征韓論
News & Letters/588
北朝鮮のミサイル発射、核実験の暴挙に対してアメリカ、日本政府、マスコミや識者の論調、それに煽られた国民の多くが、征韓(北)論に大きく傾いて、アメリカによる先制攻撃を待望する。
ところで、教科書などでは西郷隆盛は征韓論で有名だが、毛利敏彦氏の研究(「明治六年政変」中公新書など)では、さにあらず、むしろ朝鮮に対し軍隊で威圧するのではなく、無武装談判論の主唱者であったことが資料で証明されている。
毛利氏は、政治史家信夫清三郎の弟子で、師の解明した江藤新平の歴史的評価を継承し、江藤新平の功績を喧伝してきた学者である
。
西郷隆盛は、鎖国政策をとる朝鮮に対し、たとえ相手が無礼を働き暴力を振るうことがあっても自分自身が全権大使となって相手を説き伏せるといったのであり、その際一兵も連れて行かないと唱えた。
今の政治家も西郷に見習う必要があるのではないか。軍事力を誇示し威圧して屈服させてからでないと交渉しないという態度では、解決どころかますます険悪になり、実際に戦端が開かれる可能性が高くな
る。今の状況は双方が口喧嘩の仕合でこぶしを振り上げ剣をガチャつかせて威嚇しあっている。
すでに戦争の第一段階に入っている。我々の中の武力征韓論をこそ鎮圧しなければならない。
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