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2013年10月

2013年10月24日 (木)

利権に埋没する東洋町政への新しい住民訴訟

 News & Letters/376
 東洋町政の担当者らは、法令順守の意味がわからないのか、それとも分かっていて無視しているのか、監査請求ぐらいでは何とも感じないらしい。
地方自治法では、公共施設の管理は、それぞれの地方自治体が条例を制定して管理せよとなっている。それで東洋町もその管理条例を制定している。
しかし、現在の東洋町政は、条例の規定に従わず、何か別の法令に基づいてやっていいというのである。それなら何も条例を作る必要もないではないか。あきれてものがいえない。
訴   状
             高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1         
           原告 澤山 保太郎
          高知県安芸郡東洋町大字生見758番地3      
                被告 東洋町長 松延 宏幸
  損害賠償請求事件 
 訴訟物の価額 160万円
貼用印紙額  1万3000円
   【請求の趣旨】
1、被告は、町長松延宏幸、副町長大坂哲也、総務課長光本速雄に対して150万円の支払いを求める請求をせよ。
2、被告は、本年10月以降の株式会社東洋開発への委託契約料の支払いをしてはならない。
3、訴訟費用は被告が負担する。
との判決を求める。
【第1、当事者】
1、原告は、東洋町の住民であって、本件について平成25年8月2日に東洋町監査委員 会に住民監査請求をし、平成25年9月26日にその請求が棄却された者である。
2.被告東洋町長松延は、平成23年4月に東洋町の町長に就任したもので、本件斎場施設の管理運営について株式会社東洋開発と委託契約をしたものである。
【第2、請求原因】
一、平成25年3月に東洋町斎場についてなされた委託契約は違法であり、その支出を直  
  ちに取りやめることを求める。既に支払われた6カ月分の支出については町長松延宏
  幸、副町長大坂哲也、総務課長光本速雄が賠償するべきである。
二、東洋町斎場は東洋町が設置した公共施設であり、管理上の条例(甲第3号証 本件条例と呼ぶ)が制定されている。
 それによれば、管理業務は、町が行うか、または本件条例第11条によって指定管理
 者に委託して遂行することになっている。
三、しかるに、被告は、本年3月、東洋町条例に拠らず、特定の業者(株式会社東洋開発 代表取締役坂田武行)に随意契約でもって施設の主要な管理業務を委託する旨の契約書(甲第4号証)を締結し、本年4月からこれを実行させている。
四、これは明らかに本件条例違反である。地方自治体の公共施設の管理条例は地方自治法第244条の2の第1項によってその制定が義務付けらており、制定された条例に
   基づいて管理が行われることが義務付けられている。東洋町の斎場施設も例外では ない。
   又、同法同条第3項には、公共施設の管理はその属する地方自治体が管理運営するのであるが、これを指定管理制度に基づき民間企業に委託することもできるとなっ 
   ている。東洋町もこの法令に基づき指定管理制度をも取り入れた条例を制定してい
   る。民間に委託契約をするのであれば、本件条例第11条に規定に基づき、指定管
   理者の手続きを経なければならない。
   しかるに、本件について松延町長らは、地方自治法施行令第167条の2第1項に 
   該当するとして随意契約(甲第5号証)で管理委託契約をしているが、これは、上
   掲地方自治法や町条例に違反している。公共施設の管理の定めは地方自治法(「第1
   0章 公の施設」)にあって、一般請負契約事項(「第9章 財務」)ではない。
   地方自治法の改正によって指定管理制度が法令化される以前においても、公共施設の管理委託は、農協など公共的団体など特別な団体にしか許されていなかった。
   また仮に、旧及び現行の法令がないとしても、広く公募して一般競争入札をすべき
   であり随意契約の理由がない。
五、東洋町斎場の管理委託に関する上記の契約は、条例に違反し無効であり、それによ     る公金支出は違法である。すなわち、地方自治法第232条の3の支出負担行為に関する法令(支出原因になる契約等は法令・予算の定め)に違反しているから、当然支出の差し止め、すでに支出した公金については弁償あるいは返還をさせるなど適切な措置が必要である。
  本件について現在まですでに支出した金額は1ヶ月25万円で4月、5月、6月、7 
  月、8月、9月の6ヶ月分の150万円である。(甲第6号証 支出命令書)
六、なお、本件施設についての委託業者「株式会社東洋開発」は、町会議員で監査委員の会社と同じ住所にあり、役員もその議員の会社の関係者であることが疑われており、 
  その住所地は平成23年町長選のおり、松延現町長が後援会など政治活動の拠点として使用していたところでもあるから、本件委託契約の異常性はそのことに関係がある
  と考えられる。株式会社東洋開発は、本件施設の管理を請け負うためににわかに設立されたものであり、会社としての稼働実績は何もない。
【立証方法】
一、甲第1号証  監査請求書 
二、甲第2号証  監査請求棄却通知書 
三、甲第3号証  東洋町斎場設置及び管理に関する条例 
  四、甲第4号証  委託契約書
  五、甲第5号証  委託業務の施行についての伺い書
  六、甲第6号証  支出命令書
  七、甲第7号証  履歴事項全部証明書(株式会社東洋開発)
    【添付書類】
一、訴状副本 1通
二、甲号各証 各1通
平成25年10月  日
高知県安芸郡東洋町大字河内1081番地1
                   澤山 保太郎
高知地方裁判所 御中

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2013年10月18日 (金)

