ向から否定し正反対の判断をするというのは、判決文において人格の分裂的事態を来しており、この事態は何人にも容易にわかることであるから、何か、どうしても裁判の他方に賠償責任を負わすわけにはいかないなど訴訟外の事情を考慮したとしか考えられない。

【二】そのほかの争点と原判決の誤り

一、条例改正行為の行政処分性について

原判決は、14頁~15頁で本件処分の取り消し請求については、これを認めないと判断した。その理由として
「本件無償譲渡は、被告組合とむろと会とが対等な立場で締結した私法上の契約を履行したものにすぎず、公権力の行使としてされたものでないから、行政処分にはあたらない。」といって本件処分の取り消し請求を不適法として却下した。

しかし、原判決は、14頁下段で平成26年4月1日に「本件設置管理条例を改正し、・・・本件施設の建物等の用途は、同日をもって廃止されたものということができる。」と認定した。そうすると、横浜市保育園廃止処分取消請求事件(平成21年行ヒ75)平成21年11月26日第一小法廷の最高裁判例では、用途廃止の条例の「制定行為は、行政庁の処分と実質的に同視し得るものということができる。」とされているから、原判決はこの最高裁判例に反するものということになる。

いうまでもなく、住民訴訟は財務会計上の行為や怠る事実の違法を対象とするだけでなく、行政事件訴訟法第43条の適用を受けて、行政処分の取消し請求も可能である。
控訴人は、本件条例(正式には組合規約)改正で丸山長寿園が組合の事務対象施設から削除されたという事実を最高裁判例に基づき行政処分性があると主張するものである。

二、地方自治法第238条の3違反について

 原判決は、17頁~18頁で本件無償譲渡先のむろと会の役員が本件組合の職員ではないとして、地方自治法に違反しないという。しかし、原判決も「むろと会は本件施設で勤務する職員による組合である本件職員組合が中心となって設立された団体であると認められる・・・」とか、「むろと会が本件職員組合が中心となって設立されたという経緯があった・・・」という事実は認めている。

 特定の公の施設を管理運営する職員達が設立したその団体に、その施設を委譲した事実を認めるならば、また、被控訴人も一貫してその事実を主張してきたのであるから、その団体の理事会の役員を職員以外の者に就任させていたとしても、実質的にはその職員が本件施設の委譲を受けたものと判断される。部外者を役員に付けたのは、地方自治法に制禁の法律があることを知り、それの脱法目的であることは明白である。
脱法目的で据えた役員が職員ではないことは当然であり、これを理由に挙げて適法だとするのは、余りにも不当であろう。むろと会の役員達は職員組合の謂わば代理人であり同体であるから、実質的に地方自治法第238条の3に違反していると判断されるべきである。

三、随意契約の方式違反について

 原判決は、18頁~19頁において、本件譲渡契約が随意契約で行われたことは問題がないという。
「本件契約は、価格の高低のみを比較することによって本件施設の運営主体を選定することができるような性質のものではなく、競争入札による方法が適するものでないから地方自治法施行令第167条の2第2号にいう「その他の性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するというのである。

しかし、この該施行令の規定する内容は建造物、あるいは施設の譲渡契約を含むとは到底思えないもので、物品の製造や売り払い等の契約の規定である。甲第16号証を見ても「性質又は目的が競争入札に適しないもの」の範疇に本件施設の無償譲渡が入るとは考えられない。すなわち、地方自治法施行令第167条2第2号の規定は、

①不動産の買い入れ又は借入れ、
②普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修繕、加工、または
③納入に使用させるため必要な物品の売り払い、その他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき。 
(①②③は控訴人)
という文言で構成されている。不動産については買入れと借入れだけであり土地や建造物の売却や譲渡などがこの規定に入っているとは解釈できない。下線部の「その他の契約でその性質又は目的が・・・」のその他というのも文理上、①、②、③、特に③に関連するもので、それら以外のどんな契約にも広く適用されるというものではないと考えるべきである。むしろ、その性質から云えば公有財産の譲渡や売却は基本的に随意契約は許されるべきではなく、公開の入札に付する義務のあるものと考えるべきである。

拡大解釈するにしても甲第16号証の滋賀県の事例程度のものにすぎない。
随意契約で土地や建物の売却などは同地方自治法施行令167条2の1号規定(売買、貸借、請負その他の契約)に入るものであり、その場合金額上の厳しい制限が加えられていて、本件では金額上論外となる。不動産(公有財産)の売却や譲渡は、少額のものは別として、むしろその性質上、随意契約は許されていないと理解すべきである。

本件施設の場合はタダだから「価格の高低」ははじめから問題外で、低所得者をも収容する良好な経営者を選定するだけであるから、要件を定めたうえ、経験あり能力がある人材や企業を広く公募していわゆるプロポーザル方式などを取り入れた選定を遂行するべきであり、そうすることには何ら差し障りはない。

