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2015年7月

2015年7月26日 (日)

国政の信託

News & Letters/426

憲法前文の国政は国民の厳粛な信託によるものという文章の信託という言葉の意味は、原文(英文)では  government is a sacred trust of the people であるから、厳粛な信託というより神聖な信託というべきである。

そして trust 信託と言うのはただの信頼やお任せなどという意味ではなく 神からゆだねられた使命とか財産とかいう意味であり、憲法前文の基本的原理のことを指していると考えられる。 

a sacred trust という言葉の使われ方は、 例えば教会の牧師が説教の折に、隣人や社会に対して奉仕したり平和のために尽くす行為を神の命じる行為としてこれを a sacred trust だと意義づけたり、 又あるいは自然農法の農民が、土や水や自然を a sacred trust と呼んであがめる場合に使う例のある通り、厳粛というより神聖な賜物、大切に守り果たさねばならない使命とも言う意味があると考えられる。

要するに国政は国民の本来持っている a sacred trust を実行することであり、 政権を取ったものの党利党略的野望を実行する手段ではないし、時代の狂熱のなかで燃え上がる国民の興奮感情の発露でもないのである。 そしてこの a sacred trust が何であるか、憲法学や行政法の分野で明確にしていくこと、法制上これを何らかの形で政治家の実務上の規正法として明文化しておくことが大事な課題である。 国政信託法とでもいう法律が確立される必要がある。

あるいは既成の公選法や地方自治法に、選挙で勝ったからと言って、なんでもできるのではなく、国民多数の政治的意思を常に調べ、それを把握して国民から国政の信託の実現を実行する地位を獲得したにすぎないことを自覚させる一条を加えるべきであろう。 選挙で勝った者が、その野望をほしいままに行政を執行できるという思いあがりが露ほども生じることがない、そういう厳粛な法律が望まれる。 

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国民の信託

News & Letters/425

憲法前文では国政は主権者である「国民の厳粛な信託によるもの」と謳われている。国民が政府に信託するものは第1に憲法やそれに基づく法令の実行であり、第2にはその時その時の国民多数の政治的意思である。

第1の場合には成文法であるから明瞭であるが、第2の場合のその時代その年度の国民の多数の願っていることについては、重層的で複雑である

普通考えられるのは選挙やアンケートなどで分かる世論であり、それに各種の社会運動や請願・陳情運動、司法の判断、マスメディア、雑誌などなどであろう。
仮に選挙で勝ったとしても、政策が全て支持されて当選しているとは言えない。
ほとんどが金権選挙である日本においてはなおさらである。

特定事案については様々な形で表れる国民多数の意思の動向を無視することは許されない。政権は、前にも言ったように政権を取ったものの意思を実行するためにあるのではない。選挙に勝つというのは、国民の信託にこたえる、国民の信託を実行する立場を確保したにすぎない。

このたびの戦争法案は、国民の大多数は誰にもこんなものを信託したわけではない。
安倍は、事の重大さがわかっていない。この法案で安倍は総理大臣として特定の国に宣戦布告の通牒権を取るということを意味している。

しかもその戦争は、敵国が仕掛けてくるだけではなく、自ら他国とともに戦争を仕掛けることも許される、というものである。ほとんど臨戦態勢だ。

選挙で国民の信託を実行するという立場を獲得しただけなのに、その国民の信託を放擲して、自分のけがれた血脈からくる好戦思想の呪いから、冷戦時代にくらぶればはるかに四海平穏な今日において新たな戦争を仕掛けようというのである。

全ては選挙制度、政府の存在の意義、民主主義をはき違えた所から始まっている。
市町村レベルでも国政レベルでも、政治を担うものは国民の多数の信託する意思を実行するのが任務であり、しかし実際には、安倍晋三らの様に政権を握ったら国民の支持率などどうでもよく、自分や自分ら政治的グループの意思を実行しても構わない、それが選挙で許されたのだという誤解が横行している。

