民主主義
News & Letters/613
どのような組織でも、革命団体から行政機関、反体制運動・・・あらゆる組織でそれが反動的な目的でない限り、その運営は民主主義的でなければならない。それは、道義的な選択の問題だけではない。
組織を一元的な上から下へ上意下達方式では、危機的な事態を乗り越えることができないことが明らかになった。
それが福島第一の原発事故で、吉田所長らの懸命な事態収拾の努力も水泡に帰すという教訓が導出された。
それが、MHKスタッフが作った「福島第一原発 1号機冷却失敗の本質」(講談社現代新書2017年10月)という本である。
1号機に必死に冷却水をちう入しているが、実は、ほとんど原子炉に水は入っていなかった。
それを東京電力の現場も司令塔もわからなかったが、他所にある柏崎刈羽原発の所長が気が付き重大な疑惑を提起していたが、取り上げられなかった。その原因は、組織の運営方法にあった。
「事故の際、組織の意思決定の方法は大きく分けて二つの形に分類される。ガバナンスとマネージメントである。
ガバナンスというのは、複数の意思決定主体がいる中で、それをうまく調和させていくように体制をつくる手法、一方でマネージメントは縦の意思決定のフローを作り、意思決定を一元化していく方法だ。
畑山は「ガバナンス構造をちゃんと持っていたら、柏崎と福島第一原発がダイレクトに話をし、意見交換をすることもできたかもしれません。
しかし、東京電力の組織対応は、マネージメントの体系をとっており、本店を介さずに重要な意思決定を行うことは難しかった」とデータから浮かび上がった組織体系の課題を分析した。」
しかも、福島第一には、中央制御室と免震棟の連絡線も一本の電話しかなかったという。
多様な意見、多様な意思決定主体が、協議をし、調整をしながら共同した行動をとる。これを「ガバナンス」と呼ぶならそれでもよい。
一定の意思決定に対し、異議や異論を問答無用に排除する組織の運営は、人類史的な危機を克服できないばかりかそれを増幅する。
原発も戦争もあらゆる人類の問題の解決には、民主主義的な組織の運営が不可欠である。
原発に反対するなら自民党でも誰でもよいという考えは間違っているのである。
民主主義であれば必ず反原発・反戦になるとは限らないが、民主主義に反する組織の運営や連中は、必ず原発推進となり戦争推進となる。
そして反民主主義は危機管理の際に決定的な弱点を露呈し、破滅的結果を招来する。
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