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2014年5月 9日 (金)

オンブズマン活動は続く

News & Letters/357

4月末から5月にかけてGWで大忙し。昼は掃除、洗濯、夜勤はフロント業務。
潜水夫が海に潜ったままのような生活だ。

だが、その間にもオンブズマンの仕事はやめられない。自分は検事でもなければ弁護士でもない。しかし、身の回りから世界中の世の中の、権力の不正は許せない。
だから、たった一人でも闘う。オンブズマン活動は私の闘いの中心にある。

言うて是正しないなら法廷に出てもらうしかない。法廷では相手は弁護士となる。
弁護士だけではなく裁判官も権力の側で、多くの日本の裁判官が悪代官の味方であり、悪事をかばうことが大好きなのである。だから私が長年の経験では、住民訴訟というのは、悪事をなした行政マンと裁判官を相手の戦争というのが実相である。

私が思うには、裁判官は判決を下す前に、裁判官の考えも法廷で陳述し、訴訟を起こした国民に法廷で裁判官との討論の機会を設けるべきではないか。
馬鹿げた判断をいきなり判決文に書く前に、自分の判断がまともかどうか検討する機会が必要ではあるまいか。真実は対話によってしかえられない。

今日は、東洋町長松延が野根漁協へ不正融資1000万円をした第1回控訴審の始まりだった。手続きが不正であり違法な公金ではないかと判断しながら、支出先の事情をよく知らなかったという被告は宥恕されるというでたらめな第1審判決だ。

6月3日の高松高等裁判所での控訴審は、東洋町河内の宮田歯科医院の極度に安い土地の賃貸事件であり、私が町長の時、街中の数百坪の土地を1ヶ月30円ほどの賃料では違法だからという事を話し、土地売買交渉をし、相手も購入する意思を表明していた問題である。

第1審高知地裁の裁判途中で、松延町長は、その歯科医院の建物が建っている敷地の売却をやった。しかし、この土地は契約も何もない永年来の不法占拠の土地で裁判をやっている当該土地の隣地であった。あろうことか隣地を売却してその売った面積を本件土地から差し引いたのである。固定資産税の半額程度の賃料で公有地を貸してもいいというのであれば、町民はまともに固定資産税を払う必要はないだろう。

私のホテルは、年間数百万円の固定資産税を払っている。毎日1万円近い税金を払っているのである。おそらく東洋町はもとより、室戸方面でもこれだけの税金を払っている施設は滅多にあるまい。億単位の実収入のある歯科医が、その診療所兼住居の土地の賃料が年間僅々350円なのだ。

それでも裁判官は違法性はないと言って私の主張を棄却した。私が夜中に居眠りをしながら書いた控訴理由書を読んでもらいたい。


平成26年(行コ第11号)
控訴人 澤山保太郎
被控訴人 東洋町長 松延宏幸
           控訴理由書
                      平成26年5月2日
高松高等裁判所
               高知県安芸郡東洋町大字河内1081番1
                 控訴人 澤山保太郎
一、事案の大要と控訴の趣旨
控訴人は、高知県東洋町の前町長であったが、在任中、東洋町の公有地である本件土地の長年にわたる賃貸について疑義があり、平成21年より借主の歯科医宮田氏と土地の売買交渉を始めていたところ、歯科医宮田氏側もこれに応じ、隣接する土地までも含め購入するという返答があり売買交渉を続行中、新町長の被控訴人に替わった。町長職引き継ぎ書で、売買の遂行を依頼したが、被控訴人はこの交渉を2年間近く途絶してきた。そこで控訴人は、住民監査請求に及び、これが棄却されたので訴訟に至ったものである。
控訴人の監査請求について監査委員は損害賠償の請求を棄却したが、控訴人の指摘した趣旨は認め、被控訴人に対し本件土地の売買を促す意見を被控訴人に提起した。すなわち、
「当該土地について、土地貸付契約から現在まですでに21年間継続されているが、医療政策の目的も達成され、歯科医として軌道に乗っていると推測される。平成21年度から当該土地について宮田喜博氏は当該土地の購入を弁護士を通じて東洋町長と交渉している経緯もあるので、占用させるのであれば上記の理由による購入に向けて交渉し、売買の締結に努力して頂きたい。・・・・」
しかし、被控訴人は監査委員のこの実質的な勧告に一顧だにもしなかった。
そこで控訴人は損害賠償請求の本件訴訟を起こしたが、原判決は、被控訴人の意見を全面的に入れて、控訴人の訴えを全的に退ける判断をした。原判決は、
① 長年にわたって公有地をその固定資産税よりもはるかに少ない額、ただ同然(宅地1坪月額30円)で一企業に貸したままでいいのか、とか、②町にとって有利となる売買交渉で相手側が購入する意思表示までしている物件について町長職事務引継ぎまでしているのにこれを放擲していいのか。③また、本件土地(東洋町字河内151-1)ではない隣接地(同字150-2)を売却して、それを本件土地の面積から除する仕法が許されるのか、等々の争点を一つも真摯に検討しなかった。よって控訴人は新しい書証も添えて、控訴審で、原判決の以下の重大な誤りについて審議をやり直して糺していただくことを願うものである。

