暴力団と土佐電鉄
News & Letters/335
高知新聞が3月22日から一斉に報道し始めた土佐電鉄株式会社の暴力団との関連ニュースには全く驚く。取締役会長職は県会議員で、この議員が四国銀行から来た社長を誘って日本の暴力団の最高幹部と癒着するように指導していた。この社長も社長で、暴力団の名刺や写真を水戸黄門の印籠代わりに使っていたという。
総会屋だという株主W氏が土佐電鉄に何か嫌な注文か、嫌な質問をぶっつけに来たのかもしれない。会長と社長がそれを追っ払うために暴力団の虎の威を借りたである。
その二人の会社のトップはだいぶ前からその暴力団のトップの、まだその上の親玉と付き合い、その庇護のもとに会社のトップの座を守ってきたのであろう。
土佐電鉄は戦前から路面電車とバスを中心とする事業で、高知県内の企業では一流のうちに入るであろう。それがこの体たらくだ。今から10年ぐらい前に私は四国銀行の最高幹部らを相手にそのふしだらな融資について裁判で争い、最高裁で逆転勝訴したが、高知県のトップの地銀の経営が、やはり前近代的なしがらみで動くでたらめなものであった。土佐電鉄もやくざのそでにすがって既に破たんした交通事業の”しのぎ”をしていたのである。
新聞報道によると、昨年度も高知県の製造物の生産高が日本最低であったというが、むべなるかな、であろう。
今回の事件は、一つには高知県の政治的レベルや企業のモラルが、いかに低劣であ
るかを示した。談合で県の主要な土建業者が軒並み懲罰をくらい、情報を漏らした県内の国の役人たち多数が懲戒免職となった。それでも新聞は談合も必要悪だという陋劣な声の為に記事を割いている。
それにしても高知新聞は、昨年8月の事件を何故今までこれを温めて発表しなかったのであろうか。ニュースというのは新鮮さが売り物のはずだ。
東洋町の核騒動の時にも、高知新聞記者は早くから事実をつかんでいたが、当時の町長と約束して公表を差し控えていたという。遅れて察知した私が、室戸市議会でそれを暴露的に質問しようとして初めて高知新聞に記事にしたというのである。
暴力団との関係を暴露するだけでは十分ではない。そのような企業の体質を問題にしなければならず、さらには、では何のために土佐電鉄は暴力団と企業舎弟のような関係を取り結ぶ必要があったのかを追及する必要があるだろう。単に総会屋対策だけのことではないであろう。
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コメント
私は、熊本在住の30代の男性です。本年2月24日に、高松からの日帰りと言う形で高知に遊びにきました。この時、土佐電氣鐡道は酷い会社だな~との印象を持ったのです。交通規制に伴う電車の特別ダイヤの詳細を出さないし、特定の電停で恒常的な早発行為が行われているなど。運行ダイヤの管理が杜撰だなと思いました。いま思えば、会社のトップがこの体たらくだから、何もかもが乱れていたんでしょうね。
投稿: 日宇 一太郎 | 2013年4月 3日 (水) 12時36分
酷いのは土佐電だけではないですね。私は高知駅前観光のバス乗務員ですが、先日空調が壊れ、ヒーターが止まらないバスで、会社に連絡したところ、「そのままで運行せよ」と言われたが、実際車内は灼熱地獄で、とても人が我慢出来る様な状態ではなく、その状態で「運行せよ」と言うのである。とてもじゃないが営業運行は不可能だ。そもそも故障車で乗客を乗せろと云うのである。目茶苦茶だ。モラルのかけらもない。
私は運行の最終責任者である運転者の判断で運行を中止し、車庫へ戻った。が、その日は日曜日で運行管理者は不在。
これだけでも呆れるが、次の日、私はその運行管理者と口論になり、私の取った行動は業務放棄だと言い、謝れと言った。そして運転者には権限は無く、運行管理者が運行せよと命令したらそれに従えと言う。
その論理が通用するのなら、現場が危険と判断しても、運行管理者、又は会社が運行せよと言ったら運行しなければならないのか?
それならば、関越のバス事故をはじめ他の事故も起こるべくして起こったものだし、これからも起こるであろう。
この件について、国交省高知陸運事務所及び高知労働基準監督署、またNHK高知放送局等にも事案の情報を相談又は提供したが、これと言って動こうとはしない。
これは、旅客運送事業者、公共交通機関の運行実態に関わる話であり、公共性が高く、実態を公にし、即刻改善されなければならない重要事案である。
現場のドライバーも必死で仕事しているが、組織自体のモラルの欠如、高知という社会でのモラルの欠如があれば、1サラリーマンのドライバーが、現場が声をあげても結局は改善されない。
今回この様な自体に遭遇して分かった事だが、例えば、これでもし死亡事故が起きたとしても、それは高知という社会が許した事だから、それで死んでも高知県民は被害者ではないだろう。だって自らこういう社会通念を共有し許しているのは、高知県の公務員や市民だからである。
投稿: 前田よしみち | 2015年3月20日 (金) 03時42分