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2012年5月27日 (日)

公務員の政治活動の規制

News & Letters/299

維新の会橋本市長は、市役所職員の政治活動の規制を条例化しようとしている。
違反者には国家公務員並みの罰則をかけるという。
先の市長選で市役所職員が現職候補を公務中にも応援したという事で頭に来たのであろう。その心情は判らないわけではない。

、感情に駆られて思い立った。事はそう簡単なことではない。
今から6,7年前、私が室戸市長選で戦った折、相手陣営である小松現市長が選挙期間中に、選挙カーを市役所玄関前に乗り付け、立候補のあいさつをやった。それには現職の県会議員も同伴し、それぞれが演説を数十分間やったのである。その間運動員が市役所のロビーに入り込み、演説を聞くよう呼びかけた。かなりの職員がその演説を聞くために職務を離れたという。これは公衆の前で公然とやった行為であり、明らかに公選法違反の行為だった。

私の支援者らがこれを警察に訴えたが、小松らが罰せられたということはなかった。小松は選挙直前まで市役所の幹部職員であり、大勢の市役所職員とその家族は小松を応援したと思われる。逆に私が市役所玄関前に車を横付けして選挙演説したらどうなったであろうか。私自身も悔しい思いをもっている。

しかし、私は、だからと言って市職員ら地方公務員の政治活動の規制は現状でもきついと思っている。

私は、議員や首長のリコール制度で、公務員が、たとえ非常勤の農業委員であっても直接請求の代表者になれない、なっていて収集したリコール署名簿は全て無効であるという50年前の最高裁判決や地方自治法令と対決し、最高裁大法廷においてそれら公務員への政治活動規制を憲法に抵触するとして覆した。

また、リコール署名運動につき、町職員が私は公務員だからと言って署名に応じない口実に公務員の身分を使う事についても、町長の通達として禁じた。
普通の町民と同じように署名に賛成なら署名し、反対なら拒否すれば良い。反対の理由に公務員だという身分をひけらかす必要はない。

要するに、公務員であるがゆえに政治活動はさせないとか、しないとかいう判決や言い分を不当とし、公務員が職務外では堂々と政治活動する自由がある事を闡明した。
それら二様の言い分では何か政治的中立を装うようであるが、けっしてそうではない。
例えば橋本市長は、今度自分が市長選挙に出た時市役所職員らが応援活動をした場合罰するであろうか。目を細めて容認するであろう。容認する理由はいくらでもひねり出せる。

違法行為については、現在の地方自治法でも罰することは可能である。刑事罰だけが罰ではない。違法行為について行政罰、懲戒処分を通じて罰することが出来る。
まして、公職選挙法に照らせば、罰条は十分にある。

現行法令でも、また新しく条例を作っても、問題は、その違法行為について、取り締まり機関が公正に動くかどうかである。特定の優勢な勢力がやることは野放しで、反体制的な者のすることはささないことでも見逃さず、規制を加えて排除する。
さらに、橋本の狙いは、現政権に賛成派は黙って静かにしていればよい。反対派は活動をせざるを得ないから必ず規制にひっかかるという仕掛けだ。

公務員が政治的に先鋭化するのは職務上避けることはできない。公務員も含め国民全体が何らかの形でも常日頃政治的に活性化しなければ、原発や核兵器、戦争や貧困など地球規模の危機的状況を克服することはできない。

むしろ、公務員であることを理由にして公務員が政治的活動を自制したり逃避したりしている傾向が次第に広がっている。無気力が支配的ではないか。教員や公務員らが組合旗をへんぽんとなびかせて原発など大きな政治テーマをめぐって国民大衆の先頭に立って時の政府と対決するというかつての雄姿を復活させるべきときだ。
そういうことのアンチテーゼとして橋本の今度の挑戦がある。

私が町長時代には、規制を加えるどころか、行政の職務としても政治活動に参加すべきだという考えで、職員を反原発集会に町有のバスを1台出して繰り出したり、また、東京の南京大虐殺の記念集会に職員を研修名目で参加させたりもした。

人権や環境をまもり国民の生活を守るための正しい政治活動は、行政も国民も区別なく
やらなくてはならない。これら政治的行為を批判する者があれば、地方自治の法令や先例を見てみればいくらでも抗弁の弁術は出てくるのである。

原発の見学に行くのでも公費を使う地方自治体はいくらでもある。原発の危険性を訴える集会へ職員を参加させる理由などいくらでもある。どちらも政治的行為だ。

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