以前はそれほどめだたなかった。岸信介の様に国民の意思をあからさまにないがしろにする政治はごく少なかった。
安倍らは選挙に勝てば、国民の多数意思実現の地位を取ったというのではなく、国民の首を取ったぐらいの途方もない誤解をしているのである。

私は憲法前文の国政の国民信託の趣旨、民主主義の根本的な原則を明確にする、安倍の様な誤解ができないような法の制定が必要であると考える。

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民主主義の誤解

News & Letters/424

地方でも国政でも民主主義について誤解している首長が大勢いる。
民主主義における行政又は統治行為では二つの原理的な約束がある。

①一つはもちろん法の支配ということを認めることである。
 このことはある程度の者なら理解するであろうが法律の通りやらない場合が往々 
 にして存在している。

②もう一つは、権力は、権力を取ったものが自由に行使できる、
 議会で多数派議員の意思の総意があれば何でもできる、という考えが民主主義で 
 はない、ということである。

議員の多数派の総意であればその総意を実行する権能を与えられたと考える首長が圧倒的に多い。 多数派に擁されて権力にある首長は法の支配の原則も顧みない場合もある。
選挙によって権力を取るということの意味は、国民(住民)の多数の総意を実行する、担当することができる、そういう地位を獲得したということにすぎない。

安倍晋三の見解では支持率などのことで政治をやっているのではない・・・という。
国民の支持(意思)とは無関係に国会の多数派はその議員達の総意を実行することができると考えていて、選挙や民主主義を根本的に誤解しているのである。

国民多数の総意が自分の考えと違ってきたのであれば、国民多数の総意を実行したくない、実行しない、のであるから、やめるべきなのである。

政権と言うのは、憲法などの法の実現と国民多数の総意の実行を担当する仕事人
であって、政権を握ったものどもの私物・私欲実現の道具ではない。
そのことは国民主権をうたった憲法前文の趣旨であり、国政はすべて国民の信託によるという明文で示されている。

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2015年7月23日 (木)

住民訴訟は続く

News & Letters/423

訴   状
             高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1         
           原告 澤山 保太郎
          高知県安芸郡東洋町大字生見758番地3      
                被告 東洋町長 松延 宏幸
  損害賠償請求事件 
 訴訟物の価額 160万円
貼用印紙額  1万3000円

   【請求の趣旨】

1,被告は、町長松延宏幸が5586万1453円の支払いを求める請求をせよ。
2、訴訟費用は被告が負担する。
との判決を求める。

【第1、当事者】

1、原告は、東洋町の住民であって、本件について平成27年5月8日東洋町監査委員に住民監査請求をし、同年5月19日にその請求を棄却する通知を受けこれが不服であるので住民訴訟を起こしたものである。

2.被告東洋町長松延は、平成23年4月以降東洋町の町長の職にあるもので、本件土地 
購入について議会に提案し、売買契約を結び公金の支出命令をしたものである。
   
 【第2 請求の原因】

一、
1、平成25年7月9日に支出したヘリポート及び防災資機材倉庫用地代金2068万8433円(東洋町大字河内字大野部1436番14所在 48961㎡の雑種地代金)については、ヘリポートを建設せず、またその計画もなく不要かつ不正な支出であることが判明した。被告は不要な土地についての売買契約を撤回して代金相当額の公金を地主から不当利得として回収するか、松延宏幸からそれを弁済させる必要がある。
 (この土地をA土地と呼ぶ)

2、また、その隣接地の山地(東洋町大字河内字大野部1436番1所在 160564㎡約16町の山林)購入費3630万6302円についてはその1部約5000平米(約5反)ほどの平地にヘリポートや防災用倉庫が建設されているが、それ以外に公共施設に使用し得ない山地が約15町5反あり、この分の購入も不正であり、現在ヘリポートや防災倉庫が建てられている土地を除いた部分(ヘリポートの土地とは隔絶している山地)についての購入は不要・不正であるので売買契約を撤回し代金相当額の公金を不当利益として地主から回収するか、又は松延宏幸が町に弁済するべきである。(この土地をB土地と呼ぶ)

