情報公開のありかた

2017年1月29日 (日)

県議会への監査請求

News & Letters/548

高知県議会は、領収書などをネットで初めて公開した、ということで評価が高い。

しかし、中身は相当でたらめである。宿泊費についてはやっと領収書をとり実費支給に替えた。これまでは、パック旅行以外は一切領収書を公表せず、高額の定額をとっていた。宿泊した事実を証明するのは領収書の代わりに議員本人の書いた自己証明書が証拠だと
言い張って来たのである。裁判所もそれを容認した。

しかし、さすがに私の住民訴訟のあと、領収書を出すようになり実費支給に切り替えた。しかし、まだまだ闇は深い。
本来年間数百万円の高額の政務活動費は廃止すべきである。第二の報酬である。議員にはすでに超高額の報酬が支払われている。

日本共産党は国会議員への政党助成金を拒否しているのであるから、それの地方版である政務活動費を拒絶するべきだ。

今回は、党派や議員が雇用している人件費のうち、社会保険料など事業者(議員側)負担まで政務活動費で賄っている事実について異議を申し立てた。公課公租を公金で支払うということは、公課公租の意義を喪失させる。憲法第30条の国民の納税義務をなんと心得ているのだろうか。

憲法をないがしろにするいかなる法令も無効である。県の監査委員会は、悪事の隠ぺい機能をどのように発揮するのか、
また、それに続く裁判所がどのようなでたらめな判断を下すのか、見ものである。

          高知県職員措置(住民監査)請求書

                        平成29年1月18日
高知県監査委員殿 
                〒781-7412高知県安芸郡東洋町405番地1
                請求人 澤山保太郎
【請求の要旨】

1、公開されている高知県議会政務活動費のうちで、人件費として健康保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金などの事業主負担分について政務活動費から支払うのは不当かつ違法であると考えるのでこれまでの会派及び議員への既支給分の全額返還を求めるべきである。公租公課を公金で支払うことは税法の根本的趣旨に反する。

2、人件費にかかる社会保険料の事業主負担分について、今後これを会派及び議員に支給しないようにするべきであり、差し止めを求める。
3、人件費での社会保険料の事業主負担分については、政務活動費で支払った分については、会派及び議員は、これら社会保険料は未納であり滞納であるので可及的に遡及して納税(支払い)する義務がある。

【理由】

1、公課公租を負担することは国民の憲法上の義務である。何人もこの義務を免れない。
(憲法第30条)
 国や地方公共団体は事業主であるが、担税義務はない。国庫以外に財源がないからである。政党政派は行政機関ではなく、任意団体であるから、人を雇用した場合、事業主として各種の社会保険料を負担する義務がある。
 その保険料を政務活動費という公金でもって支払うことは、公租公課の意義を踏みにじり、あたかも任意の政党政派が公的機関と同等であるかの如きふるまいをしていることになる。

 議員による調査研究の費用を賄う政務活動費で、人を雇い人件費を支弁することについては疑義があるが、仮にこれが認められるとしても、そのうち社会保険料にかかる費用まで支弁することは認められていない。現行の条例・規則などではそもそも人件費の内訳を明瞭にしていない。
議員への政務活動費の支給を定めた地方自治法(第100条第14項)においても、また他のいかなる法令でも国民に課される公課公租についてこれを公金で支払うことが許容される規定は存在しない。いかなる法令、条例規則でも憲法第30条を凌駕(又は無視)する規程を作ることはできない。

地方自治法第100条の第14項の規定では、政務活動費は、「議員の調査研究に必要な経費の一部」について支給するとなっていて事業主(会派又は議員)や労働者個人にかかる公課公租は、「議員の調査研究に必要な経費」とは言えない。
公課公租は、国や地方公共団体が国民(法人を含む)に課するものであってそれでもって行政を施行する財源とするものなのである。

2、高知県議会の政務活動費の実際の運用では、人件費においては、被雇用者からは社会保険料の個人負担分として給料から差し引いている。

労働者に対する措置は正しいとしても、それより優越的立場にある事業主(会派又は議員)の負担分については、これを事業主に負担させず、公金で賄わせるというのは、畢竟、県が雇用主である議員に対して不当な利益供与をするものというべきであって、政治資金規正の法令にも抵触する疑いがある。

各種の重税に苦しみながら納税義務をはたしている多くの県民から見て、厚顔無恥というべきであろう。政務活動費で必要な経費は何でもこれで支弁していいということにはなっていない。あくまでも「必要経費の一部」しか支給されない。
  
       添付資料
   政務活動費支出伝票(社会保険料にかかるもの) 11枚

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2015年5月18日 (月)

大坂都構想とオンブズマンの考え

News & Letters/412

橋本政治に対する審判がかろうじて非と出た。
それは都構想に対する批判よりも橋本政治への批判の色が濃い。

ところで、橋本の大坂都構想と大阪市の現状維持とどう違うのか。
基本は大阪市を解体し府に権限を集約するということからすれば
橋本都構想は地方分権に逆行するであろう。

しかし、オンブズマンの立場から戦後の日本の地方行政の問題点を見れば、
行政権力を集中するか分散させるかということだけでは、少しも住民の
民主主義的政治の前進には寄与しないということである。

行政の単位を小さくすることはそれなりに意義があるが、小さかろうと大きかろうと、行政に対する住民のチェック機能、住民の関与がほとんど全然機能しないなら、同じことなのである。小さい単位なら買収選挙や金権・利権行政はむしろ一層やりやすい。大阪の今回の住民投票には買収はきかなかったであろう。選挙民が巨大であれば住民の意思がむしろ反映されるいい例だ。

国政もそうだが地方行政では、住民の行政コントロールの力は極めて低い。
東洋町や室戸市の行政を点検してきたが、ほとんど無茶苦茶、無法がまかり通り、議会はその行政の粉飾にすぎない状態だ。それはおそらくどこの市町村、都道府県も同じであろう。

リコールの制度や直接請求の制度は針の穴を通るような仕掛けがあり、住民監査や住民訴訟では、その手続きは極めて制限的であり、それを取り扱う監査委員会や裁判所の姿勢は不機嫌で、住民の請求は邪魔者扱いの姿勢だ。日本の地方行政は戦前とさほど違いはなく、住民が行政への不平不満は一切シャットアウトだ。地方分権といっても住民への分権は皆無なのである。

橋本都構想はそういう観点からすれば落第であり、これまで以上の民主主義への新たな反動の策謀であろう。

大都会はともかく地方の選挙は金権勢力への献票行動にすぎず、権力を握った連中は法令など無頓着に利権行政を平然と推し進める。

日本各地にある原発とそれを推進する行政はこのような地盤の上に成り立っている。私はこの反民主主義の津波に対して絶壁のように立ちはだかる覚悟だ。

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2015年2月21日 (土)

高知県議の政務調査費の裁判

News & Letters/399

高知県議会も政務調査費(現在は政務活動費)の使い方について考え始めた。
しかし、依然として議会内部でしか論議をしようとしない。

政務調査費を法令化するに当たり政府は、各議会が条例制定の折には、住民の意見を聴く機会を持つべきだという指示があったが、そんなことは絶対にしない。
宿泊費などは実費の倍以上も取っていて、日当まで取っている。

旅費などは県庁に用があるというものまで計上して請求する。しかも本当に県庁へ来たのかどうかはっきりした証拠もない。選挙区をぶらっと車で回っても距離に応じて旅費を請求する。兵庫県の号泣県議が高知にもだいぶいるのではないか。

以下最近の原告準備書面を掲載する。

平成26年行ウ第9号 損害賠償請求事件

原告 澤山保太郎

被告 高知県知事

 

準備書面(3)

                       平成27年2月17日

高知地方裁判所 殿 

                            原告 澤山保太郎

原告は、答弁書、被告準備書面(1)及び(2)について以下の通り弁論を準備する。

一、本件交付事務について

1、すでに原告準備書面(2)において明らかになった通り、本件政務調査費の交付については、本件条例に定められている知事の交付決定(書)、議員や会派への交付決定通知書が存在していない。知事はそのような文書を発行していないし、会計事務の委任を受けたという議会事務局長もそれらを発行していない。

補助金の交付決定は単なる会計事務ではなく、知事の政治的な意思決定でありここから全ての会計事務が始まる最重要行為である。

この一点において、本件交付行為は全て無効である。

被告は答弁書9頁中段で「高知県知事が、平成24年度政務調査費を高知県議会の会派及び議員の双方に対し交付したことについては認め、その余は争う。」としていた。

そしてその実務は、「アの通知が提出された後、旧条例7条の規定に従い、知事(委任を受けた事務局長)は当該通知をもとに会派及び議員に対し政務調査費の交付決定を行うとともに、交付決定した旨を会派の代表者及び議員に通知する。」と主張していた。