二、原判決の誤りの要点1

1、 原判決は、本件土地の賃貸においてその賃貸料が不当に低額であるとは言えない、 
 という。その判断の論旨は以下のとおりである。
a)「適正な対価」とは、当該賃貸借における具体的な諸事情及び当該財産を貸しつける 
 場合の市場価格を考慮し、相手方に不当な利益を生ぜしめないような客観的公正な対価 
 として評価される額をいうと解される。」 
b)本件土地周辺の土地を1坪当たり6万円相当で売却したことがあること」
 「本件土地の平成24年度固定資産評価額は、1坪当たり4万0771円であると認  
 められる。」
 しかし、これらは売買における価格であって、「賃貸借における市場価格を算定する的確な資料と言うことはできない。これらの金額を参考にしても、本件土地の賃貸借に係る市場価格を算定することができないから、1坪350円という賃料が、本件土地の賃貸 
 借に客観的公正な対価よりも低額であるとは認められない。」という。

c)他方、証拠(甲15の6、乙6)によれば、・・・東洋町の賃借地の賃料は、1㎡当たり350円(1坪当たり1155円)で津波避難高台用地として東洋町が借りている物件、1㎡当たり115円(1坪当たり379.5円)で東洋町が貸している物件が1 
 件ずつあるのを除けば、1坪当たり350円が3件(本件土地を含む)あるものが上
 限と認められることなども考慮すると、1坪350円という賃料が、本件土地の客観的 
 公正な対価よりも低額ではないことをうかがわせる。」という。
d) 原判決は、c)で、乙6号証などをもとにして1坪350円の賃料が「客観的公正な対価よりも低額ではないことをうかがわせる」と判断したが、又、次のようにも言う。

「なお、原告は、土地の所在や用途によって賃料は異なり、公民館の敷地など公共性を有する賃貸借が含まれているため、賃料しかわからない乙6号証では、個人が営業の用に供する本件賃貸借と比較することはできないと指摘する。土地の所在や用途が賃料を決める際の重要な要素であることは上記のとおりであるが、そうだとしても、これらが判明したところで、本件土地の客観的公正な対価を認定することは困難であることに変わりがない。」という。

2、控訴人の反論

 a)について
 その認識は確かにその通りであろう。a)原判決の文章中の3つの要件(具体的な諸事情、市場価格、不当利益)は、すなわち具体的な諸事情とは、宮田歯科医院が東洋町の求めに応じて来町したという何の根拠もない話を信じた事であり、また賃貸借の市場価格は「本件土地の賃貸借における市場価格を一義的に算定することはできない。」から、わからない、したがって不当利益については全く分からないということであろう。
 招聘されたということ以外にはわからないから、「本件土地の客観的公正な対価よりも低額ではない。」ということになるという。「客観的公正な対価」すなわち市場価格について何も分からないのに、どうして「低額ではない」という結論が出てくるのか理解に苦しむ。