3、本件土地に係る購入の行為は地方自治法第2条第14項(最小の経費・最大の効果)の規定に違反し、また、地方財政法第4条(「地方公共団体の経費は、その目的を達成させるための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」)に違反する。
二、
A土地の売買契約は平成25年4月8日、B土地のそれは同年6月5日にそれぞれ締結され同年7月9日に共に代金の支払いがなされた。

1、A土地48961平米(約5町)には、ヘリポートも倉庫も作られていない。 
 町議会の議案書の「提案理由」では、「この土地につきましても、南海トラフ巨大地震による津波に備えて、本年度に防災拠点施設整備事業によるヘリポートの設置や、防災資機材等備蓄施設等を建設するために、用地を取得するものであります。」と議会の提案理由書で説明されたが、25年度中には何も建設されず、26年度中も何も建設されず、27年度の当初予算書にも何も予算措置がない。その土地の一部は高知県がコンクリートの消波ブロックの製品置き場に使用して現在にいたっている。要するに松延町長は、虚偽の理由を議会(町民)に提示して不要な土地を購入したということになる。しかも購入価格は1町につき400万円という法外な値段であった。
 今日雑木林の山はほとんどタダ同然であり、せいぜい1町10万円程度である。
 仮に21町歩の雑木林またははげ山を買ったとしても数十万円から数百万円程度である。
 A土地には平たい雑種地が5反があるが他は雑木林の山地にすぎない。

2、B土地160564平米(約16町歩 代金3630万6032円)のうち約5000平米(約5反)は平地であり、そこには確かにヘリポートと防災備蓄倉庫が建てられた。
しかし自余の約15町5反は雑木の生える山地であり、町がそこにヘリポートなど何らかの防災施設が作られる予定地ではなく、町にとっては何の価値もないものである。
雑木は有用であるとしても切り出してもコストのことを考えると全く採算が合わない。

3、東洋町の野根と生見との間にある南山には町有地が26町歩もありそこにはヘリポートや倉庫を建てるに適した平地が数町歩開かれていて、旧国道も通っている。
 この南山の町有の平地の存在を知っていながら敢えてA土地B土地を買ったのは極めて不当である。最適地があるのにわざわざ新たに購入することは財政的にも無駄である。
4、本年4月町役場で野根漁業組合と町執行部及び議員との間で町政について公開討論会がなされた際、松延町長は、無駄な本件山地の購入について初めて町民に説明し、ヘリポート及びその付帯施設の新たな建設の予定がなく、津波災害の際の仮設住宅用地であるなどと説明したが、東洋町にはそのような計画も存在しない。
A、B土地購入には地主に不当な利益を与えるか何か他の不可解な目的があったと考えられる。

三、
1、以上の通り町長はA土地、B土地の大半の購入については完全に町民を騙して購入した。議会においても誰ひとり本件土地の購入について質疑をするものもなく全員「異議なし」で議決をした。本件監査請求は、土地購入時から1年を過ぎているが上記のような事情のもとでは余儀なきことであり、期間を超えたことについては地方自治法第242条1第2項において但し書きのある「正当な理由」に該当するものである。それは、
(1)誰も入らない山地であることをいいことにして町長が土地購入について町民や議員を騙し、真実の目的が秘匿されていた。
(2)、今以上に本件土地上に新たなヘリポートやそれに付随する施設の建設計画がないということを町民が知ったのは本年3月31日の町長と野根漁協との公開での話し合いの場以降であること。その話し合いの場でも松延宏幸は購入した本件土地について「ほとんど造成済み」であると虚偽の説明をしている。本件土地について審議した町議会で議員にもそのように信じ込ませた可能性がある。
(3)また、地方自治法第242条1項2号では、「前項による請求は、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。」と規定されている。特定目的で用地を購入した場合、何年間かはその使途の実行を見なくてはならないが、少なくとも購入後1年間はその使途に合った利用をするか、利用計画をたてるなどをする可能性があり、見極める必要がある。見極める期間の最終日を当該行為の終わった日とすればその間は監査請求はできない。従って本件土地購入(平成25年7月9日)から早くとも1年を待って、その時点(平成26年7月9日)から1年以内が監査請求期間であると考えられる。ヘリポートが1か所であっても付随の備蓄倉庫はいくらでも建設できる。