土佐電鉄問題について

News & Letters/375

私の本職は市民オンブズマンです。いかなる場合でも私が所属する行政へのチェックはやめません。
土佐電鉄の暴力団事件で県議会で採決が行われ、土佐電鉄元会長(会社では、独裁的権限をふるっていた男)の県会議員としての適格性が問われた。採決の結果可決となったがそれでも10人ほどの自民党県議が西岡の擁護に回った。
この中で、土佐電鉄の外部調査報告書が県や県会の認識を左右しているようだが、
彼らはその報告書の中身をよく把握できていないのではないか。

私の本件での住民訴訟での追及が参考になるかもしれないので明日10月18日の公判の準備書面を掲載しておきます。

平成25年(行ウ)第12号 補助金返還請求及び支給差止め請求事件
原告 澤山保太郎
被告 高知県知事
         原告準備書面(1)
                   平成25年9月18日
高知地方裁判所 御中
                   原告 澤山保太郎
原告は以下の通り弁論を準備する。

【第一】被告主張とその矛盾

被告答弁書の基調は、「土佐電鉄」について高知新聞などで報道された本件事件が高知県暴力団排除条例に抵触しているかどうか、これについて未だ「確認できていない」(答弁書5頁等)という1点を理由にして、被告の補助金に係る措置に違法性はないということである。
しかし、もし、事実について未確認であるということであれば、当然違法性の有無についても未確認であるから、「補助金の返還を求める要件事実がないことから、原告の主張は失当である」(答弁書8頁)とか、あるいは「補助金等を受ける資格が無い」とはいえない(答弁書9頁)などとは言えないはずである。
ここは、条例に違反する事実が確認されれば、補助金の返還請求をすることになる、とか、そうであればこれ以上の支給はしない、とかの答弁がなくてはならない。
事実が未確認なのに、あえて違法性が無いというのは、違反事実を確認しようとしまいと、違反はないという強弁であり、それはひっきょう、違反事実を確認しない、という意思表示になっていると考えられる。被告がこのような無責任な恣意を抱懐していると思うからこそ本件提訴が行われたのである。

【第二】新聞報道から確実な事実

本件に係る高知新聞の記事(甲第7号証の1~6)に指摘されている事実は以下のとおりである。特に甲第7号証の1と同号証の6に全て指摘されている。
本件事件は、平成24年5月8日土佐電気鉄道株式会社社長竹本昭和、会長西岡寅八郎が同社の本社で、また、同年5月10日高知会館において会長西岡が、特定の株主との面談の席で起こした。
一、
①土佐電鉄社長の竹本は、元暴力団組長(弘田組元組長弘田武志)の顔写真を誇示し、その「元組長」から「何かあったら、わしの名刺を見せたらえいき」と言われた、と発言した。

②その際、指定暴力団山口組トップの篠田建市、同ナンバー2の高山清司弘道会会長の名前も口に出した。それは、平成19年に元組長が高知へ来た時に「いらんことすなよと侠道会に言うちゃある、高山にも言うちゃある」と言われたという。
さらに元組長が「忍に紹介するきんなあ」と言うたけど亡くなった、と発言した。

以上①②の発言の事実は否定されていないし、名古屋から「元組長」と親しい者を呼んで証人として同席させていたことから、間違いないと考えられる。
また、「元組長」が社長や会長に言った内容

(a)わしの名刺を見せ・・・、
(b)いらんことすなよと侠道会に言うちゃある、高山にも・・・、
(c)忍に紹介する・・・

についても(a)の名刺を実際に社長が持ち、誇示していたことから事実と考えられ、また(b)、(c)については確認のしようが無いが、すくなくとも、(b)については、社長や会長は事実だと信じていた。

③社長竹本は、「僕らは必ずお参りに行きゆう」と言った。
④社長竹本は、2000年代の後半に、「名古屋へあいさつに行った」ことから元組長との交際が始まった、と言ったという。
⑤組長の引退後も、元組長は暴力団の「顧問」みたいなことをしていたので暴力団社会への影響力は「ある」と認識していたという。
⑥土佐電鉄側の話では、特定株主は、6,7年前から土佐電鉄に対し、広告掲載や全日空の株主優待券の提供など「便宜供与」を要求していたという。
  (以上は甲第7号証の1の指摘)
⑦土佐電鉄会長の西岡は、土佐電鉄の会長就任の折には会社の経営がごちゃごちゃしていた、その時元組長から
(d)「やれ」と言われた、と言い、
また、西岡会長が会社を辞めるというた時があったが、その時も「元組長」が
(e)「辞めなよ」と言われたのは事実だ、という。
「元組長」の(d)、(e)の発言は、言われた当事者しかわからず、そのような内容を明らかにすることは本人の不利益であることを承知の上での告白であるから事実であると考えられる。

(d)、(e)の「元組長」の発言は、この間の事実関係の中では最も重大であり、暴力団関係者が、土佐電鉄の最高幹部の人事にまで容喙していた事実を示している。
⑧ さらに、「この会社を分析し、

(f)(土電側が問題視する株主の保有株を)いつでも買う、と言いよら、そのなかにあんたのも入っちょった」などと発言したという。
「土電側が問題視する株主の保有株を」いつでも買う、という「元組長」の発言及び発言があったという事実の挙示は
土佐電鉄が、「問題視する株主」に対処するのに株の委譲を「元暴力団」とその資金を使ってするということを意味している。その委譲の手段は当然普通の株式の売買というものではないであろう。

  (以上は甲第7号証の6の指摘)

