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2022年8月19日 (金)

議員による役場職員の叱責ハラスメント

最近高知新聞で大きく報道されていたある役場の職員を議員が失跡したことが議員によるハラスメントだという事で一騒動起こっている報道があった。

内容は何かたわいもない五回かなにかで議員が役場職員をひどく叱ったか罵倒したとかの内容であった。

しかしこのような叱責位でパワー・ハラスメントだ人権侵害だなどというのはどうであろうか。権力を持つ連中が無権力の者から叱責されたという場合パワハラという位置関係では理解できない。議員には職員に対して何らの権力関係にない。

議員がパワーを持つのはその議員が首長などと癒着しその言動が行政を動かす力を持つ場合であって、普通の議員には何らの権力(パワー)はない。

首長でも職員でも市民や議員から叱責されたり時には罵倒されるのは甘んじて受けるべきことで受忍の範囲のことだ。
わたしも役場に勤めていた時には、叱責・罵倒どころか酒を飲んで怒鳴り込んでこられるという事が何回かあった。

苦情や叱責、要望や意見は行政を担当する者にとっては勉強の材料・肥やしであって、これをうるさがったり迷惑だとして避けるべきことではない。

パワーを持っている者がパワーを持たない者から叱られたからと言っていじめは発生しない。
民主社会では、権力は、民衆を恐れるべきであって、民衆に恐れられてはならない。

私が小中学校の時吉良川町役場には「公僕」という大きな扁額が内部にかけてあった。公僕たる者が主人に叱られたからと言って公僕の組合に訴えたり、新聞でキャンペーンを張るというのは主客転倒ではなかろうか。

何処の市町村でも、住民サービスが十分行き届いていると自負できるところはないだろう。不十分で気が付かないことがざらにあるのが常態で住民に言われて初めて気が付くという状態だ。

市民(その代表格の議員)がいつでも行政に足らざることを指摘し、ひどい場合には叱責し罵倒しても、行政側は、それに誠実に対応する度量が必要で、その度量も業務の範囲だ。市民の中には敬語や丁寧語をうまく使えない者もいる。

切羽詰まって役場に駆け込んでくる人もいる。大概は何かに困窮してやってくるのだ。役場職員は明るく、優しく、丁寧にどういう人でも誠実に応対してやらねばならない。

それは客商売と同じだ。役場は客商売とは違うという態度、その威厳が損なわれたり侮辱されたら人権侵害だとして訴えるぞという事では市民のための役場にはならない。

芭蕉の句の「物言えば唇寒し秋の風」ということでは、民主政治は消えてしまう。


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