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2017年7月29日 (土)

非科学的マップ

News & Letters/580

政府によって本日核のゴミ・高レベル放射性廃棄物の埋設適当地が発表された。
ほとんど全国の海岸部に埋めることができるというものである。
東洋町も適当ということだ。全国に点々と散在するという形でなく予想に反し面状に塗りつぶされた。

「日本の活断層」(東大出版)という活断層に関する代表的な著作では日本列島いたるところに無数の活断層が走っていることがわかっているが、そんなことは全然お構いなしでごくわずかな活断層が徐外されただけだ。

日本の地下はどこも断層だらけで水浸しだ。安定した地層などひとかけらも存在しない。
南海地震の直撃を受ける高知県や和歌山、三重県なども適地だという。

室戸岬の突端が外れるというのは福岡市での昨11月の公聴会で大学の先生が隆起の激しい土地としてすでに例示されていたが、その室戸市でも半分ほどは適地に入る。海岸部には人口の大半が集まっている。

室戸だけではない全国的に大勢の人が海岸部に集中して住んでいるが、石炭や石油、火山地帯は避けるというが人間密集地帯は避けないのか。極めて非科学的、だけでなく非人間的な作図というほかはない。

うまく埋め込むことだけが頭にあるようだが、事故のことも考えねばならない。
核施設は海岸部が危険だというのは福島原発で実証済みだ。事故があれば海洋がとめどなく汚染され放射能汚染が全世界に永続的に拡散する。

いかなる核施設でも火山や活断層と同じくらい海や川を避けるべきだ。
潜在的には、東洋町と同じように日本国の津々浦々は良好な漁場であり、そこに住む人々は核廃棄物に対して強いアレルギー反応があると考えられる。

必要なのは科学的だけではなく政治・社会的マップだ。狙われたところだけでなくこうなったら、核燃料や核廃棄物を拒絶する条例を全国の都道府県、市町村につくるべきだ。
それを表面化すれば政府の科学的マップの緑色図面はことごとくリオマス試験紙のように赤色に変わるだろう。

原発の稼働を止め、すべての原子炉を廃炉にするまでは、高レベルであれ何であれ、核の埋め立てを拒絶するべきである。

高レベル放射性廃棄物の地下埋設は何ら安全性が実証されていない冒険的事業にすぎない。
また、同じ理由で、原発敷地内外の中間貯蔵についても乾式であれ湿式であれこれを拒絶するべきである。

政府エネ庁が発表した核のゴミ科学的マップは、東洋町などごく一部の市町村だけでなく、全国的な核廃棄物の恐怖とアレルギー反応を巻き起こし、核廃棄物の元凶である原発に対する反対運動を全国に広めることになるだろう。そうしなくてはならない。

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