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2015年3月

2015年3月23日 (月)

続:: 佐賀地裁幻滅判決(2)

News & Letters/403

続き

福井地裁樋口英明裁判長の判決は憲法を判断基準としチェルノブイリおよび福島原発の事故を見据えて大飯原発の危険性を剔抉したのであった。

片や佐賀地裁の判決は、憲法や法律ではなく、また、福島原発事故の惨状を無視して、政府が原発を維持するために行政実務上編み出した基準という物差しを当てて、現状を肯定した。 

政府が作る基準値などというものは、たとえば労働者の年間被爆量100ミリシーベルトを250ミリシーボルトまで引き上げたのは、そうしなければ現場で働く労働者を確保できないからである。原発を維持し、事故をとりつくらうためには労働者の健康とか人権とかを基準にしないのだ。

佐賀地裁の判決の後尾には、使用済み燃料のことについて判断して、住民側の主張を一蹴している。
原子炉等規正法第23条の第2項には原子炉設置の申請書の必須記載事項が並べられている。その最後の第8号には「使用済み燃料の処分の方法」について記載することになっている。

使用済み燃料の処分を完全に出来るという見通しがなければ設置許可が下りない規定だ。現在日本では核燃サイクルが破綻しているから六ヶ所村に搬送して処理することは出来ない。この8号規定を満たしている原発は玄海だけではなくどこにも存在しない。違法状態が全国的に続いているのである。

だが、政府は、この法律を換骨奪胎するために「内規」をこしらえ、使用済み燃料の処分先は、搬送する前に決めたらいいということにした。だから、処分しなくていつまででも原発敷地内にその危険物をおくことが出来ることになったとするのである。
国会審議を経て議決された法律で定められたことを、時の政府の内部行政事務レベルの規則で捻じ曲げその趣旨を没却することが出来るというのだ。

そうするならいかなる法律も存在意義がなくなるだろう。たとえば選挙権は20歳以上の国民全員に与えられるという法律について政府の政令にこの10年間は選挙権は男性だけにするという規定を入れることも可能となるだろう。

そうなれば権力を握ったものが勝ちだということになる。このようなやり方については、平成21年に私ら東洋町住民が公務員の直接請求権をめぐって最高裁大法廷で逆転勝訴した事例があり、そのため地方自治法が改正された。公務員の議員リコールなどの請求権は地方自治法では認められているのにその施行令で否定されていて、東洋町だけではなくいくつかの地方でも公務員が直接請求にかかわったということでその署名簿が無効にされるという最高裁等の判例が続いていた。

しかし、私らの訴えで最高裁大法廷が開かれ、法律の規定が上位であり施行令など政令がそれを犯すことは許されないという判断が出されたのである。だから、原子炉等規正法第23条2項の第8号は生きているのであり、使用済み燃料の処分法が記載できないいかなる原発の設置許可も無効なのである。

政府が物事の現状を維持し動かすための方針や政策で決めた政令や規則などで原子炉等規正法という法律の規定をないがしろには出来ない。
                     

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2015年3月22日 (日)

佐賀地裁幻滅判決(1) 2015年3月20日玄海原発3号機プルサーマルMOX使用差し止め裁判

News & Letters/402

酷い(非道い)判決が出た。裁判所は佐賀の英傑江藤新平の立ち上げたものだ。江藤は司法卿として裁判制度を全国に整備するとともに権力の中枢に巣くう山県有朋ら長州閥の腐敗を追及した。そのことが後に江藤が失脚する遠因でもあった。

だが、昨日の佐賀地裁裁判長波多江真史は、自ら権力に阿諛し迎合して、法律に基づくのではなく権力のものさしを振りかざして住民の訴えを蹂躙した。形式上は裁判所であるが、内容的には独立不羈の裁判所が行政権力の下僕、下部機関化していたというべきであろう。
東京からの支援者の高木さんがこの判決を「日本の恥」だといったが至言であろう。
判決文の要旨を読む限り次のような問題がある。

1、憲法やそれに基づく日本の法体系ではなく、時の政府の政策、行政実務上の基準や物差しで現実の案件を判断している。
 すなわち、MOX燃料使用が、政府の設置許可基準規則の基準を満たしている、とか原子炉等規正法の許可の基準に適合している、とか、軽水炉安全設計審査指針の条件を満たしている、とか、経産省の許可を得ているとか、判決文のいたるところで福島原発事故で反証され破綻した政府の物差しで判断した。

福井地裁の樋口英明裁判長は、政府の作った安産基準ではなく憲法で保障された国民の基本的人権、侵すことが出来ない人格権を判断の基準とすると喝破したのとはまるで大違いなのである。

われわれが問題としているのは政府が作ったその物差しが危ういというのであるが、その物差しに適合しているから大丈夫だと切り返してきた。

日本国憲法やそれに基づく成文法は日本や世界の人類の血で購った結晶であるが、矛盾に満てる泥沼の現実の人間の営為は、その法体系の光に照射されて正邪、是非が弁別され解決されコントロールされねばならないものである。それをするのが裁判所なのである。

