権限ゆ越
News & Letters/258
どうしたことであろう。町長、副町長、総務課長ら3人の行政のベテランの決裁印が押された通知がわが社に届いた。「行政指導」をするという。当社「海の駅」の落花生事件をいまだに追及しているらしく、海の駅の業務について休業命令等「行政指導」をするというのである。
一体普通市町村レベルで民間企業に対し「行政指導」や命令行為ができるであろうか。
一般民間企業の業務に対する行政指導は、基本的に国であり、その権限を委任された都道府県である。一般的にもそうであるが、特に商品の品質表示や食品衛生関係はそれぞれの法律で指導・監督機関が明記されている。
普通の市町村には、会社の監督などは国からの権限移譲はまだない。
また、市町村の事務も何でもやるというわけにはいかない。交通の取り締まりは警察、関税は国、外交・防衛は国、原発の安全審査は国、海岸の管理は・・・というように責任と権限は明確になっている。町役場の権力を握ったからといって民間企業や家庭の生業について市町村が「行政指導」をする法的根拠などあるはずはない。
今回の通知によると、その「行政指導」は町議会特別委員会の決定に基づく要請だという。私が町長時代にその特別委員会に呼ばれて落花生問題について聞かれたが、その時私が反問した。「ところで、あなた方はこの事件を調査する上でJAS法を見たのか」、と。並みいる議員たちは誰もそんな法律は見てもいないし、私が指摘しても見る気もないという風で動じないのであった。
さらに議会事務局長に向かって私は、この事件で調査をするというのであれば関連法令をコピーして議員に渡すべきではないかと私が「指導」的提案をしたが、馬耳東風であった。調査の基準となるのは法令であって、それに照らして事案の評価をしなければならないのは当然だ。法令の勉強から始めなければならなかったのである。
法律も満足に知らなかった議会が、新しい町執行部に株式会社に対し「行政指導」をせよというのである。役場も法人なら会社も法人である。リ・ボルト社は第三セクターではあるが、町の資本の保有は4分の1に過ぎず、ホテル購入の際の実際の投資額から言えば十分の一に足らない。巨額の税金もちゃんと払っているし、民間主導の会社に対し、役場が助言や協力はあっても指導したり監督したりする権限などあるはずもないのである。
それくらいの事がどうして分からないのであろうか。
法令を知らずかそれを無視して権力を乱用するのは正気の沙汰ではない。
権限をゆ越した行為をした場合どういうことになるか、少し考えてみたらどうだろう。
そして、令の高知新聞も、そのような法令もものかは、常軌を逸した町議会の決議を大々的に報道するのである。会社側の意見は何も取材なしで。
報道は事実をありのままに報道すればいいというものではない。また、戦争や原発問題などで明らかなように、国民の重大な生活や権利について実際上、報道機関が事実をありのままに報道するという事はほとんどない。しかし、少なくとも報道される事件や事実について批判的吟味を加えた形跡は残すべきであろう。
東洋町を再びあの数十年前の「現代の映像」(NHK昭和45年1月16日上映)の闇に戻してはならない。
お問い合わせ
平成23年7月7日
東洋町長殿
東洋リ・ボルト
社長澤山 保太郎
いつもお世話になっています。
貴庁平成23年7月6日付 「海の駅」東洋町の産地表示問題について
と題する文書が当社に届きました。
不審がありますのでお問い合わせをいたします。
1、「海の駅東洋」の業務内容について「行政指導」をするとのことですが、東洋町は如何なる法的根拠で企業等の業務について行政指導する権限がるのでしょうか、この点をつまびらかにしていただきたいと思います。
食品など商品の販売に関しては、管轄する行政機関があり、「海の駅」も日常的に指導を受けたり、また、相談を持ちかけたりしています。
産地表示問題についても、管轄官庁の指導を受けています。
その管轄官庁は東洋町などの町村ではありません。国及び県庁です。
食品衛生や品質管理等についての指導にはそれなりの専門知識が必要であり、権限も必要です。いつから東洋町はそのような権限を保有するようになったのでしょうか。
2、さきの品質表示事件についてはすでに「指導」という措置を受け監督官庁の指導を受けています。事案について「公表」するという措置は免除されています。
以上のとおりでありますのでこのたびの通知は権限を超え、管轄を違えた何かの勘違いではないかと思いますので、よろしくご回収されますようお願い致します。
早急にご返事を頂きますようお願い致します。
(参考)
食品表示等の監督指導の権限については
JAS法、特に第23条等に記載されています。
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コメント
「食品の表示」については食品衛生法およびJAS法に基づき厚生労働省、農林水産省が所管しています。
また公正取引委員会が景品表示法に基づき所管しています。
したがいましてこれらの事案の立ち入り調査、命令、行政指導については所管官庁の都道府県や保険所の食品衛生担当課、各地方農政局および農政事務所表示・規格課、(独)農林水産消費技術センターが担当します。
また公取委の各地方事務所も対応し、各事案により、所管の三機関が合同で対応されます。
なお厚生労働省・農林水産省・公正取引委員会によるパンフレット「知っておきたい食品の表示」をIN上にアップされています。
したがいまして東洋町に食品衛生法、JAS法、景品表示法上の権限はありません。以上
投稿: 石尾禎佑 | 2011年7月11日 (月) 02時23分