黒字経営で、億単位の公有財産が無償譲渡される好条件では、経営応募者は全国から殺到したと考えられる。

該施行令167条2第1項2号の物品や不動産などの契約の場合と同じレベルで選定するということの方が異常であり不適当であろう。本件の場合こそ、その性質や目的が競争入札に最適なのである。

そもそも、本件では、競争入札とか随意契約とかいう正規の手続きの選択どころではないのであり、はじめからむろと会に無償譲渡することが決められていた。むろと会は企業としては福祉事業の経営実績が皆無であり、事務所も持っていない幽霊団体であった。
平成25年8月1日付の福祉法人むろと会の設立認可申請書では、むろと会の事務所は高知県室戸市室戸岬町1675番地、すなわち丸山長寿園となっていた。民間団体が勝手に公の施設をその事務所としていたのである。

原判決は、随意契約の相手としては最もふさわしくない団体を選定した被控訴人の行為を是認したのである。

四、室戸市契約規則及び室戸市財産交換条例等の違反について

1、地方自治法第292条の解釈

 原審で控訴人は、仮に本件施設を普通財産として本件無償譲渡をしたとしても、適法な手続きを履践していない、すなわち室戸市の条例の規定では普通財産の無償譲渡は許されていない、という批判をし、その根拠として地方自治法第292条の規定を挙げた。このことについて、原判決は、19頁中段で地方自治法の適用を否定した。
地方自治法第292条は、一部事務組合など地方公共団体の作る事務組合について、組合が簡単な条例又は規則(規約)以外に普通地方公共団体のように条例規則を整備していない場合がほとんどである実状を踏まえ、これを補完する手立てを講じたものであり、構成団体の条例・規則を準用して使うことを認めたものである。

地方自治法第283条でも、事務組合の名称とか構成団体、事業の対象、組織などごく基本的な事柄を規約として定めることを義務付けているだけである。
したがって、本件組合も簡単な規約以外に、支出負担行為の決裁、公金支出、財産管理など日常の事務を遂行する上の条例・規則をもっていない。故に地方自治法第292条の規定に従って当然構成団体の主な市町村のそれらを準用しないでは、業務を遂行できないし、本件組合も暗黙のうちにそうしてきたはずであった。

しかるに原判決は被控訴人の原審での主張をうのみにし、地方自治法第292条の文章を誤解し、その順守を否定した。この条文の正しい解釈は本件訴訟にも重大であり、今後全国の事務組合の運営上重要であるので、ここにその条文を検討する。

地方自治法第292条

地方公共団体の組合については、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、都道府県の加入するものにあっては都道府県に関する規程、市及び特別区の 
 加入するもので都道府県の加入しないものにあっては市に関する規定、その他のものにあっては町村に関する規定を準用する。(下線部控訴人)

ここで問題なのは、前段下線部の「法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか」の意味であるが、これは明らかに国の法律や政令に存在する事務組合についての規定については、言うまでもなく順守しなければならないからこれは除外し、これら法令の規定のほかの、都道府県や市町村に関する規定(すなわち条例や規則など)を準用せよ、という趣旨であることは明瞭なのである。地方自治法の解説書ではこの法律で除外される法令とは、地方自治法、同施行令での事務組合についての規定をはじめ、公選法第267条、地方税法第1条第4項、地方公務員法第7条第3項・・・などとされている。

ところが原判決は、「同条の文言上、同条にいう「規定」とは、「法律又はこれに基づく政令の規定」を意味するものと解するのが自然である・・・・」というのである。
準用すべき都道府県や市町村に関する規定とは、遵守するのは当然のことだからこの292条の法律の準用を定める規定から除外するとされた、その国の法令のことであるというのである。除外すると明記されたものを準用せよというのは土台無理な話である。それでは諸々の法律や政令で規定されたものを除いて、そのほかに、法律や政令で都道府県や市町村についての規定とはどんなものがあるというのであろうか。

地方自治法の事務組合についての他の条項で例えば252条の12、同条16、同条17の第4項、同条17の3の第1項などでは、市町村の条例・規則が法令として準用が定められている。たとえば、地方自治法第252条の17の1第4項では
「第2項に規定するもののほか、第一項の規定に基づき派遣された職員の身分取扱いに関しては、当該職員の派遣した普通地方公共団体の職員に関する法令の規定の適用がある者とする。・・・」

「普通地方公共団体の職員に関する法令」とは一般職員等の給与支給条例のことであり、このように地方自治法の事務組合についての法令では、都道府県や市町村の条例や規則も法令として又は法令に並列して準用が定められているのである。
地方自治法292条は事務組合について包括的に法律や政令以外の法令(都道府県・市町村の条例・規則)の準用を指示したものであることは明白である。