二、
上掲①~⑧の事実は、④⑤⑥を除いてすべて YouTube の動画に記録されていて、インターネットで一般に公開されている事実であるから誰も否定できない。
後で示す通り「元組長」は指定暴力団「弘道会」系の暴力団であり引退後も大きな影響力を行使する身分を保持していた。「元組長」と交際すること、その名を使って業務を遂行することは高知県の暴力団排除条例に真っ向から違背する。
特に①及び②、⑦及び⑧の発言は高知県の暴力団排除条例に違反することは自明であろう。上掲①~⑧について順次意見を述べる。

1、①②について
 総会屋だという特定株主がしばしば「便宜供与」を迫ってきた事に対して「やかましいき言うた」という。その「言うた」発言と挙措の内容は、関係する暴力団の力で相手の要求を退けようと意図したものである。その際、暴力団の言葉と暴力団から与えられた顔写真や名刺を使った。暴力団の顔写真はピストルや刃物と同等の威力があろう。株主への応対は会社の業務であり、業務について暴力団の威光を使った。
この行為は、県の条例第18条「事業者はその行う事業に関し、暴力団を利用してはならない。」という規定に反している。しかもその暴力団「元組長」がそのようにせよと勧めていた、と自白しているから、関係もないのにただ虎の威を勝手に借りて暴力団の名をかたったわけではない。「元組長」及びその子分筋と土佐電鉄幹部との間に意思の疎通があったというべきであり、そうでないのに、普通の人間が恐れ多くも暴力団最高幹部の顔写真や名前を使えるはずはない。

2、③について

 「元組長」の墓への毎年の墓参は、死んだ人が力になってくれるわけはないから、「元組長」直系の暴力団とのつながりを保つための行為であり、土佐電鉄幹部の暴力団に対する報恩又は忠誠心の表明行為と考えられる。
報恩とはこれまで会社が世話になったお礼の真心であり、忠誠心とは今もその心を保持するということであって、普通の市民が暴力団の墓参りをするなどということは到底考えられない。暴力団社会では命日や彼岸の日に、死んだ親分の墓参をすることは重要な行事であり、それにより血族的な団結を固くする。忙しいはずの土佐電鉄幹部が遠くまで出張しての墓参は、そのことによる暴力団との精神的紐帯を確かにする行事であった。この墓参は行った本人が告白しているのであるから事実であると考えられる。

3、④について
 「2000年代の後半」というのは、現在まで2000年代は13年しかないので、その後半というのは2007年ごろからと推測され、おそらく竹本の代表取締役社長就任(2007年)のころであろう。高知から名古屋へわざわざ出向いて社長就任の「あいさつ」に行ったものと考えられるが、暴力団への社長就任の「あいさつ」は極めて異例のことであり、暴力団と会社間に特別な関係が無ければありえない話である。
会社を引き続き暴力団の保護下に置くという目的を持った「あいさつ」であると考える。

4、⑤について
「元組長」は暴力団を解散したわけでも、廃業したわけでもない。組織と地盤を子分に委譲して自らは役職を外れフリーの身分になった。商家や農家の隠居と同然で事実上後見役についたのである。決して一族郎党から離脱したのではない。だから、「元組長」が暴力団の「顧問」のような存在だという土佐電鉄の幹部の認識は正しいのである。現在の日本社会で指定暴力団山口組最高幹部に気安く物が言えた人間、その団体の「顧問」だと思われた人間は、そうざらにはいないだろう。というより、現在山口組のNO.1やNO.2から礼遇された人物では「元組長」を超える存在はいなかったと考える。だから、暴力団や右翼、総会屋など会社の弱みに付け込んでくる連中に対する対策として、この「元組長」に頼めば、武装した現役の暴力団の出動(暗々裏の)又はその鎧袖の風にふれるだけでも、誰もが引きさがるであろう。

5、⑥について
果たしてそれに類似した「特定株主」があらわれ執拗に「便宜供与」を迫ったので、
土佐電鉄の最高幹部は、これを撃退するために、自分たちが暴力団の庇護を受けているという事実を誇示した。株主が、「便宜供与」を求めたことが事実であるとすれば、これを毅然として峻拒し、法的措置をとるということができた。そうするのが当然であるが、そうせずに土佐電鉄の最高幹部は暴力団の虎の威を借りた。
何故か。その謎は⑦及び⑧によって相当程度解明できるだろう。

6、⑦及び⑧について
 この記事⑦の内容は深刻であって、もっとも注目すべきである。
   土佐電鉄の会社内で何かもめることがあったとき、西岡会長に対して暴力団幹部がお前が土佐電鉄の経営をやれという趣旨の話があり、それで西岡がやることになった、という。また、その途中で西岡がやめようとした時も、その暴力団幹部は辞めるなと言って西岡を慰留し、西岡はそれに従った、という。これは、土佐電鉄の経営の最高幹部の役職が暴力団の後押しによって就任が左右されていた、少なくとも西岡についてはそうだったという事実が闡明されている。本人が告白しているのであるから疑いの余地はないであろう。

 さらに、⑧では、会社に不都合な株主については、暴力団がその株を買うという手法によって問題を解決するという計略もあったというのである。
株の売買は、持ち主の自由意思のはずであるが、⑧の記事では暴力団が何かの方法で
自由に手に入れることができるような言い方をしている。要するにこれは、株の委譲を
暴力団によって強要させて会社に対する批判的株主を排除するということである。
 
