広島高裁判決
News & Letters/609
12月13日、広島から画期的なニュースが全国を駆け巡った。
高裁段階で伊方原発差し止めの判決が出たのである。
圧倒的に多い敗訴判決に大きな風穴があいた感じだ。
だが、福井や大津の勝訴判決と違って、地震ではなく火山だった。
これまでの勝訴の判旨とは何か根本的に相違するところがある。
阿蘇山の火山の大爆発は火砕流で九州を全滅させ四国、中国地方にまで
迫ってくる。原発が危ないことは明らかである。
地震や津波とそれによる原発の被災では、地震による被害はいかに甚大であっても
回復可能であるが、それが原発被災というより甚大で深刻な回復不能な事態を引き起こす。
しかし火山の場合は、9万年に一度という大爆発では、九州全島が壊滅しそのなかで
川内や玄海、伊方の原発もやられる。全島が火砕流で覆われる惨状ならば、原発・放射能どころではないだろう。
広島高裁判決では中央構造線の地震による原発の被災については規制委の安全判断が合理的だという。
9万年の火砕流も恐ろしいが、千年間隔で起こる大地震の方が切迫している。
何かしらこの高裁判断にはバランス感覚がおかしい。
そして何より人道的な筋が抜けている。
しかし、いづれにしろ勝訴は勝訴であり、弁護団・住民の永年の苦心が報われた。
良心の呵責に耐えかねた裁判官の捨て身の勇断を最高裁はどう見るだろうか。
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