しかし、原告に開示されたり一般に閲覧で公開されている本件交付金に関する資料には知事の交付決定書や議員への決定通知書は存在していない。原告が事務局に聴き糺したところ、そのような文書は発行されていない、とのことであった。

 条例で定められた知事の交付決定もなしに議会事務局長の支出命令等の交付手続きはそれでは何を根拠に遂行していたのか。何の根拠も存しない。

回答。勝手に公金を引き出して議員に配布していたにすぎない。

従って本件交付金は、全額支出することができないのに支出した違法なものであり、知事が議員からその全額を返還させるべき筋合いのものであるのに歴年それをしてこなかったし、その意思も全く見えない。だから、知事がその弁済をする義務がある。

すくなくとも、原告が請求している会派分の交付金全額や議員への交付金で領収書のない宿泊関係費の全額については、知事が賠償する義務がある。

2、議会事務局長の権限と知事の被告適格性

 答弁書25頁によると、政務調査費の交付についての財務会計行為の権限は、議会事務局長が高知県会計規則第3条1項1号の規定により知事から委任を受けている、と主張 していた。

しかし、原告は前掲準備書面(2)でそれについては法的根拠がないと指摘した。

すなわち、地方自治法第180条の2の規定によれば、地方公共団体の首長は教育委員会など各種の委員会へその事務の委任ができるというものであるが、議会事務局には、行政執行機関ではないからその法律の適用はない。従って知事の職務を勝手に議会事務局長が遂行していたということになり越権行為の違法性が浮かび上がった。

 そこで、被告は主張を変えて、その準備書面(2)で、実は、議会事務局の職員は知事部局と議会事務局との「併任」であると主張しなおし、依然として事務局長が本件交付事務について知事から包括的に権限の委任を受けていて、知事には権限がないという主張をしだした。そのため被告は、最高裁昭和54年7月20日判決の判例を持ち出しその主張を補強する。しかし、引用された最高裁判決文は「行政庁相互の間においていわゆる権限の委任がされ、・・・」というとおり「行政庁相互の間」の権限委任の事柄についてであり、議会また議会事務局は行政庁ではないし、地方自治法第180条の2の規定からも外れているからこの最高裁判例は本件には失当なのである。

 従って、議会事務局に「併任」されたという職員はもとの知事の指揮命令系統に入っている訳であるから、たとえ知事が議会事務局に出向させたその部下に事務を委任したとしても、行政庁間の事務の委任とは違って、知事がその事務についての権限を喪失するというわけではない。だから、知事は本件訴訟の被告として適格性を有する。そのことが被告の説明で明らかになったのである。

なお、被告は、地方自治法第180条の2の委任と同法153条第1項の委任とを同じ性質のものと考えているようであるが、その考えは失当である。

後者の場合は、地方公共団体の首長の権限に属する補助機関の職員に事務の一部を委任する行為なのであり、一種の職務命令であって、前者の別の独立した執行機関への委任は首長と別機関との協議(合意)による委任である。

被告準備書面にいう「併任」を前提にした本件の場合は後者の委任であって首長の指揮命令の権限行使の一形態にすぎず、その委任事務についても首長の権限が直接及ぶ。

従って高知県会計規則第3条1項の委任機関の中に「議会 事務局長」を入れたとしてもその権限行使の性質は全然相違していることに留意すべきである。

3、実際、他府県での政務調査費又は政務活動費の住民訴訟では、全て知事が被告となって訴訟が起こされ、知事の責任が問われてきた。 

 地方自治法第100条の14項の政務調査費の規定では、政務調査費を出すかどうかはあくまでも地方公共団体(首長)が決めることであり、出すという場合にはその額や交付の方法などを条例で定めるとなっている。条例があるからといって必ず政務調査費を予算に計上しなければならないということではない。知事の財政状況や政策によって判断される事柄であって、交付決定以下の事務は、事務吏員の裁量に全て任されそれで決まることではない。

本件条例はもとより高知県補助金交付規則では、補助金の交付事務は基本的に知事(部局)の権限である。しかし、答弁書25頁の「(2)交付事務の流れについて」では、本件交付事務は知事(部局)によってなされず、議会については無効な高知県会計規則第3条の規定に基づいて全て議会事務局で専断されてきたというのである。

すなわち、

 議長による交付対象議員の状況についての知事への通知は知事になされずこれを「事務局長が受理する」。

 交付決定、決定の議員への通知も、事務局長が行う。(実際には行っていないが)

 議員は、政務調査費を知事に請求するが、これを「事務局長が受理する」。

 収支報告書も議長から知事に送付するが、これも「事務局長が受理した後、事務局が・・・精査する」。

 交付金の残余が生じた場合、事務局長から議員へ返還命令が出る。

実行されていない②以外は全て事務局長の専断となっているといって、本件交付条例の規定の根幹をふみにじって顧みない、不遜な勢いである。

これらの主張は知事を僭称しその権限を踰越するいわば違法行為の自白であって、高知県独自の仕法であり無法地帯としての高知県議会を現象せしめている。

 

二、証拠のない費用への支出

被告はその準備書面(1)で宿泊費等の領収書など証拠のない政務調査費の支出についてその正当性を一生懸命弁明している。

被告の主張は、

 実費ではなく標準的な一定額を議会の裁量で決めて支払うことは違法ではない。

 本件交付条例の10条4項の「領収書その他の証拠書類の写し」については、領収書がないからといって直ちにその支出が違法となるものでもなく、

 また、「その他の証拠書類の写し」については、マニュアルで定めた通り議員が作成する「政務調査活動記録簿」で「議員が証明」すれば十分だ、

というものである。

 について 

被告は大阪高裁及び奈良地裁の判決文を引用して正当性を論じているが、両裁判所の判決文が政務調査費の何の費用についての判断なのか不明であり、それが直ちに本件の宿泊費等の定額支出の正当性につながるか疑問である。

本件のようにその定額が実費の倍以上である場合に「標準的な支給実費」と言えるのか極めて疑問である。

 について

被告が依拠する判例(大阪高裁平成17年5月25日判決、及び奈良地裁平成16年12月15日判決)はいずれも「政務調査費の旅費」についての判断であり、旅費については領収書が必ずしも取得できるわけではない事情があるから、旅行をしたということが確実であれば標準的な定額の支給もやむを得ないであろう。宿泊の費用は領収書が確実に取得できるから旅費と同列に扱うわけにはいかない。

 について

1、「その他の証拠書類」というのは、領収書に代わる証拠書類のことであって、自分が作成したメモ類ではない。条例が必要としているのは本人が作成する活動記録簿の記載内容を担保する客観的な証拠書類のことを言っているのである。

 刑事事件でも犯行を裏付けるのは容疑者の自白だけではだめであってその自白を裏付ける客観的な証拠や状況証拠が必要なのである。

 高知県議会が自分たちで作った本県「政務調査費マニュアル」でも「基本的な運用指針」の①として「実費支出の原則」が掲げられている。曰く

「社会通念上許容される範囲の実費(実績)を支出することが原則である。

ただし、実費の把握や領収書等の徴収が困難な場合には、実費支出の例外として取り扱う事ができるものとする。」(「政務調査費マニュアル」5頁)

しかし、この原則は、「項目別運用指針」で次のように捻じ曲げられた。

 

② 宿泊費への充当  

  ア 宿泊料 ⇒ 県の旅費規定に基づく旅費額

   (東京都の特別区12900円、甲地方 11100円、乙地方9900円)

 領収書は不要だが、政務調査活動記録簿により議員が証明する

ことにする。

  イ 宿泊諸費 ⇒ 県の旅費規定に基づく旅費額

  (東京都の特別区4400円、甲地方 3700円、乙地方3400円)

 領収書は不要

 

条例で定めた事柄をその運用マニュアルで否定するというのである。

2、問題なのは、宿泊の費用の多寡を証明するための領収書というだけではないのである。

 それよりももっと重大なのは宿泊を本当にしたのかどうかのその実証なのである。

 領収書以外にどこかの宿泊施設に有料で泊まったという事実の実証を、被告はそれでは何をもってするのかが問われているのである。

 甲第10号証の朝日新聞記事を見ても分かる通り、実際に宿賃を払って宿泊した実績は 4割程度であり、後は宿泊の実績がないのに政務調査費から宿泊費を請求して取ったというのである。この新聞記事から類推すれば大半の宿泊が架空であって、宿泊費を詐取しているのではないかという疑いが生ずるのである。

