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2013年11月29日 (金)

核廃棄物の処分政策の転換

News & Letters/383


小泉純一郎元総理の脱原発論は、使用済み核燃料の処理の困難性に気が付いたということのようだ。フィンランドのオルキルオト島のオンカロという核廃棄物埋蔵施設を見学して、日本ではそれが不可能ではないかと思いいたったということである。

脱原発を叫び出した彼の真の意図が奈辺にあるか分からないが、これは極めて重大な指摘であることは間違いない。原発を廃止しなければならない理由は次の点である。

①チェルノブイリや福島のような過酷事故の必然的勃発。その地域のみならず全世界的な放射能汚染が広がる。

②発電のコストが高い。政府が巨額の税金を投入しなければ他の発電と伍することはできない。アメリカなどで原発が急速に衰退したのはこのコストの故である。

③使用済み核燃料の安全な処分が出来ないということ。
 世界中どこにも核廃棄物を安全に数十万年もの長期間隔離的に管理するところはない。使用済み核燃料を置いてあるところは、原子炉よりも危険な状況にある。

④原発を立地させる上でゆがんだ政治的社会的状況が形成される。

 金権腐敗の政治が生まれ、健全な産業構造が破壊され、差別が助長され、社会不安が続く。

小泉は③に食いついたのである。原発の稼働が安全かどうかなどの議論よりもはるかに簡単に、原発否定の結論に達する。

市町村の自主的な挙手による処分場の選定・開発という方式は東洋町でとん挫した。
それで、ついに、国が上から処分場を選定して市町村に受け入れさせるという強権方式に転換した。予想されていたことが始まったのである。

おそらく成田空港開設の三里塚方式であろう。
しかし、押しつけられた地域の市町村民が、黙って従うということになならない。
ふるさとを核のごみ捨て場にされることを認める国民は誰もいない。
そして、反原発の国民的運動、意識の高まりは、一地域の犠牲を黙って傍観することにはならないだろう。強権の発動はかえって反原発、脱原発の世論を激発しそれを優勢にし、権力を揺るがすであろう。

高レベル放射性廃棄物など核廃棄物の処分が国民に受け入れられる最低の条件は、
全ての原発の稼働をやめこれ以上の廃棄物を生産しないことである。
そうして初めて国民は真剣に核廃棄物の処分、その受け入れについて考え始めることになる。今、国民は事故発生中や稼働中または稼働しようとしている原発の脅威にさらされていて、廃棄物どころではないという感じなのである。

いずれにしても、核廃棄物処分場選定について、自民党らが牛耳る国が上から選定するという強権体制に入ったということは、みずからを政治的廃棄物として墓穴にいれる、その穴を自ら掘る体制に入ったということでもある。

核廃棄物の処分場設営で強権発動して選定した国はどこにもない。

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