三、ここで、「元組長」のその暴力団との関係について被告や土佐電鉄の社長、会長の認識を糺しておく。

1、「元組長」と交際していた土佐電鉄の社長や会長は、本件が明らかになった今「元組長」が暴力団から「引退」し、暴力団と関係が無いかの如く言っている。
しかし実際には上掲②⑤のように広域暴力団に大きな影響力があることも認めていた。
だからこそ、その名前や写真を水戸黄門の印籠のように特定株主に誇示したわけである。
 「元組長」はその死亡するまで暴力団であった。確かに彼は昭和59年に現役の組長か
らは引退したが、決して組を解散したわけでも暴力団を廃業したものでもなかった。
「元組長」は、早くから山口組傘下で中京地区で勢力を拡大し武闘派で鳴らした。昭和3
8年ごろ「弘田組」を結成していた。

昭和59年に彼は家督を子分に譲った。その子分らは「弘道会」を名乗り、それは今や
山口組の主流となった。「元組長」はその組織に出入りし、大きなイベントの折には上席
に座っていた、平成21年に死亡したときも、山口組最高幹部が出席する山口組準組葬
が営まれた、と言われる。
暴力団における「引退」とは、親族や子分などに地盤や権限を譲り重い役職から自由な
身分になったということであり、決してその一家から離脱し、やくざ社会から足を洗っ
て堅気になったというものではない。

それは農家や商家の隠居と同類であり、家督や名跡を相続した者から一定の敬意を払わ
れ比較的自由なその存在が許される、という身分である。指揮命令系統からははずれる
が、相続した者の親(分)であることには変わりはなく、一家の一大事には上座に座っ
て相続者の正当性を担保し、威厳を示してその意向はむげに無視されえない。
子分に地盤を譲り渡し、その組織のイベントで上席に据えられ、その組織の防護の中に
い、日本最大の広域暴力団の最高幹部に厚い礼遇を受ける者が、どうしてその組織と無
縁であると言えるであろうか。

2、土佐電鉄の最高幹部らは、「元組長」が名古屋方面の高知県人会(中部高知県人会)に加入しその例会に出席していたことを、その「元組長」が暴力団ではない証拠であるか
のように言っている(甲第9号証3枚目)。そもそも、そのような人物が県人会の催しも
のに参加することを許し、県民や県出身者らと自由に交際させたこと自体が問題なので
ある。 

被告は、その行政機構の商工政策課(現在地産地消外商課)の仕事として県人会の事務
局を担当して中京地区を含む各地方の県人会を支援してきた。年に一度の例会の際には
県庁職員(知事や県会議員も)がそれに出向してきた。暴排条例があろうとなかろうと
県人会の健全な発展のためには、暴力団最高幹部だったという反社会性の極致ともいうべきものを中に入れるべきであっただろうか。
高知に縁のある多くの企業者らが集まるなかに暴力団関係者を入れると、素人の企業の者は簡単にてなづけられ邪悪な道に引きずり込まれるだろう。

監獄でも、暴力団幹部は一般懲役囚とは同じ牢には入れられず、独居房であると言われている。同じ牢屋に入れて置くとどうなるか分かりきったことだ。
 もし、土佐電鉄最高幹部の言うとおり、県人会で「元組長」と出会い旧交を温めて交際が始まったとすると、「元組長」が県人会に出席することを容認してきた被告の責任は大きい。知事も出席するのであるから担当課員が出席者の吟味は十分していたはずである。

【第三】土佐電鉄による内部調査報告

一、平成25年4月16日土佐電鉄は、取締役会が行った本件に関する内部調査結果を発表した。この内部調査報告書は、一種の弁解書であり、高知新聞等で報道された内容について大筋事実として認めながら、それらについて県の条例等に違反するものではないといういわば開き直りであった。内部調査が認めた主な事実は以下のとおりである。

1、「元組長」について

①「元組長」と会長は出身地や学校が同じで、「元組長」は暴力団を20年も前に辞めていて、中部高知県人会にも出席し、高知県や名古屋の政財界人、新聞社関係者と飲食を共にしていたことから、「元組長」を暴力団とは思っていなかったこと。

 ②社長の手帳で確認したところ、社長は平成19年、平成20年、平成21年の3回「元組長」と面会したこと。

2、この内部調査では、基本的に「高知新聞で報道された事実関係と合致すると思われる動画がYouTubeにアップロード」されたことを認めた。

すなわち、
①社長は「元組長」から、「土佐電鉄に介入しようとする反社会的勢力に対して、自分の名刺はまだ効果があるかもしれない。土佐電鉄に介入するなと、自分の知り合いの暴力団関係者にも言ってある。」と言ってもらったが、当該株主に対して、それを言ったこと。

②また社長は、「元組長」の「この言葉を当該株主に言ったらもう来なくなるのではないかと思いました。」こと。

③「元組長」の「言葉をそのまま伝えた中に現役の暴力団及び暴力団員の氏名が入っていました。」こと。

④「元組長」の話になり、「社長がこの人よと封筒から写真を取り出して見せました」こと。

3、異常の事実から、内部調査報告書は、社長は脅しのために発言したのではなく、「当該株主を牽制しようとした発言であったと判断」したという。
 会社としては、しかし、「社長が当該株主を牽制したいとの意図から行った行為は、軽率であって、道義的責任は免れない」という。

二、

1、内部調査報告書(甲第9号証)は、新聞報道などで明らかにされた本件事件の主要な事実について認めた。さらに、
 この報告書は、他の暴力団を排除するために社長らが、「元組長」系の暴力団を「味方」としてその利用について肯定的に評価した。すなわち、
 報告書7枚目に次のように評価している。
まず、社長の発言内容を検討しました。発言内容は、字句通りに捉えると、「・・・が
土佐電鉄の味方であって、暴力団又は暴力団員にも介入させないようにしてくれている」というものであります。ここでは暴力団又は暴力団員が土佐電鉄から排除されるべき存在として捉えられていることも明らかであります。

