大飯原発運転差し止め
News & Letters/361
福島原発事故があったとはいえ、福井の住民たちがストレートに原発運転差し止め裁判で勝利した意義は大きい。玄海原発裁判など全国の反原発裁判へ波及することは間違いない。
争点は地震と冷却装置の問題であり、電力側の根拠なき安全主張に鉄槌が下った感じだ。判決文の詳細は分からないが、通常の頭の持ち主であれば、いわば火山列島の燃え盛る日本の地上で厖大かつ極めて微妙な装置を事故なしで運転することなど到底不可能なことであり、その装置が地上最悪の猛火・猛毒である放射性物質―核燃料を操る装置なのだから、このままでは福島規模の事故が連発しかねない、これくらいのことは判るであろう。
問題は、分かっていることをストレートに判決文に反映させることができるかどうかであった。国民の原発に対する意識は大きく変わった。点々とした地域的な反対意識で、しかも一部のインテリ学者が携わる運動ではなく、反原発、脱原発は国民運動、国民世論となった。
今や裁判官も福島の断末魔的事故を前にし世の中の動きをみて、電力会社や裁判所内の官僚組織におもねることはできないと判断したのであろう。
この裁判の勝利が日本だけでなくアジア―朝鮮半島や中国などへ波及していかねばならない。韓国の客船は多くの犠牲者を出しながら痛ましい海難事故として終息に向かっている。
だが、終息どころか永続的に被害が拡大している福島原発事故を抱え、しかも第2第3の福島の恐怖を抱えた日本列島で、われわれのなすべきことは、一つ一つその火種をつぶしていくしかない。日本列島は外部から波浪などの衝撃ではなく、内部からの火災で沈没しかかっているのである。
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