   【立証方法】
一、甲第1号証  監査請求書
二、甲第2号証  監査通知
三、甲第3号証  議案書
四、甲第4号証  売買契約書
五、甲第5号証  支出命令書
六、甲第6号証の1  図面(切図)
  甲第6号証の2  図面(ヘリポート設計図)
七、甲第7号証  航空写真
八、甲第8号証  録音記録

【添付書類】
一、訴状副本 1通
二、甲号各証 各1通
                       平成27年5月28日
               高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1
                       原告 澤山保太郎        
高知地方裁判所 殿

訴 状
               
                    高知県室戸市佐喜浜町1374番地2
                     原告 楠瀬立子
                    高知県室戸市吉良川町甲4015番地
                     原告 田原茂良
                    高知県室戸市吉良川町乙5269番地20
                     原告 前田国穂
                 高知県室戸市浮津25番地1
                      被告 室戸市長小松幹侍

損害賠償請求事件
訴訟額  160万円
貼用印紙額  Ⅰ万3000円

【請求の趣旨】

一、被告は、小松幹侍に対し、1億7304万1248円を室戸市に支払うよう請求 
せよ
二、訴訟費用は、被告の負担とする 
     との判決を求める。

【請求の原因】

一、原告らは、室戸市在住の室戸市民であり、本件請求に係る住民監査請求(甲第1号証)を平成27年1月28日に室戸市監査委員会に提出したところ、同年3月23日にその請求が棄却されたものである。

二、被告は平成24年5月ごろから、室戸市吉良川町で操業していた富士鍛工㈱の工場用地として「羽根小規模工業用地」の整備を計画し、平成25年度にその下準備を終え、平成26年3月20日にその整備工事が完成するまでに富士鍛工㈱と整備地の売買契約をし、平成26年3月26日に所有権移転登記を完了させた。

三、室戸市監査委員会の監査報告書(甲第2号証)によれば整備費総額は4億3708万3453円であるが、原告が確認した額は4億3534万4248円であり、内訳は、
 土地代金6403万6403円、用地整備工事費3億6858万8450円、物品購入費251万9895円、地質調査・測量費が19万9500円である。
富士鍛工㈱が室戸市に支払った土地代金は2億1230万3000円である。
その差額2億2304万1248円については、何も説明がないが、理由なく富士鍛工㈱にプレゼントしたものと考えられ、この差額分が被告の損害額と考えられる。そのうち高知県の補助金5000万円は被告の損害ではないので差し引き、上掲請求額となる。

四、室戸市監査委員会の上掲監査報告書は、被告の請求人に対するいわば弁明書のような役割を果たしていて滑稽でもあるが、用地整備費と土地代金の差額のプレゼントについてそれを可とする何らの法的根拠は示していない。
 ただ富士鍛工㈱が多額の税金を払っていることなど「本市における将来的な利益」をあげつらっているだけである。そんなことであれば、室戸市内の他の企業にもそれ相当の経済的優遇を与える必要があろう。

