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2021年3月21日 (日)

アイヌ民族への差別

最近日本テレビでアイヌ民族に対する信じられないような差別発言があり糾弾されている。

アイヌを 「あ、犬」と表現したという。アイヌを犬、動物視しているのである。
この差別表現は、それを表現した芸人は知らないかもしれないが、日本古来のアイヌやエミシに対する差別表現だ。

中世の有名な賤民、ツルメソ はこれを史料では「犬神人」と表記されていた。この「犬神人」の犬について諸説あり、にせの、とか嘘のという意味だと解釈する向きもあるが、そうではないだろう。

蝦夷系の中世賤民ツルメソたちが自己をアイヌ(人間)と自称していたことを捉えて犬と呼んでさげすんだのである。すなわち、神社等の神人の中で卑賎視された集団があったが、その集団をツルメソと言い、その出自は、奥州俘囚であって、天皇制政府にらっちされ奴隷化されて神社仏閣に「奉献」された者たちである。

現在部落民もまた、犬、四つ、という風に指4本でもって呼称されてきたが、その源流は「あ、犬」と呼ばれたアイヌ民族への差別の歴史に重なっている。江戸時代に東北のある藩の古い記録にアイヌ系の人々をすべて犬の呼称をつけていたというのもある。

アイヌ民族は日本列島縄文時代からの古い種族に属する生粋の日本民族であり原住民だ。朝鮮や中国など外来の種族の多くも日本列島に先住する原住民と混血を重ねてきたが、蝦夷系の原住民も様々な経緯でそのまま残ったものもある。

血だけではない、アイヌの言語や風習はまた、日本古来の言葉や地名、風習や宗教に残っている。
アイヌの歴史はまた日本の歴史でもある。アイヌを差別する日本人は、自分自身を差別し卑下するものである。

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