丸山議員の差別発言
News & Letters/461
丸山議員の黒人大統領オバマ氏への差別発言が問題視され、議員は謝罪はしたが、発言は撤回せず正当だと居直っているという。問題の発言は「アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。」
この発言は端的に言って差別発言であろう。特に最後の「これは奴隷ですよ」という発言には、差別感情が露骨に込められている。オバマ氏は、これは奴隷だ、といわれる理由は何もない。オバマ氏の父の先祖は奴隷にされたかもしれないが現在のオバマ氏は黒人の血を引くが、奴隷ではない。これは奴隷ですよ、という時の これ という言い方は、人を人として見ていない、物か動物を指すような、さげすんだ感情が剥き出ている。
この事件についていろんな報道を見てみると、丸山の発言の要旨は次のようである。
丸山は、憲法を審議する国会の委員会で概要次のように言ったとされる。
①日本国憲法の改憲の立場から、日本国憲法は、アメリカによって作られた。それで、日本はアメリカの第51州目の州だと言っても何も問題ない。そうだから日本州からアメリカの大統領が出ても構わないではないか。
②アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。
リンカーンの奴隷解放、マルチン・ルーサー・キングらによる公民権の回復があった。
「でもですね」
アメリカの歴史上信じられないこと、黒人、奴隷が大統領になるなんて。
それはアメリカがいかにダイナミックに変革を遂げてきたかを示している。
丸山の差別性はこの①②の構文の上からもはっきり言えるだろう。①が丸山の主とする主張であり②は①を補完する比喩である。
①では、日本憲法の成立についてアメリカによって作られたことを自虐的に描いていて、日本をアメリカの第51州だとしてもいい、日本から大統領も出せるぞという。これはありえないこと、あってはならないこと、すなわち反語である。
②もまた反語であって、黒人が大統領になるなんていうのは通常はあってはならないこと、あってはならないことがほんとうにおこってしまった、という慨嘆なのであり、最後の「アメリカがいかにダイナミックに・・・・・」は付け足しに過ぎず、構文上意味をなさない。
アメリカによる日本国憲法。第51番目のアメリカの州としての日本。そのあってはならないことの例示として丸山は黒人大統領の出現を持ち出したのである。
出自を明らかにしたり強調することでも問題だが、「これは奴隷ですよ」という発言は、現にそういう身分だという蔑みが込められている。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 大敗北の原因(2026.02.15)
- 義挙の社会的な背景を無視する裁判所(2026.01.24)
- 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(2025.07.25)
- ようやくブログ再開しました。(2024.03.20)
- 危機感のない世界(2023.06.01)
「国政問題」カテゴリの記事
- 大敗北の原因(2026.02.15)
- ファシズム国家への移行、それは府市ズム選挙から始まった。(2026.02.09)
- 義挙の社会的な背景を無視する裁判所(2026.01.24)
- 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(2025.07.25)
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)
「エッセイ」カテゴリの記事
- ようやくブログ再開しました。(2024.03.20)
- ウクライナの戦い(2022.03.05)
- 水平社100年(2022.03.04)
- 暑い夏(2021.07.28)
- オリンピックの延期(2020.03.27)
「社会思想」カテゴリの記事
- 大敗北の原因(2026.02.15)
- ファシズム国家への移行、それは府市ズム選挙から始まった。(2026.02.09)
- 私の思想形成について(2026.01.25)
- 高市発言と日本の情勢(2025.12.29)
- 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(2025.07.25)
「社会問題」カテゴリの記事
- 大敗北の原因(2026.02.15)
- 高市発言と日本の情勢(2025.12.29)
- 学歴問題で無用な混乱を憂う(2025.08.04)
- 市役所職員から読むように勧められた部落問題の一冊『不思議な部落問題』(2025.07.25)
- 欲望と権力欲の権化はいかなる公職も不適当だ(2024.11.12)


コメント