五、室戸市監査委員会の監査報告書では、「室戸市企業誘致推進条例」第3条に基づいて用地確保の協力を行った、ということであるが、開示された資料では、企業が用地を確保することについて協力したのではなく、被告が室戸市羽根町の地主から土地を買収して自らの工業用地を確保し、それを造成して市有の工業用地(行政財産)を作ったうえ、特定企業に売却したのである。すなわち条例では土地を確保する主体は企業であって被告室戸市ではないから被告条例では説明にならない。
 被告が仮に企業に代わって土地を取得し、それを実費で企業に譲渡する程度であれば条例のいう土地確保の協力のうちに入ると言えなくもない。
しかし、土地の造成工事及び造成費用を負担するということになれば話は違ってくる。
室戸市企業誘致推進条例では、誘致企業等に対する経済的支援は第3条の「奨励金」があるのみであって、その金額も固定資産税相当額の範囲内と限定されている。億円単位の奨励金などが許容される条例ではない。
 また、監査報告書では、「市財産規則等によって定められた適正な手続きに則って売却が決定されている・・・」というが、行政財産である工業用地、作ったばかりの新品を丸ごと処分(用途廃止など)する手続は室戸市財産規則のどこにも存在しないし、地方自治体にははじめから特定企業の私用に供するために公金を使って土地を取得するという規則などあり得ない。

六、普通土地の価格は、土地造成等の諸経費に利益を見込んだ金額を付けて相場に見合った額で売り出すが、本件の場合、利益を考えない、土地の相場価格も入れないとしても、少なくともその土地造成の諸経費を譲渡価格としなければなるまい。
 売却対象用地だけでなく、それを支える周辺造成地全体及び進入路等の付帯工事も譲渡価格に算入しなければならない。

七、本件工業用施設は被告室戸市の公の施設であり、これを利用する権利の機会は市内の多くの企業に開かれていなければならない。この用地のすぐ直下の川べりには深層水を商う有名な企業などもあり、他にも津波の影響をもろに受ける地元羽根町内に有力企業がいくつかある。それら企業も応分の税金を払い、相当な従業員を雇用している。
災害対策や産業振興対策を掲げて作った施設であれば、少なくとも公募し、入札などを実施して適切な選考をし、用地を分かち合うことも含めて合理的な譲渡決定手続きが必要であるが、監査委員会の上記報告書では、被告はそれら通常の適法な手続きは何もしなかったし、する必要はないと公言している。

八、以上の被告の行為は地方自治法第238条の四(行政財産の譲与)及び同法237条第2項(議会の議決なく適正な対価なしの譲渡)の規定に違反する違法行為であり、この違法行為によって室戸市が損害を被ったものである。

【立証方法】

一、 甲第1号証  住民監査請求書
二、 甲第2号証  室戸市監査委員会監査報告書
三、 甲第3号証  工業用地売買契約書
四、 甲第4号証の1~20  支出命令書
五、 甲第5号証  物品購入契約書
六、 甲第6号証の1~23 土地売買契約書
七、 甲第7号証  高知新聞記事(平成26年6月20日朝刊)
八、 甲第8号証  室戸市企業誘致推進条例

【添付書類】

一、 訴状副本 1通
二、 甲号各証 各1通

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真正ヘリポート訴訟

News & Letters/422

訴   状
             高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1         
           原告 澤山 保太郎
          高知県安芸郡東洋町大字生見758番地3      
                被告 東洋町長 松延 宏幸
  損害賠償請求事件 
 訴訟物の価額 160万円
貼用印紙額  1万3000円

   【請求の趣旨】

1、被告は、町長松延宏幸が5586万1453円の支払いを求める請求をせよ。
2、訴訟費用は被告が負担する。
との判決を求める。

【第1、当事者】

1、原告は、東洋町の住民であって、本件について平成27年5月8日東洋町監査委員に住民監査請求をし、同年5月19日にその請求を棄却する通知を受けこれが不服であるので住民訴訟を起こしたものである。

2.被告東洋町長松延は、平成23年4月以降東洋町の町長の職にあるもので、本件土地 
購入について議会に提案し、売買契約を結び公金の支出命令をしたものである。
   
 【第2 請求の原因】

一、
1、平成25年7月9日に支出したヘリポート及び防災資機材倉庫用地代金2068万8433円(東洋町大字河内字大野部1436番14所在 48961㎡の雑種地代金)については、ヘリポートを建設せず、またその計画もなく不要かつ不正な支出であることが判明した。被告は不要な土地についての売買契約を撤回して代金相当額の公金を地主から不当利得として回収するか、松延宏幸からそれを弁済させる必要がある。
 (この土地をA土地と呼ぶ)

