福島第一原発刑事裁判判決
少しは期待していたがやはりだめだった。
1、裁判所は行政権力の番犬になっている。三権のうち、行政権力が圧倒的で、立法府がそれを粉飾し、司法は犬力機関にすぎない。
行政権力への忖度、追従、加担、屈従、一体化・・・に精を出す。民間人同士の争いには裁判官もかなり真面目に取り組んでいるようだが、権力が訴えられた裁判では、番犬の本性をむき出し国民に対して吠え、牙をむいて噛みついてくる。
身分を保証されている裁判官がなぜこのようなていたらくに墜落したのか。
2、原発へ15.7メートルを超す大津波襲来の長期評価が出ているにもかかわらず、社員がそれに対応しようとしていたにも関わらず、対策を放置したということについて、その長期予想は信頼できなかっただとか、合理的な疑いがあるという判断で当時の東電の最高幹部を無罪放免にした。
①実際、地震予報、津波予報は絶対的な確実性はない。あくまでも可能性であり、恐れである。絶対的な確実性をもって地震を予想することは人間にはできない。しかし、地震学の権威ある科学者が集まって政府の見解として予報を出したということは軽視することはできない重みがある。
②その時東電は福島第一原発に10メートルの防潮堤しか用意していなかった。10メートルで大丈夫だと考えた根拠は何であったのか。政府の予想がにわかに信じがたいとしても10メートルと15.7メートルについて東電は10メートルの防潮堤を選択したわけだから、その根拠を説明する必要がある。
③戦陣にあって、相当勢力の敵が襲来してくる可能性があるという有力な情報をキャッチした将軍は、その情報を軽視したり無視したりするであろうか。最悪の場合に備えて最大限の準備をするであろう。
万が一にも事故があってはならないという指揮官、経営者としての責任感があれば、権威ある政府の警告を軽んずるはずはない。
④判決には「絶対的な安全性を確保」するとことは求められていないなどという判旨があったとのことだが、一触で人類が滅亡するかもしれない原発には、絶対的な安全性の確保が必要であり、それができないなら原発を建設し稼働させてはならないのだ。
司法官僚化した裁判官には、福島原発事故を見ても原発事故の恐ろしさ、悲惨さが分からないのである。
もはやこの裁判官、そして日本の裁判所は、人間の感性、人間の血が通っていないのであり、権力をふるう番犬なのである。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 統一地方選(2023.04.14)
- 奈半利町汚職事件(2020.12.02)
- 新型コロナウイルスの猛威(2020.02.26)
- 人災洪水(2019.10.13)
- 福島第一原発刑事裁判判決(2019.09.20)
「国政問題」カテゴリの記事
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)
- 安倍晋三「暗殺」事件の評価(2023.05.01)
- 危機感欠如の高知新聞記事(2023.04.03)
- 無罪判決(2023.01.21)
- 反動の時代(2023.01.07)
「原子力産業の是非」カテゴリの記事
- 危機感欠如の高知新聞記事(2023.04.03)
- 無罪判決(2023.01.21)
- ジェノサイド(2022.04.07)
- ウクライナの戦い(2022.03.05)
- 地球温暖化(2021.08.14)
「世界の核事情」カテゴリの記事
- 危機感のない世界(2023.06.01)
- ウクライナの原発攻撃(2022.10.14)
- ウクライナ情勢(2022.05.04)
- ウクライナ侵略戦争(2022.03.24)
- 火炎瓶(2022.03.06)
「原子力政策と地方自治」カテゴリの記事
- 無罪判決(2023.01.21)
- 放射能水海洋放流(2021.04.11)
- 東洋町の核廃棄物導入の策謀は誰か(2021.03.11)
- コロナ禍対策(2020.12.23)
- アイヌモシリの歌(2020.12.04)
「防災対策」カテゴリの記事
- 続・都知事選(その2)(2024.07.16)
- 豊後水道地震は南海トラフ地震の前兆(2024.04.19)
- 3月11日 東北大震災の教訓(2022.03.13)
- トンガの海底火山噴火(2022.01.19)
- 暑い夏(2021.07.28)
「司法のありかた」カテゴリの記事
- 奈半利町ふるさと納税事件(2022.03.28)
- 部落差別の解消に関する法律について(2021.06.28)
- 伊方原発の判決(2021.03.21)
- ばくちうちの検事(2020.05.22)
- 検察定年延長(2020.05.15)
コメント