 また、仮に原判決が言うように宮田歯科医院が東洋町の招へいにより来町したとしても、
 それだけで何の手続きもしないで固定資産税額よりも低額な賃料の恩恵を受ける資格が出来るのであろうか。

  b)では、本件土地の周辺土地の売買の実際の市場価格や固定資産評価額は賃貸借の
 市場価格には関係ないというが、公有財産規則を定めている市町村では、固定資産評価 
 額など売買における土地の評価額を目安にして普通財産の賃貸料を決めている。
 通常は固定資産税はこの固定資産評価額の1.4%を乗じた金額であるが、それよりも低い率で賃貸するには、特別な条件をクリアするか又は議会の議決が必要である。
 土地の賃貸料は一般的に少なくとも固定資産税未満の賃料とするところはないと考えら れる。例えば熊取町の規則では、普通財産の賃貸料は、固定資産評価額の5.8%と定
 められているし、高知県庁では、4%をかけることになっている。
 多くの自治体の条例(「財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関する条例」)では、「時価よりも低い価額で貸し付ける」場合は、国や他の地方公共団体か、又は災害被災者などに限られている。
 本件の場合、原審での被控訴人準備書面(1)では、本件土地の平成24年度固定資産 
 評価額は坪当たり4万0771円(原判決7頁下段)ということであるから、本件土地
 240.25坪の評価額は979万5232円となる。税率1.4%をかけると税額は 
 13万7133円である。本件土地の賃貸料が年間8万4087円であったという事実 は、賃貸料が固定資産評価額よりもはるかに少なく、税額より甚だしく乖離していることになる。普通市街地で土地の時価や市場価格というものが、その土地の固定資産税よりも低いということは絶対的にあり得ない。被告は税務課長を長く務めていたから、時価がわからなくても本件土地の評価額はわかっていた。
 地方財政法第7条の規定を見るまでもなく、地方公共団体の財産は、その経済的価値を 
 最大限に発揮させなければならないが、特段の手続きもしないで民間企業に、固定資産 税未満で公有地を賃貸することは到底許されない。土地を買わずに、あるいは民間から土地を借りずに、役場から土地を借りたままの方がはるかに得である、という不当利得の観念が当事者になかったと言えばウソとなるだろう。これくらいの不当利得観念が、被控訴人には分からずとも裁判所がわからないはずはない。
 c)について言えば、原判決の判断は支離滅裂というべきだ。原判決が判断の材料とし
 て挙げた5件のうち、最高額は1坪1155円の1件でその次は1坪379.5円の1 
 件、最低額は本件土地を含む3件の1坪350円であるとしているが、額の高い2件は
 除外して350円の3件が「上限と認められる」というのである。最低額が最高額より も「上限」となるというのはどういうことなのか全く理解できない。このような倒錯し
 た判断から「1坪350円という賃料が本件土地の客観的公正な対価よりも低額ではな いことをうかがわせる。」という判断を導いた。はなはだしく不当な判決というべきだ。
 乙6号証をつぶさに見ると平成25年2月1日現在の「東洋町賃貸借地一覧表」の24件中、「上限」だとされた本件土地の賃料よりも額が大きいのは3件がある。

①6件目に掲示された白浜地区の土地は、津波避難高台の用地を東洋町が地主から借りたもので坪1155円である。

②7件目に掲示された土地は坪379.5円

③23件目に掲示された土地は坪382円である。

 さらに、乙第5号証の平成5年3月31日の一覧表を見ると
 13件中、本件土地を超える物件は3件あり、10件目が最高額で宮田歯科の別件の借地(建物の床面積)が坪1000円、その次が14件目に掲示されている土地が坪990円、その次が5件目の坪379.5円となっている。

