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2022年5月23日 (月)

誤送金

山口県阿武町給付金4630万円誤送金事件

私は全く合点がいかない。どうしてそんな大金が誤送金されたのか、新聞やテレビなどの報道をその点を知りたいと思って
見ているが全くそのあたりのことの報道がない。常識的に考えてありえない話だ。

職員が誤って銀行に振り込み依頼をしたという話しか伝わっていない。

しかし、担当職員が文書でか電磁的方法でか直接指定銀行に出金を依頼(指示)するなどという事は地方自治体の事務の流れからしてありえないことだ。どこの市町村の事務規定でも、

①最初は担当職員が公金支出の起案文を作る。
②それを職場の上司がチェックして
③支出命令権者である町長か副町長に渡す。町長及び副町長がチェックして支出命令書に決裁印を押す。
④その支出命令書を会計管理者に渡す。会計管理者はそれをチェックして指定金融機関に出金依頼をする。
⑤指定金融機関はそれをチェックして公金を出金する。
⓵~⑤までのそれぞれの段階でこの公金の支出が違法なものでないかどうか、支出に根拠(証拠)があるかどうかをチェックする法的義務がある。

一体これらの事務の流れがどうなっていたのか少しも報道がない。⓵~⑤の流れがなく⓵から直接⑤へ飛んだとすればそれこそ異常だ。

今回は⑤の段階でおかしいと分かったようだが、指定金融機関としても職責を全うしていたとは言えない。

指定金融機関についても地方自治法でその職責が明記されている。出金依頼書があってもおかしい出金は止めなければならない。

それぞれの段階での責任者は目がついているのだから、これほどの異常な出金はすぐにわかるはずだ。
考えられるのは、末端の担当職員の起案文に目を通さず、文書の中身も吟味せずに機械的にハンコを押し続けたということか。

振り込まれた男についてぎょうさんなニュースが出るが、役場の異常な事務の流れについては何も取材報道がない。
町長らもテレビに出て他人事のようにしゃべっているが、責任者としての自覚が全くないようだ。

かつて私が首長だった時、課長らには30万円程度の支出をする権限があったが、私はこれを改め一円でも公金を支出するときは町長の決裁がいるという事に切り替えた。膨大な決裁文書をチェックするために土曜日や日曜日も出勤した。

私は今室戸市長を相手に3件の住民訴訟を遂行しているが、首長の法令無視、山のようなチェックのずさんさに大わらわである。

隣の奈半利町のふるさと納税の見返り品事件でも、課長補佐らにその責任を集中させ指揮監督の立場の人間の責任が一つも問われようとしない。

この前の知床の遊覧船の沈没事故も、船主側の無法ぶりも驚くが、それを野放しにしていた監督官庁のでたらめさにも驚く。
肝心なのは上に立って高禄をはむ者どもの責任感(のなさ)なのである。

日本の地方自治体もプーチンのロシア軍の様に自壊・自滅する運命であろう。

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