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2013年10月 1日 (火)

釣魚台について

News & Letters/373

釣魚台(尖閣諸島)については既に述べた。この一群の島々は歴史的由来からして中国領土である。このことは、現代史の大家故井上清氏の詳しい論考(「釣魚諸島の史的解明」)によって明らかである。

革共同中核派その立場をとって、釣魚台を中国から略奪しようとする自民党政府を糾弾してきた。1972年7月発行の「破防法研究」第16号には井上清氏のその論文をそのまま掲載した。

だが、革共同関西派の理論機関誌「展望」第12号(2013年4月)の論文(現代における「国家と革命」のために)のなかで、その立場を放棄し、釣魚台に対する領有権については「日本にはもちろん、中国にも(清国の継承国家との主張に基づくかぎり)ない。」というにいたった。釣魚台は中国領土ではないというのである。

その論拠は明確ではないが、
①「近代以前の歴史的根拠を挙げることも、自然や地形を根拠とする主張も、国家や主権の理由とはならない。」という。

そして②「だれがどのような形でそこに生活の根拠をおいているかから論ずるべき」だという台湾人留学生の意見に賛同し、

③釣魚台周辺の海域で漁をして暮らす台湾、沖縄、中国の漁民が自主的に協定を結ぶのが「現実的解決」だという。
歴史的根拠、地形や自然は領土権の根拠にならない、現在誰がそこで生活しているかで判断するということになれば、先住民を追い出しその地を占拠して相当の年月誰かが生活を営んで去らなければ、今その土地は侵略者のものであって、追い出された先住民は何も発言権もない、ということになる。イスラエルに対してパレスチナ人民はいまさらなにをいうか、ということにもなるであろう。

領有権の主張については地勢と中世から近代にいたる歴史的事情が最も重要である。
釣魚台は第1に、中国側の歴史的資料、第2に琉球(沖縄)側の資料、第3に日本本国側の資料とも、中国領として認識されていた事実がある。

それを日本は日清戦争後に黙って日本領土に編入(略奪)したのである。
ポツダム宣言の受諾によって日本はそれをも失った。
その後、釣魚台が日本に帰属する何らの国際的手続きはされていない。
日本は戦後米軍の不法占拠に便乗して、現在その島々を実効支配しているが、その支配には何らの根拠はない。

今になって釣魚台が日本固有の領土だなどというのは、日本帝国主義の経済的な理由のほかに軍事的な理由があり、さらに憲法を改悪して自衛隊を侵略軍とし、核武装する好材料にこの領土問題を利用しているのである。

釣魚台は中国領であり日本のものではない。先ず、中国(台湾を含む)の領土権を認めたうえで、沖縄県民の漁業権の交渉をするべきだ。

70年代以降、7・7思想を培ってきた革共同が、釣魚台の確然たる歴史的事情を解消し、それが中国領であることを否定する論理は、侵略と排外主義への転落の大きな一歩を進めたということになる。直ちにこの考えを撤回し、正常な認識に立ちかえるべきだ。

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