 社長の発言内容についてこの文章の前半は、「・・・」の黒塗り部は「元組長」のことであるが、これが土佐電鉄の「味方」であり、暴力団等の会社介入を防護してくれているという発言だったと評価し、後半部は、その「元組長」の力で暴力団等が排除されるべきだという認識を示す発言だったというのである。
前後を通して解釈すれば、要するに、暴力団を使って暴力団を排除するという趣旨になっていて社長の発言が肯定的に評価されている。

 日本最強の指定暴力団の最高幹部の名前とそのよしみを使って(「味方」にして)、他の暴力団や「反社会的勢力」を抑圧しようという本件についてズバリ核心を突く評価である。暴力団を「味方」にしたということ自体が問題になっているのがわかっていない。
取締役と外部からの弁護士からなるこの「取締役調査委員会」が、本件について何の反省も批判精神もないことを示して余りある。

暴力団を利用するものは、より強い悪党の庇護のもとに入り、その他の悪党からの妨害を防ぐというものであるから、上掲の評価は、最強の暴力団の庇護(味方)を頼めば、日本ではまず大丈夫という見解を表明したに等しいだろう。
本件事件の上に、本件事件の核心について肯定する、このような考えを持つ取締役が経営する会社に巨額の公金を出すことが許されるであろうか。
 暴力団を「味方」にしたこと、それを評価していること自体県の暴力団排除条例違反であろう。

2、内部調査報告書では、社長の株主に対する言動は、「社長が発言の中で名前を出した暴力団又は暴力団員等を利用しようとした発言ではない」というが、執拗に便宜供与を求める株主を排除するために、「元組長」や現役暴力団の首領の名前を使って「牽制」したことは認めた。(甲第9号証8枚目)

その名前や名刺を使用してもいいという言質をもあらかじめもらってもいた。
国語辞典(三省堂大辞林)によれば、牽制とは「相手を威圧したり監視したりして自由な行動を妨げること」などもとは軍事的な作戦用語であり、「敵の動きを封じること」という意味となっている。土佐電鉄の取締役らは、牽制という言葉で事件の意味が緩和されると思っているようだが、むしろ暴力団の発動にとって最もふさわしい言葉を選んだというべきであろう。

「牽制」したという事実で十分県の暴力団排除条例違反である。
 暴力団を利用するものは、利用者に対する様々なトラブルをかけてくる者を「牽制」してもらうために高額のみかじめ料などを出してきたのである。

【第四】外部調査報告(乙第3号証)

土佐電鉄は平成25年5月外部の有識者に依頼して委員となってもらって外部調査委員会を組織し、本件について再調査を始め、同年7月30日にその報告書を受けた。
外部と言ってもあくまでも土佐電鉄が今回の事件に臨んで急遽依頼した人間によるものであって、全く土佐電鉄と無関係だったものとは考えられない。4人の委員のうち2人が公共交通にかかわる県庁関係者である。
従って、厳しい詮議はするものの、会社を救済する(事件を揉み消す)のが目的であり、その意図は随所に見えている。特に「第7.再発防止策の提言」なる一章を設けていて、報告書の3割を占めている。不祥事件の調査報告書が再生に向けた経営政策まで提言するのは異常であろう。

この報告書は内部調査報告書とは違って本件についてさすがに露骨な擁護論ではなく、会社とは一定の距離を置いているように見える。

一、外部調査報告書(乙第3号証)の矛盾

報告書の末尾の結語でいう。
元社長及び元会長をはじめとする土電の役職員が反社会的勢力に利益供与しているとの事実は見受けられなかったし、何らかの不適切な交際があったとの事実も見受けられなかった。(26頁)
と本件事件の違法性を全面的に否定したが、しかし、他方では、
これまで述べたとおり、本件問題は、土電という企業のトップである代表者2名が惹き起した重大なコンプライアンス問題である。(19頁)
又21頁でも・・・重大なコンプライアンス違反である本件問題・・・
などと言っている。普通コンプライアンスとは法令順守のことであり、「本件問題」というのは、「平成24年5月8日に株主であるA氏との面談時に、元会長及び元社長が行った発言に関する一連の問題」(外部調査報告書1頁)のことである。
本件問題が重大なコンプライアンス違反であるとすると、違法性全面的否定の結語と矛盾する。要するにこの矛盾は、本件問題が重大なコンプライアンス違反であることを認識しながら、法令解釈を強行的に捻じ曲げて事件性を解消し世間の目を会社の再生問題にすり変えようと意図したものから生まれたものであろう。

二、この矛盾は具体的な事実の認定やその評価の論述にもはっきり表れている。
 元社長の本件行為は、以上検討したように暴排条例第18条違反には該当しないとしても、コンプライアンス上、重大な問題があったといわざるを得ない。(11頁)
という。この時この調査報告書の「コンプライアンス」というのは国の法令や県の条例に関することではなく、土佐電鉄の内部の規則や社是、宣言を言うものと位置付けているようである。すなわち元社長の「本件行為」は
「<暴力団等反社会的勢力排除宣言>に著しく抵触するとともに、コンプライアンス上極めて問題であるというほかなく、公共交通機関の代表者としてあるまじき言動として強い非難を免れない。(11頁)
という。