2、普通財産としてもその無償譲渡は許されていない

原判決や被控訴人がこの地方自治法第292条をここまで曲解するのは、それの正しい解釈が、本件無償譲渡の違法性に直結する問題を内包しているからである。
 すなわち、本件無償譲渡は行政財産に私権を設定しこれを直接処分したということで地方自治法第238条4の第1項に真っ向から違反したのであるが、仮に百歩譲ってこれが普通財産に適法に転化されて処分されたという主張に話を替えるとしても、それでは普通財産として実際に適法な手続きをして処分をしたかどうかが問題となる。
そこで問題となるのが地方自治法第292条に基づき「室戸市有財産交換等条例3条」の規定に本件無償譲渡は違反している、という控訴人の主張であり、被控訴人らは、これについてまともに答えられない。

 準用されるべき「室戸市有財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」第3条において、行政財産はもとより普通財産でも、民間団体に譲与することも無償で貸し付けることも許されていない。それが許されるのは相手が市町村など公共団体か、農協などの公共的団体に限定されていて、公益法人でも一般企業には許されていない。
したがって、本件無償譲渡処分は、行政財産である場合はもとより、仮にこれを普通財産としても、法令違反となっている。

 被控訴人が地方自治法292条の準用規定を曲解しこれをかたくなに拒むのは、ここで被控訴人が決定的な破綻をきたすからである。すなわち、本件施設を用途廃止し普通財産に転化して譲渡したから適法である、という主張が根底から崩れるからである。
 地方自治法292条は本件組合の財務会計行為について構成団体(市町村の場合は市 本件組合では市は室戸市と安芸市)の条例・規則の適用を義務付けており、「室戸市有財産の交換、譲与、無償貸付けに関する条例」第3条(「安芸市財産条例」第3条も同様)の規定に逸脱する行為は違法である。

【三】結論

原判決は、地方自治法第238条4の第1項の規定に基づき本件無償譲渡を違法であり、同条第6項の規定で無効であると判示し、組合長小松の注意義務懈怠、過失を認定した。
そして、財産について違法・無効な行為によって組合がその所属する丸山長寿園の施設の全てを失ったのであり、巨額の損失を被ったことは明らかである。
本件施設の無償譲渡は、これが行政財産であればもとより、たとえこれが普通財産であっても、法的に許されない。

違法・無効・有責の認定に反して、本件無償譲渡によって損害は発生していないから、賠償責任も存在しないとした原判決の結論は、著しい理由不備又は理由齟齬をきたしている。
また、地方自治法第292条の曲解、地方自治法施行令167条の2第2号規定の法外な拡大解釈など法令解釈の明らかな間違いがあり、これら法令を正しく解釈すれば、本件無償譲渡の行為が救い難いほどに深刻な違法行為の重畳であって、その賠償などの責任が厳しく問われる必要があることは明らかである。

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2016年5月29日 (日)

安芸広域市町村圏特別養護老人ホーム組合への措置請求

News & Letters/491

        措置請求書

安芸広域市町村圏特別養護老人ホーム組合殿
                       平成28年5月27日
                       澤山保太郎
                       田原茂良
                       楠瀬立子

丸山長寿園無償譲渡の違法・無効判決について

          記

1、平成28年5月17日、高知地方裁判所民事部は、平成26年4月1日に民間団体むろと会に貴組合(当時組合長小松幹侍室戸市長)に所属していた丸山長寿園の無償譲渡の行為について地方自治法第238条の4第1項の規定に違反し、この無償譲渡を無効であると断罪した。

そして、その無法行為の原因として、当時の組合長小松幹侍の「尽くすべき注意義務を怠り、過失」によるものであると断定した。判決では、行政処分性はないとして取り消し請求の訴えを否定し、賠償責任も否認したが、貴組合がした無償譲渡の行為については明確に違法・無効であることを言明し、さらにその「無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない」と断定された。

行政側に傾く住民訴訟では極めて異例な判断である。たとえこの訴訟が上級審にかかって、賠償責任などが争われるとしてもこの違法・無効の判断がゆるぐことはありえない。
2、したがって、私たち原告は、この判決の趣旨に基づいて貴団体が、組合を構成する芸西村から東洋町に至る全市町村民に謝罪をしたうえ、以下の措置を取ることを要求する。

①むろと会から丸山長寿園の経営を取り戻すこと、
②平成26年4月1日以降の経営上の利益を全額回収すること、
③また、むろと会役員などに支払った報酬などは不当であり、全額回収すべきこと

 その他丸山長寿園が貴組合に所属するものとしての必要な措置を直ちに講ずることを求めるものである。

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