北海道寿都町の敗北
本年10月26日、北海道寿都町の町長選挙で、核廃棄物受け入れに積極的な現職町長片岡が、予想に反し接戦に競り勝った。
反対派は圧勝するどころか一敗地にまみれた。敗因は何処にあるのか。
第1に、われわれは、この問題を北海道、日本列島全体の問題という風にとらえきれなかった。そのことは理論的に分かっている
ようであったが、実践的にその思いが貫徹されなかった。
寿都町の住民自身の戦いを見守るとかいう評論家的日和見主義が北海道の道民の上に濃く覆っていた。まるで緊張感、危機感がないのである。私に対してある元大学教授が北海道へきて活動しないでほしいというメールを送ってきて、たまげた。
その危機感のなさ無責任さは、この時期に橋本大二郎を招んで寿都町で講演会を開いことだ。元高知県知事橋本大二郎は原発反対派ではない。
地球温暖化を理由に原発は必要だというれっきとした原発推進派だったし、今もそうだろう。そんな徒輩に何を期待したのか。
札束でほっぺたたたくやりかただ、といって核廃棄物の応募に巨額の交付金で釣る仕法を批判したことは確かであるが、県議会が自民党の長老故元木益樹議員らの尽力で核廃棄物受け入れ反対の議案を満場一致で決議したが、橋本知事は、最後まで核廃棄物を高知県に受け入れないとは言わず、県民や町民にも会おうともしなかった。
核廃棄物受け入れの町長とは長時間東洋町役場で面談したがその内容も明かさなかった。役場前の広場で我々はそれを作戦会議だったかもしれないと疑った。
東洋町の騒動が起こる直前、なぜか橋本知事は、たしか東海村方面の核施設の視察にいっていた。それとは知らず我々オンブズマンは、目的が何か怪しんでみたものの視察旅行だけでは県費の無駄使いだとは断定できず、監査請求を見送った。東洋町への導入の予兆だったのだろう。
今年に入って、室戸市議会で珍事件が起こった。それは、山本賢誓議員と植田市長が議場で口論となった折、山本議員が東洋町核騒動について、植田県議がその問題を当時の東洋町長田嶋氏に持ち込んだではないかという趣旨の罵声を浴びせたという。その発言を聞いた議員や傍聴人の証言があるから間違いないであろう。当時植田県議は親知事派の議員グループに所属していた。
いづれにしても高知県庁始まって以来の大汚職事件を起こし、部下の副知事や収入役ら主要幹部職員が数珠つなぎになって豚箱に入れられた一大疑獄事件の中心人物であった男を、北海道へ招待して反核講演会を開いたというのは、それ自体驚異的な怪事件だ。
そんな連中が核反対だといっても誰が信用するのか。反対に腰が入ったものでないことは寿都町の町民ならずとも火を見るより明らかだ。福井の関電の原発のたかり屋元助役の男が生きていたら、そいつを招待するのと似たようなものだ。
腐ったシャモ(和人)が美しい北海道の天地を放射能で汚染し、人が住めなくするのであろうか。
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