2、 また、その隣接地の山地(東洋町大字河内字大野部1436番1所在 160564㎡約16町の山林)購入費3630万6302円についてはその1部約5000平米(約5反)ほどの平地にヘリポートや防災用倉庫が建設されているが、それ以外に公共施設に使用し得ない山地が約15町5反あり、この分の購入も不正であり、現在ヘリポートや防災倉庫が建てられている土地を除いた部分(ヘリポートの土地とは隔絶している山地)についての購入は不要・不正であるので売買契約を撤回し代金相当額の公金を不当利益として地主から回収するか、又は松延宏幸が町に弁済するべきである。(この土地をB土地と呼ぶ)

3、本件土地に係る購入の行為は地方自治法第2条第14項(最小の経費・最大の効果)の規定に違反し、また、地方財政法第4条(「地方公共団体の経費は、その目的を達成させるための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」)に違反する。
二、
A土地の売買契約は平成25年4月8日、B土地のそれは同年6月5日にそれぞれ締結され同年7月9日に共に代金の支払いがなされた。

1、A土地48961平米(約5町)には、ヘリポートも倉庫も作られていない。 
 町議会の議案書の「提案理由」では、「この土地につきましても、南海トラフ巨大地震による津波に備えて、本年度に防災拠点施設整備事業によるヘリポートの設置や、防災資機材等備蓄施設等を建設するために、用地を取得するものであります。」と議会の提案理由書で説明されたが、25年度中には何も建設されず、26年度中も何も建設されず、27年度の当初予算書にも何も予算措置がない。その土地の一部は高知県がコンクリートの消波ブロックの製品置き場に使用して現在にいたっている。要するに松延町長は、虚偽の理由を議会(町民)に提示して不要な土地を購入したということになる。しかも購入価格は1町につき400万円という法外な値段であった。

 今日雑木林の山はほとんどタダ同然であり、せいぜい1町10万円程度である。
 仮に21町歩の雑木林またははげ山を買ったとしても数十万円から数百万円程度である。
 A土地には平たい雑種地が5反があるが他は雑木林の山地にすぎない。

2、B土地160564平米(約16町歩 代金3630万6032円)のうち約5000平米(約5反)は平地であり、そこには確かにヘリポートと防災備蓄倉庫が建てられた。
しかし自余の約15町5反は雑木の生える山地であり、町がそこにヘリポートなど何らかの防災施設が作られる予定地ではなく、町にとっては何の価値もないものである。
雑木は有用であるとしても切り出してもコストのことを考えると全く採算が合わない。

3、東洋町の野根と生見との間にある南山には町有地が26町歩もありそこにはヘリポートや倉庫を建てるに適した平地が数町歩開かれていて、旧国道も通っている。
 この南山の町有の平地の存在を知っていながら敢えてA土地B土地を買ったのは極めて不当である。最適地があるのにわざわざ新たに購入することは財政的にも無駄である。
4、本年4月町役場で野根漁業組合と町執行部及び議員との間で町政について公開討論会がなされた際、松延町長は、無駄な本件山地の購入について初めて町民に説明し、ヘリポート及びその付帯施設の新たな建設の予定がなく、津波災害の際の仮設住宅用地であるなどと説明したが、東洋町にはそのような計画も存在しない。
A、B土地購入には地主に不当な利益を与えるか何か他の不可解な目的があったと考えられる。

三、

1、以上の通り町長はA土地、B土地の大半の購入については完全に町民を騙して購入した。議会においても誰ひとり本件土地の購入について質疑をするものもなく全員「異議なし」で議決をした。本件監査請求は、土地購入時から1年を過ぎているが上記のような事情のもとでは余儀なきことであり、期間を超えたことについては地方自治法第242条1第2項において但し書きのある「正当な理由」に該当するものである。