 その疑いを消すためにも領収書なりなんなりの証拠で宿泊の実績を被告が証明しなければならない。議員の記録の中には、家に帰らずに年間百数十日ホテルでとまったとして政務調査費を使い、ホテルを定宿にようにしている実態もあるが、そんな必要があるのか、本当にそれだけの日数泊まったのか、証拠があるのか、疑問を呈せざるを得ない。

  高知県会計規則第58条(前渡資金の精算)第1項では、前渡資金精算明細書にそえて証拠書類を添付して支出命令者に提出することになっていて、その証拠書類とは同条第4項1号で領収書が第1に挙げられている。本件政務調査費も前渡資金であるから、高知県会計規則58条が該当するはずである。

  高知県会計規則は、議会事務局も含め全ての県の機関の財務会計行為に適用されるものであって、ひとり議会事務局が扱う政務調査費の会計行為だけが聖域の様な扱いをされる理由はない。

 3、又、政治活動を理由にして使途の証拠書類の徴収やその提出を肯んじない向きもあり、被告準備書面(1)の8頁目の下段で何か「支出内容の透明化と自由闊達な調査研究活動の確保という相対立する要素」などがあるかのような主張をするが、しかし、政治資金規正法第11条や第12条で議員個人の政治活動の費用の報告でも、領収書やそれに代わる金融機関の振込明細書など証拠書類の添付が義務付けられており、それらは当然国民に公開されてしばしば物議を醸す事件にもなっている。証拠書類もなしに支出したという記載だけでは認められず、使途不明金となる。

  政務調査費は公金であり、個人的な政治活動には使うことが許されていないのであるから、透明性の担保と相対立する政治活動の分野には使われる恐れはないはずである。。

  私企業や個人の税金の確定申告でも経費支出の証拠書類なしには税務署を通過できない。公金の使途において証拠もなしに費用に使ったといって請求すること、その請求に漫然と応ずることが許されるはずがない。

三、立証について

被告は準備書面(1)で損害賠償請求などで損害の存在などの立証責任は原告側にあるといい、各議員はマニュアル通りに資料を提供しているのでそれ以上の資料は取れないし、調査もできない、という。しかし、

平成20年11月11日の仙台高裁の判決(平成20年(行コ)第13号 政務調査費返還代位請求控訴事件)によると、

本来、法令によって定められた一定の目的のために支出すべき公金を受領、管理し、これを支出したものは、当該支出が法令によって定められた目的のために正しく支出されたことについて、必要に応じてこれを証明する責任があるというべきである。

と判示した。

およそ政務調査費の使途がその使途基準に適合しているかどうかが問題になるのは、ともかく使途が明確になっていることが前提である。使途を証明する証拠が何もない場合 

は使途が架空だということを推認させる。その場合は使途基準に適合していないことは言うまでもない。

最近の裁判例(平成26年1月16日名古屋地裁判決 平成23年(行ウ)第68号愛知県議会議員政務調査費住民訴訟事件)でも、

一般に、不当利得返還請求訴訟において、返還を請求する側が利得の保持を正当化する原因が存在しないことを推認させる一般的・外形的な事実を立証した場合には、相手方において適切な反証を行わない限り、法律上の原因を欠くと判断されることになる。

と判示されている。

本件裁判や住民監査請求で原告側が政務調査費の宿泊費については、宿泊の事実を証明する証拠書類が何もなく、全ての宿泊費が架空の事実に基づく請求ではないかということで、全額損害だと主張しているのであるから、被告はそれを否定するのであれば具体的な証拠をもって反証するべきである。本件交付条例第13条によれば政務調査費の請求に係る証拠書類はすべて5年間保存することになっている。もし架空でないなら宿泊を証明する領収書なども保存されているはずである。

四、会派活動について

被告は準備書面(1)の6頁下段において最高裁判例を引用しているが、本件の場合はこの判例の通りには行われていない。

引用された最高裁判例では、「会派が行う調査研究活動には、会派がその名において自ら行うもののほか、会派の所属議員等にこれをゆだね、又は所属議員による調査研究活動を会派のためのものとして承認する方法によって行うものも含まれると解すべきである。」というとおり、会派として一体的に行動するほか、会派の調査を議員に委任したり、議員の活動を会派のためのものとして承認したりする方法・手続きが必要である。

議員らが個々恣意的に活動した記録を十っ把ひとからげにまとめてこれは会派活動だというラベルを張り、それに会派代表者が押印して提出するという本件のような手法とは明らかに違う。

すなわち、被告が引用する最高裁判例では、

上告人は、上記(2)の支出に関し、上記6会派の所属議員は、具体的な町研究活動ごとに、その活動内容及びこれに必要な政務調査費からの支出を求める金額を会派に申請し、会派の代表者及び経理責任者からその活動内容及び金額の承認を得た上で、経理責任者からその金員の交付を受けたと主張している。

として、議員個人の活動について会派の活動としての申請・承認など一定の手続きを踏んでいるとの主張を認めて、その事実を確かめるために高裁に差し戻したのであった。

また、平成16年10月20日判決の札幌高裁の判例(平成15年(行コ)第20号損害賠償請求控訴事件)では、

交付対象が会派に限定された政務調査費を会派を通じて議員の調査研究費に充てること、すなわち議員が負担した調査研究に資するための必要な経費であっても、会派の行う調査研究でない場合には、本件条例においては認められないものと解するのが相当である。政務調査費が、第2の議員歳費であってはならないのである。

と判示した。

政務調査費を充てる会派として調査テーマを設定し、その調査のために会派が一体となって行動するのが基本であり、会派活動のテーマについて調査を個々の所属議員に分担する場合にはその分担範囲を定めそれぞれ担当議員を決定する必要があり、そうでなくとも上掲の最高裁判例のような議員個人活動の会派活動化する最低限の手続きを経、なおかつそれらの調査活動を総括する作業が必要なのである。

五、原告準備書面1の訂正 又はについて

 原告準備書面1(平成26年10月20日付)の2頁目下段下から7行目以下を次のように訂正する。

 

   ア、A又はBで、ABが異種類のもの、

   イ、A又はBで ABが同類又は同義の場合

 アの場合の又はは、A  or  Bと読む場合と A and Bとも読める場合の2様があること。

すなわち、イの場合ではABが同種であれば単に同一のことを言い換えただけであってAを選べばBは不要であり、Bを選べばAが不要となって、常にどちらか一つの選択

 

 

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2014年7月 6日 (日)

兵庫県議会議員の政務活動費

News & Letters/366

旅費や宿泊費は政務調査費の相当部分を占める巨額であるが、高知県議会は、条例の規定にもかかわらず、彼ら独自の「マニュアル」を作成し旅費と宿泊費は領収書を徴収しないと勝手に決めて、実費とは異なる、実費の倍近い費用を交付されているのである。

このことについては県内のマスコミは私が現在県の監査委員会に監査を請求したし、現在高知地裁に裁判を提起しているということを百も承知のことである。

高知新聞はその論評の末尾に「報告書は県議会棟3階の図書館で閲覧できる。」と書いてあるが、神戸新聞らが問題にした旅費の領収書や宿泊費の領収書が添付されているという事を確認して書いているのであろうか。

第一、公開された政務活動費の報告書類は、平成25年度分であり、1年半も前のものだ。
政務活動費は4半期ごと(3ヶ月毎)に支払われるのであるから、せめて半年か1年後公開すべきである。そうでなければ不正不当な費用の支出から1年以内という監査請求の期間が意味をなさない。また、党派の活動報告の広報紙などの発行費も多額に上るが、その広報紙そのものが証拠として一枚も公開されていない。

また、調査を誰かに依頼したということで巨額の金を支払っているが、相手の名前も伏せてあり、何の調査なのかもさっぱり分からないものもある。

本来調査活動をするのは議員であって、議員が参加しない調査に公金を支払う必要はない。
他県で大問題となることも高知県では普通のことであり、新聞記者たちの話題にも上らないのであろう。行政や財界が一向に県勢浮上出来ないのは、新聞記者たちの低迷も一因であろう。

マスコミが厳しく熱ければ、行政マンも政治家も経営者ももっと自己に厳しく他県並みの行動をするであろう。

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2014年2月 8日 (土)

