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2015年7月26日 (日)

国政の信託

News & Letters/426

憲法前文の国政は国民の厳粛な信託によるものという文章の信託という言葉の意味は、原文(英文)では  government is a sacred trust of the people であるから、厳粛な信託というより神聖な信託というべきである。

そして trust 信託と言うのはただの信頼やお任せなどという意味ではなく 神からゆだねられた使命とか財産とかいう意味であり、憲法前文の基本的原理のことを指していると考えられる。 

a sacred trust という言葉の使われ方は、 例えば教会の牧師が説教の折に、隣人や社会に対して奉仕したり平和のために尽くす行為を神の命じる行為としてこれを a sacred trust だと意義づけたり、 又あるいは自然農法の農民が、土や水や自然を a sacred trust と呼んであがめる場合に使う例のある通り、厳粛というより神聖な賜物、大切に守り果たさねばならない使命とも言う意味があると考えられる。

要するに国政は国民の本来持っている a sacred trust を実行することであり、 政権を取ったものの党利党略的野望を実行する手段ではないし、時代の狂熱のなかで燃え上がる国民の興奮感情の発露でもないのである。 そしてこの a sacred trust が何であるか、憲法学や行政法の分野で明確にしていくこと、法制上これを何らかの形で政治家の実務上の規正法として明文化しておくことが大事な課題である。 国政信託法とでもいう法律が確立される必要がある。

あるいは既成の公選法や地方自治法に、選挙で勝ったからと言って、なんでもできるのではなく、国民多数の政治的意思を常に調べ、それを把握して国民から国政の信託の実現を実行する地位を獲得したにすぎないことを自覚させる一条を加えるべきであろう。 選挙で勝った者が、その野望をほしいままに行政を執行できるという思いあがりが露ほども生じることがない、そういう厳粛な法律が望まれる。 

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