 東洋町の決算書を見ると、その役場庁舎の前で民間の診療所から土地を借りて駐車場を
 町が経営しているが、その面積は1739㎡で賃料として年に51万円を払っている。
 坪単価967円である。東洋町立甲浦小学校の校庭も民間から1000坪ほど借用して 毎年58万余円払っているが、これも坪単価は577円である。
 原判決の年に坪350円が「上限」だなどということはとんでもない判断である。

 d)について
 原判決は、公有地であるにもかかわらず、土地の所在や用途、借主さえも墨塗り(ブラ ックアウト)にされた乙6号証の東洋町の賃貸物件の資料に基づいて、c)で見る通り 「本件土地の客観的公正な対価より低額ではない」という判断をした。
 原判決は、墨塗りのないまともな開示文書でも認定が困難だというのに、墨塗りのある 
 誰が何の目的で借りたか、それはどこの地域の土地かまるで分らない資料と比較してど うして本件土地の賃料が「低額」でないかどうか判断できたのであろうか。
原判決は、賃料が公正であるかどうか「認定することが困難」であるともいうが、その「困難」を乗り越えてどうして原判決を下すことができたのか、説明することの方が困難  
であろう。原判決の論旨は筋が通っていない。
 乙6号証に載っている物件は、東洋町が神社や公民館、防火施設、戦没者の慰霊塔、老人運動場などの用途で住民にただ同然で貸しているものであるが、本来それらの土地は、戦前以前から受け継いだもので元々地域住民のものであって、町政や村政を布くにあたって公有地名義に切り替えたものと推測されるものである。
 土地の番地や用途が開示されるならそれらの土地が個人企業の営業用の本件賃借地とは 
 全く性質が違うということが即座に分かるものだ。乙6号証について控訴人が原審段 階で原本の文書提出命令の申し出をしたが原審裁判官はこれをにべもなく却下した。
 ブラックアウトのない原本の開示では、本件土地の賃料の正当性の認定の妨げになった 
 という事であろう。

三、原判決誤りの要点2(適正な価格より低額)

1、 原判決は、「本件で問題になっているのは、本件賃貸借を締結したことの当否ではな く、これを継続してきた当否である。」と決めつけ、「本件賃貸借を継続したことが違法 とは認めない」理由を2点挙げる。

a)「本件土地の賃貸借の賃料が、本件土地の適正な価格よりも低額であるとは認められな   い」

b)「仮に、本件賃貸借の賃料が適正な対価より低額に至ったとしても、既に合意している 賃料につき増額改定のための措置をとらないことが、違法に財産の管理を怠る事実に当 たると言えるためには、本件賃貸借に借地借家法の適用があることも考慮すると、賃貸
 借契約の締結経過、その後の諸事情、土地使用計画の具体化の程度、適正な対価と現実
 の賃料との乖離の程度やその期間の諸事情を勘案した上で、増額のための協議申入れ等
 の措置を取らないことが、法237条2項の趣旨に照らして社会通念上看過し得ない程
 度に不合理なものとなっていることを要すると解すべきである。」という。

 ァ)、宮田歯科は「東洋町の求めに応じて、これを開業したという経緯」

 ィ)、東洋町は「宮田に対し、本件土地の一部を売却し」たこと、
を挙げて、「・・・社会通念上看過しえない程度に不合理なものになっているということ  はできない。」と判断した。
 
c) また、地方自治法159条について「・・・引き継ぎをした事務をその後継続するか否かは、新たに住民によって選出された町長が決することができるというべきであり、引き継ぎをした事務を継続する義務まで負わせる規定ではない。」という。

2、控訴人の反論

 原判決の、本件賃貸借の締結ではなくその継続の当否が問題になっているという解釈
 はその通りであるが、しかし、本件は「契約の中途」で低額に至った場合の話ではない。平成4年当時締結した契約の内容、賃料がただ同然であったというのは初めからであり、途中からではない。平成4年から現在まで多田に等しい賃料の本件土地賃貸借の契約を継続している事実を問題にしている。

a)について

本件賃貸借の賃料が、既に述べたように固定資産評価額より甚だしく低額である、ということは誰が考えても「適正な価格」ではないということであり、原判決もその事実は7頁で本件土地の固定資産評価額4万0771円であることを認識しており容易に把握できたことである。