それは、
(1)誰も入らない山地であることをいいことにして町長が土地購入について町民や議員を騙し、真実の目的が秘匿されていた。

(2)、今以上に本件土地上に新たなヘリポートやそれに付随する施設の建設計画がないということを町民が知ったのは本年3月31日の町長と野根漁協との公開での話し合いの場以降であること。その話し合いの場でも松延宏幸は購入した本件土地について「ほとんど造成済み」であると虚偽の説明をしている。本件土地について審議した町議会で議員にもそのように信じ込ませた可能性がある。

(3)また、地方自治法第242条1項2号では、「前項による請求は、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。」と規定されている。特定目的で用地を購入した場合、何年間かはその使途の実行を見なくてはならないが、少なくとも購入後1年間はその使途に合った利用をするか、利用計画をたてるなどをする可能性があり、見極める必要がある。見極める期間の最終日を当該行為の終わった日とすればその間は監査請求はできない。従って本件土地購入(平成25年7月9日)から早くとも1年を待って、その時点(平成26年7月9日)から1年以内が監査請求期間であると考えられる。ヘリポートが1か所であっても付随の備蓄倉庫はいくらでも建設できる。

   【立証方法】
一、甲第1号証  監査請求書
二、甲第2号証  監査通知
三、甲第3号証  議案書
四、甲第4号証  売買契約書
五、甲第5号証  支出命令書
六、甲第6号証の1  図面(切図)
  甲第6号証の2  図面(ヘリポート設計図)
七、甲第7号証  航空写真
八、甲第8号証  録音記録

【添付書類】
一、訴状副本 1通
二、甲号各証 各1通
                       平成27年5月28日
               高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1
                       原告 澤山保太郎        
高知地方裁判所 殿

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2015年7月16日 (木)

桜田門外の変

News & Letters/421

およそ政治的テロはよろしくない。土佐藩の吉田東洋の暗殺、坂本龍馬・中岡慎太郎の暗殺・・・。
だが、桜田門外での井伊大老の暗殺だけは快挙、義挙として認められるべきであろう。

アメリカに屈し、安政の大獄で多数の優秀な尊皇攘夷派の人士を殺した大老の鉄血政治を打倒しなければ、幕末回転の歴史は動かなかったであろう。その義挙を遂行した水戸・薩摩の浪士たちのほとんどはその日のうちにあるいは討死、自刃し、生き残ったものも後に小伝馬町の獄吏によって刑死させられ死地についた。

雪を蹴って大老の行列に突撃した行為。
やらねばならない、やりたいと思っても、このような果断な行為はなかなか出来るものではない。身を犠牲にするということは、よほどの覚悟がなければ出来ない。

中東での自爆テロの実行者の気持ちにも似ている。
信仰にも似た深刻で狂熱的な思想がなければ出来ない。
日常の生活をかなぐり捨て、親を捨て妻子を捨て、一切の人間関係を捨てて、自己の破滅をもって歴史的使命を遂行する力。

圧制によって閉塞された時代を突破するには、
民主主義的な平穏な請願や選挙などではない。

安政の桜田門外の尊攘派の度胸と情熱、そして殺到する突撃行動が歴史の危機には必要なのである。かつて、中核派にはそれがあった。

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2015年7月 8日 (水)

現行憲法の成立

News & Letters/420

日本の政治経済体制は一言でいえば日本帝国主義である。

この国は、第二次の帝国主義世界戦争で大敗し、存亡の危機にひんした。
そうした底辺から日本国憲法という極めて民主的な憲法が生まれた。

9条の戦争の放棄をはじめとする反戦思想を実質的に冒頭に掲げたのである。
天皇の規定の第1章を除くと9条が第1条となる。

戦争に負けても日本帝国主義は帝国主義である。
戦争放棄や徹底した基本的人権などを国是とする憲法を帝国主義国が持つというのはどういうことであろうか。

資本主義においては、国家はブルジョワジーによる階級支配の道具であるのに。
それは、資本主義国家も、原爆が登場するなどあれほど大規模で悲惨な戦争では資本主義そのものが存立できないという反省から出てきたものであろう。
ブルジョワジーが生き残り再び繁栄するためには、広範な労働者大衆が生き残りこのブルジョワ社会を支えるほどの「健康で文化的な最低限の生活」を保障しなければならなかったからである。・・・・・・

