続 高知新聞の社説 「自民改憲案」中、下
News & Letters/482
高知新聞の昨日5月2日の社説「自民改憲案」中 は概ねいい内容である。
個人の尊厳を核とする基本的人権が、自民党によって台無しにされるという指摘はその通りである。
天賦人権説は人類が到達した最高の民主主義の核心であり、如何なる政体が登場しようとも奪う事の出来ない
人間の権利を明らかにしたものである。その法源は聖書にあるとされるから神聖(sacred)なのである。
ジョン・ロックなどの著作では、生存権を基盤とする基本的人権と人民主権は神から託された神聖な信託物なのである。
この自然法(自然権)の神髄は、日本国憲法前文の全面に印刻されている。
前にも書いたように、「国政は国民の厳粛なる信託によるものであり、・・・」という文章の元になる英文は、
Government is a sacred trust of the people ・・・となっていた。
sacred というのは、厳粛と訳されているが、厳粛ならば、solemn とでもいうべきであり、本来 sacred は神聖と訳すべきである。また trust はもちろん動詞ではなく a という不定冠詞がついているから普通名詞で信託物=宝物という意味である。だから、ここの文章は、「国政(行政)は、人民の保有する、神から授けられた神聖なる信託物であり・・・」というのが原義であろう。
自然法の法源が奈辺にあるかは別として人民主権や基本的人権はマルクスやエンゲルス、レーニン、トロツキー、ゲバラ、南アのマンデラ、インドのガンジー、中国の孫文・・・・・にとってもその政治思想の根幹であり大前提であった。
高知新聞は、立憲主義や基本的人権をうたう憲法前文の思想をあたかも「欧米などの民主主義国」特有の価値観であるかのようにして、対中国敵視の安倍の「価値観外交」を批判しているが、それは浅はかな民主主義の理解だ。
日本国憲法前文の「人は生まれながらにして・・・」は、洋の東西を問わず人類普遍の原理であり、欧米のみならずアジア・アフリカ全世界の戦う人民の思想であった。
本来、基本的人権は、日本民族も原始社会から市民社会に移行する後あとまで、常に根源的に保有していたものである。
古代・中世・現代と日本や各国人民のその自然権は圧政者により奪われ続けてきたにすぎない。日本人民は、現行憲法によって、戦後初めてその自然権を獲得した。
安倍政府は、アベノミクスのトリクル ダウン(tricle down 又はtricle upであろう)政策の目くらましによって、国民の頭をまひ状態にして、この自民党憲法草案によって自然権という神聖なる宝を盗奪しようとしているのである。
続く・・・・
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