宦官の勝利
私は長い間、新聞記事で菅義偉を かんぎい と読んでいた。
今日、この男の自民党総裁当選のあいさつを聞いていたが、
省庁の縦割り行政の打破ということが改革で自分の仕事だと強調していた
のが印象的だった。
具体的な行政施策や外交課題、いわんや政治思想らしき
ものはひとかけらも語られなかった。縦割り行政の打破をズバリ換言すれば
官邸主導であり、自民党総裁の超然内閣を構築することである。
省庁は内閣の下ある程度の独立性をもって仕事をしてきた。総理大臣や内閣官房が直接学校教育などにまで踏み込んで「休校だ」とかわめいていいわけがない。
官邸が厚労省の上から生活保護の保護率の減少にくちばしを入れてよいはずはない。
省庁間には権力分立が相当程度必要である。省庁、特に司法分野・検察庁や裁判所の官邸によるコントロールは最も危険である。かけマージャンであえなく消えた黒川を検事総長に祭り上げるための官邸のあからさまな司法への権限の干犯が縦割り行政の打破のわかりやすい実例である。
これからの菅(すが と読むのか すげ と読むのか。植物の菅(すげ)は笠や蓑となって正体を隠す道具である。)の縦割り行政打破の仕事は、何もかも隠蔽し、国民の疑問をすべて封じてきた官房政治いわば昔の宦官政治の実現が主なテーマである。縦割行政を粉砕し、民主主義政治を機密の闇に閉じ込め、
権力を集中し私物化する仕事しか菅の頭にはないのである。
宮廷内官の宦官が王権を握った場合、官僚たちはもとより民百姓はどうなるか知れたものである。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)
- 兵庫県議会百条委員会での知事承認尋問(2024.09.01)
- 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(角岡伸彦著ちくま新書2016年6月)(2024.07.29)
- 続都知事選(2024.07.10)
- 豊後水道地震は南海トラフ地震の前兆(2024.04.19)
「国政問題」カテゴリの記事
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)
- 安倍晋三「暗殺」事件の評価(2023.05.01)
- 危機感欠如の高知新聞記事(2023.04.03)
- 無罪判決(2023.01.21)
- 反動の時代(2023.01.07)
「政治思想ノート」カテゴリの記事
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)
- Re: RE: 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(角岡伸彦著ちくま新書2016年6月)その2(2024.07.30)
- 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(角岡伸彦著ちくま新書2016年6月)(2024.07.29)
- 続都知事選(2024.07.10)
- 虚偽の哲学「梅原日本学」(2023.06.08)
「歴史観・世界観」カテゴリの記事
- Re: RE: 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(角岡伸彦著ちくま新書2016年6月)その2(2024.07.30)
- 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(角岡伸彦著ちくま新書2016年6月)(2024.07.29)
- 続・都知事選(その2)(2024.07.16)
- 続都知事選(2024.07.10)
- 部落の歴史を一冊の本に残さなければ死んでも死にきれない。(2024.04.03)
「国政選挙」カテゴリの記事
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)
- 安倍晋三「暗殺」事件の評価(2023.05.01)
- 安倍元総理の横死(2022.09.06)
- 自民党補完勢力の台頭 参政党(2022.07.25)
- 安倍元総理の死(2022.07.11)
「マスコミの報道のありかた」カテゴリの記事
- 兵庫県議会百条委員会での知事承認尋問(2024.09.01)
- 続都知事選(2024.07.10)
- 園児虐待(2024.04.23)
- 豊後水道地震は南海トラフ地震の前兆(2024.04.19)
- 安倍晋三「暗殺」事件の評価(2023.05.01)
コメント