しかし、報告書が引用している土佐電鉄の平成25年4月24日の<暴力団等反社会的勢力排除宣言>に掲げられている内容(暴力団等の排除、暴力団等との関係遮断)はいずれも県の条例に基づくものであり、これに違背することはすなわち県の条例に反することである。県条例に基づく会社の宣言に対してコンプライアンス違反を認めていながら、県条例上の違法性はない、という矛盾した評価となっている。
一般的に企業のコンプライアンスを会社の内規の問題に限局しようとするのは、この報告書ぐらいであろう。

三、具体的な事実の認定と評価

1、この外部調査で本件についての事実関係とその評価について調査報告は全体の4分の1で8頁に足らない。

また、平成24年5月8日及び5月10日の事件そのものについての記述は半頁であり、
元社長や元会長の具体的文言も一部を除いてほとんど記載されていない。
しかし、一応要約的に確認された事実は特定株主に対し、
①5月8日土佐電鉄本社で、元会長がD氏(「元組長」)との関係を「示唆」し、②
社長がD氏の写真と名刺を「提示」し、③D氏以外も現役の暴力団員の名前を挙げるなどの「言動」を行った。④また、5月10日高知市内の高知会館で、元会長がD氏との関係や暴力団員に関する発言を行った。
という事実を認定した。

事件の内容を新聞等で既に知っている我々には、これだけでも理解はできるが、そうでな
い人がこの①~④を見ても何のことかはっきり分からないだろう。
関係を「示唆」したとか、写真などを「提示」したとか、「暴力団員に関する発言を行った」とかでは事件性を想定することは不可能だろう。
調査報告書として事件の核心である元会長や元社長の言動についてこのような抽象的な記載しかせず、しかも、D氏との関係についても「示唆」した程度にしか認知していない。既述の新聞記事を見ても、二人の最高幹部は暴力団との関係を「示唆」したのではなく、明言さらには誇示したと言えるのであって、その言葉が本当だということの証人まで遠く名古屋から呼び寄せていたのである。

2、D氏(「元組長」)との関係について外部調査報告書は言う。
元会長がD氏との再会後に交流・交友を維持したのは、約30年前に暴力団を引退したものの現役の暴力団に対しても一定の影響力のあったと思われるD氏との関係を維持することが、株主事情の複雑な(後記第6の1(2)のとおり、特殊な株主による経営への不当な介入・要求が頻繁に生じていた)土電にとって対株主との関係において有益になると判断していた可能性は否定できないと思われる。

特に、元社長がD氏より「『侠道会にも言うちゃるきんなあ、要らんことするなよと』
『弘道会の高山にも言うちゃるきんな』」等と言われたと認識しており、D氏の死後約2年半が経過した後に実際にA氏に対してそのように話していることからすれば、少なくとも元社長は、D氏が現役の暴力団への影響力がある(影響力があった)と認識しており、かつ、そのことが土電の株主対策において有益となり得ると考えていたことが認められる。

仮にD氏(元組長)の引退が暴力団廃業を意味したとしても、なお、現役の暴力団最高幹部への影響力があったと思われる(暴力団について関心のある人ならだれでもそう思う)男に依頼したり、又は依頼するように言われた事実について対抗する相手にそれを誇示したという事実は重大である。
「元組長」は「引退」したただの老人ではなく、「引退」後も日本最強の指定暴力団に直接かかわりがあり、重要なイベントではその組織の上席に座ったといわれる大物であるから、その男の世話になるというのは、個人ではなくその背後に隠然と存在する暴力団の世話になるということである。実際「元組長」はその背後の組織の現役最高幹部二人の名前を呼びきりにして、世話をさせると約束した。いうちゃる ということばの意味では既に言っていたのか、これから言うつもりなのか判然としないが、その後実際に言った可能性が高い。外部調査報告書は、元会長や元社長が、対株主との関係において、又実際特定株主(A氏)に対して、「元組長」と交際を続け、また、実際株主との面談で「元組長」の関係を誇示したのは、D氏が現役の暴力団への影響力があると考えたからだ、と認定した。
D氏にはその当時何の神通力もなかったとしても、D氏を仲介として暴力団の威力を発動させようとしていたということになる。

まして「元組長」自体が、暴力団の現役とともに組織の会議や祭礼に出席し、その子分衆から親分としてあがめられている存在なのである。そのような「元組長」と昵懇にし、「味方」にしていると聞かされれば、普通の人はそれだけで怖気つくだろう。
これで暴力団の利用にならないと言えるのであろうか。

3、外部調査報告書はD氏については、高知県警の高知県暴力団排除条例のQ&Aの解説では、暴力団員でなくなってから5年を経過していない者が暴力団に該当するというのが一般的基準だ、D氏は暴力団を引退してから30年たっているから該当しない、という。確かにD氏は自己の暴力団組織を子分たちに引き継がせ「引退」したことになっている。しかし、解散はもとより、個人的にも暴力団から脱退したり破門されたわけでもない。名前は変わっても元の組織と深い関係にあり、影響力を行使していたと思われている。暴力団から完全に断絶してから5年と言うなら、県警のQ&Aの基準も納得できるが、断絶せずその組織と深い関係にある者には引退しようがすまいが何十年たってもその基準は適用され得ない。少しでも暴力団に影響力のある元暴力団は暴力団と同視されねばならないことは暴力団排除条例の趣旨であろう。

 4、外部調査報告書は、D氏(「元組長」)については上のようにごまかせると思ったが名前が挙がった現役の山口組の最高幹部らについては、別口の弁解を用意しなければならなかった。前掲県条例の県警Q&Aのなかで第3条及び第18条の暴力団を利用してはならないという規定について論ずる。