オンブズマン活動は私の日常の仕事

News & Letters/340

私はオンブズマン活動に参加して何年になるであろうか。今は単独のオンブズマンとして高知県の片隅から発信を続けている。

これは私の天職となり、町長職にあったときも基本的にこの立場で行政事務を行ってきた。そしてこのオンブズマンの仕事の結節点となるのは、住民監査請求と住民訴訟である。

行政に対し少々の提言をしてもなしのつぶてであり、裁判にかけなければらちが明かない。もちろん裁判官も行政の味方であるから、なかなかしんどい。マスコミも以前に比べてオンブズマンの訴訟や問題提起はほとんど取り上げないようになっている。

オンブズマン活動に参加する市民は最近特に減ってしまった。
私は、資料など情報を集め事件を調べ、それを法令に照らして、違法性をえぐり出し不当な利権を糺すということで、監査請求・住民訴訟を行う。

淡々と粛々とこれを行う。少しでもこの世の悪を減らし、市民の福祉の増進を願う。
相手の利権にすがる主張、裁判官のでたらめな論旨を糾弾するのは、痛快でもある。

平成25年(行ウ)第19号 損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 東洋町長松延宏幸
原告準備書面(2)
平成26年1月30日
高知地方裁判所 御中
原告 澤山保太郎

原告は以下のとおり弁論を準備する。

一、「公の施設」の管理についての法律の規定について

1、旧法との比較
公の施設について地方自治法第244条の2の第3項は平成15年9月に現行の規定に改正された。それまでは、次のとおりであった。
「3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、その管理を普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの又は公共団体若しくは公共的団体に委託することができる。」となっていた。

改正された現行法では
「3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第244条の4において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。」となっている。
旧法においても、現行法においても、ただの一般民間会社が何の手続きもなしに公の施設の管理の委託は受けることは出来ないことは明らかである。

旧法においては地方公共団体の直轄以外には、その50%以上の出資会社か公共団体や公共的団体しか運営委託を受けることはできず、そして公共団体とは他の地方自治体や衛生組合、土地改良区などの公法人を言い、公共的団体とは農協や漁協などをいうと解釈されている。現行法では、民間団体に門戸を開放する趣旨で、直轄以外の仕法では、指定管理者制度の手続きを経て指定された法人であれば公の施設の管理が任せられるというものであるが、あくまでも議会承認等指定管理者制度の手続きを踏まなければならない。この手続きを経ずにした東洋町斎場の本件委託契約は違法であり、それに基づく公費の支出は違法なものである。

2、民間に委託する業務の領域について

地方自治法第244条の2の第3項に規定する「公の施設」の業務の民間委託については、次のことが前提となっている。

第1に、その施設は既設のものであって新たに施設を建設するという業務は入っていない。
第2に、建設した施設の建物の保全やそれに備わっている器機類、主要な備品については、それを設置した地方公共団体が用意し、その機能や材質の保全についての管理も地方公共団体が担当する。例えば図書館が何らかの適法な手続きで民間委託された場合、館の建物の維持管理、照明や冷暖房など空調設備、水道下水道などの維持、等々図書館としての財産としての管理は、基本的に設置自治体に責任がある。

運営を委託される民間団体は、それら施設や機器類を使用させてもらいながら図書の管理や貸出業務、清掃など住民サービスの面を担うのである。経費の支払いについては利用料を徴収するか、設置自治体からの委託料で賄うことになる。
備えられる図書や資料類については、元々設置自治体が備えるが、委託業者が独自に収集したり購入する場合もある。

東洋町の場合でも、例えば地域福祉センターを東洋町社会福祉協議会に委託して管理しているが、建物やボイラーなど機器類のメンテナンスは被告東洋町が直接責任を負いその費用も負担する。社会福祉協議会はその施設を利用してお年寄りのデイサービスなど福祉事業を遂行する。運営を委託されると言っても建物や付属設備を利用するということであって、決して建物そのものや付属機器類の財物の管理責任まで委託されるのではない。
又、東洋町では「海の駅東洋町」(指定管理者㈱東洋リ・ボルト社)が目覚ましい繁昌を示していたが一昨年7月これが何者かによって深夜炎上させられた事件(放火事件)があった。これの管理責任が問われたが、建物そのものの管理責任は被告町にあって、住民サービスの為にその施設を利用していた指定管理者には特段の失態が無い限りその責任は問われ得ないのである。焼け出されたリ・ボルト社や多数の出店者は大損害を被ったが、「海の駅東洋町」の建物の管理責任者である東洋町は火災保険をかけていて、火事の後保険会社から数千万円の保証金を手に入れたのである。施設の財産上の価値を維持する管理業務は、地方自治体にあるのであってこれを民間団体に委任することはない。

第3に、したがって地方自治法第244条の2第3項の民間への公の施設の委託は、主として施設の設置目的に沿ってこれを利用した住民サービス業務の領域に限定されていて、この点について法律制定者である政府総務省の通達(甲第8号証)を見るまでもないのである。そして逆に、施設の住民サービス業務の主要業務を民間会社に委託した場合、被告準備書面の言うように、これを、業務の一部を委託したにすぎない、などとは言いえないことは、自明であろう。

二、「事実経過」について

既に述べたように、何の適法な手続きもなしに民間団体に公の施設の、その主要な住民サービス業務を委託することは認められていない。法や条例を無視して現行のような方法を講じなくても、適法な仕法がこれまでの経過の中にもあった。

1、平成18年度以前の違法状態に戻った

被告準備書面は、これまで本件斎場の管理について経過を述べているが、現在の東洋町役場の担当課長に聞きながら私がまとめた経過は次のとおりである。
もともとの条例では、この施設の管理は、本来町が直営でなければならなかったのに、
町内の葬儀屋に、遺体の焼却など主要な業務の運営を任していたところ、原告が被告町長に就任して是正措置をとり、平成19年9月1日より、従来の民間葬儀会社への委託  
をやめて条例の趣旨である本来の姿として町の直轄または、町有(町が100%出資の株式会社「東洋リ・ボルト社」)の会社に運営をさせたり、また同社から派遣社員という形をとって運営してきた。

「東洋リ・ボルト社」は被告準備書面で挙げられている二人の町民(川渕稔、坂田武行)
を社員として雇用し、施設の運営に当たってきた。
 平成21年9月ごろ、その会社の資本保有の構成比率が変わった(町の持ち株が25%
 に低下した)ので、再び町の直轄に戻し、従業員は東洋リ・ボルト社から町へ派遣という形をとって施設の運営がなされ、それが平成23年11月末まで続いていた。

 平成23年12月からは派遣社員制はやめ、被告町長松延がその従業員を再び町の臨時
職員というかたちで本件斎場で勤務を続けさせ、平成25年3月まで同じ形態できた。
そうして、本件で問題にしている通り被告は、平成25年4月1日から、前記二人のう
ち坂田が地元葬儀会社の社員と一緒に立ちあげた株式会社東洋開発との間で随意契約を
結んで斎場業務を委託しこれを運営している。というものである。
 これを要するに、一般法人(平成18年8月末で)→ 町の直営・雇用(平成19年9
月1日~20年3月末まで)→ 町有会社に委託(20年4月1日~平成21年9月8
日まで)→ 直営(派遣社員)(平成21年9月9日~平成23年11月末まで)→ 直
営・雇用(平成23年12月~平成25年3月末まで)→ 一般法人(現行)、
 というふうに経過してきた。

 現在は、平成18年度以前の元の違法状態に戻ったのである。

2、3つの管理方法があるという

今回の被告準備書面の第2の1で被告は、地方自治法第244条を掲げて公の施設の管理方法について3つを挙げる。
すなわち、
①全ての管理業務を直営で行う場合

②直営ではあるがその1部の管理業務を第三者に委託する場合(第234条)
  
③指定管理者制度を使う(第244条の2第3項)

  被告は本件の場合は、このうち②の方式をとったものだから問題はないと主張する。
  しかも②の場合には地方自治法第234条に依拠しているような書きぶりであるが、
  その234条には、「公の施設」の管理についての規定は何も存在していない。  
被告のこの主張には二つの問題がある。

第一に、被告町は施設の建物の維持や釜(火炉)など機器類の保全業務、残灰の処理を町外の専門業者に依頼して行っているが、本件施設の主要業務である火葬という住民サービス業務には一切関与せず、当該業者(株式会社東洋開発)に丸投げ委託をしている。
斎場の業務では、遺体を受け入れそれを火葬に付し、遺族に骨の一部を選骨収集させ
残灰を片づけ、火炉や斎場を清掃する業務が主たる内容である。火葬を基軸にするこれらの一連の業務を斎場の一部の業務と呼ぶことはできない。それは主要な業務である。現在の地方自治法では、何の手続きもなしに「公の施設」の住民サービスの主要業務を民間業者に委託をすることは認められていない。