地方公共団体の所有する普通財産は私人が自分の財産を利用し運用するのと同じ感覚で管理しなければならないのであり、税金よりも安い賃料で賃貸契約を結ぶなどということは、社会通念上あり得ないことである。地方自治法の常識的解釈では、
「普通財産は、直接特定の行政目的のために供されるものではなく、一般私人と同等の立場でこれを保持し、その管理処分から生じた収益をもって普通地方公共団体の財源に充てることを主目的とする財産である。」(「逐条地方自治法」長野士郎著 第12次改定新版 826頁)と解説されている。これが社会通念である。

b)について

 原判決は、本件土地が借家借地法の適用があるという。しかし後で詳述するように東洋 町が宮田歯科に貸し付けた本件土地には借家借地法の適用はあり得ない。なぜなら、航
 空写真や切図から判断して、本件土地の上には宮田歯科の建物は建っていない。
 建物の建っていない借地には借家借地法は適用されない。

 また、賃貸借契約の締結経過について原判決は、東洋町の求めに応じて宮田歯科が入っ
 てきたというが、東洋町が求めたという事実については何の証拠もない。
 むしろその賃貸契約の期間の設定(1年ごとの契約)からみて、東洋町にこれまであっ た歯科医が居なくなったことを奇貨として、宮田歯科の方が東洋町に入り込んできたと
 推測できる。最初の契約では期間は3年であるが、使用されなくなった旧役場庁舎しか
 与えず、その内装費用なども全て宮田歯科の負担にしていることを見ればとても誘致を
 したというような丁重な構えはうかがえない。

c)について

 本件土地の売買交渉は平成23年4月の町長の引き継ぎ書に明記された事業であった。
 しかし、被控訴人は、これを控訴人が指摘するまで放置して何もしなかった。
 宮田歯科側の代理人とのやり取りの公文書でさえ、開示請求に対して「存在しない」と 解答してきたほどである。(甲第8号証の1)
 例えば何かの工事が進捗中に首長が替わって事務の引き継ぎが行われた場合、この工事 について新たな首長が関与せず放置するということが許されるであろうか。
 この場合の「事務引継ぎ」というのは行政全般の施策の実施の続行という意味であって 書類の引継などの事務ではない。地方自治法159条の事務の引き継ぎ義務は、絶対的 な義務であって、引き継いだ事務を後継者がどう扱ってもよいという趣旨のものではな い。審議途中の裁判で裁判長が替わったからと言って新裁判長がその裁判を引き続き審
議しなくても構わないというのと同じであろう。

 行政事務というものは継続性があり、議会での審議ののち政策変更による以外には、適法に進行中の事務を止めることは許されない。相手が売買に応じていて、他に利用する計画もない普通財産についての処分の事務引き継ぎをしていながら、これを放置し、固定資産税以下の賃料で貸し続けるという事の非は懲罰に値するであろう。
 これを怠ることには罰則規定(地方自治法施行令第131条)まで用意されている。
 後述するように、宮田歯科は、借地契約にある本件土地上に建物を建てず、隣地の河内 
 150番地2の上に不法に住居兼医院を建設して営業し続けて来たものであって、これ 
 を是正する事務は一刻もなおざりにはできないことであった。
四、原判決誤りの要点3(宮田歯科医院の建っている土地の地番)

1、 原判決は2頁目で、

「東洋町は、平成4年12月22日、宮田に対し、町有地である東洋町河内字小池151番地1の土地(794.22㎡(240.25坪)。本件土地)を歯科診療所と住居の用に供するため、同日から平成5年3月31日まで、賃料年8万4087円(1坪当たり
350円)で賃貸した(本件賃貸借)。」という。

