関電の崩壊
これだけの金まみれの企業はもはや原発を運転する資格はない。
ただ巨額の原発マネーを還流させていた、関電幹部が私腹を肥やしていたということだけではない。
もちろん関電が工事を直接するわけではない。
金をもらった連中は何の技術力もない素人だ。
原発の工事は、道路工事や防潮堤の工事とは比較にならない。
最高度に高い信頼ができる請負業者を選んで工事の発注がなされねばならない。技術力と適切なコスト計算をしている企業を厳格な選考手続きで決めなければならない。誰しも、原発を運転する電力会社は、そういうことをちゃんとやっていると思っていただろう。
だが、高浜町役場幹部出身のフィクサーの関連する会社に「特命発注」を含め地元企業にどんどん発注をしてきた。ゼネコンが請けた工事も、相当部分が地元企業に下請けにまわされたということだ。
森山が還流させた金は、単なるお礼ではない。ゼネコンが請けた事業も地元森山系列会社に下請けさせるように口利きをせよという請託とその実行の対価なのである。
巨額の還流資金がその地元企業に残ったというのは、もともと電力側の水増し設計金額があり、さらに下請け業者の従業員からの労賃のピンハネによると考えられるが、国民や社員の命がかかった原発の工事がコネと金ずるで遂行されていたとすれば、もはや原発の安全とか安心とかなど到底あり得ない。
原発施設内に何万何千とある配管の溶接一つとっても業者の確かな技術力が担保されていなければならない。何よりも技術力を入札の時に公募によって競わせた上で厳しく吟味し発注先を決めねばならない。
福島原発の事故も津波の前に配管のどっかが地震で壊れた可能性が強いとされる。福島第一の原発では配管をサポートとするのにホールインアンカーという信頼性の低い旧式のネジでかべから支えていたという。(豊田勝旦著「東京電力・帝国の暗黒」)
普通の企業でも収賄や背任行為は許されないが、その犯罪行為は行為者が罰せられたら、それで済む。反省して仕事を再開してもいいだろう。
しかし、原発は違う。
地元優先、コネ優先、金ずるで原発工事の請負業者を選定するなどということが
社風であるような会社は、原発を運転することは許されない。出来上がった施設の安全性が信頼できないからである。関電は失格であり原発から撤退せよ。
| 固定リンク
「国政問題」カテゴリの記事
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)
- 安倍晋三「暗殺」事件の評価(2023.05.01)
- 危機感欠如の高知新聞記事(2023.04.03)
- 無罪判決(2023.01.21)
- 反動の時代(2023.01.07)
「原子力産業の是非」カテゴリの記事
- 危機感欠如の高知新聞記事(2023.04.03)
- 無罪判決(2023.01.21)
- ジェノサイド(2022.04.07)
- ウクライナの戦い(2022.03.05)
- 地球温暖化(2021.08.14)
「世界の核事情」カテゴリの記事
- 危機感のない世界(2023.06.01)
- ウクライナの原発攻撃(2022.10.14)
- ウクライナ情勢(2022.05.04)
- ウクライナ侵略戦争(2022.03.24)
- 火炎瓶(2022.03.06)
「原子力政策と地方自治」カテゴリの記事
- 無罪判決(2023.01.21)
- 放射能水海洋放流(2021.04.11)
- 東洋町の核廃棄物導入の策謀は誰か(2021.03.11)
- コロナ禍対策(2020.12.23)
- アイヌモシリの歌(2020.12.04)
「地方自治と原子力政策」カテゴリの記事
- コロナ対策とオリンピック(2021.07.06)
- 北海道寿都町を訪問(2020.08.27)
- 伊方原発の連続事故(2020.02.10)
- 関電利権のフィクサーーの「人権教育」(2019.10.05)
- 関電の崩壊(2019.10.04)
コメント