裁判所が憲法など法体系を判断の基準にするのをやめるとなれば、裁判所はもはや行政機関の下部構造となり一政治勢力に過ぎないものとなる。佐賀地裁はそこに転落したのである。ちなみに、原子力規制委員会は政府の設置基準に適合しても原発が安全であるということではないという見解を発表している。

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2015年3月16日 (月)

3月20日 玄海プルサーマル原発裁判判決

News & Letters/401

いよいよ、3月20日に佐賀地裁の判断が下る。
争点は、原発の危険性に加重するMOX燃料の特異的な危険性ー特に燃料棒の被覆管のギャップ再開からメルトダウンの危険性を裁判所が認定するかどうか、そして、その使用済み燃料の処分-処分の方途が示されぬままの稼動が許されるのか、という点である。
しかし、この二つの論点の背後にはMOX燃料の問題には次のような重大な疑惑や危険性が横たわっている。

第1に、福島第一原発3号機の使用済みMOX燃料の核爆発事故である。政府や東電マスコミらはこの3号機の爆発を1号、2号と同じ水 
 素爆発としているが、映像を見る限り明らかに核爆発と考えられる。MOX燃料は使用済みでも核反応を起こしやすい燃料であると推定される。

第2に、MOX燃料は、原発が生み出したプルトニウムの処分の一方法として位置づけられているが、ウランとプルトニウムの混合の燃料と 
 いうことで、燃焼後そのウランはプルトニウムに転化し、プルトニウムの処分どころかその一層の増大を結果する。

第3に新聞報道によればMOX燃料はウラン燃料よりもはるかにコストがかかるということである。
上の1,2,3のことを考えるなら、いったい何のためにMOX燃料を選択したのか、不可解である。
いずれにしても、福井地裁に続いて佐賀地裁の裁判官の良心が何処にあるか。
多くの国民が来る3月20日、佐賀地裁に注目すべきである。

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2015年3月 3日 (火)

東洋町の利権行政の実態 生見の避難タワー事件

News & Letters/400

福祉切り捨て、借金増大、利権行政横行の松延東洋町長の行政に
又一つ第事件が隠されていた。

野根漁協に関連する1000万円の不正融資事件は、高松高裁で逆転判決が下り松延宏幸町長が上告中だということであるが、4月の統一地方選での町長選挙までのつなぎ、時間稼ぎであろう。

新たに問題にしたのは、平成25年~26年度の東洋町生見の避難タワーの建設の不正請負事件だ。

第1に建築確認ができていない建物について入札させ室戸の川村総合建設が落札、請負契約をし着工した。これは建築基準法違反なのである。着工は平成25年3月28日だが、建築確認が下りたのは同年8月14日なのである。

民間ならともかく地方公共団体が建築基準法に違反して建物を建て始めるというのは余りにも無法であろう。着工して間もなく工事は中止したが、建築確認が完了してから入札をし直すこともせず、そのまま川村総合が請け負った。
独占禁止法の不正入札の疑いが濃い。

第2に、設計変更がなされたということであるが、新しく変更した設計書が設計会社から町に出されたのは翌年の2月14日であり、その時には杭打ちはもとより鉄骨の組み立てなど本体工事は完了していて、残るのは樋を付けたり溝を付けたり階段を付けたりする付随工事だけであった。

入札時の最初の設計書では耐震の構造計算が建築確認が取れずだめになったはずである。新しい変更設計もできていないのにどのようにして工事を進めたのか分からない。特に地下の杭打ちが問題になって建築確認が遅れたということであるが、県庁による完了後の検査では地下の様子はわかりようがない。掘ってみなければわからないのだ。
当初の契約では7800万円ほどだったが、設計変更だということで約1500万円追加になって、約9300万円に膨れ上がった。

室戸の川村総合は最近でも吉良川の給食センターの建設でも問題を起こし高知新聞に大きく報道されていた。(高知新聞は業者名を伏せて隠していた)
澤山町政では川村総合は東洋町には一切指名に入らなかったが、松延町政では東洋町にどんどん入ってきている。

違法行為を犯してまで特定企業を公共事業に入れ続ける、これが東洋町の利権行政の実態である。
私は会社の役員で多忙で、毎日長時間・重労働なので、ごく限られた事件しか追求する時間的余裕がない。おそらくどの公共事業を調べてもまともにやっているものは少ないであろう。

東洋町長松延宏幸は何かと言うと澤山町政は「特異」で自分の町政は「普通」だという。
普通の行政に返すことがこの4年間の仕事だというのであるが、「特異」なのは澤山町政の以前や以後の行政であろう。核廃棄物を導入しようという町政は全く「特異」であり、上の事件に見る通り建築確認もせずに建造物を建てる請負契約を結ぶなどの利権行政をどしどし推し進める現在の行政も「特異」と言うべきであろう。

