自民党の総裁選挙
腐りきった安陪・菅内閣が崩壊し、新しい腐り党首の選挙である。
彼らは改革どころか保守思想・反動の競争で集票を競っている。
議員はともかく、党員大衆は、さほど恵まれた国民層ではないであろう。
それなのになぜ安陪などの政治貴族の影響下にあり、それを領袖として仰いでいるのか。
なぜ貧しい国民の多くが政治的サラブレッドの金権保守勢力の指導者を選挙で勝たせるのか。
カールマルクスの「ルイ・ボナパルトのブリューメール18日」という本がそれを解明している。
ルイ・ボナパルトはナポレオン一世の甥であり、クーデターで権力を奪ったのであるが、この男は、間抜けで、女たらしで、
ばくち打ちであったというが、当時のフランス国民は国民投票で彼に圧倒的支持を与えた。
日本国民もどうして字もろくに読めない間抜けで、ただの土豪劣紳にすぎない連中に投票し、国政選挙や地方選挙で大勝利を与え続けるのか。
マルクスは、それは過去のフランスの栄華への郷愁を共有する親近感だといういことだ。
戦前の日本の「栄光」への郷愁(ノスタルジー)、天皇制・日本神話・靖国神社・・・の思想というより情感を共有するということ、それに反射する排外主義的人種差別や身分差別観念の共有ーの親近感の醸成に成功しているからなのであろう。
そのような親近感をあおることが日本の保守政治家の最も大切な行事なのである。日本の保守政治家の多くは世襲制であり、選挙は金権選挙で、貧しい国民とは生活の上では全く違った人種となっているから、日本人民がそやつらに投票するはずはあり得ないのだ。
安陪や菅ら自民党議員らが靖国神社参りをやめないのは彼らが戦争で無駄死にを強要させられた「英霊」を本当に追悼する心があるからではなく、過去の栄光とする日本の虚像をでっち上げ国民大衆にそれを共有させて、投票を引き寄せるためなのである。
トランプも同じだ。パックスアメリカーナの過去のアメリカへの郷愁を掻き立てそれを共有していると錯覚させることに成功して大統領になった。
日本国民は、日本の歴史(人民の歴史)がどんなに悲惨であり、武家はもとより天皇家の歴史が崇徳上皇が自分の血で書き残したように如何に呪わしいものであったかを知るべきである。
天皇制は現行憲法上では実権を抜かれているように見えるが、それは日本の反動勢力のノスタルジーの象徴となり、国民にこの郷愁を共有させることでルイボナパルトやトランプ(そして日本の安倍や菅)のようにいかに間抜けでどう欲で馬鹿であっても当選が得られる呪術的背後神となっているのである。
だから、在日アジアの人への人種差別や、ほとんど種姓(人種)差別化している部落差別はやまない。今展開されている自民党総裁選挙は保守思想の競争であるが、それは一種の差別排外思想の競争でもある。
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