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2012年12月 2日 (日)

今回の国政選挙について

News & Letters/320

戦後幾たびもの総選挙が行われた。しかし、今回の選挙ほど危機的な選挙はかつてなかったと思う。日本にとってもアジアにとっても。

安倍自民党、石原・橋下維新、民主党野田・・・、これらの三局が日本滅亡のシナリオを実行しつつある。それが、重点を中近東からアジアにシフトするというアメリカオバマと協同して、緊迫するアジアに突出しようとする。

そこには各国帝国主義の資本を吸収して太りきった中国の覇権主義が待っている。特に安倍、石原・橋下が危険だ。

彼奴等は、①核武装し中国や朝鮮を脅迫して外では軍事を引き起こし、②内では、人民の福祉や雇用や教育など生活全般を破壊し、③日米の資本家どものために放漫財政を組んで国家そのものを破滅に向かわせる。

④特に原発については、電力やエネルギーとしてではなく、何よりも核兵器の資材源(プルトニウム)製造装置として維持し稼働させ、絶対にこれをやめようとしない。
橋下ら旧維新組(これらは幕末の新撰組というべきだ)は、ポピュリスト然として時に脱原発の風を装っているが、本音は、憲法九条廃止核武装派であり、原発推進派であることを顕然としてきた。

これらに対し旧勢力の共産、社民は風にあおられて消滅寸前であり、最近の嘉田滋賀県知事「未来の党」も極めて弱々しく、ないよりましであるとは思うが、十年を目標にとか国家の品格とかいう程度の上品なことを言って、よたよたしている。

日本の原発は辛うじて緊急炉心冷却装置を頼りにして綱渡り的な稼働をするという品物にすぎず、この冷却装置も本当にブレーキが利くのかどうか誰にもわからないコンピュータでのシュミレイション上の保障しかない。何にも実証試験なしの装置だ。
福島の深刻な犠牲でやっと原発が国民の議論の俎上に上ったが、今の政治勢力の状況では、反原発の勢いは弱く、第二第三の福島が起こらないと国民の認識(マスコミの認識か)が変わらないのかと思うほどだ。

同じ屋根の下の工場で、巨大な火薬の製造と毒薬や毒ガスの製造を一緒にやっていて、その工場の一角で煮炊きし、子供たちとファミリーで幸せそうに生活をしている、そういう状況であることを国民はよく認識するべきだ。

原発は、国家の品格の話ではなく、人類の生存(絶滅)の問題であり、実は食うか食われるかのしのぎあいなのである。今全ての原発を即座にやめても遅いぐらいである。
使用済み核廃棄物の量は膨大であり、これをどう処理するのかという問題だけでも絶望的なのである。六ヶ所村の議会が、核廃棄物の再処理を止めるのであれば、すべての核廃棄物をそれぞれの原発が引き取れ、と決議したそうだが、引きとったらどこの原発も廃棄物でいっぱいになり、原発稼働をやめなければならない、という。

何千年、何万年もこの厄介な廃棄物を管理し続けられるのであろうか。
未来において地球上で今のように人類が支配的な生物として存在しているのかどうか、人類が支配的であっても、果たしてその人類がその廃棄物をまともに管理するのかどうか、全く分からない。戦国時代のような乱世、第一次、第二次大戦のような世界的な大戦争が起こるときに、誰が一銭にもならず、極めて危険な核廃棄物の世話をするであろうか。むしろ敵対勢力同士がその施設を真っ先につぶし合うであろう。

昔学生自分に「24時」という本を読んだが、もう実際原子力の時代は「24時」を過ぎて何もかも手遅れなのではないか。福島原発事故での除染した瓦礫や材木の収容施設でも行く先がない、まして燃え盛る核廃棄物の行くところはないであろう。
かつてNHKのドキュメンタリテレビ番組「現代の映像」で最も遅れた政治的後背地として描かれた東洋町においてさえ、核廃棄物の収容施設は拒絶された。

安倍、石原、橋下・・・この連中は確かに立派な人間である。功なり名遂げたという一流の人物だ。しかし、これらには原子力というものの恐ろしさがわからず、判らないはずは二のだがそれを敢えて無視し、ただ権力争奪の道具としてしか認識していない。表面の顔では立派に見えるが、人間としての理性のかけらもないのではないか。人類を滅亡に導く使徒として冥土から送られてきた人々ではなかろうか。

冥土といえば、・・・・。
日本では、「非人」というのはかつてはエタ・非人と呼ばれた被差別の人々であり、不当な差別用語だった。
私は、この言葉の語源を突き止めるために記紀など日本の古書籍を探し回った。
日本の本には、それらしき根拠は見つからなかった。そこで中国の古い文献を渉猟していると道教関係の本に次々と「非人」という言葉が載っていた。

この世のものではなく、冥界の閻魔大王の使徒であり、獄吏だ。冥界の下級役人というところだろう。別に悪い者ではない。
日本では古い神社の祭礼などの行列の中にその「非人」が位置付けられていた。
これが、異界のものとして差別される「非人」となり、被差別と結び付けられたのであろう。

ただ、冥界の者だから気味が悪い。その上閻魔大王の使徒だからなおさらだ。

私は安倍や石原、橋下らを「非人」だというのではない。むしろ閻魔大王とその幹部ではなかろうか。

崇徳上皇は四国の配所で死んだが、死ぬるとき朝廷に祟ってやると言って血文字を書き残した。死んで後、天狗の姿をして冥界の大棟梁となり、長しえに天皇家に災いがもたらされるようにした、ということだ。雨月物語にも西行法師の書にもそう書いてある。
原発を推進する連中は、すくなくとも私には異界の者ののように映る。
剣や槍、弓、鉄砲をもって暴れる連中ではない。人類のほとんどを放射能という毒薬づけにしてもかまわない、という恐るべき連中なのである。

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