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2017年1月26日 (木)

天皇制の危機

News & Letters/547

天皇制が直ちにつぶれるというわけではないが、少なくとも近代日本が成立して
最大の危機にあることは間違いない。

①天皇制の根幹である血統主義と男系主義が断絶しようとしている。
 血と性による差別は、日本社会の身分差別の中核であり、聖と賤の差別の軸であるが
 天皇制はこれにより長く存続してきた。いまそれが途絶しようとしている。

②年を取ったから退位したいという天皇の意向は、改めて天皇の「現人神」性を自ら否定  した。
 天皇も人であり、公務に耐ええない年齢が来るのである。
 昭和天皇は終戦において明確にしなかったが、現天皇は、その談話において「現人神」  から「神去る」=崩御以降も天皇は不死であるとされている天皇観を打ち消した。
 天皇は自らの死後の簡易な埋葬方法にも言及した。

③そして、重大なのは現天皇・皇室は、政治的に現政権と明らかに対立しだした。
 憲法9条など現憲法擁護の天皇の姿勢、安倍政権の憲法改悪政策と思想的にも、政治的  にも皇室が国民側に立って権力と対立することを辞さないという姿勢が誰の目にも明ら  かになった。
 天皇皇后が先の大戦に関連して一部であるがアジアの激戦地や沖縄に赴き、慰霊の旅を繰り返すのは、明らかに第二次大戦への反省と、反戦的意図が見えるし、また、皇后美智子は日本人草莽の手になる憲法草案を見学して現憲法がアメリカ進駐軍によって押し付けられたものでないということまではっきりと言明した。
 これは、現政権やそれを取り巻く右翼勢力と皇室が鋭く対立していることを表している。

④従って皇室が、リベラルな独立した政治勢力として登場した。
 国会も、行政府も、そして裁判所など司法権力も、右翼反動勢力によって牛耳られている現在、安倍政権が思いのままにならぬ、しかも「神聖」であるはずの皇室の存在が浮かび上がった。
 そして一部雑誌によると、右翼反動の巨魁となっている安倍晋三は、天皇皇后が各地の被災者を見舞い、ひざを曲げて被災者を慰藉する姿を真似をして天皇皇后を侮辱した。そうすることによって政権側がこの対立を決定的に認識している。
 日本の右翼勢力が天皇・皇室を敵に回す状況、皇室が右翼連中を嫌忌する状況が生まれたのである。

⑤これまでの国民の皇室に対する畏敬や親しみの念は、単に尊王の域にとどまらず、政治性を帯び、幾分の革新性さえ持ち出した。
 民百姓のことを思い、戦禍を厭う皇室が、悪代官、悪大名にいじめられているという構図が次第に浮き彫りになりつつある。

①の生物学的必然性が、②~⑤の事象と併行している。これらの兆候は天皇制の終焉の兆しでなくて何であろう。

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