監査請求書を補う意見陳述
News & Letters/347
平成25年4月9日 監査委員会
監査請求書を補う意見陳述
請求人
澤山保太郎
要 旨
一、
新聞報道等によると高知県は、すでに昨年6月本件について特定の「男性株主」から指摘を受けた事実があるとされている。しかし、県及び県警は現在まで土佐電気鉄道に対してそれ以降10ヶ月にわたって条例や規程に定める暴力団関係の排除に関する「排除措置」を講じず、従来通りの補助金の申請を受理し、またパスポート業務等の委託契約を結ぶなどし、臆面もなく関連予算を25年度新年度予算案に計上していた。
これは事実上暴力団に関与する会社を容認し、県条例に違反するものであって、高知県自
体が暴力団排除条例に違反する。
また、新聞報道等によれば、暴力団排除条例を作った県議会も、その長老格ともいうべき
ものが率先して暴力団と深い交際をし、関係会社の役員をその関係に引き込む役割を果た
してきた。県議会は未だにその長老議員に対し厳正な措置をとることができないでいる。
これは県議会自体も暴力団排除条例に抵触している状況というべきである。
如上の事実は暴力団排除県条例につき以下のとおりの条項に該当又は抵触している。
1、条例第1条:県(県議会を含む)の暴力団排除の目的
2、条例第2条:第2項「暴力団員」 又は 第3項「暴力団員等」に該当
土佐電鉄の社長竹本及び会長西岡の言動には現役の幹部暴力団員の名前を出して示威しており、また、引退した有力暴力団員の名前と写真を示威した。
*これらについては「高知県の事務及び事業における暴力団排除に関する規程」の第2条、第3条で、具体的に規定されている。
①契約等の相手方には、県からの役務の委託、補助金や貸付金の交付を受ける者も含まれている。土佐電鉄はこれに該当する。
②排除する対象には、 役員がその会社の利益のため暴力団を利用している者、
または、役員が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有している者も含まれる。と規定されている。土佐電鉄はこれに該当する。
3、条例第3条、4条: 暴力団排除について県の義務
4、第6条:公共工事その他の県の事務・事業から暴力団を排除する措置義務
二、
新聞報道によれば、今回の事件で土佐電鉄の社長らの「男性株主」=「特定株主」に対して暴力団関係者の名前を出して対応したのは「力には力、毒をもって毒を制するというやり方」であるという。正規の対応ではなく、反社会的勢力を使って相手を制しようとするのは極めて異常であり、株主総会での追及を避けようとしていたということである。その「特定株主」の追及の一つが社長らの報酬額であると推認される。
経営破たん状況で補助金の交付がなければバスや電車の運行が困難な財政状況で役員の報酬が相当高額であるとすれば、株主の会社経営についての追及は「毒」ではなく、正当な行為であり、補助団体の問題だけではなく、補助金を交付している県の姿勢も問われている。
土佐電鉄の社長らが暴力団を利用した動機は、株主や県民の正当な疑問を封じることが目的であった考えられる。県は、補助金交付に当たってその前提となる相手団体の財政の実態を調査していない可能性が強く疑われる。
また、県の暴力団排除条例第7条に規定されているような、事業者が県政に係る契約をする時に、「暴力団員等」に関係を持たれた場合の報告義務について何も措置をしていない可能性がある。
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