 県警のQ&Aの暴力団の利用の事例として4つがあげられている。すなわち、
 *交通事故等のトラブルに関して暴力団員に示談交渉を依頼すること
 *暴力団員に、相手方を脅す等の違法な行為を依頼すること
 *暴力団や暴力団員との関係を出して相手方に圧力をかけること
 *暴力団員又は暴力団員が紹介してきた相手と取引を行うこと

この4つのうち、3番目の暴力団や暴力団員との関係を出して相手方に圧力をかけること という項目がズバリ本件に該当するのであるが、外部調査報告書は次のように言ってこれをすり抜けようとした。すなわち、
元会長や元社長は、名前の挙がった現役の暴力団(高山、忍)とは面識が無く交際関係もない、また、県警Q&Aでいう暴力団の利用とは、暴力団との面識があり交際関係があることが「前提」となっている、暴力団を利用する「具体的現実的利用可能性」がなければならない、したがって面識すらない暴力団員の名前を出すことは、条例の言う利用には該当しない、というのである。

 これは余りに牽強付会の説と言うべきであろう。
 元会長や元社長が、暴力団との交流・交際の事実があったことは、すでに外部調査報告書が認定している。「元組長」が死んでからも葬式や墓参などの実績を重ねているのは、残った暴力団幹部への忠誠の証であって、単に故人をしのぶだけの話ではない。
 何のために会社の金を使い、県会議員の政務調査費と言う公金まで使ってそのような実績を重ねたのかは説明するまでもないであろう。「具体的現実的利用可能性」があるからであった。一般的に、日本には、誰でも暴力団を利用しかねないという社会的風潮があるからこそ暴力団排除条例が全国的に制定されたのである。土佐電鉄のような企業はとりわけその可能性が高いのである。

 外部調査報告書が認定する通り、「元組長」又はその男を通じて暴力団と交流を維持したことは、対株主の上で「有益」だと思っていて、実際にそれをAという株主に対して実行したという事件が明るみに出て、そのことについて調査しているというのに、「具体的現実的可能性」がなかった、というのは一体どういうことであろうか。理解に苦しむ。
第一、 暴力団排除条例第3条や第18条をどう解釈しても、暴力団との「面識」とか「具
体的現実的利用可能性」の有無とかが「前提」になっているとは考えられない。暴力団との関係が仮に虚偽または偽装であってもこの条項は成り立つのであり、暴力団と関係があるということで相手を威圧すれば十分であって、外部調査報告書の論理は付会の説というべきだ。

【結語】

内部調査報告書も外部調査報告書も、新聞報道で出された重要な発言について全部を取り上げてはいない。とりわけ、西岡元会長が役員に就任したり辞任しようとしたりした時の「元組長」の重大な発言、また、問題のある株主の株を買い取るという発言などは没却されている。しかし、両報告書とも、条例違反になる土佐電鉄幹部の言動について基本的に認めた。その事実についての評価でも結論に至る叙述の中身では暴力団排除条例に違反することを実質的に認めた。

内部調査報告書は、暴力団を「味方」にして特定株主を「牽制」したことを認めた。

外部調査報告書は、会社の代表者である元社長が、・・・・暴力団員との関係を示唆する等の、反社会的勢力の排除、関係の遮断とは逆に、助長するような言動に及んだもの・・・(11頁)

と「本件行為」を断罪した。反社会的勢力を助長した、とまで認定したのだ。
被告は、これら両報告書の内実を真摯に受け止めて答弁書を書きなおす必要があろう。

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2013年10月 6日 (日)

最近の政治断層

News & Letters/374

 堺の町の・・・・
堺市長選で、維新橋下陣営が敗れた事は、いいことには違いない。
与謝野晶子の「君死にたもうことなかれ」の詩を歌いたくなった。

だが、橋下や石原らの維新の勢力は息絶えたわけではない。
間違っているとは言え、いまなお現状打破を望む多くの人の声を維新勢力が吸収している。5万票差の堺市長選でも、あと2万5千人の有権者が反対側に回れば、維新が勝っていたかもしれない。

右翼であっても首尾一貫した力強い党派が現状打破を唱え続けるなら政治の主導権を握る可能性がある。橋下が性奴隷(慰安婦)が必要だったなどの暴言などで失速しなければ、参院選も、堺市長選もどうなっていたか分からないだろう。

地方も国政も、現状を打破し、国民の福祉と平和な社会を築く新しい政治が出なければ、
常に橋下ら極右勢力にかき回され、混乱の中に日本は、強力なアメリカ帝国主義とそれに従属する売国奴によって戦前のような泥沼に引きずられていくだろう。

結局、あれほどの清らかな反戦詩をうたった堺の町の商人(あきびと)の娘も、先の日帝のアジア・太平洋侵略戦争に大賛成したのである。正義に力がなければ、詩人も泥をかぶり滅ぶ。

  小泉前総理の脱原発

小泉元総理大臣が、原発に反対を唱え出したようだ。その理由が高レベル放射性廃棄物の処分が不可能だという点から発しているという。

小泉の脱原発発言は、はフィンランドのオルキルオトというところの「オンカロ」(洞窟)という核廃棄物の埋蔵施設(予定)を視察した結果だということである。
核廃棄物の処理法も分かっていないのに原発を稼働し続けるのはおかしいということがわかった、という。

このお坊ちゃん政治家に分かることが、どうして他の自民党政治家に分からないのだろう。原発を稼働させることは、福島原発事故を招来し、どうすることもできない高レベルの放射性廃棄物を生産し続けることになり、自分たち自身、子孫を破滅に追い込むという当たり前の洞察が小泉前総理の脳波からやっと出てきた。

