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2014年10月30日 (木)

避難タワーについての記者の質問

News & Letters/381

室戸市の津波避難タワーの建設がほとんど進んでいないことにつて
二人の報道記者から最近以下のような趣旨の質問があった。

一つは、NHK記者。

質問1:

 今日県や国から補助金が出てほとんどタダで避難タワーの建設ができるのにどうして 
     室戸市はそれをやろうとしなかったのでしょうか。

回答:

   私はこの質問にははっきり答えられなかった。多分津波に対して危機意識が欠如しているのではないか、という風な推定的応えしかできなかった。

次に本日の朝日新聞記者の質問

質問2:

   室戸市もやがて人口が激減して消滅するという市町村に入っているのに、そんなところに避難タワーを建てて何になるのだ。
 この質問は、私が室戸市50キロの海岸に集中する集落に避難タワーを早急に建設すべきだという主張に対してほとんど非難するような口調であった。予想外の質問に私もたじたじだった。  

回答:私はほとんど絶句して答えられなかった。新聞記者がこんなことを言うとは。
   
 朝日新聞が従軍慰安婦や原発事故の特ダネ記事などで仲間の新聞などから非難されて窮していたが、私はこの二つの誤報道は大したことではない、真相から少し行きすぎた報道ではあるが、真相を曲げたわけではない、と考え朝日新聞に同情的だ。

 しかし、今日の質問を聞いたとき私は唖然とした。今はいるがやがて人がいなくなる町に高価な避難タワーを作って何になるのかというのである。それでは、避難タワーだけではなく、どんな施策もやがて人がいなくなる過疎の村に施して何になるのか、どうせ死ぬとわかっているお年寄を金をかけて手厚く世話をして何になるのだ、・・・・ということになるだろう。

政府かどっかの機関の統計上の推定を真に受けるのもよいが、人間は現状を変革することができる。過疎を食い止め人口をこれ以上減らさないようにするためにどうにかしようとあがいている人間に、冷水を浴びせるような質問をして、人が返答に窮するのを見て面白いのであろうか。

死に至る病人を抱える家族と同じように過疎の市町村を少しでもこの世に長らえさせることにはそれ相応の意義がある。

新聞の字面ではなかなかいい記事が多いが、記者の精神は、侵略下の女性を慰安婦に仕立てた日本軍部と同じように、荒廃しているのではないか。やがて死の運命にある弱者の必死で生きようとする姿を見て笑っている。

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コメント

 同感です.

投稿: Ladybird | 2014年11月19日 (水) 17時23分

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