2、控訴人の反論

確かに契約書にはそう書いてあって間違いないが、しかし、実際には宮田氏はその診療 
 所兼住居を契約された地番ではなく、隣接する東洋町河内字小池150番地2の町有地上に建てていた。その事実について、控訴人は原審段階の準備書面(6)で「売却された宮田医院の建物の敷地の大半は150番2の土地の上にあると考えられる。」と指摘
 した。又この事実についてろくに審議もせず裁判を終結させた一審裁判所に対して、平 成25年12月27日に弁論再開の申し立てをしたが、見向きもされなかった。
 今回証拠として提出した本件土地(151番地1)とその隣接地(150番地2)の航 空写真と住宅地図及び字小池地区の切図を見れば、宮田歯科医院が150-2に接する 150番地7(松島氏)及び150番地8(坂井氏)の家と並列して旧150番地内に 建っていることがわかる。
 もともと150番地も151番地も戦後もしばらくの間まで水田であったが、昭和35
 年前後から分筆されて売買され、宅地化して地目変更がなされた。
 東洋町は昭和35年11月に151番地1を、次いで昭和36年1月に150番地2の 土地を購入した。前者の面積は、1198.73㎡であり、後者は1132.77㎡で ほぼ同じ面積と言える。150番地2は151番地1の南側に位置し、その南は北東から南西方向に細長く通路空き地に灌木が植わっており、150番地6の前田氏の屋敷と接している。151番地1の北側は溝があり細い町道に接している。
 東洋町(旧甲浦町)の旧庁舎は、151番地1と150番地2の両方の土地にまたがっ 
 てその北東の地に建てられ、さらに空地を隔てて両地番にまたがって細長く北東隅に小 池地区老人いこいの家が建っていた。
 宮田歯科医院の建物は、150番地8の坂井氏の屋敷の北東に建てられていて、北側の151番地1の土地にはギリギリの線で接し150番地2の土地内に留まっている事は明瞭に見て取れる。 切図や航空写真等でこれを図示すれば次のようになる。

①これは契約違反であり完全に不法行為であって、分かった時点で直ちに適切な措置が講ぜられねばならない事態であったから、控訴人は町長時代にこの問題を処理しようとしたのである。

②被控訴人は、本件裁判が始まってから、この150番地2に建っている建物の土地の売買を宮田歯科医院と行ったが、それは本件土地(151番地1)と無関係であり、本件土地の面積から引き算を行ってこれを除するのは筋違いである。

③契約した土地外の公有地に建造物を構築した事実については、宮田歯科は建物の登記をする際151番地1と150番地2の両番地上に建てたようにしていた。契約違反行為をしているという自覚があったものと考える。(甲第13号証)

④原審で被控訴人は、乙第3号(「財産に関する調書」)について次のように証拠説明をした。「調書の所在欄には「東洋町河内字小池151-1の一部」の記載しかないが、「東洋町河内字小池150-2の一部」も含まれている。」という。
しかし、実際の証拠の「財産に関する調書」には、151-1についての記載だけで、150-2の一部をも含むなどと解釈できる余地は全然ない。
 このような取ってひっつけたような証拠説明で宮田歯科の不法な公有地占拠の事実をごまかすことはできない。
 逆に乙第3号証から疑われるのは150番地2の土地は、普通財産に変更されていない、ということである。行政財産のままであれば、賃貸したり売買することは原則としては許されていない。

⑤苦しい証拠説明の上で被控訴人は、宮田歯科医院の敷地の売買において、151番地1の一部と150番地2の一部を購入したとした。しかしその際、それぞれの番地の土地の面積については明らかにすることはできなかった。実際は151番地1の土地は全く含まれていず、ごまかしをやっているからである。控訴人の数度にわたる準備書面での指摘にもかかわらず原審はこの点についての審議を避けて結審したことは、極めて不当なことである。
 したがって原審は、本件土地について重大な事実の誤認の上で、しかもその誤認を知っ
た上で、判決文を作ったと断定されても仕方がないであろう。
五、原判決誤りの要点4(監査請求の対象外か)

 1、原判決は最後に次のように言う。

 「なお、原告は、東洋町の本件土地の一部を売却した代金も低額であると主張する点が
あるが、この売却した代金の当否については、住民監査請求の対象となっていないこと
が明らかであるから、その主張は失当である。」