現状は被告町の直営とは言えず、運営の表舞台の火葬業務には民間業者が立っている。
そもそも、地方自治法の旧法でも又現行法でも、公の施設の運営について法人に委託する業務領域は主として住民サービスの方面である。それは現行の地方自治法第242条の2の3にも規定されているように「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは・・・」民間法人に委託できるというものである。

ここで「設置目的を効果的に達成するため」というのは、住民サービスの向上のことである。すなわちそれは、総務省の通達(「指定管理者制度の運用について」平成22年12月28日 甲第 号証)にはそれを明確に「住民サービスの質の向上を図っていく・・」、「住民サービスを効果的、効率的に提供するため・・」指定管理者制度が導入されているという趣旨を繰り返し強調しているとおりである。

したがって、被告が主張するように施設の財物管理を含む全的な管理は、はじめから論外であり、直接住民と触れ合う業務領域が委託の対象となるのである。
そのことは、被告は、町の福祉センターや物産販売を扱う「海の駅東洋町」など他の指定管理者制度などで十分わかっていたことである。

施設の建造物や機器類の機能や材質を保全する業務はあくまでも設置した行政機関の責務であって、財物管理業務までは民間に委託されえない。
  従って被告が挙げる③の指定管理者制度の場合でも委託されるのは住民サービスの面の主要業務に限定され、施設の物理的な維持管理を含む全面的な業務の委託などはあり得ないのである。「管理に関する業務の全てを一括して第三者に委託したとすると、指定管理者制度を利用することを認めた地方自治法・・・・に違反するかどうかを検討する必要がある。」(被告準備書面(1)2頁中段)などというのは、全く法律の解釈を誤った謬論である。

 だから、被告が本件斎場の業務のうち、住民サービスとは直接関係のない「火葬場火炉保守点検」や「残骨灰処理」の業務を遂行するのは当然であって、指定管理者制度を使ってもその業務は町の独自の業務として残るのであり、そのため機器類の設置業者や施設を建てた建築業者などとメンテナンスのため別途の契約を結ぶ場合には、随意契約を含め一般競争入札など地方自治法第234条(契約の締結)で処理することは当然のことである。

さらに付言すれば、①の行政が直轄で行う管理であっても、建物や機器類の点検、修理など維持管理は設置業者等にその工事や業務を委託するのであって、何もかも完全に行政機関独自で遂行することは不可能であるから、そもそも①という分類はあり得ないのである。
すなわち地方公共団体はその「公の施設」の管理としては、

A)建物や機器類の財物としての管理業務を専門業者に委託しながら、地方公共団体自身が直接住民サービスを遂行するか、

B)建物や機器類の財物管理を A)方式で町が遂行しながら、住民サービス業務は民間に委託して運営を遂行する。

という二つの形態しかあり得ないのである。

いずれの場合でも財物としての施設の管理は一般競争入札等地方自治法第234条に基づいて行われるが、B)方式の業務の民間委託の場合には現行法では地方自治法244条の2の第3項の指定管理者制度が使われなければならない。

 第二に、上述した通り、本件斎場については平成19年以降、条例の趣旨に沿って主として町の直営方式をとってきた。途中株式会社に委託した時期もあるが、その会社は町が100%出資したもので社長も町長が兼任するという町の純然たる外郭団体であって、町の様々な事業を分担し、特に町の臨時職員の身分を安定させるために設立された組織であり、一般の民間会社ではなかったものである。

被告町長松延も、本件委託契約までは職員を町が雇用するという措置をとって運営してきた。必ずしも民間会社に業務を委託する必要はなかった。
  そもそも、火葬場の業務はさして複雑なものではなく、特別な資格も要らず、機器類はマニュアルに沿って操作すればよく、初めての者でも、前任者か、火炉の設置業者からその操作は教えてもらえるのであって、大規模なものはともかく、普通では、火葬場作業専門の業者など必要ではなく、そもそもそんな業者なるものはこの世に存在しない。斎場の業務は単なる労務の提供にすぎない。

当該「株式会社東洋開発」は、被告東洋町との「随意契約」の折には会社としての実績はゼロであって、「履歴事項全部証明書」(甲第7号証)をみても火葬業務はそれとしては会社設立の目的として登記されていない。

 被告はそれを何か「町内には火葬業務を行う業者が株式会社東洋開発以外にはないこと」などを「随意契約」の理由に挙げているが、その業者の構成員の二人は、つい前日の平成25年3月31日までは町の職員として、その業務を遂行していた者だった。
  引き続きその者を町の職員として雇用して本件施設の運営に従事させることについては何らの障害もなかったし、誰も文句を言う筋合いはない。

  しかし被告は、敢えて民間会社に本件斎場の主要業務を委託した。それが一般競争入札であるか随意契約であるか、契約の形態については第二の問題である。
  契約の仕方が問題なのではなく、委託する民間法人の選定の手続きが問題なのである。
原告は、「公の施設」について民間会社に委託するには地方自治法第244条の2第3項に基づいてそれ相応の法的手続きを踏まねばならないと主張しているのである。

その適法な手続きを踏んでいない本件契約は違法であり、違法な契約は無効だと主張している。

三、損害賠償請求等について

被告は、本件施設の一部を第三者に委託するが東洋町の直営方式であり、その場合一部
の管理業務の委託契約は地方自治法第234条に基づき、同法施行令第167条2第1
項2号の随意契約によっているから、適法であり、賠償責任は存在しない、という。

1、随意契約の不当性

既述のとおり、現在の本件施設の管理運営の状況は、町の直営とは言えず、火葬等その
主要な業務が株式会社東洋開発に任せられていて、そのような契約も結ばれている。
住民サービスの主要な業務を民間法人に委託する場合は地方自治法第244条の2の3
の規定に基づき適切な手続きを踏まなければならない。

 しかし、被告は、そのような適法な手続きの代わりに、如上の法令に依拠し違法な契約
をして開き直っているが、その理由として「随意契約」をあげ次のように言う。

 被告は、①地域性、利便性の観点からは東洋町内の業者の方が望ましいところ、町内には火葬業務を行う業者が株式会社東洋開発以外にはないこと、②同社の職員は東洋町の斎場及び施設を管理した経験を有していること、③同社との委託料は年間300万円であって経費が削減できることなどを考慮して、同社と随意契約によって委託することが、斎場及び施設の円滑かつ適切な管理、ひいては東洋町及び町民の利益増進につながると判断して、本件業務管理委託契約を締結したものである。
(被告準備書面(1)3頁上段)

 既に述べたように株式会社東洋開発は、火葬業務をするということで設立されたもので
はないし、社員個人は別として、会社として葬儀その他いかなる業務の実績も何もなか
った。

町会議員が経営する別の葬儀屋(有限会社東洋 甲第9号証)の建物の一室を会
社の事務所として借りて、本件契約の前月に急きょ作られた会社にすぎないものである。
そもそも本件斎場は平成19年8月末までは長年この有限会社東洋が委託運営していて、
その委託が何らの法的根拠も無いということで、契約が打ち切られ是正されたのである
が、本件随意契約の相手である株式会社東洋開発は、有限会社東洋の元社員坂田武行と
その会社の現職の役員である森佐智尾が設立したものであって、いわば有限会社東洋
の子会社なのである。その有限会社東洋の社長小松煕は、現在東洋町の町会議員であり
本件の監査請求を棄却した監査委員でもあるが、その葬儀屋の事務所は数年前の町長選
挙の折には、被告東洋町長松延宏幸の後援会の看板がかかっていたところであって、本
件「随意契約」を理解する上において重要な参考となるものである。

 およそ「火葬業務を行う業者」など、聞いたこともないし、あり得ない。東洋町程度の規模の施設であれば火葬業務を行うのにはさしたる資格も要らないし、簡単なボイラーの操作をてきぱきと行う労務者が一人か二人おれば用が足りる程度のものであるから、役場の職員が兼任するか、あるいは町内からの用務員の募集で足りる話である。

 また、経費が約100万円ほど節約され300万円で済むようになったから経費削減であり東洋町の利益になったという。しかし、この経費削減の主張には根拠が無い。
 直接労務者を雇用した場合、東洋町の斎場での火葬業務は毎日あるわけではないから、暇ができる。そこでこれまで東洋町では、雇用した二人は火葬場が暇な日には別途の労働が課せられていた。すなわち、廃食油を精製して、ディーデル自動車エンジン用の油を作る業務と、廃食油からエコ石鹸を作る業務などが与えられていた。その他町役場での雑用はいくらでもあり、決して無駄に過ごしていたわけではない。