東洋町職員措置請求書
                            平成27年3月2日
東洋町監査委員会 殿

                         
【請求の趣旨】

平成25年3月~26年3月に施工した生見地区防災避難タワー建設工事(本件工事と呼ぶ)については法令違反の違法な契約及び公金の違法な支出があると考えますので、町長ら責任ある職員又は施工業者に対して適切な措置をとることを、地方自治法第242条1の規定に基づき請求します。

【請求の理由】

一、本件工事は平成25年3月18日に請負契約者を決める入札があり室戸市の(有)川村総合建設が落札し即日請負契約を結んだ。請負金額は7854万円で、工期は平成25年3月28日~同年9月30日までであった。しかし、この契約は以下の理由で無効である。
県庁の資料によると本件工事についての建築確認は平成25年8月14日である。
そうすると、入札・契約当時には本件避難タワーの建物については建築確認がなされていず、いわば無許可の建造物について入札・契約・発注をかけ着工したものであるから、それらは建設工事の前提条件を欠く無効なものである。この契約・発注・着工は建築基準法第6条の1に違反する。法令違反の建設工事は無効である。

二、さらに、上記建築確認がなされた8月14日以降に正規の入札・正規の契約はなされていない。その間、4月1日から工事は中止になってきたがその理由は設計変更ということであった。高知市のかめお設計作成の設計書で県に出した建築確認申請が認められず、耐震の構造計算などをやり直したもので県の建築確認が出るまで遅延したものと考えられる。着工直後から設計変更であるなら入札はやり直さなくてはならない。
設計変更だということで金額も相当加算(1488万5850円増額)したが、変更した設計ではなく別の設計で入札をして契約相手を決めたということになると、独占禁止法第19条(不公平な取引禁止)違反になる。法令違反の契約は無効であり、それへの公金の支出も違法である。

三、また、変更設計書は平成26年2月14日に作成され、町議会が承認したのは同年3月5日であり、同日に工事請負変更の契約が成っている。川村総合建設が町に提出した工程表によると平成26年2月14日の段階ではすでに杭打ち、鉄骨組立てなど主な本体工事は完了しており、後は土間や溝、樋、階段などの付帯工事が残っているだけであった。基本的な工事がほとんど終わってから請負契約を締結するというのは、建設業法第18条の信義に基づく「公正な契約」の履行とは到底言えない。

四、実際に川村総合建設が下請けに遂行させた施工は一体どんな設計書に基づいてなされたのか不明である。設計変更後の工程表は平成25年10月1日から翌26年3月25日であるが、上記の通り早くても平成26年2月14日までは変更した設計書はできていない。
変更前の設計書しかないのだから基本的な工事は当初の設計書で施工したか、又は業者が適当に施工した可能性がある。特に杭打ち工事で何本杭を打ったのか不明である。
当初の設計書では建築確認が取れていないから違法な建物となる。
いずれにしても、議会で承認された変更設計書で本件工事がなされたということはできない。川村総合建設がやった工事を追認しただけという可能性がある。

五、受注した川村総合建設は、主な工事のほとんどを下請け及び再下請けに出しているが、東洋町は本件工事の請負契約書第8条の1に規定する下請け(再下請け)契約書を徴収していないから、工事の実態がつかめない。
特に本件工事の主要部の鉄骨工事を高知市のK製作所に3550万円余で下請けさせているが、K製作所はこれをさらに四万十市のKu鉄工に下請けさせている。実際の鉄骨工事はKu鉄工がS興業などに下請けさせながら遂行したと思われる。川村総合建設がK製作所に主要工事を下請けさせたこと、またK製作所がさらにKu鉄工にそれを下請けさせたことは、建設業法第22条第1項の一括下請けの違法行為に当たる疑いがある。

六、また、川村総合建設が主な工事である杭打ちや鉄骨工事、鉄筋工事などを下請けに請け負わせた代金は総額およそ5066万7081円であるが、川村総合建設自身がした工事などを加味しても9300万円余の契約金が実際に必要であったか極めて疑問である。
七、本件工事は請負契約からして違法無効であり、正規の設計書に基づいて施行されたか疑わしいから、川村総合建設に支払った9342万5850円の公金は、川村総合建設に対して不当利得として返還請求をするか、そうでないなら町長ら責任ある職員が町に弁済すべきである。少なくとも設計変更に係る増額分の1488万5850円は全く不要なものであったから、同様の業者への返還請求か又は町長らの弁済の措置が必要である。

 【添付資料】

1、 支出命令書
2、 工事請負変更仮契約書
3、 建設工事請負契約書
4、 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図
5、 工程表1
6、 工程表2
7、 実施設計書
8、 第1回変更設計書 
7、    建築基準法令による処分等の概要書

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