安倍談話
News & Letters/430
今日夕刻発表された安倍談話はきわめてペテン的で現代・未来の戦争と過去の戦争の歴史を肯定した。
戦後50年目の村山談話と比べると明瞭であろう。
①先の戦争の肯定
日本が「先の大戦」を引き起こしたのは、世界恐慌と欧米列強の経済のブロック化により→日本が「打撃」を受けそれを打ち破るため「力の行使」に至った、という。日本は、欧米による「新しい国際秩序への挑戦者」となった。
これでは日本は被害者であり、挑戦者という英雄的な存在であって、やむをえない戦争だった、ということになる。
国策を誤ったとか何とか言ってもこのような考えでは「大東亜共栄圏」建設の国策はやむをえないではないかという理解を期待している。
②アジア諸国の人々への加害についても、
「中国、東南アジア、太平洋の島々など戦場となった地域では、戦闘のみならず食糧難などにより多くの無辜の民が苦しみ、戦場の影には・・・・」などと、誰の責任でそうなったかわけのわからない話にしている。
ここは日本軍の侵略の結果、戦場とされ、食糧が奪われ、女性が犠牲にされたのであるが、戦闘のみならず食糧難」で犠牲になったといえば、日本の責任は消えてしまう。戦闘行為をした者双方が悪い、侵略とは関係のない「食糧難」で多くが死んだんだ、と理
解してもらいたいのである。要するに侵略とその被害というのはなかったのだということにしたいのである。
③「事変、侵略、戦争、いかなる武力の威嚇や行使も国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならない。という。
「もう二度と・・・」というのだから一度はあったということを否定しないということであろう。
しかし、「侵略」という言葉が、「事変」や「戦争」と並列される意味が知れない。
安倍は満州事変とか北支事変をもって、「事変」→「侵略」→「戦争」という風に理解してこの三語を並べたのであろうか。
安倍の意識では、「事変」は旧軍的扱いでは「侵略」ではないし、「戦争」も上掲①のように正義の戦争である。
「侵略」というのも「事変」や「戦争」のなかで一部にあったということで片付けたいのであろう。
「事変」や「戦争」が侵略であったとなどということは絶対に認められない、ここが安倍談話の大事なところだ。
④「植民地支配から永遠に決別し、すべての民族の自決の権利・・・」という。
しかし、安倍談話は、日本が朝鮮や台湾、旧満州などを植民地支配したという事実については一言も語らず、100年前の欧米列強の植民地支配のことしか言わないのであるから、欧米に対するアジア・アフリカの「民族自決」ということであり、旧軍部と同列の意識しかないのである。安倍談話では、朝鮮や台湾に対しては、植民地支配、侵略や戦争の対象としては認めていない。
中国に対して謝っても朝鮮に対しては謝罪しない。朝鮮に対する植民地意識が残っていると考えられる。
旧満州国も表の看板では「民族自決」の見本であった。
安倍は歴史から教訓を汲む。
かくて、大東亜戦争肯定を明らかにした安倍談話は、「積極的平和主義」の旗の下、戦争法案の強行、集団的他衛・米帝軍事従属路線を突き進む。
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