戦争法案の登場。
これは今、現行憲法を必要とする歴史的な理由がなくなってきた、と支配階級が感じ始めたからであり、再び三度世界戦争による資本の飛躍的な増殖を願いだしたからである。帝国主義本来の姿「日本を取り戻す」という大きなうねりをつくりだしているのである。

一般的には、国家は公共性・公益性を担っているとか、また、左翼系学者では国家には階級性と公共性の二重の矛盾した性格がある、とかいうのであるが、現行憲法の基本的人権や戦争放棄の趣旨も、国や地方自治体の公共性も、それらは世界大戦後のブルジョワジー救済、その階級支配の一時的な方便であり、支配階級の利益と必要によって作られた徹頭徹尾階級性の刻印が押されたものである。

戦争放棄など憲法の民主的な原理を本当に実現し、不動のものにするにはプロレタリアートが権力を掌握しなくてはならないのである。

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2015年7月 3日 (金)

砂川事件最高裁判決

News & Letters/419
砂川事件の最高裁判決文を歪曲して集団的自衛権の根拠にしようというのは
まったく牽強付会であって、9条をめぐる憲法学においては論外である。
砂川事件の争点は、日本に駐留する米軍の存在が、憲法に違反するかどうかであって、
日本の自衛権だとかではない。
その判決の要点は「・・・その保持を禁止した戦力とは、わが国が主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力を
いうものであり、結局わが国自体の戦力を指し、外国の軍隊は、たとえそれがわが国に駐留するとしても、ここにいう戦力には該当しない」として、「アメリカ合衆国軍隊の駐留は、憲法九条、九八条第二項および前文の趣旨に適合こそすれ、これらの条章に反して違憲無効であることが一見極めて明白であるとは、到底認められらない。」
というものである。
当時の田中長官がアメリカと意を通じて下したいわくつきの判決であるが、米軍の駐留が9条や前文に適合しているという国辱的な文章が盛り込まれていたのである。
しかし、米軍の駐留は、憲法前文、憲法9条に真っ向から反している。
確かに、9条の第2項の規定、陸海空軍その他の戦力とか国の交戦権とか言うのは日本国に限定された規定であるが、9条の第一項や憲法前文はそうではない。
憲法前文には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすること・・・」となっている。
傭兵であれ外国軍隊であれ日本政府が日本列島に呼び寄せて、これに戦争をさせるというのは、「政府の行為」による戦争であって、憲法前文に抵触している。
また、9条第1項は、「国権の発動たる戦争」、「武力による威嚇」又は「武力の行使」は国際紛争の手段としては永久に廃止されている。外国軍隊を使って戦争するのも「国権の発動」であり、外国軍隊を抑止力として存在させて、仮想的を威嚇するのも「政府の行為」である。9条第1項の規定する武力は自国の軍隊とは限られていない。
安保条約を結んで米軍に沖縄をはじめ日本全体に駐留させるのは「政府の行為」であり、「国権の発動」である。
自衛隊だけでなく、米軍の存在も憲法前文や9条に違反し、これらの存在が日本国民を苦しめ、アジアの安全保障環境を悪化させているのである。
砂川事件最高裁判決は、世界中に戦争行為を推進拡大している米軍の存在を憲法9条や前文に「適合」するなどというあきれた見解を表明しているが、現行日本国憲法を戦争推進憲法と読もうとした国賊裁判官のなせる業であり、安倍晋三や高村某らはまさにこの点で感動し、それで砂川事件を持ち出したのであろう。
彼らやそれに追随する連中の行為はもはや 違憲 という穏やかなものではなく 破憲 ともいうべきものだろう。
当時の全学連を先頭とする砂川闘争や沖縄県民の米軍基地に対する戦いは憲法9条や前文の趣旨に「適合」する正しい行為である。

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