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2016年10月27日 (木)

宮殿を相手に、玄海4号機の差し止め請求 佐賀地裁

News & Letters/529

本日、佐賀地裁に玄海4号機の稼働差し止め請求の仮処分を申し立てた。
その中心的主張は、九電が規制委員会に出した基準地震動の計算のまやかしについてである。

そもそも、原発を止めるには、政治的解決と司法的解決の二つの道がある。
新潟の最近の県知事選挙は、原発阻止の政治的解決の巨歩を記す快挙であった。
しかし、佐賀の玄海原発については、政治的優勢は敵側推進派にある。
山口知事も古川前知事よりはましであるが基本的には推進側にある。

また、立地自治体の玄海町や、原発直近の唐津市はあからさまな推進の癌となっている。
最近の地元紙のアンケート調査では、原発を認めない世論は過半数となっているが、この県民の要望に応える

政治勢力は弱く、今の時点では、政治的な解決の道は、きわめて困難な状況である。
この困難を何とか突破するために奮闘中である。

焦点は2年後の玄海町長選であろう。
司法の道も容易ではない。すでにわれわれは3号機のMOX燃料、プルサーマル裁判で一敗地にまみれた。

しかし、ひるまずに裁判所で県民の声、当たり前の科学の真実を訴え続ける必要がある。

裁判の要は、地震だ。
地震の恐ろしさは、第1に揺れであり、第2にずれである。そして第3に津波だ。
裁判はこのうち第1の揺れ、基準地震動(GAL)である。九電が出している基準地震動の計算は、日本の地震の特性を反映していない。

入倉・三宅方式は世界の地震の平均値で計算していて、我々が主張する武村方式に基づけば、これが日本の地震の平均値に基づくリアルなものであって、前者と比較すれば基準地震動は4倍~5倍の強振となり、現行の玄海原発や川内原発の620ガル程度では原発施設や機器類はもたない。これが佐賀地裁での裁判の焦点である。

さらに、問題なのは、川内原発や玄海原発は、基準地震動の計算では、規制委員会規則で定めている3つの地震のうち一つの型の地震しか計算していない疑いがある。3つというのは、①地殻直下型地震②プレート間地震③プレート上の地震である。九電の地震動に関する解説のパンフレットでは①だけしか記載されていない。

②の東海、東南海、南海地震などプレート間の地震でも九州や中国地方、裏日本もゆすぶられてきた。幕末の地震では遠く中国でも観測されたという。

③のフィリピン沖プレートのように沈み込んだプレートは九州北部など日本海の下にも達しているといわれる。

その沈み込んだプレートにも地震が起きる(スラブ内地震)。規制委員会の規則は内規ではなくれっきとした法令である。
法令に定められた基準地震動の計算を提出していないなら、今回提出した補正書は違法、無効となる。

これが、地震の揺れに基づく危険性であるが、
第2のずれの問題はまた別である。

ずれは、隆起・沈降、左右水平のずれ、液状化などが原発敷地を直撃した場合、いかなる頑丈な地盤でもその上の施設は一発で崩壊する。このような直撃を日本の原発の安全審査では全く考慮に入れていない。活断層が見つかったところだけ避ければいいというわけにはいかない。未知の活断層は無数にあるだろう。柏崎刈羽原発はかろうじて施設の大破は免れたが、地震による地盤の上下・水平断裂の直撃の恐れは日本原発すべてに潜在している。

日本の原発は、立地が決まってから活断層の有無を電力会社自身が調査するというやり方で来たから、断層があっても隠ぺいしたり、その断層を切り刻んだりして過小評価してきた。玄海原発の立地する岸壁は、地震による隆起や沈降、褶曲など断層活動でできたものではないのか。今日目覚ましく発展し活断層発見で威力を発揮している変動地形学で照射すれば、どのような驚くべき結果が出てくるかもしれない。

第3の地震による津波についても、玄海原発は最大波高3~4メートルとして、引き潮もマイナス3メートルとしている。

どのような計算でこんな安易な数値を出したのか知らないが、日本海側でも10メートルを超える津波が来ないとは限らない。
玄海原発は標高11メートルの岸壁にあるから大丈夫というが、串崎の対岸(原発から500メートル)から見た限りでは、ほとんど海面数メートルのところに施設が設置されているように見える。

しかも九州電力の解説絵図面で見ると施設の建っている敷地は岸壁から10メートル下で海抜0メートルとなっている。玄海原発には堤防もなく、また引き潮に備えた取水口前面の海水滞留堰も設置されていない。津波は日本近海だけではなく、朝鮮や中国方面からも押し寄せてくる可能性もある。

地震の直撃を受けなくても海からの津波の襲来(その前兆である激しい引き潮)でも原発を守ることはできないのではないか。

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