権力の一角が崩れ出したことは、いいことには違いない。だが、これも、結局、自民党に期待をかけさせる罠になる可能性もある。
単なる思い付きでなく、本当に国民を思い国を思うのであれば、脱原発でどんどん動き、勢力を広げ、国民に訴えねばならないし、何より自民党の現執行部と論争を始めなければなるまい。言はよしであるが、真剣味が見えてこない。

新潟県知事の容認

柏原刈羽原発の再稼動に向けた申請に新潟県知事が同意をした。
何故か。
知事は再稼動に反対だったはずなのに、多くの人ががっかりだった。
知事が反対しても、結局は認可される、というあきらめからか、
又は、何らかの圧力があってどうしても抵抗できなかったせいか、憶測も分かれる。
しかし、知事が不同意を示すことは相当大きなブレーキになるはずだ。

原発建設や稼働について地元の県や市町村には法的な拘束力はないにしても、
第一に、その意見は大きな抑止力がある。
第二に、設置自治体には原発を稼働させないいろいろの手段がある。
東洋町長に私が就任したときにはすでに、高レベル放射性廃棄物の埋蔵処分のための正規の調査が始まっていた。前町長が独断で申請し、NUMOや政府に認容されていた。
私の最初の仕事は、その申請を撤回することであった。当時、NUMOや政府がもし、私の申請撤回、調査拒否の申出を受け付けず、調査を強行し、埋設処分を続行しようとするならば、色々な合法的な妨害行動を取ろうと考えていた。

町道使用の禁止、水道配水禁止、施設予定地や周辺部の買収、・・・・
当然権力側も私に対する攻撃をかけてくるだろう。過去の私的な恥ずべき問題など色々暴露され、私だけではなく私の近辺の人間にも被害が及ぶかもしれない。

しかし、どんな状況になろうとも、ゲリラ戦になっても、核施設を作らせないという信念は貫徹しなければならない、闘争の中で討ち死にしても構わない、私はそう考えていた。
しかし、権力はあっけなく降参した。私の撤回申請を簡単に受理した。

新潟県知事にもなりふりかまわない、反原発の心意気を見せてもらいたかった。
原発に関係する首長は、たとえどんな政治的苦境に追いやられても断固として原発だけは許さないという覚悟がなければならない。地方自治体には、稼働を止めるいろいろな手段があるはずだ。
幾千万、幾億人もの人間の生命と健康がかかっている問題なのだから、何をやっても国民は支持する。

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2013年10月 1日 (火)

釣魚台について

News & Letters/373

釣魚台(尖閣諸島)については既に述べた。この一群の島々は歴史的由来からして中国領土である。このことは、現代史の大家故井上清氏の詳しい論考(「釣魚諸島の史的解明」)によって明らかである。

革共同中核派その立場をとって、釣魚台を中国から略奪しようとする自民党政府を糾弾してきた。1972年7月発行の「破防法研究」第16号には井上清氏のその論文をそのまま掲載した。

だが、革共同関西派の理論機関誌「展望」第12号(2013年4月)の論文(現代における「国家と革命」のために)のなかで、その立場を放棄し、釣魚台に対する領有権については「日本にはもちろん、中国にも(清国の継承国家との主張に基づくかぎり)ない。」というにいたった。釣魚台は中国領土ではないというのである。

その論拠は明確ではないが、
①「近代以前の歴史的根拠を挙げることも、自然や地形を根拠とする主張も、国家や主権の理由とはならない。」という。

そして②「だれがどのような形でそこに生活の根拠をおいているかから論ずるべき」だという台湾人留学生の意見に賛同し、

③釣魚台周辺の海域で漁をして暮らす台湾、沖縄、中国の漁民が自主的に協定を結ぶのが「現実的解決」だという。
歴史的根拠、地形や自然は領土権の根拠にならない、現在誰がそこで生活しているかで判断するということになれば、先住民を追い出しその地を占拠して相当の年月誰かが生活を営んで去らなければ、今その土地は侵略者のものであって、追い出された先住民は何も発言権もない、ということになる。イスラエルに対してパレスチナ人民はいまさらなにをいうか、ということにもなるであろう。

領有権の主張については地勢と中世から近代にいたる歴史的事情が最も重要である。
釣魚台は第1に、中国側の歴史的資料、第2に琉球(沖縄)側の資料、第3に日本本国側の資料とも、中国領として認識されていた事実がある。

それを日本は日清戦争後に黙って日本領土に編入(略奪)したのである。
ポツダム宣言の受諾によって日本はそれをも失った。
その後、釣魚台が日本に帰属する何らの国際的手続きはされていない。
日本は戦後米軍の不法占拠に便乗して、現在その島々を実効支配しているが、その支配には何らの根拠はない。

今になって釣魚台が日本固有の領土だなどというのは、日本帝国主義の経済的な理由のほかに軍事的な理由があり、さらに憲法を改悪して自衛隊を侵略軍とし、核武装する好材料にこの領土問題を利用しているのである。

釣魚台は中国領であり日本のものではない。先ず、中国(台湾を含む)の領土権を認めたうえで、沖縄県民の漁業権の交渉をするべきだ。

70年代以降、7・7思想を培ってきた革共同が、釣魚台の確然たる歴史的事情を解消し、それが中国領であることを否定する論理は、侵略と排外主義への転落の大きな一歩を進めたということになる。直ちにこの考えを撤回し、正常な認識に立ちかえるべきだ。

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