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2022年4月26日 (火)

大河ドラマ

現在進行中の大河ドラマ「鎌倉殿と・・・・」で少し気になる場面が出ていた。

それは、頼朝が上総の介を討ち果たす場面である。御家人の謀反の動きに掣肘を加えるのに無実と思われる有力武士を血祭りにあげた。

また、義仲の使者を何の罪もないのに切り殺しその生首を義仲に送り返した。

また、だいぶ前のシーンでは義経は野原で鳥を射落とそうとしたが誰か別の人間の矢で仕留められていたが、義経はその者を無造作に殺して獲物をわがものにした。作者NHKはこのような残虐な画像を見せて武士とは非情な者だということを教えたいのだろうか。

これが武家の支配の本当の姿だといいたいのであろうか。しかし、これまでの大河ドラマのヒーローたちは、これほどまでも残忍な姿は描かれなかった。勧善懲悪的なストリーで子供たちが見ても愉快なものであった。自己の利害のため、自己の欲望のためには平然と人を殺しても構わない、という大河ドラマは、何か恐ろしい気がする。

ウクライナでのロシアの鬼畜の所業をこのNHKの画像でどうやって非難できる?娯楽映画であるから、韓国の時代劇の様に悪い奴が必ず滅びるということにし、英雄たちは正義人道の戦士であってほしい。確かに史実は血と涙で彩られ悪が栄えてきた。弱い多くの民衆は殺され奪われ泣いて生きてきた。

私は、市民との学習会では、常に次のように言っている。「正義はほとんど常に敗北する。この世では金と縁故の強い者、悪党が勝つ。ただ時々正義が勝つときがある。」と。

裁判所でもほとんど権力の側、悪の強い者が勝つのであるが、時々正しい者が勝つときがある。だから我々は心の中やドラマでは常に正しい者が勝ってほしいし、その者は決してむこの人を殺したりはしない。

判官びいきで大昔から日本人に好かれてきた義経までも非情で残虐な人間と描かれては夢も希望もなくなる。NHKを観て少年たちが自分の利欲のためなら人を殺しても構わない、プーチンを英雄だなどと考えるようにならないか心配だ。

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