 また、民間会社に依らなくても、雇用の方法をとり、火葬業務が無いときには労賃を払わないということで労務者を募集すれば、やはり同じく300万円程度の費用で済むであろう。
 
それに、公の事業では、委託費用が安ければよいというわけにはいかない。
 無資格の弁護士に安い値段で業務を委託し、ちゃんと仕事をして貰ったから、よかった、といえるだろうか。無資格の者に運営を委託して経費節減を図ったということは公務の世界で許されるはずはない。そんな違法な事由を挙げて随意契約を正当化できるであろうか。被告の順法精神を疑わざるを得ない。

 また、付言しておくが、町や公共団体と関係のない純然たる民間会社、特に葬儀関係の団体に本件施設を委託するのは芳しくない。葬式を依頼した親族から規則で定められた斎場使用料以外の 心付け(金品)の授受という悪習を制止することが困難であるからである。民間会社なら葬儀に携わった人に心付けを渡すこと、またそれを要求することは許されるであろう。しかし、公設の斎場で、そのような悪しき慣行が横行することは許されることではない。

 随意契約をする必要は何もないのに、法令の定めを無視して政治的なコネのある業者と委託契約をしたのは町長としての裁量権の逸脱である。

2、随意契約の不当性を知っていた
 幾度も述べ来ったように、「公の施設」の管理運営を民間法人に委託する場合には法定 の条件や手続きがあることは、その施設管理に当たるものであればだれでも知っていることであり、知らなければならない。

従って、以下の被告が言うとおりのことが、本件の場合ズバリ該当する。
地方自治法施行令167条の2第1項にあげる事由のいずれにも当たらないことが何人の目にも明らかである場合や契約の相手方において随意契約の方法によることが許されないこと知り又は知りうべかりし場合など当該契約を無効としなければ随意契約の締結に制限を加える法令の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められる場合に限り、私法上無効となる。 

 被告準備書面(1)3頁中段
地方自治法第244条2の第3項や本件についての東洋町条例の存在は首長や担当職員なら知っていなければならず、少なくとも「知りうべかりし」ことがらである。これを知っていれば、「公の施設」の運営の委託業者の選定には、随意契約で済むわけがないことも自明でなければならず、それどころか委託契約の前提条件が満たされていないのであるから、いかなる契約も成り立たないことを知らねばならなかった。

施設管理の無資格の者とは契約行為はできない、してはならないのである。だから、「随意契約に制限を加える法令を没却する結果となる特段の事情」があったどころか、契約そのものが制約(禁止)されている「特段の事情」があるのである。

3、損害の発生について

 被告は本件随意契約による支出が仮に違法だとしても、東洋町の負担は従前より軽減され損害は発生していない、と主張する。
 しかし、損害は発生した。なぜなら、この随意契約によって支払われる公金は、その相手側の会社に渡るべき金ではなかった。株式会社東洋開発が受け取る金は不当利得であり、本来正当な手続きで選定され契約される団体か又は東洋町に雇用される労働者に支払われるべき金であった。それでも、株式会社東洋開発は仕事をしたではないか、それに相応する金は貰わねばならない、というかもしれない。

 その金は、違法契約をして働かせた被告町長らの責任であり、一旦公金でもって支払ったとしても、それは被告町長らによって弁済されるべきものである。
違法な公金の支出は、弁済されねばならない。

それは例えば、首長が私的な秘書を勝手に雇い、大事な公務を手伝わせたからといって、その労務の提供に公金を充てることはできないというのと同然である。
そんなことが許されるなら、適当に私人に公務を任せ、公金を支払うといういうことが無制限に許されるということになるであろう。

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2013年12月15日 (日)

続秘密保護法(5)

News & Letters/390


オンブズマンやジャーナリストの本来の仕事は、政府など権力機関が持っている秘密を暴露し、その秘密の行為による当局の責任と損害の賠償を追及することである。
秘密保護法は、我々のその仕事の核心に反撃してきたのである。

新聞とか、ニュースとかいう言葉は、いいことであれ悪いことであれ、人が知らない新しい情報という意味である。国民にとって大事なことで隠されていたことを、すなわち秘密を明らかにすることこそ報道機関の使命なのである。虚偽や操作された情報の提供は本来報道と言うべきではなく、それは単なる政治的宣伝にすぎない。

実際には日本の新聞は政治的宣伝を大量に流しているのであるが、個々の社員たちには真実を国民に知らせようという報道機関の一員としての、ジャーナリストとしての矜持を持っているものも少なくない。

1、権利ではなく恩恵か

秘密保護法は知る権利や報道の自由という憲法上の権利の基盤を破壊し、その天賦人権とも言うべき権利を、官僚や権力にある特定政治勢力の、単なる思いやりか恩恵程度に貶めようとするものである。

2、脅迫文

そして秘密保護法自体が、取材方法が不届きであるとか、それとも知らぬ秘密事項を漏らしたとか言ういいがかりを付けて、そういう者(ジャーナリストやオンブズマン、公務員や一般国民)を牢獄に放り込むぞという脅迫の文章になっている。
脅迫だけではなく実際にそれを実行する無制限の自由を官僚に与えている。

3、光と闇

あらゆる冤罪事件の裁判闘争、あらゆる行政訴訟、原発裁判などあらゆる公害関係の裁判闘争でも、権力の握っている秘密情報をいかにして取得しこれを公判で暴露するか、ということが勝敗を決するカギなのである。裁判そのものが、秘密の扉を開ける国民の仕事なのである。裁判だけではない、本来議会というものは、そこで何かが達成されるというものではなく、そこでは権力の真の意図、権力の陰謀を暴く場として位置付けられている。これが戦前の闘士山本宣治らの言うところの革命的議会主義であった。

秘密保護法はそれらすべてを暗黒の網にかけて抹殺しようとする。
秘密保護法によって、光と闇のこの戦いは明示的に日本人民の永続的闘争となった。
真実のジャーナリストやオンブズマンは、牢獄を恐れず、権力が隠している秘密に肉薄しこれを大衆に暴露するために日夜奮闘するべきである。

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2013年12月13日 (金)

情報操作

情報操作

News & Letters/389

秘密保護法のような天下の悪法を強行制定し支持率が大幅に低下したという安倍内閣をいかにしてじょうずに擁護するか、これからの日本マスコミの大きな難問となった。
世論調査での支持率が落ちたと言っても決して50パーセントは切らないように歯止めはされている。一年半後の統一地方選までには支持率回復の措置が取られるであろう。
まして3年後の総選挙までには万全の回復措置が取られるに違いない。

秘密保護法の制定も脅威だが、日本のマスコミの世論調査結果発表をはじめとする情報操作について国民はもっと切り込んでいくべきだ。

例えばその世論調査だが、それが創作ではないという証明ができるであろうか。
読者の、国民の見えないところで、新聞社の誰が担当して行われているのか、全く何も分からない。第三者の見ている所でオープンで行って初めて信ぴょう性がある。
大本営発表のようにただ信じろという。この支持率の変動の発表が非常に大きな影響を与える。情報を操作して、世論を操作し、選挙に大きな影響を与えて、政権を変替させる。そのような力が現在のマスコミにはある。

既にその都度ブログに発表した私が経験した新聞報道の実態を報告してみよう。

1、虚偽報道

平成22年1月だったか、東洋町町議会選挙の開票のことについて翌日の高知新等の新聞記事は、全くでたらめな虚偽報道がなされた。
  開票の作業が遅れ選挙結果発表が深夜に及んだことについて、それを失態として高知新聞らは、東洋町の開票会場が「騒然」となった、と報道した。
開票後の得票確定作業が投票数の数え間違いで滞った事は事実であり、また会場 が、「騒然」となったことも事実であった。しかし、会場を「騒然」とさせたのは4,    5人の新聞記者たちであり、どうなってんだ、原稿が間に合わない、など町の選管に    向かって口汚くののしり、突き上げていたのは、町民ではなく、新聞記者たちだった。
  しかも、開票会場には公選法によって、有権者しか入れないことになっていた。高知    新聞の記者らが有権者であるはずはない。入ってはならないところに入り込んで大騒    ぎを起こしていたのであった。