2、控訴人の反論

 控訴人が東洋町監査委員に提起した住民監査請求の段階では確かに「本件土地の一部を売却」という事態は起こっていなかったから、その売却の代金の多寡について言及していないのは当然のことである。しかし、控訴人の監査請求書には、
①「本件土地を破格に安い貸付料(地代)で賃貸しているのは、適正な公有財産の管理とは言えず、地方自治法第237条2項に違反している。」と主張していること
②「可及的速やかに現状を是正し、損害を補てんするなど適切な措置を講ずる必要がある。」と要請していること
   が明記されていて、本件土地について「適正な管理」、「現状を是正」、「損害の補てん」を主張している。貸付を問題にしているのは、現状が余りのも不適正である事例を指摘し、損害額の発生原因を言っているのであって、その是正が貸付料の増額だけを意味するものではない。

③東洋町監査委員も冒頭で引用したように、「占用させるのであれば上記の理由による購入に向けて交渉し、売買の締結に努力して頂きたい。」と勧告した。
実際に売買したのは別の土地(150番地2)であり、本件土地(151番地1)ではない。監査委員の勧告は一つも実行されていない。

普通財産である土地の経済的に適切な管理・処分については、通常は適当な賃料で貸し付けるか、適当なる価格で売却するか、あるいは有利とみて他の土地と交換するかであろう。
  もし、売却するとしてその価格が周辺地域での市場価格から乖離して低額の場合は、「適正な管理」とは言えないし、「現状の是正」ともならない。

  監査請求の段階で、具体的に、あるいはいくらで売却せよとか、又はいくらいくらの賃料で貸付よとまで記載する必要はないところ、地方自治法第237条2の規定に基づいて現状の是正とか適正な管理を請求する以上は、そうでない処置の結果について異議を申し立てるのは監査請求やそれに続く住民訴訟の守備の範囲である。
 被控訴人が本件裁判が提起されて間もなく宮田医院の建物の敷地部分を売り渡したのは、まさに本件監査請求を受けた前述の監査委員の実質上の勧告に従おうとした結果だったのである。

 その措置に不服があれば、訴訟を提起できるというのが地方自治法の住民訴訟制度のもともとの趣旨である。
  従って原判決の監査請求前置についての判断こそ失当であり、如上のとおり本件土地(151番地1)については、公正な管理が何もなされておらず、本件土地とは別口 の公有地を売却したからと言っても本件土地の処分にはならないし、依然として固定資産税以下の賃料で貸与している等の問題は残ったままである。
 言うまでもなく控訴人が被控訴人の土地の売却について反論するのは、150番地2の土地のことではなく、あくまでも151番地1の土地(宮田医院の庭及び顧客用駐車場)の一部の売買代金として低額であると批判するのである。実際の宮田歯科医院の建物は150番地2の土地上にあり、この土地の不法占拠及び最近の売買については別個の住民監査請求が必要である。

平成26年行コ第11号 損害賠償請求事件
控訴人 澤山保太郎
被控訴人 東洋町長松延宏幸

高松高等裁判所 殿
    控訴人準備書面1(証拠説明書)
                       平成26年5月8日
                       控訴人澤山保太郎  

控訴人は新たな提出証拠について以下のとおり説明を行う。
甲第15号証 写し
 標目:東洋町職員措置請求書(住民監査請求書)
   作成期日:平成24年12月21日
   作成者:控訴人

      立証趣旨

 原判決で被控訴人が原審裁判中に売却した本件土地の隣地(東洋町河内150番地2)の「売却した土地の当否については、住民監査請求の対象となっていないことがあきらかであるから、その主張は失当である。」と判示したが、原審ではこの住民監査請求書は書証として提出していない。

しかし、被控訴人が本件土地の一部を売却したと主張し、本件土地の面積から売却した土地の面積を除する以上は、本件監査請求及びそれに係る住民訴訟の対象となる。
売却した土地がたとえ本件土地の一部であっても、法令に悖るような処分は、本件住民訴訟の対象となり得る。

控訴理由書本文のとおり、本件の監査請求書では、「適切な公有財産の管理」を請求していて適切でない管理の仕法は、本件訴訟上の争点となる。

甲第16号証 写し
標目:高知県公有財産(不動産)貸付料取扱基準
   作成期日:平成25年4月1日
   作成者:高知県

甲第17号証 写し
 標目:大阪府熊取町公有財産規則  
   作成期日:平成14年3月29日
   作成者:熊取町

    立証趣旨

 原判決は、「固定資産評価額も、本件土地の売買における市場価格の算定資料となるが、賃貸借における市場価格を算定する的確な資料ということはできない。」と判示した。
しかし、この甲第16号証及び17号証に見る通り、通常地方公共団体の普通財産の貸付料金は、「公有財産台帳価格」など時価を基準にしてその何パーセントか(高知県は4%、熊取町は5.6%)を乗じて計算する。しかし、その率は決して固定資産税率(1.4%程度)を下回ることはない。市町村の固定資産評価額は不動産鑑定士が関与して決定しこれをもとにして課税額を決めている。地方自治体はどこでも固定資産評価額を土地売買の「市場価格」と考え、これに基づき普通財産の賃貸料を決定するのである。
原判決が言うように売買の市場価格と賃貸料とは関係がないという判断は、全く実際の常識とは乖離している。

甲第18号証 写し
標目:室戸市有財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例
   作成期日:昭和39年5月1日
   作成者:室戸市

   立証趣旨

第4条に普通財産を時価よりも低額で貸し付ける場合について規定している。
国や地方公共団体、公共団体、農協など公共的団体に普通財産を貸し付ける場合か、災害被災者に限定されている。甲第16号証でも県有地普通財産の貸付で減免する場合の基準が定められているが、その対象団体は同じく限定されている。
この室戸市の条例は多くの市町村が制定しているが、東洋町の例規集には入っていない。

甲第19号証 写し
標目:字小池の切図
   作成期日:不明
   作成者:法務局(東洋町役場が控訴人に開示したもの)

甲第20号証 写し
 標目:本件土地周辺の航空写真
   作成者:不明(インターネットGoogle マップより)  
   作成期日: 平成22年前後の実像と考えられる。

甲第21号証 写し   
 標目:住宅地図
   作成期日:2003年12月
   作成者:㈱ゼンリン社
   立証趣旨

甲第20号証の航空写真、第21号証の住宅地図(ゼンリン社作成)と甲第19号証の切図を照合すると宮田歯科医院の住居兼診療所の建物の位置は、東洋町河内151番地1の本件土地上ではなく、150番地2の上にあることがわかる。
原審準備書面(1)で被控訴人は、本件土地の一部を売却したとし、同準備書面(3)で本件土地の面積(地籍調査により764.22㎡)から売却した面積232.2552875㎡を差し引いた。しかし、売却した土地は本件土地ではなく、隣接する150番地2の土地である。

甲第22号証 写し

 標目:建物賃貸借契約書
   作成期日:平成元年4月1日
   作成者:東洋町
   立証趣旨

乙第5号証の「東洋町賃貸借地一覧」の10件目に掲示された物件(「東洋歯科クリニック建物賃貸料」)の賃貸契約書。
この建物は、平成34年に野根町と甲浦町が東洋町として合併する前の旧甲浦町役場庁舎である。木造平屋で簡素なものであった。契約当時では相当古くなっていて家屋としてはほとんど価値がなく、取り壊しの対象に近かったと思われる。

原判決及び被控訴人は、歯科医宮田氏を招へいしたというが、その証拠はない。

この契約書を見ると、床面積坪1000円が徴収され、その金額は乙5号証や6号証の賃貸物件中で最高額であり、又建物の改装費用や修繕保存工事も宮田氏の負担とされている。
第12条では、「当該建物を売却又は取壊し」もするかもしれないという記載があり、その場合「通知」だけで宮田歯科に配慮している様子はない。

宮田氏が招かれたという状況はうかがわれない。
 

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