さらに、開票会場で「騒然」行為をするものについては公選法で厳罰規定がある違法行為であった。開票結果の確認がとどこおり、会場が大騒ぎになっているという報告が町長室にあって、選管書記が私に対処方法につき相談してきたので、わたしは、記録書類の数え方 について、一枚一枚ナンバーを打つように助言した。そうして、数の数え間違いであ    って、問題が無かったことが判明し決着した。
  そうしてあくる朝の高知新聞にでかでかと東洋町の選管の失態と「騒然」状態が報道    されて、びっくりしたのであった。確認作業が停滞し深夜に及んだのはお詫びしなけ    ればならないが、時間をかけて慎重に調査したのは仕方が無いことだ。
 だが、「騒然」の事態は東洋町役場や町民の責任ではない。  
 私はすぐ、各社に厳重な抗議文を送った。朝日新聞が来た以外にはどの社も何の釈明もなかった。この報道は、私が関与する東洋町政を貶めるための悪意ある虚偽報道であるというほかにない。それにかかわった記者らは、公選法違反を自ら実行しそれを報道したのである。これにかかわった高知新聞の当時の室戸市局長は自らこれについて弁明してみよ。

2、偏向報道

『徳島県民くらし安全課よりラベル表示が適切でないとの指摘を受け、しばらくの間、落花生と干し芋の販売を中止します。 阿南市 ****フーズ**』
これは、徳島県阿南市の****フーズ**という八百屋が店内に表示した張り紙を東洋町の職員が写し取ってきた張り紙の内容だ。
平成22年から23年にかけて私らが運営していた東洋町の海の駅でその落花生と干し芋の表示について間違っており、中国産を徳島産だと思って表示した。
高知新聞らに厳しく批判された。批判されたことについては、何の弁解もできない失敗だった。

しかし、高知新聞らは、私どもがその商品を仕入れた阿南市の八百屋が、その落花生などの商品表示に関して徳島県から行政指導を受けていたという事実を報道しなかった。
それどころか、私どもの仕入れ先のその八百屋はちゃんと表示をしていたとその店を擁護したのである。新聞社の言う通りなら、私らは、商品の本当の生産地を知っていて嘘の表示をして売っていたという話になる。事実の半分(発生源)を伏せて、後の半分だけを報道すれば、事実は偏り、半分嘘になる。

その八百屋が高知新聞が言う通りちゃんと表示してあったというのであれば、どうして徳島県からその落花生や干し芋の「ラベル表示」について「指摘」を受けるであろうか。
わたしどもは、中国製の商品で中国と言う産地を隠したりはしたことはなかった。
はるさめや小豆製品など当時十数点の中国製品も棚において販売していた。中国製の落花生は問題の落花生以外にももうひと種類を売っていた。

その問題の落花生も一袋130円で仕入れて150円で売っていたから、手数料や消費税を引けば原価割れになって売っていたのである。
産地を偽って損までして商売をする者がいるであろうか。
この報道では実際にラベルを張った会社の担当社員からは何も取材はとらず、町長の澤山保太郎という名前が前面に出された。

阿南市の****フーズ**は今はその場所では営業していない。
その店の名前は、JAS法では行政指導の段階では公表されないことになっている。
この事件の偏向報道でも前掲の高知新聞前室戸市局長が活躍していた。

また、それから数カ月後、またしても高知新聞で私どもが運営する海の駅でキャベツの産地を偽ったという趣旨の報道が私の名前入りで大きく報道された。
しかし、場所は海の駅であったが海の駅とは直接無関係の事件であった。
海の駅の出店者はそれぞれ独立しており、商品の出品、商品の管理等はすべて出店者の自己責任であった。朝日新聞は、一旦高知新聞と同じ内容の報道をしたが翌日の新聞記事では訂正がなされた。高知新聞は偏向記事を何も顧みることはしなかった。

間違ったラベルを付けて出品した地元の農家は、最近テレビでもそのミカンの収穫作業が報道されたこともある家族である。その日、その家族は海の駅の店頭では関東地方の産地表示の記載がある箱でキャベツを売っていたが、店内の表示には徳島産というラベルを張っていた。それは明らかに間違いであって、意図的なものでないことはだれにもわかることであった。意図的なものであれば店頭での販売も偽りのラベルを張るであろう。
店内のたなのキャベツにラベルを張った息子は文字が得意ではなかったという。
管理責任のない事件についてもその責任者のごとくに私の名前入りの報道をして攻撃をした。出店の業者名等はどうでもよかったのである。そのしつような偏向報道の姿勢に問題はないであろうか。しかも町長選直前であった。

3、平成23年4月に東洋町長選が行われた。

 その選挙の前の高知新聞の東洋町政についての報道は極めて偏向に満ちたものであり、相手陣営と思われる者らが、その新聞のコピーを東洋町内に戸別にばらまいたほどであった。義務教育のほとんどの無償化、米の配給や多くの福祉の分野で無料化をおこなった、それをバラまきだ、と評価して否定した。
高知新聞は、私について、オンブズマンらしく大胆な行政改革を行ったという趣旨の一行か二行の記事を書いたが、その行政改革の具体事例については何一つ書かなかった。
福祉や教育を極力無料化し、失業対策や産業復興など住民本位の予算に大転換して、しかも借金を減らしたという事実を、完全に抹殺した。
そして選挙後現在の松延町政が、私が作り上げた行政実績を見るも無残に次々と廃止してきた事実についても、何も書こうとしていない。

報道機関は、その幹部から平社員に至るまで構成員について公の選挙で選ばれたわけではない。彼らは一般的な教養試験で選抜されるか、又は何らかのコネで社員や役員になる。社員採用の選考の過程、内容は秘密だ。
彼らは正義人道を標榜しているが、それぞれ思想信条、宗教や政治的傾向は隠されている。巨大新聞は、その時の政権に変動を及ぼすほどの影響力を誇っている。
地方新聞は戦時中の1県1新聞の政策によって、一地方の報道をほぼ独占し、地方の政治に決定的な影響力を発揮する。大新聞も地方新聞も商業新聞はブルジョワジーの支配下にある以上、国民の真実の味方にはなり得ない。

秘密保護法によって情報が権力に囲い込まれ、さらにマスメディアに操作され、真実が国民からより遠くなっていく。前に書いたように、権力もマスメディアも、

①虚偽の報道を公然と行う。

②事実の一側面だけを取り出し都合のいい事実だけを偏向報道する。

③事実そのものを無視・抹殺する。

という風にして国民を致命的に重要な真実から隔離し、独占資本の延命に奉仕する。
一日も早く全世界の人民が、インターネットなどを通じて独自の情報網を持ち、事実を多面的に考究し、正しい判断ができ、その判断に基づいて支配的な権力者たちに対して勇気ある政治的行動ができるような社会にしなくてはならない。



  

  

 

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2013年12月11日 (水)

東洋町の情報公開の実態

News & Letters/388

国家の情報管理へのすざましい執念を秘密保護条例で見せつけられた。
情報公開という制度の意義、民主主義の意義などまるでわかっていないボンボン宰相や世襲議員、格差無資格当選議員らが占領する国会には合法的にはただ絶望という感じしか湧いてこない。きゃつらに天誅が下るのを祈るだけだ。

東洋町の情報公開の実態も似たようなもので絶望的な無知と驕慢とが見えるだけだ。
都合の悪い情報はただ墨で塗りたくるというごく単純・野蛮なものだ。

平成 年(行ウ)第8号損害賠償請求事件
原告 澤山保太郎
被告 東洋町長松延宏幸

文書提出命令申立て書
高知地方裁判所 殿                
 平成25年12月  日
                         原告 澤山保太郎

原告は民事訴訟法第221条第1項に基づき以下の通り、被告保有の文書について文書提出命令を申立てる。

       記

一、文書の表示

 その文書は、高知地裁平成25年(行ウ)第8号事件の、被告提出の乙第5号証・乙第6号証の「東洋町賃貸借地一覧表」(以下 上掲文書 と呼ぶ)
である。

二、文書の趣旨

上掲文書は、平成25年(行ウ)第8号事件被告である東洋町が、公的機関または公的団体又は一般個人にその公有地を賃貸するか、又は賃借した事実の概略を一覧表に掲載したものである。

三、文書の所持者

 東洋町

四、証明すべき事実

  上掲文書は、被告東洋町がその公有地を誰に、どのような趣旨で、いくらの地代で            
  賃貸してきたか、または賃借してきたかを示している。

五、文書提出義務の原因

1、上掲文書は、被告東洋町が上掲平成25年(行ウ)第8号損害賠償事件で町内で被告が公有地貸借の実態を示すものとして書証として公判に提示したものである。
しかるに、その提示された公文書中の貸借物件の表示について、その土地の住所の字名、番地、用途、そして貸借の相手側の団体名又は個人名などが墨塗られて見えなくされていた。

これでは、本件裁判で東洋町内で被告が実際に貸借している実態がわからない。
被告東洋町が貸し付けている土地の対象者には、東洋町もその構成団体となっている芸東衛生組合など公共団体や、町内会、消防、神社、共同墓地・・・などが含まれていると考えられ、これら公共用としての用途のあるものは、本件のような賃貸借の比較から除外すべきものである。本件の宮田歯科医院などのように、一般民間人の営業用に貸した土地でなければ公正に比較することにはならない。

2、そこで、同じ文書について原告が東洋町に開示請求したところ、公判に提出されたものと同じように黒塗りの文書が開示された。部分開示をした理由として被告東洋町は、「東洋町情報公開条例第6条第1項第1号及び第2号の規定」を根拠にしたものだという。しかし、東洋町の該条例の第6条の第1項の各号は但し書きであって、個人情報であっても非公開から除外されるというものであって、これに基づいて開示請求文書を部分開示処分とすることはできない。

そもそも東洋町公開条例第6条は「個人に関する情報であって・・・」というものであり、公有地についての情報は個人に関する情報ではない。またその他第6条各項(2)項~(9)項のどれにも公有地を非開示にしてよいという規定に該当するものはない。
公判に出された乙5号証・6号証文書中の墨塗られた字名や地番、用途等は、公有地のものであって個人のものではない。

被告の墨塗り開示の行為は東洋町の情報公開条例の趣旨に反したものであり、上掲文書は原告が当然に全ての文面を閲覧することができるものであり、また本件裁判の公正な審理に必要なものである。

3、個人に関する情報ではない情報、例えば公有地や公共施設などの管理運営に関する情報の中にも、個人の氏名などが記載されているものがある。しかし公共の財産の管理に関する情報の中の個人に関する情報は、債務債権などの契約関係の書類などであり、本来公開されるべき性質のものであって、東洋町を含めどこの情報公開条例でも非開示の個人情報から除外されている。

すなわち、高知県情報公開条例第6条第1項2号(東洋町情報公開条例第6条の(1)のイに相当)の除外規定である「公表を目的として作成し、又は取得した情報」について、高知県の『情報公開条例解釈運用基準』ではその事例として「県との債務債権の履行に関して提出された請求書や契約書等に記載されている担当者の氏名等」を挙げている。
 およそ公有地の売買や賃貸借、管理状況など関係情報の重要部分が非開示とされ、議会にも町民にも秘匿されて、首長ら執行機関によって自由に処分されうるとしたら、地方自治体の財産の私物化はどのようにして防ぐことができるであろうか。

4、本件裁判の乙5号証6号証の公有地の地番等の墨塗りの行為は、本件裁判での歯科医院に対する町有地の賃貸料が不当に格安である事実をごまかすために遂行されたと考えられるものである。
 東洋町では、営業用に個人に貸した土地はほとんどなく、賃貸しているのは専ら公共団体や町内会の集会所、神社、墓地、道路など公共用に格安で提供しているものがほとんどであると考えられる。番地等を公表すればこの事実が特定され明るみに出て被告東洋町の本件裁判での主張の根拠が崩れる可能性がある。その故に、被告町は自ら提出した乙5号証・6号証の書類に墨を塗ったものと推量できる。

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2013年12月 7日 (土)

続秘密保護法(4)

News & Letters/387

参議院においても安倍晋三自公政権は強行採決を図り、それを実行している。
彼奴等は、特定秘密といいながら、秘密の範囲を特定せず権力の裁量(恣意)のままに国家の重要情報を壟断しようとしている。

情報を独占するものは、世界を支配できる。それによって国民の生殺与奪の権を握る。民主主義は圧殺されだすことは確実だ。

秘密保護法とは、権力が情報を独占し、それを自由に操作する権限を特定政治勢力に付与するという法案なのである。
彼奴等は、おのれが善良であるから情報の秘密指定についてひどい裁量にはならない、と思っているようだ。

しかし、その善良の実相は、現在の国会の姿によく映し出されている。
また、その善良さは、「禁じられた遊び」の映画のように、極めて無垢で単純な意思によっても大それた行為をしでかすということにもなる。
みんなや維新らは、法案内容は良いが、国会の審議や手続きについては間違っている、と考えて行動しているようだが、
その手続きのありようや姿が、この法案の抱える大きな為政者側の裁量権の、その行使の有り様をそのまま映し出している。

民主主義のルールについては、法案制定の手続きや手段はその法案の内容に深く関連しているのである。
今の国会の傍若無人、問答無用の審議・採決のやり方、すなわち暴力的国会運営で、重要情報も取り扱うということなのである。

それは、日本帝国主義の軍隊が、中国や朝鮮・アジアの諸国で展開した「三光作戦」-焼き尽くし、殺しつくし、奪いつくすーという手法がその「大東亜戦争」の内容と目的を如実に示したと同然なのである。
手段と目的は切っても切れない。

ところで、これほどの事態になった現在、特に参議院で強行採決が確実視されている12月6日のNHKのテレビ番組は、秘密保護法案のニュース番組がまったく見えないのはどうしてであろうか。

我々は、情報についてはインターネットの発達した現在でも国家権力と報道機関に大きく依存している。

権力やそれに迎合するマスメディアの情報操作は

 ①虚偽の報道をする・・・アメリカ政府がイラクを攻撃するときにフセインについて虚偽の報道をした。

 ②偏向報道をする。・・・事実はいくつかあるのに、その中で都合のよい事実だけを報道する。大本営発表のように。

 ③無報道を決め込む。・・・大規模な抗議デモなどが起こっても事件や事実を全く黙殺したり少ししか報道しない。

 ④情報を隠す(秘密にする)・・・国民の安危にかかわる事実や不正・腐敗の事実を隠ぺいする。

今日のNHKテレビの番組編成は③であろう。事件を過小に評価し、報道することによる国民の憤激を恐れる。

テレビも新聞も秘密保護法についてしきりに反対キャンペーンを展開しているが、しかし、安倍内閣打倒、安倍総理退陣という言葉がまったく出てこない。これほどの暴挙を行っている内閣、しかも一票の格差裁判で選挙・国会そのものが違憲とされたが、その違憲国会によって構成された内閣について当然退陣を求める社説の一つも出てきてもよさそうなのに、それがまったく聞こえてこない。暴走族にブレーキの効かない自動車を貸し与えたのに、その暴走を非難しても何のかいがあるであろうか。

暴走族に自動車(国会)を与えてはならないのである。

野党の現在のスローガンは、

  秘密保護法粉砕! 原発再稼働阻止!  
  
   安倍政権打倒!  国会解散!

   憲法改正反対!   護憲民主主義統一政権の樹立! であろう。

国民に、この程度の政治的姿勢を示せないでは、政党とはいえない。

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2013年12月 4日 (水)

続秘密保護法(3)

News & Letters/386

秘密保護法で問題なのは、その法律そのものよりも、この法律の制定を推進している自民党、公明、みんな、維新などの党派を支持し選挙で投票した国民やマスコミなのである。次の選挙で秘密保護法を強行採決した党派に投票する国民、それらを免罪して応援するメディアが問題になる。

秘密保護法は暴力で制定されているのではない。欠陥があるが一応選挙で選ばれた国会議員が衆参両院での採決で制定しようとしているのである。

自民党らにそれをする権限を与えたのは日本国民なのであって、党派ではない。
次の選挙で彼奴等を一掃し秘密保護法反対勢力に勝たせたら、この悪法は廃案にすることもできる。しかし、日本国民は自民党に決定的な敗北を与える選挙をすることができるであろうか。

メディアはやがてまた自民党らの売国政党を持ちあげるようになるだろう。
悪法が成立しそれへの国民の反発がつよかっても、やがて日常茶飯事の中にその反発も融解していくだろう。そして選挙でまたぞろ自民党などが勝利すればこの悪法は追認されたことになり定着し始めることになる。大半の国民は、行政情報についての知る権利などには無関心になるだろう。

やがて、日本の国家は、安倍などのような愚劣な売国政治家や、官僚たちの権力慾の踊り場となり、アジア諸国民と対立し孤立しながら、そして原発の放射能を全身に浴びながら衰滅するだろう。

衆参両院での悪法強行採決の暴挙を見て、国民は何を決意すべきか。
次の統一地方選挙や国政選挙で自民党などの反民主主義政党をつぶしてしまえるか、
これからどうなるかは、すべて国民の判断にかかっていて、他の誰をも非難することではない。国民が低レベルであれば、その代表者も低レベルであるよりほかにない。

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